一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会は本日(2016年7月11日),8月24〜26日に開催する
「CEDEC 2016」に関して,基調講演の情報を公開した。
基調講演には,カーネギーメロン大学の
金出武雄氏,「ドラゴンクエスト」などを手掛けたゲームデザイナーの
堀井雄二氏,スクウェア・エニックスの
齊藤陽介氏が登壇。金出氏は自身の研究についての内容や面白い体験談,堀井氏と齊藤氏は「ドラゴンクエスト」開発時のエピソードを語るという。
また,CEDEC公式サイトでは各セッションのタイムスケジュールが公開されている。現在公開されているセッション数は163で,最終的には200超になる見込みとのことだ。
日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス
CEDEC 2016基調講演が決定
カーネギーメロン大学金出武雄教授、「ドラゴンクエスト」堀井雄二氏、齊藤陽介氏
CEDEC2016テーマ:Now is the time!
会期:2016年8月24日(水)〜26日(金)
会場:パシフィコ横浜(横浜市・みなとみらい)
日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2016」(略称:CEDEC 2016、CEDEC=セデック:Computer Entertainment Developers Conference)の基調講演の講演者および講演テーマが決定しました。
本年の基調講演は、会期初日の8月24日(水)にカーネギーメロン大学ワイタカー記念全学教授金出武雄氏、8月26日(金)に「ドラゴンクエスト」のゲームデザイナー堀井雄二氏、株式会社スクウェア・エニックス齊藤陽介氏が登壇します。
金出武雄氏は、本年度の京都賞を受賞されるなど数々の賞を受けられたコンピュータビジョンとロボティクス分野の第一人者です。今回は「画像を調理する:面白く、役に立ち、ストーリーのある研究開発のすすめ」をテーマに、顔画像の解析・自動運転・多数のカメラを用いたステレオや画像メディア・バイオ細胞追跡・雨を消すスマートヘッドライトなど、さまざまな研究開発の中で出会った研究開発のストラテジー、哲学や体験談などを紹介いただけます。同氏は、本セッションを通じて「皆さん自身が研究をより楽しいと感じ、より生産性のあるものにするために役立つような何かを感じ取ってもらえればと思う。」と述べています。
ゲーム業界からは、1986年に第1作が発表された「ドラゴンクエスト」の誕生30周年を機に、ゲームデザイナー堀井雄二氏とエグゼクティブ・プロデューサー齊藤陽介氏が「今だからこそ聞きたいドラゴンクエストの開発にまつわる話」を事前に寄せられた質問に答える形で紹介します。事前の質問は、メールアドレスkeynote@cedec.jpにて、7月31日(日)まで受け付けます。
CEDEC運営委員会では、CEDEC公式Webサイトにおいて、各セッションのタイムスケジュールを公開しました。また、本日時点で公開しているセッション数は、一般公募で採択されたレギュラーセッション、招待セッションなど、合わせて163セッションです。最終的には、海外招待セッション、スポンサーセッション等とあわせて、昨年同様の200セッション超となる見込みです。
また、「レギュラーパス」の受講料が5,400円の割引きとなる早期割引受付期間は、今月末の7月31日(日)までとなります。詳しくは公式Webサイトをご覧ください。
【CEDEC 2016 基調講演】
※講演テーマおよび概要、講演者略歴(登壇順・敬称略)
※講演テーマ・内容は変更になる場合がございます。最新情報はCEDEC公式ウェブサイトでご確認下さい。
■8月24日(水)
金出 武雄(かなで たけお) カーネギーメロン大学 ロボット研究所 ワイタカー記念全学教授
<タイトル>
画像を調理する:面白く、役に立ち、ストーリーのある研究開発のすすめ
<概要>
研究開発に従事する人々に希望は何かと尋ねると、皆一様に「良い研究がしたい」と言う。それでは「良い研究とは何か」と尋ねられると、答えは結構難しい。
私は研究者の基本は、世の中に現実に存在する問題を解いて役に立つ、そして自分はその活動を楽しむことではないかと思う。
そういう研究にはストーリーとメッセージがあり、他の人々に理解させ追随させる力がある。このことは、私自身の顔画像の解析・自動運転・多数のカメラを用いたステレオや画像メディア・バイオ細胞追跡・雨を消すスマートヘッドライトなど、さまざまな研究開発‐多少の成功と失敗‐を通じての経験である。
この講演では、それらの研究の内容と、その中で出会った研究開発のストラテジー、哲学、面白い体験談などを紹介したい。皆さん自身が研究をより楽しいと感じ、より生産性のあるものにするために役立つような何かを感じ取ってもらえればと思う。
<略歴>
1974年京都大学で工学博士号取得後、同助手・助教授を経て、1980年に米国カーネギーメロン大学に移る。
1992〜2000年世界的に有名な同大学ロボット研究所所長。1998年よりワイタカー記念全学教授の称号を持つ。コンピュータビジョン、マルチメディア、そしてロボット工学において先駆的研究に取り組む。
主な研究成果には、1981年発表のMPEGなど動画像処理における最も基本的アルゴリズムとされるLucas-Kanade 法、1995年に最初にアメリカ大陸横断した自動運転車Navlab 5、2001年のNFLスーパーボウルで採用された30台以上のロボットカメラで270度の視野の映像を撮影するEye Visionシステム等がある。
受賞歴としては、京都賞、フランクリン協会バウアー賞、C & C 賞、大川賞、立石賞特別賞、ACM Allen Newell 賞、IEEE Robotics and Automation パイオニア賞、国際計算機視覚会議ローゼンフェルド生涯業績賞、船井業績賞、人工知能学会業績賞など。米国工学アカデミー外国特別会員。
■8月26日(金)
堀井雄二(ほりいゆうじ)ゲームデザイナー
齊藤陽介(さいとうようすけ)株式会社スクウェア・エニックス執行役員エグゼクティブ・プロデューサー
<タイトル>
ドラゴンクエストへの道〜ドラゴンクエスト30周年を迎えて〜
<概要>
今年はドラゴンクエスト30周年となります。それを記念しまして、事前にご応募頂いた「今だからこそ聞きたいドラゴンクエストの開発にまつわる話」にお答えできる範囲でお答えしていきます。また、当日は時間が許せば、会場にお越しの方からの質問にもお答えできるかもしれません。ご期待ください。
※本セッションでは、「今だからこそ聞きたいドラゴンクエストの開発にまつわる話」をテーマに講演者への質問を皆様から募集いたします。お名前(ペンネーム、ハンドルネームでも可)と質問事項を記載し、件名「今だからこそ聞きたいドラゴンクエストの開発にまつわる話」で、e-mailにて、keynote@cedec.jp宛に、7月31日(日)までにお送りください。
堀井雄二(ほりいゆうじ)ゲームデザイナー
<略歴>
1954年兵庫県生まれ。
早稲田大学第一文学部を卒業後、雑誌、新聞などのフリーライターを経て、1982年、エニックス(現スクウェア・エニックス)主催の「ゲームプログラミングコンテスト」入賞をきっかけにゲームデザイナーへの道を歩みはじめる。
1986年、シリーズ第1作目となる『ドラゴンクエスト』を発表。その3作目となる『ドラゴンクエストIIIそして伝説へ…』は、さまざまな社会現象を引き起こすほどの大ヒットとなり、以後、つねにゲーム業界の第一線で活躍している。なお「ドラゴンクエスト」シリーズは、これまで全世界で累計6,800万本以上売り上げている。
主な作品:「ドラゴンクエスト」シリーズ、「ポートピア連続殺人事件」、「いただきストリート」シリーズなど。
齊藤陽介(さいとうようすけ)株式会社スクウェア・エニックス執行役員エグゼクティブ・プロデューサー
<略歴>
1970年神奈川県生まれ。
神奈川大学経済学部卒業後、エニックスへ入社し、購買部にてドラゴンクエストグッズなどの生産管理業務を経た後、ゲームの制作部署に異動しプロデューサー職へ。
スクウェア・エニックスとなり第10開発事業部長、モバイル事業部長を兼任後現職。
主な作品:「アストロノーカ」「ニーア」シリーズ、「ドラゴンクエストX」「ドラゴクエストXI」など。