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古代祐三氏や日向悠二氏が世界樹シリーズ10周年を振り返る。新作情報も明かされた「世界樹の迷宮10周年締めくくりトークショー」をレポート
“世界樹大好き声優”としておなじみの川原慶久さんと村瀬 歩さんがMCを担当したこのイベントでは,同シリーズでサウンドコンポーザーを務める古代祐三氏,キャラクターデザインを担当している日向悠二氏,そして世界樹シリーズではディレクターを,「世界樹と不思議のダンジョン」2作品ではプロデューサーを務める小森成雄氏がステージに登壇。世界樹シリーズのさまざまな思い出や裏話について,自由なトークを繰り広げた。
開発時の絵コンテといった貴重な資料や,新作に関する未発表の情報なども明かされたイベントの模様をお伝えしよう。
「世界樹の迷宮」シリーズ10周年プロジェクト サイト
和やかな雰囲気で始まったイベントの最初のコーナーは,「世界樹10周年をトークで締めくくろう」。ここでは,これまでの作品に関する思い出について,出演陣がそれぞれの想いが語られた。
続いて披露されたのは,世界樹IIIの開発後,最初に描かれた「世界樹の迷宮IV 伝承の巨神」(以下,世界樹IV)のイラストだ。
日向氏によると,世界樹IIIの開発直後に描いたこの絵を基点に世界樹IVと「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」(以下,世界樹V)のキャラクターデザインはコンセプトが分岐しているとのこと。
世界樹IVは“アバター的である”ことをコンセプトとし,学園モノを意識した初心者冒険者,過去作のデザインを踏襲した冒険者,まったく新しい世界樹IVオリジナルである異種族の3カテゴリを,それぞれの職業の最もプレーンな状態で表現したもの。世界樹Vは“よりキャラクター的である”ことを重視し,職業としてある程度完成された,個性が際立った状態のものをイラストとし,どちらも同じイラストを基としながら違ったアプローチとなっていたそうだ。
そして,話題は古代氏へと移る。古代氏は世界樹シリーズと関わりだした時期,非常に創作のモチベーションが落ちていたとのことを明かした。
しかし「世界樹の迷宮」でFM音源の楽曲を扱ったことで,再び原点に立ち返り,自分自身を取り戻すことができたという。古代氏は世界樹シリーズへの想いとして,「世界樹は,その後の自分を救ってくれたタイトルの1つ」であると語った。
続いてのコーナーは,「川原慶久と村瀬 歩の世界樹Loft Radio」。Twitterで募集したおたよりや質問に答えつつ,川原さんと村瀬さんが世界樹シリーズに関するトークを繰り広げた。
世界樹シリーズに関するエピソードという話題では,川原さんは世界樹シリーズへの愛を常にアピールし続けてきたこと,そして村瀬さんは,初めて世界樹シリーズの仕事の説明を受けたとき,“ただのオタクのように興奮してしまった”という,2人ともに世界樹シリーズへの愛を感じる話が明かされた。
これに関して小森氏は,最初に川原さんと村瀬さんが世界樹シリーズ好きであることをスタッフから聞いたときのエピソードを語った。「社交辞令ではないか」と少し思ったが,すぐにスタッフから「いや,あれはマジの目でした」と言われたという。
続いて行われたのは,世界樹シリーズの開発に携わる古代氏と日向氏,小森氏の3名に対する質問コーナーだ。
「これまで制作した世界樹シリーズの楽曲の中で気に入っているものはなにか」という質問を受けた古代氏は,「よくこういう質問は聞かれるんですが,そのたびに困っています」とコメント。どんな楽曲も力を入れて制作しているということで,特別に何か1曲に対して思い入れを持つことはないそうだ。
それでもあえてなにかを選ぶとすれば,プレイヤーが最初に触れる第1階層の楽曲,そして作品のラストを飾る第5階層の楽曲,プレイヤーが何度も繰り返し聞くことになる通常の戦闘曲などが,各シリーズの気に入った楽曲であると述べた。
続いて質問を受けたのは日向氏。「デザインに一番時間がかかったキャラクターは何か」という質問に対し,日向氏は世界樹IIIの「プリンセス」と即答した。当初から世界樹IIIのメインに据えるキャラクターとして頭の中では形になっていたものの,いざ出力してみるとなかなか納得のいくイラストにならなかったとのことで,試行錯誤した結果,ゲーム中のイラストと初報のイラスト,パッケージイラストで全然違う印象を与える顔になってしまっていることを明かした。
また,日向氏は「僕の中では,世界樹Vがかなり大きい存在」と語り,これまでのキャラクターデザインの集大成だと述べた。世界樹Vでは世界観が一新されたため,まずは新たな要素である種族の特徴や年齢の幅などの基本的な情報を明確に提示して,新しい世界観を把握し没入してもらえるよう想定したデザインとなっているとのこと。
「キャラクターの展開として,世界樹IVまでの世界観と世界樹Vの世界観,それぞれをベースに広げていきたい」と,以降のシリーズに対する熱意を露わにしていた。
続いて行われたのは,再び「川原慶久と村瀬 歩の世界樹Loft Radio」のコーナーだ。
「出演者でパーティを組むとしたらどんな職業をやってみたいか」,というおたよりで,古代氏がやりたいと語った職業は,吟遊詩人「バード」のような支援役ではなく,攻撃的な役割を担う「ソードマン」。また,日向氏は職業ではなく「(世界樹Vに登場する種族の)ブラニーになりたい」と述べ,会場の笑いを誘っていた。
最後に行われたのは,「自由に世界樹への思いをブチまけるコーナー」。その名のとおり,世界樹シリーズに関する自由なトークが繰り広げられたこのコーナーでは,小森氏が古代氏に「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」(以下,新世界樹)のオープニング楽曲を依頼する際,アートディレクターを担当した笹津啓志氏によるラフイメージを渡したところ,古代氏がその画像をつなげて動画イメージにして返してきたというエピソードなどが明かされた。
イベントの最後には,世界樹シリーズの新作について,小森氏から新たな情報が明かされた。小森氏は,新作は制作中ではあるものの,まだ細かな情報を発表できない段階であることを述べたうえで,“ニンテンドー3DSでは最後の世界樹シリーズ”になること,“ユーザーの皆様の「もっと地図を描きたい」という声に応え,過去最大量の地図が描けるような作品にしたい”と考えていることを明らかにした。ナンバリングタイトルや新シリーズではない,これまでの集大成のようなお祭り的な作品とのこと。
また,作品のキャラクターデザインは日向氏,モンスターデザインは長澤 真氏,サウンドコンポーザーは古代氏と,従来のシリーズでおなじみの面々が制作を担当するとのことだ。
小森氏は新作への意気込みについて,世界樹Vの感想で「後半のイベントボリュームが減った」などの意見があったことを踏まえ,新作ではよりそういった部分に力を入れたいと語った。
シナリオに関わるスタッフを増員し,「真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」などでシナリオを担当したシナリオライターの葉月 陽氏の協力も得ながら,弱かった部分をより強化していくことを明かした。
新作について日向氏は,「自分の中では,ボーナスステージのような機会です。こういった作品を出せる機会があって本当によかった」と嬉しさを露わにし,新作のキャラクターイラストは従来のシリーズとは別のアプローチやコンセプトで取り組んでいると述べた。
詳細な情報の発表時期について,小森氏は「来年(2018年)の春ごろに,詳しい情報を皆さんにお伝えできると思います。楽しみにお待ちいただければと思います」とコメント。新たな期待に胸を躍らせる観客達で盛りあがる中イベントは終了した。
「世界樹の迷宮」シリーズ10周年プロジェクト サイト
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