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麻雀とスチームパンクとSwitch向け脱出ゲーム!? ゲームマーケット2018春の会場で見つけた気になるコーナーを紹介
国際公式ルールブックが人気! 「麻雀」コーナー
ゲームマーケットでは毎回,伝統ゲームコーナーが設けられる。これまでも「ドミノ」「バックギャモン」「ごいた」「将棋」といったものが出展されてきたが,今回は満を持して(?)の「麻雀」だ。
いまさら説明する必要のないほどメジャーな「麻雀」だが,このコーナーを担当していたのは「麻将連合」と「一般社団法人 日本健康麻将協会」。名前が「麻将」になっているが,読み方は同じ「マージャン」である。
これは「麻雀」とあえて区別し,“賭けることはせず頭脳スポーツとしてのマージャン”という意味を持たせたものになっている。東京大学卒のプロ雀士・井出洋介氏らが中心となり,日本健康麻将協会は一般への普及目的に,麻将連合はプロ団体として設立された。
日本健康麻将協会の戸構 亮氏によると,ゲームマーケット会場の特設コーナー向けに6卓用意したが,「午前中だけで70人くらいのお客さんが遊ばれていきました」と,常に満卓の状態であったそうだ。純粋に麻雀をゲームとして楽しんでいる人が多い印象とのことで,このあたりはゲームマーケット会場ならではなのだろう。
また初心者も多く来場し,麻雀をまったく知らないという人には,牌を7枚や4枚にして,まずはルールを覚えてもらうという形で遊んでもらうこともあるそうだ。
初心者向けといえば,ドンジャラなどから入るという手もあるかと思うが,戸構氏によると「子供向けに発売されている麻雀タイプのゲーム(「ドンジャラ」など)の場合,雀頭がないんですよね。麻雀の奥深さのひとつは雀頭にあると思っているので,初心者の方はまず面子1〜2つと雀頭で,役を作る楽しさと奥深さを知ってもらえればと思っています」と,麻雀でやる意義を語ってくれた。
また今回,この特設コーナーでは「中国麻将」と呼ばれる国際公式ルールも紹介されていた。これはリーチやフリテン,ドラがなく,「あがり」の条件が少し違うので,戦術も少し変わってくるという。この国際公式ルールをまとめた本を会場で販売したところ,瞬く間に売り切れたという。「どんなルールなのか興味を持ってくれた人が多かったのではないか」とのことだが,確かに「役が81種類ある」と聞くとどんなのものがあるか知りたい。興味のある人は「中国麻将」で調べてみよう。
麻将連合 公式サイト
一般社団法人 日本健康麻将協会 公式サイト
ゲームマーケットの一角がスチームパンクに!「日本蒸奇博覧会」
今回のゲームマーケットでとくに異彩を放っていたのが,特設コーナーのひとつ「日本蒸奇博覧会 in ゲームマーケット」だ。これはスチームパンクを題材にした,クリエイターよる展示即売会「日本蒸奇博覧会」が特別ブースとして出展されたもので,18もの出展者がズラリと並び,そのエリアだけまさに異空間な雰囲気を漂わせていた。今回は出展者の中から,しめ鯖氏とhandmano氏に話をうかがったので紹介しよう。
「幽玄一人旅団」のしめ鯖氏がスチームパンククリエイターになったきっかけは,オンラインゲームだったという。「ネトゲにハマりまくっていた時期があったのですが,その影響もあって自分でRPGの装備品みたいなものを作ってみたくなったんです」とのことだが,この全身写真を見てもらえれば本当にRPGの世界から出てきたようだと誰もが思うはずだ。
ブースの前を通り過ぎる人も「あれ? 本物の人だったの? 大きな人形かと思いました……」というほど凝った作り。多くの人が写真に収めていた。
この日はペットボトルケースやペストマスク,また世界中の遺跡や廃墟の写真をまとめた本を出展。しめ鯖氏は,コミティアや資料性博覧会など,いろいろな即売会に参加しているそうなので,見かけたらこの出で立ちをぜひ間近で確認してみてほしい。
続いては,スチームパンクなデザインでありながら実用性の高い商品を作っているhandmano氏。物販を始めるようになったのは4年ほど前からだそう。「小さいころからプラモデルとか工作が好きでした」とのことで,ロボットや機械が大好きという流れからスチームパンクの世界観に惹かれるようになったという。
handmano氏は,「最初は趣味で,スチームパンクガンとかガジェット系のものを作ってました。こうして物販をするようになってからは,実際に身につけられるもの,実用性の高いものを作るようにしています」と話しており,鍵型パスケースや,スパナ型扇子ホルダーなど,ユニークかつ実用なものが多く展示されていた。
こうして物販をやってきた経験上,「少し前だったらスチームパンクという言葉も知らない人が多かったのですが,今日はゲームマーケットなので,スチームパンクの世界観はよく分かっている人が多く,皆さん熱心にチェックされてますね」と手応えを感じていたようだ。
さて,いかがだろうか。アナログゲームにもスチームパンクを題材とする作品は多く存在し,ゲームマーケットとスチームパンクは比較的相性がよい。高額商品が多いながらも人の流れは常にあったようだ。こうした試みはゲームマーケットの幅を広げる一環になりそうなので,次回も異業種(?)コラボ特設コーナーに期待したい。
紙と鉛筆で脱出ゲームを楽しむNintendo Switch用ソフト「マドリカ」(仮題)
最後に,ギフトテンインダストリのブースで限定の試遊会が行われたNintendo Switch向けゲーム「マドリカ」(仮題)を紹介しよう。
同社はこれまで「アニュビスの仮面」「モニャイの仮面」といったVRとボードゲームを組み合わせたタイトルを発表してきたが,今回はNintendo Switchと紙と鉛筆を使った脱出ゲームを作ったという。
とある屋敷に閉じ込められたプレイヤーたちは,その屋敷のどこかにいる魔物を倒して脱出しなければならない。魔物を倒すための魔法が屋敷に隠されているので,それを見つけることがゲームの大きな目的だ。
ようするに「リアル脱出ゲームをNintendo Switchを使って遊ぶ」という説明がいちばん分かりやすい。今回は集まった4人で2問ほど解いたのだが,みんなで協力して作業分担しながら少しずつ答えに近づいていく……というこの感覚は,実際の脱出ゲームにかなり近い。
謎解きがメインになるので,具体的なゲーム内容には言及できないが,ネタバレにならない程度にその雰囲気をお伝えしてみたい。
Nintendo Switch側のスタート準備ができたら,まず間取りが書かれた1枚の紙を渡される。Nintendo Switchの画面を見ると,どこかの部屋の中央に立っていることになっていた。画面右上には制限時間が表示され,30分以内に脱出しなければならない。
ちなみにゲーム内ではコントローラを使った移動はできず,その場で辺りを見渡すことしかできない。フロアを移動するには,部屋に隠された魔法を見つけなければならないのだ。
基本的にゲーム内で見つけていくものは魔法のコマンドとなる。コマンドをひとつ見つけてそれを実行していくことで,少しずつ道が開いていくようになっている。フロア移動の魔法を中心に,筆者が体験した中では「とおし」(透し)の魔法,なんていうのもあった。最後に魔物を倒すための魔法を見つけ,それを魔物の目の前で唱えて倒せばクリアとなる。
ということであたりをキョロキョロと見渡していく。いくつかのヒントを組み合わせてみると,「A・B・→・↓」という4文字が判明。「これが何の魔法なのか分かりませんが……とりあえず入力してみます?」と操作担当が早速魔法を実行。順番どおりにボタン操作すると魔法が発動し,フロアを移動した。だが,どのフロアに移動したのかまでは画面に表示されない。
そこで部屋を見渡し,間取りと見比べてみると「あ,ここは4階ですね」ということが分かった。見渡すと真後ろに魔物がいたが,まだ倒すための魔法を入手してないのでスルー。見上げてみると,壁の上のほうにも何やらヒントらしき文字列が書いてる。これはいったい?……なんていう感じで進めていく。
この「マドリカ」(仮題)は,ニンテンドーeショップでのダウンロード専用ソフトで,問題数は25問ほど用意されるようだ。間取り図はゲーム内で案内されるサイトからダウンロードして自宅またはコンビニのプリンターで印刷,ないし公式サイトから印刷セットを購入するといった方法で入手できる。基本的には間取り図がなくても解けるように設計しているとのことだが,何問かは間取り図必須な問題も用意する予定だという。
配信予定日は2018年夏で,価格は1500円。ひとりでも遊べないわけではないが,4人くらいで遊ぶといちばん盛り上がりそうだ。リアル脱出ゲームファンはもちろん,未体験の人にもぜひ遊んでほしい。
「ゲームマーケット」公式サイト
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