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「esports 銀座 school」学校説明会の親子体験レポートをお届け。eスポーツの勉強と高校との両立は? 保護者として気になる点も確認してきた
同スクールでは,2021年6月に2022年度の生徒募集が始まっており,実際の授業の一部を体験できるスクール説明会が随時行われている。その説明会に,ゲーム好きの中学生の息子とともに参加したので,保護者視点での体験レポートをご紹介していこう。
「esports 銀座 school」公式サイト
eスポーツは選手だけではない。拡大する業界を支える人材育成が目標
受付で入館証を受け取り,エレベーターでesports 銀座 schoolのあるフロアまで上がると,そこには座学を行う「講義ルーム」や,最新のゲームPCやコンシューマ機が完備された「実技ルーム」,自習や食事,休憩などができるフリースペースが。また,別のフロアには,さまざまなeスポーツイベントにも活用されている本格的なスタジオ「esports 銀座 studio」があった。
説明会は,最初に講義ルームに案内され,そこで簡単な概要が説明されたのち移動した実技ルームにて行われた。
esports 銀座 schoolの出願資格は中学校卒業以上が対象。今回の説明会は中学3年生向けだったこともあり,参加者は全員親子での参加だった。なお,説明会には中学3年生未満も参加が可能だったため,生徒の年齢層は幅広く,また同日には社会人向けの学校説明会も行われていた。
説明会では,最初にKONAMIのスタッフから,現在のeスポーツ業界の動向を交えながら,esports 銀座 schoolの概要などが紹介された。
「eスポーツ業界で活躍するeスポーツ選手に求められているのは,たんにゲームの強さだけでなく,発信力のある人物」という考えもあるというスクールでは,プロゲーマーとしてはもちろん,解説や実況,大会運営,イベントプランナー,ストリーマーなど,eスポーツを取り巻くさまざまな職業に対応できる人材を送り出すためのカリキュラムが考案されている。
カリキュラムにはプレイヤーとしての実技のほか,動画編集と配信,イベントの企画や運営,さらにはセルフプロデュースといった授業も盛り込まれているとのことで,最初から大会運営やプランナーの道を志望する生徒はもちろん,プロゲーマーとなった生徒が一線を退いたのちに迎えるであろう“セカンドステージ”についても考えられているようだ。
プロ野球などのフィジカルスポーツ同様,どれほどのトッププレイヤーでも引退のときを迎える。ピークや年齢以外にも,肩や肘などの故障といった理由でそれを決断することもあるだろう。そんな,一線を退いたプレイヤーの次なる舞台として,大会の記事執筆や解説者といった道があるが,現状「eスポーツの解説や実況をちゃんとできる人は数人ほど」とのこと。その数人の解説者や実況者に合わせて大会スケジュールが決定される例もあるという。こういった現状も鑑みての教育方針なのだろう。
プロチームとともに練習できる「合同トライアウト」を実施
esports 銀座 schoolの2021年度のゲーム実技タイトルは,「eFootball ウイニングイレブン 2021」「パワフルプロ野球2020」「フォートナイト」「PUBG MOBILE」(iOS / Android)という4タイトル。とくにPUBG MOBILEは,2021年に国内初のプロリーグ「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」(関連記事)が開催されたことで,プロゲーマーになれる可能性のあるタイトルだと考えているようだ。
実技に関しては,DetonatioN GamingとZETA DIVISION(2021年7月8日にJUPITERより改名)がカリキュラムに協力しているうえ,レバ氏,MimoriN氏,ちょぶり氏をはじめとした現役プレイヤーやコーチが講師として指導してくれる。
さらに2021年12月には,プロチームと提携した合同トライアウトの実施が予定されており,審査に合格した生徒は1年間,DetonatioN GamingやSCARZの練習生としてプロとともに技を磨くことができるという。実施されるタイトルは「eFootball ウイニングイレブン 2021」「フォートナイト」「PUBG MOBILE」で,プレイヤーのほか,ストリーマー,アナリストも対象になっている。
通信制高校との提携で高卒の資格が得られるコースも
esports 銀座 schoolのカリキュラムは月曜から金曜,朝から夕方までに組まれているため,全日制の高校に通いながらの通学はできない。ただ,通信制高校である第一学院高等学校との提携により,eスポーツの専門的な知識やスキルを修得しながら高卒資格の取得を目指す方法もある。
例えば,中学を卒業後にesports 銀座 schoolと第一学院高等学校へ同時入学する「eスポーツコース」を選んだ場合,日中はesports 銀座 schoolに通いながら,高校での勉強はインターネットによる通信制で受ける形で,eスポーツ中心の高校生活が送れる。さらに大学卒業を目指すコースなどさまざまな種類があり,1年目はeスポーツに没頭し,2年目以降は大学卒業を目指すコースに進むといった進路選択もあるとのことだ。
※お詫びと訂正(2021年8月4日19:00追記)
初出時,通信制高校での勉強を高等教育と記載しておりましたが,後期中等教育の間違いです。お詫びして訂正いたします
ゲーム好きの中学生をもつ親として「ひとつの道」を提示したい
今回,説明会に参加した中学生の息子は,毎日のように友だちとオンライン対戦ゲームを楽しんでいる。YouTubeやWebサイトなどで日々攻略を研究しており,最近は動画配信にも興味を持ち始めた。
親としても,ゲームの楽しさは十二分に知っているし,そこで体験できることや学べることの大切さは,自身の経験からも理解している。しかし,子どものうちからゲーム漬けになるのはやはり心配だ。ゲームをプレイするだけに留まらず,ゲームをきっかけに多くの物事に興味を持ち,もっと広い世界に向けてアンテナを広げていってほしいと願っている。
そんな思いを持ちながら説明会に参加したわけだが,今回聞いた話によると,2020年の1期生には「自分の好きなことを仕事にするために」進学を決めた元自衛隊員や,「スクールで学んだことを糧に,海外と日本のeスポーツ業界の懸け橋になりたい」と考え,海外留学という新たな目標を持った人がいたという。
また,設備やカリキュラムに納得するとともに,eスポーツプレイヤーならではの厳しさや,いまeスポーツ業界に必要とされていることへの理解を深められた。説明会は,入学希望者の子どもはもちろん,その保護者にとっても「eスポーツは,たんにプロプレイヤーだけが活躍する場ではなく,大会や運営を支える人,ひいてはeスポーツ業界全体が盛り上がる必要がある」ということを知るきっかけになるだろう。
eスポーツ業界は近年,急速に注目されるようになったため,我々(保護者)の世代においてはまだ認知度は低く,「ゲームなんて……」という先入観を持つ人も少なくない。しかし,今後マーケットがますます大きくなるにつれて,さまざまな人材が求められることになるはずだ。
「子どもが興味を持っている」という保護者の方は,“子どもの可能性のひとつ”として人材育成の現場を体験してみるのもいいと思う。
中学生の率直な感想は?
保護者の視点だけではなく,当事者である子どもの意見も重要だろう。ということで最後は,一緒に説明会に参加した息子の感想をお届けしよう。
まず,「eスポーツの世界のことを詳しく知ることができて,一口にeスポーツと言っても,こんなにいろいろな職業もあるんだと思った」と話してくれた。なお,面白そうだと思ったのは「実況者」と「大会運営」だったという。
また,「eスポーツ選手は,活躍できる年齢が限られているから,やるならその前に始めなきゃいけない。早く始められるならそれに越したことはないよね。これまでeスポーツのスクールがあるなんて知らなかったし,実際に内容を聞いてみると,思った以上に本格的で驚いた。まだ将来の事は決めきれず,考えている部分もあるけれど,こういう道があるならやってみたいと思えるようになった」と,中学生なりに感じたことも語ってくれた。
今回の体験授業ではプロゲーマーのテクニックを見る機会はなく,その点については「エイム練習もいいけど,プロのテクニックを見たかったし,ほかの参加者と対戦もしてみたかった」と少々残念そうにしていたが,自身の道を決めるうえでいいきっかけとなってくれたかもしれない。実際に入学するかは分からないが,保護者としても参加した意味をあらためて感じられた。
2022年度の生徒募集に合わせて,esports 銀座 schoolでは「第一学院高等学校eスポーツコース」の説明会や体験会が随時行われている。興味のある方は,こちらに参加してみてeスポーツの人材育成の現場を覗いてみてはいかがだろうか。
「esports 銀座 school」公式サイト
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