コンピュータエンターテインメント協会は本日(2021年8月25日),
「CEDEC AWARDS 2021」の各部門の最優秀賞を発表した。「CEDEC AWARDS 2021」は,開催中のゲーム開発者向けのカンファレンス
「CEDEC 2021」の受講者および講演者の投票によって決まる賞で,ゲームなどの開発の進歩に顕著な功績のあった技術に焦点を当て,技術面から開発者の功績を称えることを目的としている。
今年のエンジニアリング部門で最優秀賞を受賞したのは,セガ・龍が如くスタジオで
「ドラゴンエンジン」を開発したチームで,ビジュアルアーツ部門はSucker Punch Productionsの
「Ghost of Tsushima」開発チームが選ばれた。ゲームデザイン部門は,
「天穂のサクナヒメ」のえーでるわいずに,そしてサウンド部門の最優秀賞はビジュアルアーツ部門と同じSucker Punch Productionsの「Ghost of Tsushima」開発チームに贈られるとのこと。
なお,
8月10日に掲載した記事でお伝えしたように,「CEDEC AWARDS 2021特別賞」には,PlayStation 4とPlayStation 5のリードアーキテクトなどを務めた
マーク・サーニー(Mark Cerny)氏が選ばれている。
例年なら,CEDEC会場で発表および授賞式が開催される予定だが,昨年に引き続きオンライン開催ということで,残念ながら実施は見送られた。受賞理由など,詳しくは以下のリリース文を参照してほしい。
技術面からゲーム開発者の功績を称える
「CEDEC AWARDS 2021」
CEDEC2021 受講者、講演者の投票により、
各部門の最優秀賞を決定!
日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「CEDEC2021」(CEDEC=セデック:Computer Entertainment Developers Conference 主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスし、技術面から開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS 2021」の、各部門の最優秀賞を決定しました。
「CEDEC AWARDS」は、先に発表した各部門の優秀賞の中から、CEDEC2021の受講者、講演者の投票を経て、CEDEC運営委員会により栄えある最優秀賞を決定するCEDEC2021の関連イベントです。なお、本年は昨年に引き続きオンライン開催のため、例年CEDEC会場内で行っていた発表・授賞式は行いません。
また、過日発表したとおり、コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した方を表彰する「特別賞」は、歴代プレイステーションの設計・開発に深く関わられ、素晴らしいゲーム体験を提供し続けているマーク・サーニー氏に決定しました。
最優秀賞およびCEDEC AWARDSの詳細は、CEDEC2021公式Webサイトをご覧ください。https://cedec.cesa.or.jp/2021/event/awards
■CEDEC AWARDS 2021 最優秀賞
【エンジニアリング部門】
対象技術 |
業界の技術発展に貢献したQA支援システムの開発技術やノウハウ |
受賞者 |
龍が如くスタジオ ドラゴンエンジン開発チーム(株式会社セガ) |
授賞理由 |
開発現場、ビルドエンジニア、QAエンジニアが連携し、自動化ツールやプロジェクト管理ツールを組み合わせる事で統合的なQA支援システムを開発。その開発技術やノウハウを多数共有し業界の技術発展に貢献したことを評価。 |
【ビジュアルアーツ部門】
対象技術 |
日本人の感情に訴えかける力をもった総合的なビジュアルクオリティ |
受賞者 |
『Ghost of Tsushima』開発チーム(Sucker Punch Productions) |
授賞理由 |
黒澤映画へのリスペクトと”和”の魅力を深く堪能させてくれる、高品質なビジュアル。四季の表現、時間経過、天候変化、全てが美しい。アニメーションも高い技術力でストーリーと共に感情に訴えかける力があった。時代劇に没頭させてくれる、総合的なビジュアルとアニメーションの高い品質が評価できる。 |
【ゲームデザイン部門】
対象技術 |
ゲームとしてニッチな分野に強く光を当てたテーマ選択とこだわり |
受賞者 |
えーでるわいす(えーでるわいす) |
授賞理由 |
稲作というニッチなテーマを突き詰めて突き詰めて見事にゲームとして成立させたこだわりとデザインは非常に秀逸。そのニッチなテーマだけに頼ることなく、全体的なゲーム性のバランスも取れている。どんなニッチな分野でもこだわりとデザインを丁寧に行うことで、ゲームとして成立しうるという見本となり、これからの新たなテーマ開拓に勇気を与えてくれた。 |
【サウンド部門】
対象技術 |
異国の歴史を題材とした作品を現地の人間がプレイして違和感の無い水準で完成させているサウンド演出 |
受賞者 |
『Ghost of Tsushima』サウンド開発チーム(Sucker Punch Productions) |
授賞理由 |
異国(日本)の歴史、芸術、文化をSIEの全面バックアップを受けつつ真摯に調査し、現地の人間(日本人)がプレイしても違和感なく没入出来るような台本作成、ボイスディレクション、楽器の使用といった非常に難易度の高いローカライズを達成している点を評価。 |
■CEDEC AWARDS 2021 特別賞
授賞者 マーク・サーニー氏
授賞理由 歴代プレイステーションの設計・開発に深く関わられ、素晴らしいゲーム体験を可能とするプラットフォームを提供するとともに、「クラッシュ・バンディクー」や「ラチェット&クランク」といったプレイステーションを代表する多くのヒット作の制作にも参画してきた。ハード・ソフトを問わず”遊び”を常に最先端でリードすることで、ゲーム産業の発展を支え、業界をけん引し続けている。
略歴 2020年にソニー・インタラクティブエンタテインメント史上最大の規模でロンチした最新機プレイステーション 5を含む、近年のPlayStationプラットフォームのリードシステムアーキテクト。ビデオゲーム業界で40年近くのキャリアを持ち、37のコンソールゲームおよびアーケードゲーム作品でゲームデザイナー、プログラマー、プロデューサー、ディレクターを務める。手がけた作品には『クラッシュ・バンディクー』、『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』、『ラチェット&クランク』、『RESISTANCE〜人類没落の日〜』、『KNACK』、『人喰いの大鷲トリコ』、『Marvel's Spider-Man』、『DEATH STRANDING』、『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』、『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』など歴代のプレイステーションで高い評価を受けた独占タイトルが含まれる。
1998年、自身のコンサルタント会社であるサーニーゲームズを設立。
2004年、International Game Developers Associationの生涯功労賞を受賞し「コラボレーションの達人」、「何でも屋」と称されている。
2010年、Academy of Interactive Arts&Sciencesの13人目の殿堂入りを果たす。