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NetEase GamesはGDC 2022で計26回の講演を実施。“武侠”やAI活用,アクセシビリティデザインなどがトピックとなった主な講演の概要を公開
北米時間3月20日から25日にかけて開催されたGDC 2022で,同社史上過去最多となる計26回の講演を行ったというNetEase Games。今回はその中から,いくつかの主な講演の概要が公開されている。トピックは,中国ゲームにおける「武侠」のとらえ方や,東洋剣戟サバイバルアクション「NARAKA: BLADEPOINT」のプロトタイプ制作からリリースまで,AI活用,アクセシビリティデザインなどとさまざまだ。
自社が生み出したゲーム開発プロセスに関する技術のメリットを紹介する――という点をGDC 2022で重要視したというNetEase Games。紹介したような高度な技術と先進性はすべて,同社の若くやる気に満ちた従業員によって生み出されたという。GDC 2022が閉幕し,それぞれの講演はオンラインで公開されている(各リンクは本稿末尾のリリース文に掲載)。
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4GamerのGDC 2022記事一覧
ビデオゲーム開発におけるAI技術の活用を提案
NetEase Gamesは、GDC 2022で当社史上最多となる計26回の講演を行い、ビデオゲーム開発プロセスに関する豊富な知識を世界中の人々と共有しました。
中国のインターネット、オンラインゲーム大手NetEase, Inc. (NASDAQ: NTES, HKEX: 9999, "NetEase") は、世界最大規模のゲーム開発者会議「Game Developers Conference (GDC) 2022」で、当社史上最多となる計26回の講演を行いました。NetEase Gamesの代表者らが登壇し、ビデオゲームにおける「武侠」の描写、ビデオゲーム開発を容易にするためのAI活用、そしてNetEase Gamesのゲームにおけるアクセシビリティデザインへのアプローチなどのトピックを取り上げました。
主な講演の概要は以下のとおりです。
東洋のナラティブ:中国ゲームにおける「武侠」のとらえ方
「東洋のナラティブ:中国ゲームにおける『武侠』のとらえ方」と題し、NetEase Gamesの副総裁 胡志鵬と UXディレクター 劉勇成が講演を行いました。「武侠」には、中国武術や中国神話、超能力など、中国ならではの特徴的な要素が数多くあります。「武侠」らしさを感じさせるためには、武術(剣術や槍術を含む)や中国という舞台設定以上に、主人公の外見、戦闘能力の性質、周囲の人々や世界との関係などの要素が重要になります。本講演では、ゲーム業界における「武侠」ジャンルの成長、「武侠」の最も重要な要素を理解する方法、「武侠」にそぐわない要素を入れない方法、そしてゲームにおける本格的な「武侠」ストーリーの作り方について説明しています。
講演はこちらでご覧いただけます:Oriental Narrative: How to Understand “SWORDSMEN (WUXIA)” in Chinese Games
「Naraka: Bladepoint」――プロトタイプからリリースまで:近接アクションとバトルロワイヤルゲーム
「『Naraka: Bladepoint』――プロトタイプからリリースまで:近接アクションとバトルロワイヤルゲーム」と題し、NetEase GamesのUI & UXデザイナーの張志剛と林景涵が講演を行いました。「Naraka: Bladepoint」は、武術戦闘とパルクールを駆使した60人対戦型のバトルロワイヤルゲームで、世界を席巻しています。「Unchained」という用語は、「Naraka: Bladepoint」の開発者たちがゲーム制作中に使用していた言葉で、プレイヤーが無制限に戦えることを意味します。近接アクションと遠距離武器のバランス、何度プレイしても飽きないゲーム性、プレイヤーの楽しみを損なわない死と復活のメカニズムなどが、開発者たちの課題でした。本講演では、遠距離武器が主流であるジャンルに近接アクションを導入するために、チームがどのような試行錯誤を行ったかについて詳しく説明しています。「Unchained」メソッドによってこうした問題が解決され、「Naraka: Bladepoint」は世界中のゲーマーに愛されるタイトルとなっています。
講演はこちらでご覧いただけます: 'Naraka: Bladepoint' -- From Prototype to Release: Melee Combat and Battle Royale Games
マイノリティ・ケア:色の認知度をハードルとさせないために
「マイノリティ・ケア:色の認知をハードルとさせないために」と題し、NetEase Games のUI&UXデザイナー 龐晟立が講演を行いました。ゲームでは、キャラクターの体力やアイテムのレア度などを「色」を使って表現することが多く、重要な役割を担っています。しかしその場合、色覚に障がいのあるプレイヤーにとって、アイテムやステータスの違いが分かりにくいという問題も発生します。本講演では、プレイヤーのニーズに合わせた視認性の選択肢を提供するためのアクセシビリティデザインと、今後のプロジェクトにおいてこれらの問題を軽減するための、デザイン要素の見直しについて説明しています。
講演はこちらでご覧いただけます: Minority Care: Make Color No Longer a Cognitive Disability
レースゲームにおける強化学習を活用した効率的な車両・路面設計
「レースゲームにおける強化学習を活用した効率的な車両・路面設計」と題し、NetEase GamesのAIラボのシニアAIエンジニア 魏明高が講演を行いました。この講演では、多数の車両が登場するドライビングゲーム(今回はPCおよびモバイル端末向けの「Racing Master」)において、レーシングコースのテストに関する問題を、AIベースの強化学習を活用して解決する取り組みについて説明がされました。このシステムを使えば、強化学習によって1時間に50台の車両を1つのコースでテストすることが可能になり、手作業によるテストを大幅に削減できます。車両とモデルコースのファイルを同時にAIでテストし、車両がさまざまな変数を使用して最速でコースを走り切ることを試みていきます。開発者はその結果を見て、各コースの最適なタイムを算出することで、コーナーの難度を判断し、ゲームに実装する前に改善を図ることができます。
講演はこちらでご覧いただけます: Reinforcement Learning for Efficient Cars and Tracks Design in Racing Games
AIアニメーター:リアルタイム動作補完システム
「AIアニメーター:リアルタイム動作補完システム」と題し、NetEase GamesのAIラボのシニアAIエンジニア 段穎琳が講演を行いました。本講演では、ゲーム内のキャラクターアニメーションを1フレームずつ個別に構築したり、膨大なアニメーションのデータを維持したりすることなく、AI技術を用いて作成する手法について説明されました。この新しい手法は、プロのアニメーターから一般の方まで幅広く利用できるもので、シームレスなアニメーションが簡単に作成できるようになります。この技術により、コンピュータがキーフレーム間で必要なものを推定し、アニメーションの作成時間を大幅に短縮できます。また、Mayaのプラグインを使用すると、作成したアニメーションをさらに洗練できます。このように本講演では、より短時間で滑らかなアニメーションを作成するためにNetEase Gamesが進めているAI活用の進歩を紹介しました。
講演はこちらでご覧いただけます: AI Animator: A Real Time Motion Completion System
低リソースで使いやすいカットシーンのプレビューツール
「低リソースで使いやすいカットシーンのプレビューツール」と題し、NetEase GamesのAIラボのAIエンジニア 欧文傑が講演を行いました。ゲームのカットシーンのデザインは、視聴者に正しい意味を伝えるために、ディレクターとアーティスト、プログラマーとの間で、何度もやり取りをする必要があり、それは長いプロセスになりがちです。また、ディレクターの指示で変更する場合、その変更の実装にも時間がかかるうえ、将来的にさらなる変更が必要になる可能性もあります。今回の講演では、開発者が短時間でカットシーンのモックアップを簡単に作成できる、5つのプラグインを備えた「カットシーン・プレビューツール」を紹介しました。5つのプラグインは、Story to Script Technology(ストーリーからスクリプトテクノロジーへ)、Script Emotion Analysis(スクリプト感情分析)、Emotional Speech Synthesis(感情的音声の合成)、Speech Animation Generation(スピーチアニメーションの生成)、Emotional Action Mapping(感情的アクションマッピング)です。これらのツールを組み合わせることで、スクリプトをセクションごとに実装し、さまざまな感情の幅を持つボイスを作成し、シーンに関連する身体や顔の動きに適用することができます。開発チームは、これらのツールを使ってカットシーンのプロトタイプを素早く作成して確認することで、その先でさらなる変更を加えることなく実制作へ移行できるようになります。
講演はこちらでご覧いただけます:An Easy-to-Use Cutscenes Preview Tool with Low Resources
NetEase Gamesの最先端研究開発への取り組み
NetEase GamesがGDC 2022において重要視したのは、当社が生み出したゲーム開発プロセスに関する技術のメリットを紹介することでした。AIやディープラーニングによる制作時間の短縮は、すべてのスタジオで活用できるものです。NetEase Gamesはゲーム開発の負担を軽減するための方法を数多く考案しており、業界関係者は、当社が発表したアイデアを自身のプロジェクトに落とし込むことで効率化を図ることができます。
これらの高度な技術と先進性はすべて、NetEase Gamesの若くやる気に満ちた従業員によって生み出されています。NetEase Gamesでは、社員一人一人の声を大切にし、社員が互いにコミュニケーションを取り合い、会社の目標や戦略について全員が情報を共有できるよう、複数の窓口を用意しています。
NetEase Gamesの基盤は、多様性と包括性によって築かれています。これは、当社が海外展開を進め、世界各国で多くの従業員を採用していく過程で、ますます重要性を増しています。NetEase Gamesでは、すべての従業員が革新者となり、既存の問題に対する独自の解決策を見出すことを奨励しています。例えば、MINIトレーニングプログラムは新卒者の研究開発能力を向上させるよう設計されており、参加者には独自のプロジェクトを開発する機会が与えられます。そのうちのいくつかは、Identity Vなど実際のゲーム作品となって展開されています。
NetEase Gamesは、人材育成と業績向上のための投資を通じて、従業員の潜在能力を最大限に引き出す努力を続けており、ATD(Association for Talent Development)からBEST 2022 Award for Talent & Developmentを授与されています。
GDC 2022が閉幕し、その個々の講演がオンラインで公開されました。NetEase GamesのGDC 2022での発表が何かのヒントとなり、当社の生み出した技術が少しでも視聴者の皆様のお役に立つようでしたら幸いです。
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