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コレクターやファン以外も「レトロゲーム」を売り買いする時代に。一般層の多いブックオフに最近の動向について話を聞いた
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印刷2023/09/27 08:30

企画記事

コレクターやファン以外も「レトロゲーム」を売り買いする時代に。一般層の多いブックオフに最近の動向について話を聞いた

 ファミリーコンピュータやスーパーファミコンなどを中心とした昭和のレトロゲーム。以前から,リアルタイムで遊んでいた層やマニア,コレクターなどが買い集めたりしていたが,ここ数年は海外の人からの人気も高い。

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 またTVのゲームバラエティ番組や,ゲーム配信者の実況プレイで扱われることもあってか,最近はZ世代をはじめとする若い人が,買い求めてプレイすることもあるようだ。

 レトロゲームを取り扱っているのは,専門店である駿河屋やスーパーポテトなどが有名だろう。また,専門店にはラインナップが劣るものの,さまざまな中古品の買取や販売を行っている,ハードオフやブックオフなどでも,レトロゲームのコーナーを見かけることがある。

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 ブックオフにおいては,本格的に参入したのはここ数年内のこと。それもあってか,ゲームにそれほど詳しくない“一般層”がレトロゲームの売り買いに訪れる事が多いという。
 そこで,ブックオフから見た“昨今のレトロゲーム事情”などについて,ゲーム担当者と,同社では比較的レトロゲームの扱い数が多い,立川駅北口店のゲーム売場担当者に話を聞いた。
 2020年から2023年の買取や販売点数の変化なども教えてもらったので,これらの情報をまとめた形にしてお届けしよう。

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「ブックオフ」公式サイト



レトロゲームに本格的に取り組むようになったのは2020年頃


 ブックオフがレトロゲームに力を入れるようになったのは,今から3年ほど前だ。それ以前も現行機のソフトとあわせて取り扱ってはいたものの,専門店のように“ソフトのレア度や人気度”などに合わせた価格の設定は行っていなかった。
 ファミコンならファミコン,スーファミならスーファミという大きな括りで扱われるので,貴重なソフトも安値で買取られることも。その価値を“知っている人”は売りに来ないため,在庫も増えず専用のコーナーも基本的になかったのである。

逆に市場価値が高いものでも安く売っていることがあり,“知っている人”はお宝探し気分で訪れることもあったようだ
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 しかし,現行機のソフトの扱いだけでは顧客ニーズに応えられないと感じたゲーム担当者。昨今のレトロゲーム人気なども無視できないと思い,専門店に近い形で取り扱っていくことにしたそうだ。
 超希少なレトロゲームの扱いや買取金額などの面では,まだ専門店には及ばないものの,現在は市場価値に近い買取を実施。商品も充実してきており,東京の立川駅北口店と町田中央通り店などでは広いコーナーも設置されるようになった。

●いまなお家庭に多く眠るレトロゲーム


 ブックオフ立川駅北口店の場合,買取に訪れるのは,昔ファミコンやスーパーファミコンで遊んでいたであろう30〜40代の男性や,小さな子供を連れた家族連れが多いそうだ。“ゲーム好き”といった感じではなく,持ち込んだソフトの価値も知らないような雰囲気だという。

 家族連れの場合,祖父母の家に遊びに来た家族が,家にあった不要なゲームソフトを売って,代わりに孫のために現行機の中古ソフトを買っていくこともあるらしい。この辺り,専門店の客層とはずいぶんと違う。

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購入する層も,30〜40代の男性が多いらしい。また外国人もよく足を運んでくるという

 少し話が逸れるが,同社が知る廃棄業者によると,毎年数tレベルで大量の古いゲームソフトが捨てられているという。「遊んでいた子供が大きくなったので,いらなくなった“古い玩具”」といった扱いを受けることが,まだまだ普通なのであろう。
 また「リユースを利用する人は意外に少ない,特に買取」とブックオフの担当者が話していたので,「お金になるかもしれないけど,面倒だから捨ててしまおう」といった人も多いのかもしれない。

 世にあるレトロゲームは,決して増えることはない。商品としてもだが,大事なひとつの文化として,ひとつでも多く遺していくことが大事になるのではないかと思う。

●買取依頼は当時の人気タイトルが多い


 一般層の買取依頼が多い同店は,持ち込まれるソフトも当時人気だったものが多い。特に「マリオ」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズ,「FF」シリーズ,「ストリートファイターII」をよく見るという。
 ゲームボーイの「ポケットモンスター」シリーズも多いらしいが,こちらはパッケージや取扱説明書を含んだ美品だと,かなりの高値になる。

 数は多いものの,プレイヤーは子供が多いので,綺麗に使用していた人が少ないからであろうか。買取金額を聞いてびっくりする人もいるらしい。
 うちにある「ポケットモンスター 緑」(箱,取説,チラシあり)も査定してもらおうと思ったが,中を見たら「赤」が入っていた。緑のソフト,どこだ。

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店頭には4万円を超えるものも

●ファミコンやスーパーファミコンのソフトが主流


 どのゲームハードのソフトの買取が多いかというと,やはりファミコンやスーパーファミコンだという。次点はゲームボーイやNINTENDO64。割合については,次のコーナーに掲載した画像にて確認できるが,ゲーマーのなかでは割とメジャーなセガハードのソフトが,非常に少ない。
 なおプレイステーションシリーズに関しては,現在レトロゲームとしての扱いではないとのこと。

ほかのハードのソフトも扱っているが,数は少ない
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●ゲームハードの買取も。ファミコンやスーパーファミコンは作りがシンプルで壊れにくい


 同店舗ではハードの買取も行っている。ファミコンやスーパーファミコンはかなり古いものなので,壊れているものも多そうだが,作りがシンプルなこともあり,ほとんどが動作するそうだ。
 光学ドライブ系のハードも,蓋が壊れていて開かない・閉まらないことはあるものの,読み込みはできたりするらしい。なお,家で動作確認をしないで持ち込む人が多いとも話していた。

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 ちなみに,ハードの買取数はソフトに比べて圧倒的に少ない。ソフトは,個人や家庭で複数本購入するが,ハードは基本的に1台あればいいからだ。よってオリジナルの本体は,不足気味でもあるらしい。

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コントローラの接触は悪いようだが,かなり綺麗なDUO-R。筆者の家にあるものは変色して黄色い


ブックオフにおけるレトロゲーム買取・販売の推移


 次に,ブックオフ全体におけるレトロゲームの買取と販売のデータを見ていこう。なお具体的な数値は明かせないので,2020年から2023年を棒グラフにして比較していく。

●買取点数
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●買取金額
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 まずは買取点数についてだ。最初の2020年は,ブックオフがレトロゲームに力を入れ始めた頃なので,ここを基準としよう。翌年の2021年は,あまり大きな変化は見られない。それまで専門店を利用していた人は,買取先をブックオフに変えることがないのと,それ以外の人の認知度がまだ低かったからだろう。

 2022年になると,前年と比較して2倍以上の買取点数となっている。増加の理由は,「ブックオフでも,レトロゲームが市場の基準値近くで買い取ってもらえるようになった」ことと,ブックオフのユーザーに「レトロゲームも結構高値で売れる」ことが知られたからだと思われる。

 2023年のデータは8月までのものにも関わらず,すでに2022年の買取点数に追いつく勢いだ。家にレトロゲームが眠っていたものの,専門店に持ち込んだり自分で売ったりするまではしなかった潜在的なユーザーを掘り起こしたのではないかと感じる。

 なお買取金額は,買取点数と比例する形だが,今年がすでに昨年を上回っている。こちらはシンプルに「高値の商品が持ち込まれた」からだろう。実際店舗にも,販売価格が定価を超える商品が多く売られていた。

●販売点数
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●販売金額
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 次に,販売に関するデータを見ていこう。販売点数の推移は,買取点数とあまり変わりはない。点数自体も各年で同じくらいなのだが,実はそこに注目したい。ブックオフのようなリユースの会社は,買取が商品の仕入れとなる。
 販売本数が増えているからといって,仕入れを簡単に増やせるわけではないので,買取と販売の本数が近いと店舗で売るものがないといったことになりかねない。よく見かける“買取強化キャンペーン”などは,それを回避するためだろう。

 販売金額も,買取金額の推移と違いは少ない。ただ,この両グラフは,縦軸の線が示す桁が違っている(本数のグラフは同じ)。実際の数値を見せてもらったのだが,「売り上げスゲー!」としか言いようがない。

 参考情報として,レトロハードの買取と販売点数のグラフも掲載しておこう。

●ハード買取点数
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●ハード販売点数
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 ハードにおいては,2020年からそれほど変化はない。これは,以前と比べても買取や販売価格の変化がないからであろう。


ブックオフオリジナルのFC&SFC互換機が登場


 レトロゲームは,もちろん対応したハードがないと遊ぶことができない。オリジナルの本体はブックオフなどで扱っているものの,ものによっては状態が悪かったり,使用感が強かったりする。
 量販店などでは,互換機を販売しているところもあるが,ソフトとハードを別のところで購入するのは少し不便だ。

 そんなこともあって,ブックオフではファミコンやスーパーファミコンの互換機を発売することになった。4Gamerの読者ならご存じの,コロンバスサークルのOEMなので性能は保証つき。
 ブックオフのイメージカラーである黄色と青の本体に,公式キャラクターの「よむよむ君」が描かれている。FC用互換機は,TVに繋がなくても遊べる「ポケットプラス」も用意されている。

画像集 No.025のサムネイル画像 / コレクターやファン以外も「レトロゲーム」を売り買いする時代に。一般層の多いブックオフに最近の動向について話を聞いた

 すでに予約が始まっており,受付は2023年11月27日9:00まで。また店頭でも,12月から発売される予定だ。

■商品名、価格
・8ビットコンパクトV2(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン
 価格:3980円(税込)
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・8ビットポケットプラス<クリアホワイト>(FC用互換機)ブックオフ限定バージョン
 価格:6980円(税込)
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・16ビットコンパクト(SFC用互換機)ブックオフ限定バージョン
 価格:6980円(税込)
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■予約期間
2023年9月26日〜11月27日9:00
※自宅配送,または全国の一部ブックオフ店舗で受取可能
▽自宅配送お届け日:12月1〜3日(※お住まいの地域によってお届け日数が異なります)
▽店頭受取可能日:関東(1都6県)12月1日。それ以外12月下旬


■店頭販売日
2023年12月1日:先行販売,関東(1都6県)の一部ブックオフチェーンで販売
2023年12月下旬:関東以外の一部ブックオフチェーンで販売

 これら商品の詳細については,ブックオフweb予約サイトのページにて確認してほしい。

・ブックオフweb予約サイト
https://item-yoyaku.bookoff.co.jp/top

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[2023/09/27 14:35]

 レトロゲームに力を入れ始めたブックオフ。本の取り扱いも多いので,最後に「レトロゲーム関連書籍」の取り扱いについても聞いてみた。
 こちらは,いまのところほかの書籍と同じ扱いだが,ゆくゆくはレトロゲームとセットにしていきたいらしい。まだ構想段階のようだが,“ブック”オフということで,期待していきたい。

「ブックオフ」公式サイト

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