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海外のアナログゲーム大手パブリッシャ,どれだけ分かる? 「SPIEL Essen 2024」の巨大ブースをチェック
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印刷2024/10/16 18:42

イベント

海外のアナログゲーム大手パブリッシャ,どれだけ分かる? 「SPIEL Essen 2024」の巨大ブースをチェック

 毎年ドイツ・エッセンで行われる世界最大級のアナログゲームイベント「SPIEL Essen」には,各国からアナログゲーム企業が集結する。2024年10月3日から6日まで開催された「SPIEL Essen 2024」(以下,SPIEL'24)でも,さまざまな海外パブリッシャが巨大ブースを出展していた。
 日本でアナログゲームを遊んでいると,海外のパブリッシャを意識することは少ないかもしれないが,やはり大手の巨大ブースは,その年の会場の雰囲気に与える影響が大きい。今年はどういったブースがあったのか紹介していこう。

大手ブースが立ち並ぶ入口付近のホール6。有名ゲームの名前が一度に目に入り,入場直後から来場者の気分を盛り上げてくれる
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■アスモデ(Asmodee)
 傘下に多数のボードゲームスタジオを擁し,「Dixit」「Dobble」のようなファミリーゲームから「Ticket to Ride」のような重量級ゲーム,TCGやTRPGまで幅広く扱うフランスの総合アナログゲーム企業だ。近年ではオンラインボードゲーム対戦サイト「Board Game Arena」がグループに加わったことでも話題となった。
 SPIEL'24では入口付近に大きなブースを構え,カーレースをモデルにした作品「HEAT」などの試遊を行っていた。また,TCGエリアでも「Star Wars: Unlimited」のブースを展開。そのほか,Ticket to Rideのロゴをあしらった汽車を会場内に走らせるといったパフォーマンスも行っていた。

アスモデブースの模様。ライブ配信が可能なブースなども充実していた
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会場内を走るTicket to Rideの汽車。「Zug um Zug」はドイツ語版のタイトル名だ
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■コスモス(KOSMOS)
 言わずと知れた超有名作「カタン」を世に送り出したドイツのボードゲーム企業。それ以外でも謎解きゲームの「EXIT」シリーズや「ウボンゴ」など有名な作品を多く取り扱う。
 SPIEL'24では昨年に引き続き,入口に大きくカタンブースを設置した。定番の「カタン」はもちろん,カタンシリーズの最新作「CATAN - Energies」なども購入できた。それ以外ではドイツゲーム賞2位の「The White Castle/白鷺城」や「FARAWAY」「THE GANG」なども試遊・販売を行っていた。

カタンブース。入場後目立つ位置に開かれており,SPIEL Essenに来たなという気持ちが高まる
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コスモスの試遊ブース。THE GANGはテキサス・ホールデムポーカーに似たルールで銀行強盗を行う協力ゲームだ
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■ラベンスバーガー(Ravensburger)
 パッケージの隅に青い三角のマークをあしらうロゴで有名なドイツのボードゲーム企業。「スコットランドヤード」や「Puerto Rico」などを取り扱うパブリッシャだ。
 SPIEL'24では昨年に引き続き,入り口付近にディズニーとの共同開発TCG「Lorcana」ブースを展開し,大きな行列を作っていた。それ以外でもディズニーとのコラボ作品である「Chronicles of Light」や「Disney Villainous」シリーズ,Minecraftをモチーフにした「Minecraft Explorers」など,コラボボードゲーム作品を多く展開していた。

おなじみの三角形のロゴがぶら下がるラベンスバーガーブース
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Lorcanaの入場列は隣のホールにはみ出すほどの長蛇の列だ
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■シュミットシュピーレ(Schmidt Spiele)
 「クアックサルバー」などを取り扱うドイツのボードゲーム企業。大きな「S」のロゴに見覚えがある人もいるかもしれない。「ごきぶりポーカー」などでおなじみ,子供も遊べるゲームに強みを持つドライマギア社もシュミットシュピーレのグループだ。
 今回はドイツ年間ゲーム大賞エキスパート大賞の「e-Mission」ブースが大盛況だった。日本語版は未発売のようだが,会場内でBoard Game Arenaで遊べることが宣伝されていた。そちらでは翻訳版を遊べるようだ。

シュミットシュピーレブース。e-missionは他プレイヤーと協力して気候変動を防ぐサステナビリティをモチーフにしたゲームだ
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■アミーゴ(AMIGO)
 日本でもよく見かける「ICECOOL」や「L.A.M.A」「6ニムト」などの有名作を扱うパブリッシャだ。大箱がひしめくSPIEL Essen会場にあって,軽量級のゲームを多く取り扱うブースが特徴的。こちらもドイツに本拠地を置いている。
 今年は,「No thanks」「3 Chapters」などの新作ゲームを多数発表し,人気シリーズL.A.M.Aでも新バージョン「L.A.M.A Kadabra」を販売していた。通常のL.A.M.Aのルールに加え「マジックショー」「魔法のチップ」などの新要素が加わる,マジシャンをモチーフとした作品だ。

短時間でサクサクと遊べるゲームが試遊できるアミーゴブース
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■ペガサスシュピーレ(Pegasus Spiele)
 「Kingdomino」や「Magic Maze」「Village(村の人生)」などで有名なドイツのボードゲーム企業だ。ブースは重量級ゲームの集うホール3に位置しているが,軽量級〜重量級まで幅広いラインナップを揃えている。赤い背景にペガサスのロゴがトレードマークだ。
 SPIEL'24では,2022年に人気を博した「Dorfromantik: The Board Game」の新シリーズで桜をモチーフとした「Dorfromantik: Sakura」や,今年のスカウトアクションを受賞した爆弾解除ゲーム「Bomb Busters」などを販売していた。また2022年に発売された「Everdell」のコンプリートコレクションを今年も販売。多くの来場者が手に取る姿が見られた。

赤いファサードが印象的なペガサスシュピーレブース。取り扱う作品の多さは髄一かもしれない
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Everdellのコンプリートコレクション。立体コンポーネントなど盛りだくさんなだけあり,パッケージも巨大だ
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■アシェット(Hachette)
 フランスの書籍出版社アシェット・リーブル(Hachette Livre)グループのボードゲーム企業。例年「Scorpion Masque」「Gigamic」「Sorry We Are French」などグループ内のパブリッシャと大きなブースを展開している。Gigamicのロングセラー作「コリドール」や,2022年スカウトアクションを受賞したScorpion Masqueの「Turing Machine」などを扱う。
 ブースではドイツゲーム賞ノミネート作の「Sky Team」や,中世都市をモチーフとした新作「Middle Ages」の試遊が盛り上がっていた。また,昨年人気を博した「Akropolis」では早くも拡張「Akropolis: Athena」が登場。日本語を題名に掲げた「Nekojima」は,今年も試遊・販売を行っていた。

グループ傘下のパブリッシャのロゴが複数ぶら下がるアシェットグループのブース。ロゴだけではなく販売されている作品数も多い
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「SPIEL Essen 2024」記事一覧


著者紹介:
Im Karton
 海外アナログゲームイベントを訪ねて旅する3人組。読み方は「イム・カートン」。これまでに世界最大のアナログゲームイベントであるドイツ「SPIEL Essen」(シュピールエッセン)をはじめ,アメリカ「Gen Con」(ジェンコン),フランス「Festival International des Juex」などを訪問。昨年はSPIEL Essenに行きたい旅行者向けのガイド「Essen Spiel Guidebook 2023」を同人誌として刊行。

Omochicard
 Im Kartonメンバー。SPIEL Essenの訪問は今年で5回目。訪問時は旅行の計画や日本へボードゲームを送る宅配便の発送などを担当。海外ボードゲームが大好き。好きなボードゲームは「アーク・ノヴァ 新たなる方舟」や「Kemet: Blood And Sand」。
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