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[CJ 2008#番外編]ヲタク的動機に狙いを定めて日本語学習熱を煽る「桜花国際日語」学校ブース
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印刷2008/07/25 20:29

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[CJ 2008#番外編]ヲタク的動機に狙いを定めて日本語学習熱を煽る「桜花国際日語」学校ブース

ネーミングについては,筆者にツッコまれてもどうにもなりません,一応
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 ChinaJoyが物見遊山的,テーマパーク的性格を持っていることは,例年レポートの端々で言及してきている。それを象徴する要素が,今年はホール3に一層色濃く見られた。例えばChinaJoy 2008の会場内ではどこでも,ちょっと変な日本刀のオモチャを持った人や,ネコ耳,ウサ耳などを装備した女の子が闊歩していたのだが,その供給源は昨年と同じく,やっぱりホール3の物販ブースだった。

 まあ,ホール3にコスプレ大会のステージがあるのは昨年と同様だし,その一方でリテーラー大手の網元網はちゃんとパッケージソフト販売ブースを出しているしで,昨年からドラスティックに変わったわけではないのだが,ふと気がつけば目の前にメイドカフェのPR用看板があったりして,微妙にヲタク度がパワーアップしている。……いろいろ末頼もしいぞ,中国。

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 そんなホール3のブース群のなかでも,ひときわ目を引いたのが,日本語専門学校「桜花国際日語」(桜にほんご)だ。ブースは名前のとおりどぎついピンク色のカラーリングが特徴で,ブーススタッフはすべて浴衣姿の女性。そんなお姉さん達が,通り過ぎる来場客にパンフレットと,桜の花の形をしたうちわを配っている。

 若い女性がいかにもエキゾチックな服装で外国語学習の効用をPRし,勧誘しているわけだから,そこまではよしとしよう。問題はブースの端に置かれたスタンドポップだ。そこには,ピンクのスーツを着た講師さんと思しき女性が吉崎観音氏風のアニメ絵で描かれている。これはもう,ヲタク層狙い撃ちとしか見なしようがない。

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本文では吉崎観音氏風と述べたが,きちんと別のイラストレータさんのコピーライト表記が入っているので,念のため
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 上海で日本語は,一種のヲタク“メディア”と見なされているのだろうか? このあたりを上海在住の人に聞いてみると,必ずしもそういうわけではないと言う。「上海には日本語学習人口も多いですが,それにも増して日本語教育機関が多く,過当競争の状態にあります。大学だけでなく,塾や専門学校を含めると,これはもうおびただしい数です」とのことだった。

 つまり,桜花国際日語が選んだ手段は,上海で日本語が持つイメージに合わせたのではなく,ChinaJoyという,ゲーマー/コスプレイヤーが多く集まるイベントの性格に合わせたものと見るべきのようだ。

 ちなみに学校組織の総代理人,伶俐氏は「東京印象」というテレビ番組でお茶の間にもお馴染みの有名人らしい。そしてこの番組は別にヲタク・ジャパンな趣旨ではなく,日本の文化や流行を広汎に伝える内容だそうだ。

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 ただ,日本語需要全体がヲタク的色彩をまとっているわけでないとしても,ChinaJoy → 中国ゲーマー → 日本製ゲームという図式は成り立つようで,「日本製ゲームをいち早くプレイしたいから日本語を学ぶ」という需要は,確実に存在するという。
 そして,前述のメイドカフェやコスプレといった論点もまとめていうなら,「上海市内に張江という地区があり,そこは日本でいう秋葉原のような街と見られています」「上海で張江男といえば,それはほぼヲタクと同じ意味になります」とのこと。

 当サイトが情報をお届けする中国製ゲームと,そのゲーム内グラフィックス/イメージアートも,FFシリーズのようなちょっと西洋風のカッコいい系グラフィックスと,「Audition」(邦題 ダンシングパラダイス)に代表されるようなカワイイ系グラフィックスに二分される形で洗練が進んでいるように思えるわけで(いやもちろん,武侠や三国志に代表される中国系シリアスタッチとて健在だが),ビジュアル表現の広汎な“アニメ化”傾向は中国でも見いだせる。
 その最先鋒を,思いがけない業種で見せてくれたのが,桜花国際日語ブースだったといえようか。

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