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[Gamescom]ヨーロッパ最大のゲームショウ「Gamescom 2012」が8月15日に開幕。世界中のゲームが,ドイツのケルンに大集合
メディアおよび業界関係者向けのE3に比べ,Gamescomは基本的にファンイベントであるため,プレイアブル展示されるゲームタイトルが多いことが特徴になる。各メーカーのブースには,発売を控えたさまざまなタイトルの試遊台が並び,ドイツだけでなく,ヨーロッパ各地からやってきたゲーマーが話題のタイトルを一足早くプレイする姿が見られる。広大なケルンメッセが,イベント終盤の土曜日,日曜日には会場内の移動もままならないほどの人で混雑するのだが,多くのメディアでさえ実際に動いているところを見たことのないようなタイトルを実際にプレイできるのだから,この熱気も当然のことだ。また,市内各所でGamescomに連動したさまざまなイベントが開催され,100万人以上の人口を持つ大都市ケルンはこの1週間,ゲーム一色に染まる。
2012年のGamescomについてはいろいろな事前情報が出ているが,とりわけプラットフォームホルダーのうちの2社,Microsoftと任天堂が出展を取りやめたというニュースがクローズアップされることが多い。これはやはり残念なニュースであり,とくに新しいコンシューマ機であるWii Uを準備中の任天堂の欠席は惜しまれる。とはいえ,例年の状況を考えると,現実的な影響は少ないかもしれない。両社とも,これまで会場内にブースは設けてはいたものの,出展内容は発売済みタイトルの試遊にとどまっており,Gamescomを新作発表の場にはしていなかったからだ。
これに対して,Sony Computer Entertainmentは例年どおりケルン市内でカンファレンスを開催し,未発表作品を含む新作紹介を予定しているほか,例年どおり,Electronic Artsなどの大手サードパーティも独自のカンファレンスを予定している。Gamescomでサプライズ発表が行われることは少ないが,E3の段階で名前だけが告知されたタイトルの詳細が明らかになる可能性も高く,もちろん,ブースでの試遊にもさまざまなタイトルが用意されているだろう。
さらに,E3に参加しなかったゲームメーカーがブースを出展し,新作のアピールを行う点も興味深い。ヨーロッパのゲーム企業は,北米とはちょっと違う雰囲気を持った作品を数多く作り出しており,必ずしも超大作とは呼べないかもしれないが,E3には出なかった魅力的な新作に出会える可能性が高い。ロシアや東欧,そしてドイツなどでは現在もPCゲームの市場規模が大きく,PCゲームの新作にも期待が持てるだろう。
大手メーカーが不参加を表明したり,期待作が発表されないというアナウンスが早々と行われたりと,例年のことだが,こうしたメガショウの存在意義を問う声は聞こえてくる。モバイル向けタイトルやソーシャルゲームの急速な拡大によって,ゲーム業界の有り様が変化し続けているのは,ここヨーロッパでも同じことであり,従来と同じスタイルのゲームイベントが過渡期にさしかかっているのかもしれない。
ともあれ,4Gamerは今年もGamscomに取材スタッフを送り,最新レポートをお届けする予定だ。上記のように会場は驚くほど広く,毎年同じことばかり書いているようで恐縮だが,移動だけでも疲労困憊する。日頃の運動不足が心配だが,とはいえ,来場者のテンションは異常なほど高く,彼らから元気をもらうこともできそうだ。そんな会場の雰囲気も合わせてレポートしたいと思う。
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