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印刷2007/01/16 20:48

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EA,「シムシティ DS」などDS用新作3タイトルの完成披露会を開催

向かって左から,テーマパーク DSの開発シニアディレクター,河村優明氏。エレクトロニック・アーツ社長のデラトロベ・ヘンリー氏。そしてシムシティ DSとドラゴン桜DSの開発プロデューサー,村上貴宏氏
 エレクトロニック・アーツは本日(1月16日),新作タイトルの完成披露会を開催した。発表されたのは「シムシティ DS」「テーマパーク DS」,そして「ドラゴン桜DS」の三つで,タイトルを見れば一発で分かると思うけど,いずれもニンテンドーDS(以下,NDS)用ゲームだ。残念ながらPCゲームではないのだが,とはいえ,最後の一つを除いて,いずれもかつてPCゲームで一世を風靡したタイトル(というか,「シムシティ4」は現在も発売中)。真上見下ろし型のシムシティで,ゴ○ラによく似た怪獣にせっかく造った町を襲われたり,お客さんに喜んでもらおうと置いた強烈ジェットコースターのせいで園内がゲ○だらけになったりなど,この二つのゲームを相手に長い時間を過ごした筆者にとって,ちょっと見過ごせない。
 「昔,お兄さんの“パソコン”で動いていたテーマパークを遊んでみたが,難しくてやめてしまった,という人にプレイしてほしいと思います。ノスタルジーがキーワードの一つですね」とは,テーマパーク DSのプレゼンテーションをした河村氏の言葉だ。お兄さんのパソコンではなく本人のパソコンだった私の立場はどうなるのか気になるが,それはともかく,過去の名作がこういう形でリバイバルするのには興味深いものがある。
 というわけで,各ゲームの特色などを少々……。



■シムシティ DS(2月22日発売予定)
 2画面というDSの特徴を利用し,上は斜め見下ろし型の画面で見た目を重視し,下は,タッチペンの使用が可能な作業画面にして操作性を重視する。ビギナーでも簡単にゲームが遊べるように,プレイヤーをサポートする5人のキャラクターが用意され,町が発展するにつれ発生するさまざまな問題に対してアドバイスをくれるのである。アドバイザーの中には,ヒゲとメガネとヒョロリとした体つきがある人物を想像させずにいられないキャラクターもいるが,ウィル・ライト氏ではないということなので,お間違えなきよう。
 また,腰をすえてゲームに取りかかるPCユーザーと違い,携帯ゲーム機での1回のプレイ時間は短いと想像されるため,ゲームに刺激を持たせるイベントが多数発生するようになっている。例えば,人口が5000人を突破すると市長官邸の建設が可能になり,市長官邸を建設すると,12月24日にサンタが町にやってくる。このサンタをタッチペンで叩くと(叩くのはどうかと思うが),素晴らしいプレゼントを落としてくれる,といった感じだ。各イベントはミニゲーム仕立てになっているが,「ゲーム内で別のゲームをさせるのは好まれない」という理由で,いずれもごく簡単なものになっている。
 さらには「ミッションモード」も用意され,これは「台風の直撃で破壊された電力網を復旧する」とか「破綻した財政を立て直す」などなど,町の抱える問題を解決するミッションクリア型のモードだ。そして,このミッションをクリアすると日本版ならではのランドマーク,「お城」が手に入るのだ。お城は47都道府県それぞれに用意され,城趾しかないものは各種資料を使って復元したという気合の入れようである。
 それ以外にもさまざまな要素が追加され,シムシティのゲーム性はそのままに,NDSならではのアトラクションを付け加えたという印象が強い。



■テーマパーク DS(3月15日発売予定)
 カリスマクリエイターのピーター・モリニュー氏と彼の率いるスタジオ,ブルフロッグが,最も脂の乗っていた時期(1995年)に発表した傑作箱庭系シミュレーション。プレイヤーは遊園地のオーナーとなって,スタッフを雇いライドを設置し,さらには株の売買や労使交渉(!)なども行って千客万来のテーマパークを造り上げ,遊園地王を目指すというもの。
 NDS版には,シムシティ DS同様,4人のアドバイザーが用意され,とくにビギナーにとって,どうしていいか分からなくなりがちなこの手のゲームを親切に指導してくれるのだ。とかく,こうしたアドバイザーは同じようなことを繰り返す“うざい”存在になることが多いが,そういう点には十分に留意し,まさにかゆいところに手が届くような存在であるとのことだ。したがってテキスト量は膨大で,しかも驚いたことに6か国語対応というグローバル仕様になっている。ちなみに,開発したのはエレクトロニック・アーツのジャパンスタジオである。
 NDS版を制作するにあたり,新規ショップやキャラクター,そして新しいライドなどをできる限り増やし,また「自分のテーマパークを世界中にオープンして世界制覇」という目的がはっきりしたクリア型のゲーム展開に変えて,PC版になじみのない人にもアピールしている。いろいろなタイクーンシリーズに続いていく原点ともいえるこのゲームをもう一度,ちょっと違ったアレンジでプレイできるのは楽しみだ。



 「ある場所にものを置く」にはマウスやタッチペンなどのポインティングデバイスに勝るものはない。シムシティ DS,テーマパーク DSのようなゲームをゲームパッドでプレイするのは難しいが,実際にプレイしたところ,NDSなら直感的な操作で簡単に町や遊園地を作り上げることができそうだった。
 いずれも,元のゲームの面白さを受け継ぎつつ,最新のハードに合わせたアレンジが随所に施してあり,もっぱらコンシューマ機で遊ぶ層にどのように受け入れられるのか,興味深い。まあ,なんにせよ,こういう形でかつての名作に邂逅できるのは個人的に嬉しい話ではある。(松本隆一)

  • 関連タイトル:

    (株)テーマパーク

  • 関連タイトル:

    シムシティ4

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