プレイレポート
魔王モロクを追って舞台はついに異世界へ!「ラグナロクオンライン」大型アップデート先行レポート。そして日本での「サクライR」アップデートはどうなる?
今回,4Gamerではガンホー・オンライン・エンターテイメント本社にて,Episode8.0を先行体験する機会を得たので,早速レポートしていこう。合わせて,韓国で6月17日に先行実装され,プレイヤーの間で何かと話題になっている通称「サクライR」アップデートについて,日本ではどのような扱いになるのかも聞いてみた。今後のROが,気になって夜も眠れない! という人は,ぜひご一読を。
異世界「アッシュ・バキューム」は高レベル動植物モンスターの生息地
そんなこんなでプレイヤーが調査隊に名乗りを上げるわけだが,参加するにはある程度の腕が求められる。ぶっちゃけてしまえば試験クエストをクリアする必要があり,その前提条件はBaseレベル70以上のプレイヤーであることだけだ。したがってEpisode7.0における魔王モロク討伐クエストをクリアしていなくとも,Baseレベル70以上なら本クエストを受けられる。
見事クエストをクリアして時空の裂け目を抜けると,異世界に設営された「ミッドガルド連合軍駐屯地」に到着。駐屯地には調査用の機材が設置してあったり,捕獲したモンスターを檻に入れてあったりと,探索が着々と進行している様子が伺える。また,駐屯地には新たに「猫の手サービス」が用意されている。これは従来のカプラサービスに相当するもので,「猫の手信用ポイント」を増やすと,位置保存だけでなく倉庫サービスなどが加わり内容が充実していく。信用ポイントを増やすには,釣りで得た魚や,採掘した鉱石を渡せばいい。ただし,一度渡してしまうと24時間経過するまで受け付けてもらえなくなるので,一通りのサービスを享受するにはそれなりに時間が必要となる。
第一声からして覇気のない駐屯地司令官。きっとやる時はやる男なのだろう,と今は期待しておこう |
従来のカプラに代わる「猫の手サービス」。最初は位置保存だけだが,信用を得るとサービス項目が増える |
駐屯地には,いくつか釣りができるポイントがある。魚を入手して,猫の手職員の信用を得るのだ |
見事,「魚のはしくれ」を釣りあげた! 釣りでは,稀に豪華なアイテムが入手できることもあるという |
登場するモンスターの系統が,動物/植物/昆虫となっているのも大きな特徴だ。中でもボスにあたるマヌクフィールドの「テンドリルリオン」と,マヌクフィールド「ハードロックマンモス」はかなり歯応えのある強さで,攻略用の装備などを用意しないと討伐は厳しいようだ。
■スプレンディッドフィールドのモンスター
ルシオラワスプ |
ピングィキューラ |
コルヌス。体力が一定以下になると回復スキルを使う |
ナーガ |
テンドリルリオン。3000ダメージ×8回の連続攻撃が脅威 |
■マヌクフィールドのモンスター
ネペンテス。根を使った遠隔攻撃が特徴 |
センティペデ幼虫。弱い |
センティペデ。成虫なので幼虫とは比較にならない強さ |
ヒルスリオン。実はテンドルリオンの子ども |
タタチョ |
新アイテムと新ユーザーインタフェースでゲームはさらに快適に
もちろん,Episode8.0では新武器/防具も追加される。その数は37種類に及ぶのだが,地味に思えるものでも結構効果が高かったりするものまである。中でもセットで装備すると特殊効果を発揮する「スプリントメイル」「スプリントリング」「スプリントシューズ」や,植物系モンスターへの耐性を高める「テンドリルリオンの皮」などが,新マップとの相性を考えるとお勧めだ。なお,これらの新アイテムのなかには,先行実装された砦のギルドダンジョンでもドロップするものもあるとのこと。
テンドルリオンの皮。これまで植物系モンスターへの耐性を高める装備は少なかっただけに,ぜひ手に入れたい |
スプリントメイル。単体では,主に体力関係のパラメータと効果が上昇する |
スプリントリング。単体では,スキル関係の能力に作用する |
スプリントシューズ。メイルおよびリングとセットで装備すると効果を発揮 |
また,ユーザーインタフェース周辺も改善されている。具体的には,スキルウィンドウに「ノービス・1次職」「2次・上位2次職」のタグが追加され,スキルが選択しやすくなっている。スキルリストもツリー表示されるようになり,さらにカーソルを合わせるだけで,そのスキルの効果や習得するための前提スキルなどが分かる。そのほか,スキルレベルのアップも確認メッセージが表示されるようになり,誤ってポイントを消費する可能性も大幅に減少している。
さらにトレードウィンドウも変更されており,アイテムの名称はもちろん,スロットにセットされているカードも一目で分かるようになっている。またワールドマップもカーソルを合わせると,そこがどのようなマップであるのか表示されるほか,パーティメンバーが現在どこにいるのか分かるようになった。いずれも,一見すると細かい変化だが,長くプレイしてきた人にとっては積年の不便が解消される非常に嬉しい改善といえるだろう。
このほか,メモリアルダンジョンの第2弾として,かねてからアナウンスのあった「オークの記憶」が実装される。このダンジョンはレベル30〜80のプレイヤーを対象としており,反復プレイによる経験値稼ぎがしやすいように設計されている。ストーリーは,オークの昔話をベースにしているとのことで,なかなか楽しめる内容となっているようだ。同じく中レベル帯プレイヤー向けのアップデートとして,10マップ前後におけるモンスターの配置変更も実施される。
韓国で話題の大規模アップデート,日本ではテスターの意見をもとにした日本独自仕様を予定
さて,6月17日に大規模なアップデートが実施され,ゲームシステムが大幅に変更された韓国のRO。“リニューアル”と銘打つだけあって計算式や戦い方といったゲームのルールが大きく変わっている。
実装後も毎週のように修正が入り,「もはや別のゲーム」とまでいわれる有様だ。そうした情報を受けて,日本のROプレイヤーの間でも,韓国と同様のアップデートが行われるのかという疑問や,まことしやかな憶測が取り沙汰されている状態である。
そこで日本における今後の展開予定がどうなっているのか,オンライン事業部 サービス運営本部 ゲームサービス部 一課 課長 廣瀬高志氏と,オンライン事業部 マーケティング本部 第一マーケティング部 部長 飯野 平氏にお話を聞いた。
要点からいってしまえば,まず8月下旬を目処に,現在の韓国本サーバーと同等の新システムを実装した専用のテストサーバーが日本にも設置されるという。とはいえ,これは日本の本サーバーへの新システム実装を前提としたものではなく,むしろ内容を吟味するための叩き台であるとのこと。
実際にテストサーバーでプレイしたテスターから,多くの意見を集め,それに基づき日本における仕様を決定していくとのことだ。その結果,日本では,ほぼ従来のシステムから変更しないという結論にたどり着く可能性もあるという。
「日本でのテスターから出てきたご意見を,開発のGRAVITY社に伝えていきます。我々運営も,サクライRサーバー(韓国のテストサーバー)でテストプレイしていたのですが,やはり生の日本のプレイヤーの声を聞かないといかんともしがたいというのが正直なところです」(廣瀬氏)
ゲームサービス部 一課 課長
廣瀬高志氏
「テストサーバーで実際にプレイして,ああしてほしい,こうしてほしいといった率直な要望を寄せていただきたいです。それをもとに日本のプレイヤーの嗜好にあった修正を施していこうと考えています」(飯野氏)
「当然ながら,テストサーバーのデータは本サーバーに持ち込めません。それだけに,隅々までいろんなことを試していただきたいという思いがあります。また,我々の方から重点的にチェックしてほしいポイントを指定することもあるでしょう」(廣瀬氏)
テスターの募集開始は7月中に予定しており,8月末以降に現行プレイヤーを対象に数千人規模でのテストを考えているとのこと。募集時に簡単なアンケートをとり,初心者から長年プレイしてきた熟練者に至るまで幅広いプレイヤー層から満遍なくテスターを選抜したいという。
「今回の大規模アップデートは,3次職の導入と密接に関連しています。というのもROはこれまで拡張を重ねてきた結果,ゲームバランスの調整が頭打ちになっているからです。現在のROは,攻撃スピード,詠唱速度,防御力……そうしたキャラクタースペックにおいて,かなりインフレが進んでいます。その状態で,さらに3次職という強い存在を導入することは困難ですから,どうしてもシステムの変更が必要になるというわけです」(廣瀬氏)
第一マーケティング部 部長
飯野 平氏
「3次職の実装は,このシステムがどういった形で落ち着くのかがハッキリしないと難しいです。発表からかなり時間が経ちますから,期待していただいているのは重々承知しているのですが,まずはしっかりとしたリニューアルプランを立てるのが先決です」(飯野氏)
今まで,ROでは運営に寄せられるメールや,大型掲示板でやり取りされている内容などからプレイヤーの意見や要望を積極的に吸い上げてきたが,今回はテストサーバー専用のSNSを立ち上げ,より具体的な議論の場を設けるとのことだ。運営側から議題を提示して意見を求めることも考えているそうで,ガンホーの本気度がうかがえるだろう。
まとめてしまうと,韓国での情報をもとにああでもない,こうでもないと考えるのではなく,日本に用意されるテストサーバーで実際にプレイしたうえで意見や要望を運営に伝えることが最も早く,かつ効果的な方法だということだ。テスター募集およびテストの実施要項は,近日中に追って発表される。3次職以降の拡張にも大きく関わる今回のテストサーバー設置だけに,興味のある人は忘れずにチェックしてほしい。
それでは,最後にROプレイヤーに向けたメッセージを掲載しておこう。
「プレイヤーの皆さんが一番心配しているのは,韓国の今の状態がそのまま日本に来るのではないかということでしょう。しかし,100%そのままということは,まずありません。その点は,ご安心ください。実際,運営チームでも納得できない部分がありますし,GRAVITY社でも手直ししたいという部分があります。したがって,日本におけるテストサーバーでのプレイを経て,どうなるかというところに,ぜひ期待していただきたいです」(廣瀬氏)
「まずはテストに参加していただいて,多くのご意見を寄せていただきたいです。みなさんのご意見がないと,なかなか変わっていきません。これはガンホーからのお願いです。一緒にROをよりよいゲームにしていきましょう」(飯野氏)
――7月2日収録
※本記事内のゲーム画像は開発中のもの。
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