プレイレポート
ついにリベリオンが実装! 「ラグナロクオンライン」大型アップデート「リベリオン〜反逆の撃鉄〜」先行プレイレポート&ミニインタビュー
このアップデートでは,そのタイトルにもなっている特殊1次職「ガンスリンガー」の上位クラス「リベリオン」が実装される。これまでもオフラインイベントや4Gamerの取材などで何度か話が出ていたものの,なかなか実装へと至れなかったリベリオン。最初に話が出たのはいつだったかと過去の記事を掘り起こしてみると,2010年3月に秋葉原で催された「ガンホーカンファレンス2010」で,GravityのRO開発チームから発表されたのが第一報だった。
このとき同時に発表された忍者の上位職「影狼/朧」は,2013年8月に実装されており,リベリオンのみ取り残された形となっていたが,5月17日のアップデートで晴れてプレイ可能になる。
というわけで今回,ガンホーでリベリオンがどのようなクラスになったのかを先行体験してきた。また,ROの2016年下半期のロードマップや今後の運営方針などを運営スタッフに聞いてみたので,リベリオンのプレイレポートと合わせてお届けしよう。
多彩な銃器を扱うリベリオン。育成次第で攻城戦(GvG)でも活躍できる
ガンスリンガーは,同じ遠距離攻撃を得意とするアーチャー系と同様に,両手に武器を持つタイプで,上位職であるリベリオンもそれを踏襲している。装備できる武器は,ハンドガン(二丁拳銃)を筆頭に,ライフル,ショットガン,ガトリングガン,グレネードガンと多彩だ。
リベリオンへの転職は,BaseLv99,JobLv70の状態のガンスリンガーがクエストをクリアすることで可能だ。レベルキャップは,BaseLv165,JobLv60となる。このレベルキャップは,特殊2次職「影狼/朧」にもアップデートで適用され,3次職に近いHPとSPを確保できるようになる。HPの低さからGvGでは不遇だった特殊2次職だが,これにより活躍できる機会も増えるのではないだろうか。また,ガンスリンガーのスキルツリーおよび一部スキルの仕様も変更される。
また,今回のアップデートで,武器の攻撃力を上げるステータスに仕様変更が加えられる。ハンドガンを始めとした銃器の攻撃力はDexを基準として,ライフルはInt,ショットガンはStr,ガトリングガンはAgi,グレネードガンはLukのステータスが上がるごとに,代表的なスキルの攻撃力も上がっていく。装備している武器によって使用できる攻撃スキルも変化するが,すべての武器のスキルを最大まで上げることも,すべての武器の威力を上げるようなキャラクター育成も不可能なので,武器を2つか3つに絞って育成していくのがよさそうだ。
また,攻撃に必要な銃弾についても仕様変更が行われる。これまではハンドガンなどの銃器はバレットを消費し,グレネードガンはスフィアが用いられていたが,アップデート後は弾が共通化され,グレネードガンもバレットで攻撃できるようになる。もちろん,手持ちのスフィアがなくなるというわけではなく,バレットに交換してもらえる。
これに合わせて,スフィアのみだった一部の属性弾がバレットにも登場し,さらに属性バレットケース(使用すると500発のバレットが手に入る消費アイテム)が実装される。また,新たに地属性のバレットも実装されるが,こちらはリベリオン転職後からしか使えないとのことで,ちょっと残念だ。ともあれ,手軽に属性弾が使えるようになるため,ガンスリンガーとしてもかなりの上方修正になるのではないだろうか。
続いて,リベリオンが持つスキルを紹介しよう。まずは,武器に関わらず使用できる共通スキルだ。多くのスキルを使用するために必要なコインを貯めるスキルや,バフ系のスキル,トラップスキルなど,多彩なスキルが用意されている。
■ハンドガン
ガンスリンガーやリベリオンの基本武器となる銃。二丁拳銃スタイルで,Aspdが高く,使い勝手も良い汎用性の高い武器だ。メインウェポンとしても,サブウェポンとしても活躍が期待できるだろう。
■ライフル
ヒットとクリティカル発生率に補正がある武器も多く,ハンドガンよりもAtkが高め。PvPやGvGを意識した調整になっている。
■ショットガン
通常攻撃が広範囲のショットガン。Atkも高めでまとめ狩りをするのには向いているが,Aspdが低く連射できないのが難点だ。リベリオンでは,防具破壊やディスペルに近いスキルを習得する。
■ガトリングガン
Aspdの高さが光る武器。ガトリングガンのスキルは,ハンドガンのスキルの習得が前提となっているので,ハンドガンと併用すると効率がいい。
■グレネードガン
攻撃力は銃器のなかでもトップだが,Aspdが非常の遅いという特徴を持つ。これまでは専用のスフィアを使用していたが,今回のアップデートでバレットと共通化し,使い勝手は大幅に向上した。
■トラップスキル
リベリオンはトラップを任意で起動させる「フリッカー」というスキルも持つが,銃器と違い,トラップの威力をさらに上げるステータスはない。
以上がリベリオンの代表的なスキルだ。銃器とステータスとの組み合わせに関連があるため,いろいろな育成スタイルが楽しめそうだが,逆に「どんな感じで育てたらいいのか分かりづらい」という一面もある。とくに実装直後は,多くのプレイヤーが試行錯誤することになるはずだ。
そこで,ひとつの育成例として,白川氏がハンドガンとガトリングガンを極めたタイプのキャラクターを提示してくれた。ステータスはDexをベースに,ガトリングガンスキルの威力が上昇するAgiを上げることで,回避も十分確保できる。モンスターが単体ならばハンドガンのスキルで,大量に出現する場所ならばラウンドトリップの連打で,敵を寄せ付けずに殲滅が可能だという。
実際に「アビスレイク地下洞窟 03」で試させてもらったが,確かにその想定どおりの使い心地だった。敵をノックバックさせるラウンドトリップは連打できるため,モンスターをまったく近寄らせずに全滅させることも可能で,もしものときは,バインドトラップを設置して距離を取る時間も確保できた。
実際は,いきなりこんなプレイは難しいとのことだが,リベリオン実装と同時に実施されるイベントをこなすことで,同じとまではいかないまでも,それに近いプレイ感を得られる装備が手に入るという。
今回,リベリオンの調整にあたり,栗山氏は「開発元の意向でGvGに特化した特殊効果を持つスキルが多かったので,GvGで新たな役割を担えるように調整した」と説明してくれた。もちろん,それだけにとどまらず,ラウンドトリップなどを使って狩りも快適になるよう調整を行っているので,幅広いスタイルで多くの人に楽しんでもらえるようにできたと話していた。
これからリベリオンを作ってみようという人に対して白川氏は,「狩りに使いやすいスキル,GvGで使いやすいスキルと,スキルによってだいぶクセが強いのがリベリオンの特徴です。そこをうまく使い分けていくと良いと思います」とアドバイスしてくれた。
アップデートに関する裁量権が拡大。攻めの施策で動きは活発に
続いて,この1年のROの取り組みや,今後の運営方針についてパートナー・パブリッシング本部の千葉亮一氏と長澤誠吾氏,そして中村聡伸氏から話を聞けたので,お届けしよう。
2015年5月に実装された「Episode:Memory Record 〜ジュピロスと眠る都市〜」から,大きなアップデートは8つを数え,その合間にも季節イベントなど数多くのイベントを行ってきたRO。この活発な動きの要因は,開発元であるGravityからガンホーに与えられる裁量権が大きくなったことが影響しているらしい。
千葉氏によると,これまでアップデートはGravityと調整を行い,その返答次第でスケジュールや方針まで変更しなければならないことが多かったという。しかし,大きな裁量権を得たことでイベントに加えて,アップデートにおけるアイテムやバランス調整なども,運営チームの判断で行えるようになり,待ちではなく攻めの姿勢で施策を行えるようになったそうだ。
もちろん,セカンドコスチュームなど,どうしても開発が主導にならざるをえないコンテンツはあるのだが,追加される新規アイテムの性能については自由に手を入れられるようになったという。
千葉氏は,「13thアニバーサリーイベントで実装した『深淵の回廊』は,韓国ではGvGのギルドのZeny消費ダンジョンとして作られました。しかし,日本ではまったく需要に合いません。そこで,新モンスターを追加してもらい,討伐系のイベントダンジョンに作り替えてもらいました」と裁量権を得たことで実現した一例を紹介してくれた。ちなみに,「EPISODE:EDDA〜教皇と少女の目覚めない夢〜」は,「教皇」が日本で人気だからとGravityと協議したうえで制作してもらったという。
このように,より日本のプレイヤー向けの調整が可能になり,実は今回実装されるリベリオンもこの恩恵が大きいとのことだ。
13thアニバーサリーイベントで,ここまで自由にやらせてもらえるようになったこと,そして日本の運営チームの要望に応えてくれるようになった背景には,13年のサービスを経て開発元がガンホースタッフを信頼して任せてくれるようになったからだという。
「約14年運営してきましたが,パブリッシャの枠を越えたコンテンツを作れるようになったことは,とても大きいと思います」と話す千葉氏。「ただ,イベントなどの責任は,より重くなりました」と苦笑しながら述べていた。
そして,14年もかかってしまったが,ようやく理想的なデベロッパとパブリッシャの関係になったのではないか,と千葉氏は付け加えた。
ROを盛り上げる鍵は休眠プレイヤー。掘り起こすための数々の仕掛け
さて,14年もサービスが続いたROは,これまでにかなりの数のプレイヤーを獲得してきたわけだが,当然,そのすべてが今もプレイを続けているわけではない。そこでガンホーは2015年に,そんなプレイヤーの掘り起こしにも手を尽くしてきたという。
そのスタートとなったのが「Episode:Memory Record 〜ジュピロスと眠る都市〜」だ。千葉氏によると「絶対に『ジュピロス』を(アップデートの)名前に入れたかった」のだという。その後に実装した「ピラミッドナイトメア」「生体工学研究所:獄」,そして「旧フェイヨン復活」なども,かつてのプレイヤーのフックになるような名称を付けることを心がけたそうだ。
なぜ,ターゲットが休眠プレイヤーなのだろうか。もちろん新規プレイヤーの獲得は重要だが,14年前にスタートしたゲームを新規で始めるのは,かなりハードルが高いだろう。そこで,既存プレイヤーや休眠プレイヤーに楽しんでもらい,その模様を外部に発信してもらう。それこそが新規を獲得する最善の手だ,という結論に達したという。
その結果,定期的に新規プレイヤーは増えており,それ以上に復帰するプレイヤーも増えているという。ただ,かつてのROと,現在のROは結構変わっているところもあり,また社会人プレイヤーも多くなっている。そのため,ROらしさを崩さないように注意しながら,短い時間で十分楽しめたり,かつての装備資産を活かしてZenyを得られたりするような,「現代的で復帰しやすい」調整を加えているとのことだ。
では,新ワールドの実装など,新規獲得の施策はあるのかと千葉氏に聞いてみたところ,考えてはいるがどういう形で行うかはまだ思案中とのこと。安易にワールドを増やすと「こっちのワールドは人が少なくて困ってるのに,また新ワールドを立てるのか」といった批判も出てきてしまうからだ。
もし新ワールドを立てるとなれば,ほかの企画と複合して,これならばいけるとなったときに実施するとのことだった。
これまでのROの盛り上がりは,プレイヤーの協力も大きかったと話す千葉氏。現在は,二次創作ガイドラインを拡張し,ROのゲーム内BGMやガンホーが販売しているサントラCDなどの曲ならば,動画に使えるようにしているという。
中村氏も「これまで雄一郎さんに描いてもらったROキャラのイラストなどが300点近くありますが,これもファンサイトキットにまとめて上げてあります」と話し,イラストや楽曲などROのコンテンツを自由に使ってもらい,新規プレイヤーや休眠プレイヤーに「現在のROで楽しんでいる姿」を知ってもらうのが理想だと語ってくれた。こういった,ゲーム以外の部分でプレイヤーをサポートする土壌作りは,2015年に力を入れた施策のひとつだったという。
エピソード16.1「英雄たちの宴」は年内実装予定。ワールド移動の新システムも企画中?
今後のロードマップについては,今回紹介したリベリオン実装後,韓国でエピソード16.1「英雄たちの宴」と呼ばれるアップデートを年内に予定しているとのことだ。その続編となるエピソード16.2も韓国では実装済みだが,こちらは来年になる予定という。このほかに韓国では実装済みだが,日本への導入が見送られているものもある。それらがどういう形で日本で実装されるかも調整しているが,現時点では大きなアップデートの予定は「今のところ」ないとのことだった。
もちろん,その間にイベントなどは随時行っていく予定で,あまりプレイヤーが行かなくなったダンジョンなどのテコ入れとして,新アイテム導入などの調整を行い,誘導するようなイベントを実施する予定だという。
ほかにもプレイヤーの要望にはなるべく応えたいと話す千葉氏。代表的なものとして「ワールドを移動する」システムを挙げ,現在はちょっと難しいがいくつかアイデアが出ていて,いずれ実現するかもしれないとのことだった。「ついにROもチャンネル制導入か?」という期待や,「それだとGvGはどうなる?」といった疑問が浮かんでくるが,それらについては運営も検討しており,また解決したとしても開発の協力が不可欠なので,いつ実現できるかは明言できないとのことだった。続報に期待したいところだ。
ガンホーフェスティバル2016にROも出展。リベリオン実装時には育成キャンペーンが始動
2015年は「LORD of VERMILION ARENA」との大型コラボ(関連記事)で話題を呼んだROだが,今年もコラボがあるのか聞いてみたところ,残念ながら予定はないという。逆に「ROでよければ,いつでもお声がけください」とアピールされてしまった。このアピールには,日本のPCゲームに対する危機感もあるという。PCゲームの需要が無くなるとは思っていないが,現在はスマホゲームが全盛で,PCゲームはあまり勢いがない。だからこそ,ほかのタイトルと協力して,盛り上げている姿を見せたいとのことだった。
また,5月26日に千葉の幕張メッセで開催される「ガンホーフェスティバル2016」に,ROと「エミル・クロニクル・オンライン」(以下,ECO)が参加するとのことだ。なおROに関しては,大会,カンファレンスステージなどが出展されるわけではなく,ポリン玉入れや,専用ダンジョンをプレイするミニゲームコーナーでの参加になるとのこと。
その新しい「何か」については,栗山氏がいくつもアイデアを出していて,そこから一番良いものを取捨選択しているところだと千葉氏が明かしてくれた。それほどの案が出ているのも,裁量権を得たことで,運営スタッフのテンションが上がった影響とのことだった。
今後,何か面白いイベントなどを考えて,それが実現できるとなればオンライン,オフラインを問わずイベント開催も視野に入れるとのことなので期待したい。
そして中村氏から,リベリオン実装と同時にリベリオンの育成イベントを実施することが伝えられた。期間は約4週間で,これから新しくキャラを作成して育成を始めても,BaseLv130ぐらいまで育ち,必要な装備品がある程度集まるとのことだ。
同時にリベリオン用の追加コンテンツが楽しめる,月額利用権とセットになったパッケージ販売も行う予定だという。この追加コンテンツは,クエストクリア時に支給される武器が増えたり,いつでもステータス/スキルリセットができようになったりと,かなりお得な特典のようだ。
最後に,アップデートについて説明してくれた白川氏と栗山氏も交えて,2016年下半期のROに期待するファンへ向けてメッセージをいただいたので,それを紹介しよう。
長澤氏:
昨年から,日本のプレイヤーさんが最大限楽しめるように,徹底的に面白いものを入れてきました。今が一番ROが面白い時期だと思います。ぜひ皆さん,ログインして遊んでみてください。一緒に楽しく遊びましょう!
栗山氏:
今回のリベリオンは,大きな裁量権をいただいて調整した,初めてのアップデートとなります。今までは日韓で遊び方が違うため,日本では使いづらいスキルもありましたが,今回はどのスキルも日本のプレイヤーさんが楽しめるように仕上がったと思います。育成キャンペーンもありますので,ぜひリベリオンを使ってみてください。
白川氏:
3次職アップデートやホムンクルスSに続いてリベリオンのスキル調整を行わせてもらいました。正直,裁量権のおかげでやりすぎたかな,と思うぐらい攻めの姿勢でやれました。栗山にはだいぶ苦しい調整を迫ってしまったかもしれませんが,ガンスリンガーを使っていた人はもちろん,初心者も楽しめるクラスになったと思います。ぜひ,5月17日を楽しみにお待ちください。
千葉氏:
14年間,運営を続けてきて,プレイヤーさんとパブリッシャとデベロッパの関係が,かなりいいところまで持ってこれたことは,光栄だと思っています。この良い関係をこのまま続けていくことが我々の使命だと思ってます。いまだにROみたいなゲームやりたいね,という話はよく聞きますが,ROはまだやってるんです(笑)。
ROみたいなゲームはROしかありません。それを自信を持って言えるように全力で取り組んでいきたいと思いますし,そう思っていただいているプレイヤーさんには安心して遊んでもらえるようなサービスを続けていきたいと考えています。これからもプレイヤーさんとROを一緒に盛り上げ,遊んでもらえたらと思います。
中村氏:
リベリオンは初めてROをプレイする方も,転職準備をして待ち望んでいた方も,どちらも目いっぱいお楽しみいただける職業になっています。遊びやすく,とことんこだわれるリベリオンを,ぜひ体験してみてください。
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