オーストリアのソフト販売会社のブースにあったのは,Bugbearという開発チームが製作するラリーシミュレーションゲーム
「Rally Trophy」。
1960年代から70年代に及ぶ,ラリーレーシングでクラッシックな車種を10台ライセンスし,ヨーロッパらしい石畳の続くスイスの山岳部からケニアの草原地帯まで,
五つの国の環境で42種類のコースが用意されている。
プレイヤーが選択できるラリーカーは,
・SAAB Z8 V4
・Volvo 120
・Opel Kaddett
・Mini Cooper S
・Ford Lotus MK1
・Ford Escort RS2000
・Lancia Fulvia Coupe
・Lancia Straight
・Fiat 800 Abanus
・Alpine A110・Alpha Romero Julia GTA となっており,細部までモデリングされたボディと周囲の環境を反射させる環境マッピング効果,さらにはタイヤの後方から放たれる砂ぼこりに至るまで,最近のレースゲームには欠かせない要素が満載されていて,グラフィックス面では見劣りしない。ただ,70年代の車はレースカーとして今ほど洗練されていなかったため,ハンドリングやタイヤのグリップがユルユルになっているような印象も受ける。筆者はラリーを体験したことがないので何とも言えないが,開発者に言わせると
「昔通りのリアリズム溢れるハンドリング」とのこと。
細かい部分までリアリスティックに作り込まれているのは事実で,運転の仕方が悪ければギアボックスにまでダメージが与えられるし,リプレイムービーではレース中にぶつかった衝撃でできたフロントガラスのヒビまで再現されている。特筆すべきはタイヤのアニメーションで,高速になるに従ってリム部分が逆に回転し出すような描写も描き込まれている。ケニアのコースでは野生動物も走っているなど,ヘンなところにも注意が払われているのもご愛嬌。発売は,ヨーロッパでは11月頃になる予定だ。