インタビュー
16周年を迎えた「リネージュ2」。サービス無料化からのゲーム内の変化と今後の展開を日本運営の統括プロデューサーに聞く
長くサービス運営が続く本作は,これまでにも多くのアップデートが行われ変化し続けてきた。そのなかでも2019年は,とくに変化の大きかった年だろう。その1つが2019年2月27日に実装された「自動狩り」システムだ。さらに,10月30日にはそれまで定額サービスだった「ライブサービス」の基本プレイ無料化が行われ,これによって,「リネージュ2」のすべてのサービスが無料化されたことになる。
こうした変化はプレイヤーにどのような影響をもたらしたのだろうか。日本統括プロデューサーの新井友和氏に,変化を続けるリネージュ2の現在と今後について聞いた。
16周年を迎える「リネージュ2」。「デスナイト」の各サービスへの実装は?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「リネージュ2」が日本でサービス開始されてから16周年になります。率直な感想をお聞かせください。
2019年10月30日に全サービスが基本プレイ無料化になりましたが,そこから多くのお客さまに遊んでいただけています。新しいゲームタイトルが生まれると,サービス終了となるタイトルも少なからずあるなかで,これだけ長く運営を続けられているのは,本当にありがたいことだと思っています。
これから20年,30年……そして100年と続けられるサービスになるよう努力してまいりますので,暖かい目で見守っていただけると幸いです。
4Gamer:
個人的には,オープンβテスト開始時に同時接続数が多すぎて大混乱だったことが,いまだに忘れられません。そこから歴史を積み上げて今に至ると思うと,感慨深いものがあります。
新井氏:
そうですね。私はリネージュ2のプロデューサーになって6年目ですが,プレイヤーとして14年ほど遊んでいます。ゲーム内でプレイヤーの皆さんと話すと「オープンβテストからやっています」とか「正式サービスからずっと遊んでいます」といった声をよく聞きますし,長く遊んでくださっているお客さまが本当に多いです。
4Gamer:
2019年2月の「自動狩り」システムの実装もあり,リリース当初のリネージュ2とは遊び方が大きく変わったと思います。それでも多くのプレイヤーに支持されている,その理由はどこにあるのでしょうか。
新井氏:
オンラインゲームならではの“出会い”があることが大きいのかなと考えています。リネージュ2は,プレイヤー同士の結びつきで物語が紡がれるという側面もあります。また,歴史が長い分ボリュームも相当なものになっていますので,腰を据えてじっくり遊びたい人にも満足できるゲームなのも魅力の1つと言えるでしょう。
4Gamer:
人が集まるという意味では,定額課金制だったライブサービスが基本プレイ無料になったことも影響していそうですが,プレイヤーの遊び方は変わってきているのでしょうか。
新井氏:
遊び方が変わったのは,その前の自動狩りシステムからですね。以前は,帰宅してからすぐ狩りをして経験値を稼ぐ人が多かったのですが,自動狩りが入ってからは,空いた時間に狩りの設定をしておいて,帰宅後の自由な時間はパーティプレイやレイドなどのコンテンツで遊ぶ方が増えています。結果,遊びの幅が広がりましたね。
4Gamer:
なるほど。昨年のトピックとしては,新クラスとしてアデンサービスに「デスナイト」が実装されました。こちらの反響はいかがでしたか。
新井氏:
アデンサービス限定のクラス「デスナイト」は,対人戦でも狩りでも圧倒的な存在感を出すことができます。これが本当に強くて,プレイヤーの皆さんはデスナイトに対抗する術をよく研究していますね。現状だと,弓職が対抗クラスとして台頭してきています。
4Gamer:
デスナイトがアデンサービス以外に実装されることはありますか。
新井氏:
検討してみたのですが,デスナイトをほかのサービスに入れるのはちょっと違うかな,と。あくまでアデンサービスの象徴として,ほかのサービスにはもっと象徴的な何か別の要素を用意したほうがいいと考えています。
4Gamer:
デスナイトは現状,男性しかなれませんが,女性でもなれるようにしたいという話も出ていたと思います。
新井氏:
お客様の反応や状況を精査してみましたが,やはり,何か別の新しいものを提供した方が喜ばれるのではと開発チームとは話しています。まだ詳細はお話できないのですが,「新しいとある企画」が動いていたりしますので楽しみにお待ちいただければと思います。
4Gamer:
新しいものですか。なんとなく新クラスかなと想像する人は多そうですが,ともあれ続報を楽しみにしています。
6月17日より16周年を祝う各種イベントが実施に
4Gamer:
例年だと記念すべき日を周年イベントで盛り上げていますが,16周年の今年はどんなイベントが行われるのでしょうか。
新井氏:
ライブ/クラシック/アデンの全サービスで同時に「アデン大陸ツアー」というイベントを行います。こちらはゲーム内にイベント専用のユーザインタフェースを設け,“すごろく”の形で進めていくものです。
4Gamer:
アデン大陸がすごろくのマスのモチーフになっているわけですね。
新井氏:
はい。アデン大陸の各地で紡がれた思い出を振り返りながら遊んでもらえると嬉しいですね。先のマスに進むために必要な「サイコロ」は,狩りやイベントに参加することでに入手可能となっています。
「これが漢のエンチャントキャンペーン」というウェブ上で参加できるイベントも用意しています。エンチャントの成功値に合わせて報酬を獲得できるミニゲームですね。
ちなみに,リネージュ2では,+16以上の強化で武器が真っ赤なエフェクトになります。16周年ということもあるので,この機会に+16を目指してみてください。
4Gamer:
エンチャントキャンペーンは,赤いエフェクトに強い憧れを持っていた昔の記憶がよみがえりますね。無理をしすぎて武器を失ってしまったことも,今となっては良い思い出です(笑)。
アデン大陸ツアーとエンチャントキャンペーンはすべてのサービスで行われるとのことでしたが,サービスごとに違ったイベントは用意されるのでしょうか。
新井氏:
もちろん用意しています。ライブサービスでは,人気のイベントとなっている「放浪の赤き天秤の商団」を実施します。これは,手数料を払うことで自分が持っている武器を同じグレードの別のタイプの武器に変換できたり,レベルを維持したままデュアルクラスを変更できたりと,なにかと便利な機能を持ったNPCが登場します。
4Gamer:
赤き天秤イベントは定期的に行われていますが,以前と同じ内容なのでしょうか。
新井氏:
基本的に,プレイヤーの皆さんが困っていることをフォローすることが目的ですので,今現在のニーズに合わせて調整を加えています。16周年イベント限定で「16周年コイン」を集めて消耗品を買うことも可能なので,新規から熟練のプレイヤーまで多くの方に楽しんでいただけるイベントになっています。
4Gamer:
なるほど。
新井氏:
クラシックサービスとアデンサービスでは,「バイウムの宴」というイベントを実施します。これは「傲慢の塔」の14階にいるボス「バイウム」を目指すイベントとなっていて,14階に到達しバイウムを討伐した英雄だけが,特別な宝箱が獲得できるというものです。
4Gamer:
狩場でもおなじみの場所でイベントが行われるんですね。現役のプレイヤーさんなら何度も通ってイベントを満喫できそうです。
新井氏:
さらに,16周年のお祝いとして,キャラクターの育成に必要なアイテムを大量にプレゼントしますので,イベントと並行して育成も進めてもらえればと思います。
7月下旬にアップデートが実施
4Gamer:
昨年は周年イベントの余韻が残っているタイミングで,すぐにアップデートの告知がされ,夏に実装されるという流れでした。今年の下半期はどんな予定になっているのか,話せる範囲で教えてください。
新井氏:
今年も周年イベントからテンポ良くアップデートを行っていく予定で,7月下旬にスキルと狩場の調整を行うアップデートを行います。プレイヤーの皆さんが今現在で不便に感じている部分を改修するのが狙いですね。
4Gamer:
いくつもの細かな調整が行われるアップデートになると思いますが,その中でとくに重要視している調整は?
新井氏:
キャラクターレベルが全体的に上がっている状況ですので,ライブ/クラシックサービスを中心に,高レベル向けの狩場の見直しを行います。
アデンサービスにおいては,今年3月に実装した「ペット」の能力を向上させるアップデートが見どころになるでしょう。
クラシックサービスは,そもそもアップデートの頻度がほかのサービスより少なかったので,今年は大幅なテコ入れを行います。
4Gamer:
現役プレイヤーにとっては,アップデートもあって熱い夏になりそうですが,秋以降の展開についての予定は決まっているのでしょうか。
新井氏:
7月に予定されているアップデートとは別の大型アップデートを,今年中に予定しています。
4Gamer:
もしかしたら,先に話が出た“新しい”ものが今年中に?
新井氏:
まだ決定したわけではないのですが,内部ではいろいろと進んでいたりしますのでお楽しみに。
4Gamer:
では最後に,4Gamer読者に向けてメッセージをお願いします。
新井氏:
リネージュ2が16年もの長きにわたって愛されている理由は,16年経っても色あせないグラフィックスと壮大な音楽,狩りを中心とした分かりやすいレベリング,そして育成したキャラクターで強大な敵に挑むというシンプルなゲーム構造にあると思います。加えて,時代の流れによってゲームを取り巻く環境が変わるなか,アップデートという形で新しい遊び方を提供できてきたことも成功の一因でしょう。
我々運営としては,皆さんに末永く遊んでいただけるよう,つねに新しい遊び方と行き届いたサービスを提供し続けてまいりますので,今後もリネージュ2をよろしくお願いします。
あと,6月28日にリネージュ2の番組「りね2てれび」を生配信します。今までの配信とは趣向を変え,私自身が各サーバーを回りプレイヤーの皆さんからの質問に答えていく形にする予定なので,ぜひご視聴ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「リネージュ2」公式サイト
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