ECTSで取材中のプレス陣の間で話題沸騰の作品を紹介しよう。
フランスの中堅開発元Axel Tribesと提携したEugen Systemsのユージン兄弟が開発している,リアルタイム戦略ストラテジーゲームの
「Death Bowl」である。デス・ボウルというのは現代版の死闘を開催するアリーナにつけられた名称だ。プレイヤー率いる一軍は,現代のグラディエーター(剣闘士)となって,エンペラーによって連れられてきたモンスターの軍団と戦う。アリーナは非常に大きく,Black&Whiteを連想させるような"浮いている島"で戦い合うというわけだ。
会場で公開されたデモでは,アリーナ自体には観客などは描き込まれていなかったものの,完成すると
360度観客に囲まれ,敵の一隊を破壊すれば拍手喝さいとなり,攻撃するのにてこずってしまったらブーイングの嵐になるらしい。あんまりモタモタしているとエンペラーが怒って水量を上げてしまい,陣地は減らされるわ残った陸地面積に敵味方がごった返すわで,プレイヤーも作戦の転換をしなければならなくなってしまうとのことだ。
グラフィックス技術は非常に高く,秒間200万ポリゴンを表示できるという。バンプマッピングや水の反映が美しいし,レベル・オブ・ディテールをサポートしているので,カメラが遠ざかるほどポリゴン量を自動的に調節する能力も持っている。
面白いのは,建物が比較的大きくなっており,
物見台や鉄壁の上でも歩兵ユニットが歩き回れるようになっていること。全体的に起伏の激しいマップが多く,未開拓の地でもフォグはかけられていないが(通常のRTSのように地形が黒くて見えないわけではない),ユニットの視界範囲でしか敵ユニットの存在は確認できないので,丘の向こうの敵軍に先手を打つなら,物見台は必須となるだろう。個々のユニットにヘルスメーターはなく,
ダメージは服にかかった血の量で確認するようになる。この手のインタフェースは最近の流行か?
PCゲーム以外のマーケットも視野に入れており,
RTSなのにすべてゲームパッドで操作できるようになっているのも特徴。カメラ視点は自由に変更できるだけでなく,ユニットひとつ一つに乗り移って1人称視点でプレイすることも可能だった。味方のユニットとしては,歩兵ユニットやミサイルランチャーを持った重装兵,戦車などが確認できたが,敵ユニットには緑色のモンスターのようなものもいた。
発売予定は2002年末とまだまだ先の話だが,マイナーゲームファンの心をくすぐる作品ではある。