車体のダメージなどをシミュレートしたリアル志向の"ラリーマスターズ"や,レースの爽快感を重視したアーケード志向の"モーターヘッド"と,レースゲームの開発を得意とするスウェーデンを本拠とするDigital Illusions社(現在はMidtown Madness 3を開発中)。
「RallySport Challenge」(以下,RSC)は,モーターヘッドでの独特の質感を持つグラフィックステクニックを現実味溢れるものへと進化させ,そこにラリーマスターズで培ったラリーレースの醍醐味をミックスさせている。すでに米国ではXbox版がリリースされており,さまざまなメディアで高い評価を受けている。国内では6月13日にXbox版が発売予定となっているが,やはり当サイトとしては,
2002年末にリリース予定(発売に関する詳細は,10月に開催されるWorld PC EXPO 2002で発表とのこと)のPC版が気になるところだ。
そのPC版は高解像度モードがサポートされ,さらに細密に表現された車体のモデリングやコースのオブジェクトによって,美しいグラフィックスの中を走りぬけられるのが魅力だ。余談だが,今回のE3で展示してあったものは,開発者によると"Xbox版からの純移植"のバージョンとのことで,基礎的な部分でXboxとPCとの互換性が高いのではないかということが伺える。
すべてが同じスペックで環境の統一が図られているXboxとは異なり,PC環境は一定でない。その安定性を高めるための期間が必要なため,PC版のリリースまでのタイムラグとなってしまうのだろう。
RSCに登場する車種は,
正式ライセンスを受けた全29種類。始めはMITHUBISHI LANCER EVOLUTION此SUBARU IMPREZA WRX,FORD FOCUS COSWORTH,PEUGEOT 206,FORD ESCORT COSWORTH RALLY,VOLKSWAGEN BEETLE,CASTROL TOYOTA COROLLA,PEUGEOT 306の8台。レースに勝利するなどの条件を満たすと,グループBの往年の名車や,800馬力を超えるヒルクライム競技専用モンスターマシンまでが序々に増えていくという仕組みだ。
コースは,片側が崖となっている険しく細い山道や,高速運動性能が試されるターマックコース,高度なテクニックが要求されるスノーコースなど,全48トラックが用意されている。実際にデモ機でプレイしてみたところ,手軽に楽しめるようにいろいろと工夫されていることが分かった。障害物への衝突や,崖からの転落というような非常に車体にダメージを受けるクラッシュをしても,リタイアとならずにゴールまで走り抜けられるのだ。フロントガラスが砕け散ったり,ボンネットやバンパーがへこんでしまったりといった視覚的なダメージはもちろんある。難易度の設定もあるので,幅広い層に受け入れられやすい感じを受けた。
RSCはマルチプレイにも対応しているが,PC版の発売に合わせてMSN Gaming Zoneで対戦ができる環境が整うらしい。ちなみに,Xbox版と同様に
4人までのマルチプレイとなるようだ。追ってプレイムービーをUpするので,ぜひ自分の目でその出来具合いを確かめてほしい。(Seal)