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書籍「ダンジョンズ&ドリーマーズ ネットゲームコミュニティの誕生」が発売
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印刷2003/12/25 18:40

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 書籍「ダンジョンズ&ドリーマーズ ネットゲームコミュニティの誕生」が発売 - 2003/12/25 18:40


 これから紹介する「ダンジョンズ&ドリーマーズ ネットゲームコミュニティの誕生」は,"ロード・ブリティッシュ"ことリチャード・ギャリオット氏,「Doom」と「Quake」の作者として知られるジョン・カーマック/ジョン・ロメロ両氏など,PCゲーム界の巨人達が繰り広げた"伝説"の数々や,そして彼らのゲームが社会にもたらしたさまざまな現象を,綿密な取材のもとにまとめあげたドキュメンタリー本だ。
 宇宙飛行士を父親に持つリチャード・ギャリオット氏の幼年時代,彼はどんな人物で,またゲームとの出会いはどのような形だったのか? Doom/Quakeでオンラインゲームを社会現象までにしたid Softwareの開発者たちの素顔は? 社会に多大な影響を与えたゲームをいかにして作りあげたのか? などといった話が時系列順で語られていく。

 本書の最大の特徴は,ゲーム業界(主にPCゲームだが)の流れを技術的/ビジネス的なアプローチからではなく,「コミュニティ」という側面から捉えているところだろう。
 本書でいうコミュニティというのは,単にプレイヤーのコミュニティというだけではなく,開発者ほか,さまざまな形でゲームに関わる人々全体を指している。テーブルトークゲームを中心として地域ごとに形成されていたゲームコミュニティの中から,のちのコンピュータゲームの開発者達が生まれていく様子,またコンピュータゲームとネットワークの発展によって,コミュニティ自体もあり方や性格を変えていく様子など,ゲームというモノに対する"人々の反応"を重点的に描いている点は,非常に面白い。黎明期のゲーム業界における巨人達の活動の様子も,ユニークかつエネルギッシュであり,ちょっとした冒険譚を読むように楽しむことができる
 また本書の中盤からは,ゲームの暴力表現に対するバッシングや,米国を中心に湧き上がったLANパーティ,MODといったムーブメントについての記述が多く盛り込まれており,こちらもなかなかに興味深い内容。ここ1〜2年,オンラインゲームが本格的にはやり出す兆しを見せる日本だが,本書を読むことによって,いろいろな部分について考えさせられてしまうこと請け合いだ。仕事で,あるいは興味本位で,どんな理由であれ"オンラインゲームについての知識を深めたい"という人には,ぜひ本書を手にしてみることをお勧めする。

 さて,forGamerでは珍しく書籍の紹介という今回の記事だが,読んでみた感想として,内容が"至極forGamer向き読書"だと感じたので,特別に紹介させてもらった次第。ギャリオットやカーマックのほかにも,Simシリーズの生みの親であるウィル・ライト氏や,「Thief」や「Deus EX」といったタイトルで名を馳せたウォーレン・スペクター氏の逸話も織り交ぜられているなど,PCゲームファンなら必読の本書。小さなゲームコミュニティからコンピュータゲームが誕生し,そのゲームが人々の生活に深く影響を与える"文化"となるまでの様子が,事細やかに,そして生き生きと描かれている。興味がある人は,一度読んでみるといいだろう。(TAITAI)

「ダンジョンズ&ドリーマーズ ネットゲームコミュニティの誕生」
ブラッド・キング (著), ジョン・ボーランド (著),平松 徹 (訳)
ページ数:400
価格:1800円

通信販売は,「こちら」からどうぞ。


  • 関連タイトル:

    Richard Garriott's Tabula Rasa

  • 関連タイトル:

    DOOM 3

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