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「女神転生IMAGINE」リミテッドβテストプレイレポート:オンライン版メガテンの「今」を紹介
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印刷2007/01/24 16:47

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「女神転生IMAGINE」リミテッドβテストプレイレポート:オンライン版メガテンの「今」を紹介

リミテッドβのテスター募集については,毎週水曜日に抽選が行われている。女神転生IMAGINEに興味がある人は,ぜひ応募を
 ケイブとアトラスが共同開発中のMMORPG「女神転生IMAGINE」では,現在リミテッドβテストが行われている。これは第三次クローズドβテストに相当するもので,参加者の追加募集は継続的に行われており,毎週水曜日が抽選日となっている。
 リミテッドβテストのプレイデータは,今後の正式サービスに引き継がれることになっているため,ある意味「限定的なオープンβテスト」ともいえるだろう。「早く気軽に参加できるオープンβテストが始まらないかなぁ」なんて思っていたメガテンファンは,ぜひ公式サイト内応募フォームページで,参加申し込みをしてみよう。

 さて,4Gamerではこれまで,女神転生IMAGINEのリリース情報だけでなく,テストサーバープレイレポートや開発者とのチャットイベントなどを通じて,同作の魅力をお伝えしてきた。本稿では,正式サービスを間近に控えた現在,女神転生IMAGINEはどの程度の完成度に達しているのかを確認しつつ,同作の魅力と,可能性について紹介していきたいと思う。
 なお本稿は,昨年末から行われていたβプレビューでのプレイを踏まえたうえで,2007年1月20日までのゲーム内容を基に執筆している。当時の実装内容やプレイフィールについては,「こちら」のプレイレポートを参照してほしい。



■基本システムが改良され
■より遊びやすくなった

βプレビューバージョンと比べ,キー入力のレスポンスが良くなり,戦闘のテンポも若干速くなった印象を受ける
 昨年末から行われていたβプレビューから,現在行われているリミテッドβテストに至るまでの過程で,女神転生IMAGINEにはさまざまな新要素が追加され,各種システムが改良されてきた。
 新システムについては後述するとして,ここでは女神転生IMAGINEのプレイフィールがどのように改善されたのかを,戦闘システムを軸として紹介しよう。

 本作の戦闘システムは,通常攻撃であるアタック,アタックをはじき返すガード,ガードさえも突き破るラッシュ,アタックやラッシュをしかけてきた相手に反撃するカウンターなど,さまざまな物理スキルの存在によって成立している。
 これに加え,基本的に遠距離攻撃となる銃撃/魔法や,仲魔(仲間にした悪魔)を通じての攻撃,相手の防御属性と攻撃属性との相性などなど,さまざまな要素が絡み合うため,臨機応変な状況判断,的確な操作を積み重ねていくことが重要となる。基本的な戦闘システムに関しては,ネクソンジャパンが運営中のMMORPG「マビノギ」のそれをイメージしてみると,人によっては理解しやすいかもしれない。

 本作は,W/A/S/Dキーによる移動にも対応しているものの,基本的にはクリックタイプのMMORPGに近い操作系統で楽しめるのだが,一般的な同タイプのゲームと比べると,かなりスリリングで奥深いバトルが楽しめるといえるだろう。
 βプレビューの頃は,コマンド入力のレスポンスが悪かったり,アクションが若干モッサリしていたり,モーションやエフェクトの種類が寂しかったりといった問題点もあったのだが,リミテッドβをプレイしてみると,そのあたりはうまく改善されているように思えた。仕様を理解し,操作に慣れるまでが大変かもしれないが,一般的なクリックタイプのMMORPGと比較し,「作業させられている」感があまりないので,その手のゲームが苦手だというMMORPGファンなら,一度試してみる価値はあるだろう。

 また,キャラクター死亡時のデスペナルティ(死亡による経験値減少)の軽減や,パーティプレイ時の取得経験値量の調整,悪魔のパラメータ修正なども行われており,全体的に,よりプレイを進めやすくなった印象を受ける。戦闘では,状況に応じた戦術を瞬時に実行する必要があるため,複数匹のアクティブな悪魔に絡まれると簡単に死ねるが……,ワンミスが死につながる戦闘バランスは,「メガテンらしさ」の一つでもある。この点については賛否両論あるかもしれないが,個人的には好みのバランスだったことを,一人のメガテンファンとして表明しておきたい。

戦闘では,悪魔の攻撃方法や配置を考慮し,的確な戦術を取る必要がある。やや難度が高いが,「クリックタイプのMMORPGは単調すぎて苦手」という人には,挑戦しがいのあるシステムである


■順調に実装されていくメインコンテンツ
■プレイアビリティも格段に向上

「仲魔」を軸とした各種システムは,メガテンシリーズの大きな魅力。リアルタイムで進行するMMORPGだけに,悪魔との会話はやむを得ず簡略化されているが,こればかりは,画期的なアイデアの登場を待つほかない
 βプレビュー当初の女神転生IMAGINEは,ごくごく基本的な戦闘システムと,極めて限定的なエリア/悪魔のみが公開された,「ゲームの雰囲気を確認してもらう」ためのバージョンに過ぎなかった。チュートリアルや簡単な戦闘,悪魔との交渉,NPC商店を通じての売買などが主なテスト内容となっており,そこで問題となった不具合やテスターからの指摘は,可能と思われる範囲で修正/反映されている。

 現在のバージョンでは,下記のようなマップが実装されている。登場悪魔もすでに60種類を超えており,ローカライズタイトルでなく開発中のMMORPGとしては,順調なペースで世界が拡張されているといえるだろう。なお,魔階セルタワーおよび1月18日に実装されたアップデート内容については,詳しく後述する。

●タウン:第三ホーム,新宿バベル
●フィールド:スギナミ,ナカノ,イチガヤ,シブヤ
●ダンジョン:ヴァーチャルバトル,シンジュクドック,魔階セルタワー

 女神転生IMAGINEのサーバーは今のところ一つだが,チャンネルが六つ用意されているので,特定のチャンネル/マップが極端に混雑するという状況は発生しにくい。実際にプレイしていても,狩り場が混雑して戦闘/悪魔のスカウトが楽しめないようなことは,ほとんどなかった(夕方〜深夜にかけては,かなりのプレイヤーが見受けられるが)。本作では,悪魔合体でより強い仲魔を生み出すための素材として,さまざまな悪魔を仲魔にする必要があるため,一般的なMMORPGのように「常に取得経験値効率の良い狩り場が混雑する」ということは発生しづらいのだろう。
 これに加えてチャンネルも分けられているので,例えば「一定周期でポップするボスモンスターの予約待ち」などに時間を浪費させられることも,一般的なMMORPGと比較すればかなり少ないといっていい。1月18日に実装されたプライベートダンジョン 魔階セルタワーも,プレイヤーキャラクター密度の分散化に貢献している。現状,同時接続者数とチャンネル数が,うまい具合に釣り合っていると見ていいだろう。



リミテッドβ中とはいえ,すでに60種類以上の悪魔が実装されている。仲魔の成長やスキルの継承など,やりこみ要素も健在。いずれはコンシューマ版と同等(あるいはそれ以上)の悪魔数が実装されることになるだろう。非常に楽しみだ
 仲魔にした悪魔を合体させ,一定の法則に基づいてさまざまな悪魔が生み出せる「悪魔合体」システムや,技術/知識の熟練度を高めて自分なりのキャラクター育成が楽しめる「エキスパート」システムも,すでに実装済みとなっている。
 悪魔合体に関しては,いずれはプレイヤーキャラクターのスキルを通じて合体が可能になるのだが,ゲームバランスを考慮し,現状では未実装(仮実装されたが,現在使用不可)となっている。まだまだ総登場悪魔数が少ないので,コンシューマ版ほど深遠な合体は楽しめないものの,スキルの遺伝/覚醒などの要素もあり,十分魅力的なコンテンツ。今後,通常の2身合体(精霊合体)に加えて,3身以上の合体や,武具と悪魔の合体など,コンシューマ版でもおなじみの合体システムが導入されたら,とんでもなくやり込みがいのあるコンテンツになるはずだ。
 エキスパートは,テクニック(技能)とナレッジ(知識)に大別でき,各テクニック/ナレッジに対応した行動をとることで,それぞれのエキスパートを成長させられる。各エキスパートが一定ランクに達すれば,新たなスキルや魔法が習得できるようになるが,エキスパートポイントの合計値には限りがあるため,すべてのエキスパートを最高値まで伸ばすことはできない。
 本作のキャラクター成長システムは,戦闘を通じて経験値を稼ぎ,それが一定値に達するとレベルアップするというレベル制が基本となっている。そこに,レベルアップすれば能力値ポイントが得られ,各能力値に任意のポイントを割り振れる要素も加味されているため,もともと自由度の高いキャラ育成が楽しめたわけだが,エキスパートシステムが導入されたことにより,生み出せるキャラクターのバリエーションはさらに拡張された。アバター性を含むキャラクターの個性に重きの置かれたタイトルだけに,今後のシステム拡張にも大いに期待したいところである。

 プレイアビリティを高めるアップデートも,随時行われている。女神転生IMAGINE開発者とのチャットイベントでも触れられていた「倉庫」「ミニマップ」などの機能も,すでに実装済みだ。開発が進むにつれ,アバター性が非常に高くなることが予想されるゲームだけに,普段は使用しない武器/コスチューム類などを保管できる倉庫の実装は,とてもありがたい機能だといえよう。

写真左:限りあるエキスパートポイントをうまく配分していけば,思い通りのキャラクターが育成できる。アップデートを通じてスキルが充実してくるにつれ,その重要性も増してくるだろう 写真中央:武器や防具に耐久力が設定された。耐久力は戦闘を通じて減少していくが,武器屋などのNPC商店を通じて回復可能。ただし,修理時に耐久力の最大値が下がることもある 写真右:終了予定日は明らかになっていないが,悪魔カードイベントが実施されている。役を揃えればさまざまなアイテムと交換できる,実利的なイベントだ


■1月18日のアップデートで
■本作はどう変わったか

マッカ/マグネタイトの最大スタック量が増え,インベントリのアイテムも自動的にまとまるようになった。BOT対策の一環として,開発側があえて不便にしていた仕様だったのだが,テストの結果を受け,結果的に改善されることになったのだろう
 1月18日に実施されたアップデート内容で注目したいのは,なんといっても「魔階セルタワー」の存在だろう(渋谷の超高層ホテル,セルリアンタワー 東急ホテルがモデルだろうか)。
 これは,ゲーム内のシブヤフィールドに存在するプライベートダンジョン(プレイヤーキャラクター単体/パーティ単位で生成されるインスタンスエリア)。ロビーに設置されているダンジョン生成装置にプレートをはめ込むことで,プレートの色(銅と銀は確認できた)に応じた「貸し切りダンジョン」が楽しめる。ちなみに,プレートはセルタワーのロビーで購入可能だが,悪魔を倒した際にドロップすることもある。
 ダンジョン内部には,特定のアクションを実行することで難度が変化する部屋や,スイッチでアンロックできる扉など,特殊な仕掛けが導入されている。また,「斬撃反射」や「電撃反射」などの属性を備える悪魔が登場し,最奥部には難度に応じたボス悪魔も待ちかまえている。
 筆者は,難度の低い銅のプレートを用い,2人パーティでセルタワーに挑戦してみたのだが,斬撃反射属性のオーガに苦戦したり,扉を開けるスイッチを探すために迷子になったり,ボス悪魔ハトホルのドロップ品に興奮したりと,大いに楽しめた。「クエスト」や「エピソード」が実装されていない現状,システム的な目的が明確に用意されたコンテンツの存在は,やはり大きい。
 攻略に要したのは1時間前後で,ボリューム的にも丁度良い感じだった。「銀のプレートの難度はどれほどのものだろう」「次にボスを倒したら,どんなドロップ品が得られるだろうか」「オーガを仲魔にしたら強そうだな」などと,思わず二度,三度とプレイしたくなるコンテンツといえる。クエスト/エピソードといった,ゲーム性/ストーリー性の基幹となる要素の実装とともに,ダンジョンのさらなる拡充にも注目していきたいところだ。

 18日のアップデートでは,魔階セルタワーが実装されたほか,悪魔が8種類,アイテムが7種類追加され,多数の不具合修正/仕様変更も行われた。
 不具合修正/仕様変更については,マッカ/マグネタイトの1スタック最大数が,1000から1万に修正されたり,インベントリのアイテムを自動的に「まとめる」処理が導入されたりと,おおむね改善と呼べる仕事がなされていたが,そのタイミングで実装された「アンチBOTコード」の意義には,若干疑問が残る。

 アンチBOTコードは,一定範囲内で悪魔を倒し続けると,取得経験値量やアイテムドロップ率が減少していくという,文字どおり「BOTプログラムを利用していると思われるような狩りを続けるプレイヤー」への効果が期待できるシステムだ。
 しかし実際には,設定されている「一定範囲内」の範囲が思いのほか広く,経験値量/アイテムドロップ率の減少が早い段階で適用されるため,「普通」に狩りをしていても,みるみる獲得リソースが減っていくのである(それでも一定範囲内で狩りを続けていると,獲得経験値量はゼロになる)。
 規約違反とされる外部ツールの利用や,多数のプレイヤーに不利益を与えるプレイスタイルを,あくまでシステム的に解決しようという姿勢は,大いに評価したいところだが,それによってプレイヤーにストレスを与えてしまっては,本末転倒ともいえる。
 チャットイベントのログで開発者が述べているように,マッカ/マグネタイト量の1スタック最大量が低く抑えられていたのも,インベントリのアイテムを手動でまとめなければならない仕様だったことも,すべてはBOT/RMT対策を意識してのデザイン。その点に関しては,開発者の真摯な想いを理解し,多少不便でも我慢しようと考えていたテスターは多いだろうが,現状のアンチBOTコードを許容できるのは,現段階でのレベルキャップに到達したプレイヤーだけかもしれない。仕様の是非についてはともかく,少なくともシステムの再調整は必要なのではないか,と感じた次第である(もちろん,現在はリミテッドβテスト中なので,なんらかの対策は近いうちに必ず取られるだろう)。

上段左:現状のアンチBOTコードは,結果的に多くのプレイヤーにとって負担となっているようだ(その実効と反応を見るのも,テストの一環といえる)。今後の仕様変更/バランシングによって,どのようなBOT対策に落ち着くのか,注目していきたい 上段中央/右,下段:魔階セルタワーはインスタンスダンジョンなので,ほかのプレイヤーを気にすることなく,のびのびと攻略できる。銅の難度なら,2人パーティでも比較的簡単にクリアできたので,経験値稼ぎ/レアアイテム狙いに活用したいところだ


■正式サービスへの課題と
■今後の展開について

 プレイヤーには説明不要かもしれないが,本作はケイブとアトラスによって共同開発されており,運営そのものはケイブが行っている。つまり生粋の国産タイトルというわけだ。先日,ケイブとガンホー・オンライン・エンターテイメントとの業務提携が発表されたが,これはあくまで,配給窓口の一つとしてガンホーゲームズ「も」利用できるようになるということ。女神転生IMAGINEの開発/運営はあくまでケイブであり,同社の基本姿勢にも変化はない。
 開発と運営の距離が非常に近い作品であるだけに,女神転生IMAGINEでは,突発的な不具合が発生しても迅速な対応がなされてきたし,「開発元として納得のできるプレイヤーの声」も,積極的に検討/反映されてきた経緯がある。……といったら褒めすぎかもしれないが,テスト中,不具合の修正だけにとどまらず,テスターの意見を反映したさまざまなアップデートや,比較的凝ったゲーム内イベントが実施されるタイトルは,そうそうあるものではない。プレイヤーの間で話題になっているアンチBOTコードの件についても,開発側/プレイヤー側の双方が納得できるラインが提示されるだろう。

 人気RPGシリーズの名を冠するタイトルということもあり,女神転生IMAGINEは,開発陣の掲げる理想も,プレイヤーが抱く期待感も,非常に高いMMORPGである。それに加えて,本作で初めてオンラインゲームに触れたというプレイヤーも多いと思われるので,リミテッドβテストにまつわる混乱も,致し方ないのかもしれない。
 ともあれ,今冬の正式サービスが予定されている本作だが,開発の進捗状況に関しては,おおむね良好なペースが維持されているように思える。作品にストーリー性や世界観を付与するクエスト/エピソード,ゲーム展開と密接にかかわる「LNC属性」(プレイヤーキャラクターの立場や性格を表す属性),アイテム/悪魔/マップなどが追加され,合体/エキスパートシステムのさらなる強化が施されていけば,メガテンベースのMMORPGとしては,かなり遊べるタイトルになるだろうと,メガテンファンの一人としては容易に想像できる。
 今は,テスターとしての義務をしっかりと果たし(楽しみ)つつ,正式サービスの開始前後に明らかになる「一通りのコンテンツが実装された女神転生IMAGINEの姿」に思いを馳せていたい。今後のアップデート内容や正式サービスに関する情報公開が,非常に楽しみだ。(大路政志)

クエスト/エピソードの実装を予感させるかのように,NPCが配置され始めている。今後,どのような世界観/ストーリーが表現されていくのか,実に楽しみだ
  • 関連タイトル:

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