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印刷2007/08/03 20:29

プレイレポート

「女神転生IMAGINE」,8月9日に実施される大型アップデートの先行プレイレポートを掲載

記事内の画面はすべて開発中のものである。今回のプレビューとはあまり関係ないが,テストプレイを行ったプレイヤーキャラクターはなんと水着装備。いつ実装されるのかは教えてもらえなかったが,もしかしたら大型アップデート近辺で実装されちゃうのかも。男性キャラクターでプレイしていることを筆者が心底悔やんだ瞬間だ
 8月に入り,いよいよMMORPG「女神転生IMAGINE」の大型アップデートの実施(8月9日)が近づいてきた。今回のアップデートで実装される主な内容は,女神転生シリーズではお馴染みの「LNCシステム」,シナガワフィールドとメシア教団の本拠地「聖都アルカディア」,ウエノフィールドとガイア教団の本拠地「総本山」,そして,エピソード第2章「アダムの子供たち編」の幕開けとなるAct8〜10の追加だ。
 今回の大型アップデートの中でも,「LNCシステム」の実装は,メガテンファンにとってかなり嬉しいポイント。サービス開始から意欲的にアップデートを繰り返してきた本作だが,このアップデートで,さらに“メガテンらしさ”が増すこと請け合いだ(ようやくという見方もあるが)。
 今回4Gamerでは,アップデート実施前にケイブにおじゃまして,テストサーバーでアップデートで追加された要素を先行体験する機会を得たので,そのプレイレポートをお届けする。首を長くして8月9日の実装を待っているプレイヤーや,女神転生IMAGINEにしばらくログインしていないプレイヤーは,ぜひチェックしてほしい。
 なお,この大型アップデートに関するティザーサイトにある「悪魔全書システム」については,残念ながら8月中に実施されるアップデート第2弾での実装になる。楽しみにしていた人は,もう少しだけ待っていてほしい。

■LNC属性で街の人々の態度が変わったり
■召喚する悪魔にも影響が出てくる


 今回のアップデートの目玉の一つであるLNCシステムは,プレイヤーキャラクターがエピソード(クエスト)で選ぶ行動に応じて,LAW/NEUTRAL/CHAOSといった性格付けがなされるというものだ。
 LAWは法と秩序,そしてCHAOSは自由と混沌を重んじるという思想であり,NEUTRALはそのどちらにも属さない中立の立場となる。一見LAWが正義でCHAOSが悪という印象を受けがちだが,実はそんなに単純ではなかったりする。LAWは法と秩序を重んじる半面,厳しい規律と絶対階級制度によって人々を縛っている。CHAOSは無秩序で暴力的だが,“創造には破壊が必要である”という思想で自由な生き方を尊重している。つまり,どちらも自分達の“正義”に従って生きているのである。

 プレイヤーはエピソードで行動の選択を迫られる場面がたびたびあり,そこで選んだ選択肢によってLAWまたはCHAOSいずれかの属性に傾いていくことになる。実装済みのエピソードであるAct.1〜7をプレイしている人はすでに把握しているだろう。今回の大型アップデートで実装された,聖都アルカディアや総本山の人の態度の違いなどで,そのLNC属性をより深く実感できるはずだ。

(左)尼のようなポーズのメシア教徒。彼女はなぜLAWの生き方を選んだのか?
(右)虚無僧……ではなくCHAOSのガイア教徒。彼の言う大僧正とは?


 また,仲間にした悪魔(仲魔)の召喚にもこのLNC属性は影響してくる。例えば,LAWのプレイヤーが同属性の仲魔を召喚する場合,通常よりもマグネタイトの消費量が少なくなったり,召喚後の一定時間,能力が強化されたりするという効果が現れるのである。しかし,LAWのプレイヤーがCHAOSの悪魔を召喚しようとすると,通常よりも膨大なマグネタイトがかかり,デメリットが大きい。
 これまでは仲魔の属性はすべてNEUTRALだったため,手持ちの中で最も強い仲魔をパートナーにすれば楽に冒険を進められた。しかし,今後は自分の属性と仲魔の属性に配慮する必要が出てくる。召喚時の能力強化ボーナスを利用して同属性の仲魔をかわるがわる召喚するか,属性が異なっても最も強力な仲魔を連れていくかなど,より戦闘時の戦略が求められるようになるのだ。

■LAWとCHAOSの象徴となる都市
■聖都アルカディアと総本山


 さて,今回の大型アップデートで実装されるシナガワフィールドにはメシア教団の都市「聖都アルカディア」,ウエノフィールドにはガイア教団の都市「総本山」がある。
 「聖都アルカディア」は,法と秩序を重んじているメシア教団の本拠地ということもあり,隅々まで美しく整備されているのが特徴だ。厳かにそびえたつピラミッド状の建造物“カテドラル”は神々しささえ感じさせるが,カテドラルよりも低く均等な高さで建造された居住区,そして都市全体に漂う無機質な冷たさは,メシア教徒の階級思想の表れなのかもしれない。

聖都アルカディア
“東京大破壊”をしのぎ,生き残った人間の拠点としてシナガワに造られた「聖都アルカディア」。共同体社会の構築後には多くの人間が去り,現在はメシア教団による「千年王国」樹立のための拠点となっている。カテドラルは「太陽」(唯一神)のエネルギーを吸収するためにピラミッド状となっており,メシア教団の中でも能力の優れている者しか出入りできない
シナガワフィールド


 そして,ガイア教徒の本拠地である「総本山」は,「聖都アルカディア」とは正反対の景観となっている。自由が信条のガイア教徒には計画性のない人間が多く,街は整備されず荒れ放題,建造物のほとんどはジャンクでできている。山上にはコンクリートで作られた無骨な“風雲城”が威圧的にそびえ立っており,過去に悪魔対策のため備え付けられた大砲が,ガイア教団の“力こそ正義”という思想を表している

総本山
202X年,メシア教団に対立を強めた集団がウエノに造った街。主にメシア教団の法と秩序から逃れた人間達が集まっており,「ガイアーズ」や「僧界」の根城となっている「風雲城」がある。城に備え付けられた大砲は,「結界システム」がなかった頃の名残である
ウエノフィールド


 なお,両都市では教団特有のクエストも実装予定だ。「聖都アルカディア」では教団の活動のため物資を調達する任務,「総本山」では訓練のために悪魔討伐の任務が与えられる。

 都市だけでなく,シナガワとウエノ,それぞれのフィールドもメシア教団とガイア教団によって管理されている。その影響からか,シナガワフィールドでは「聖都アルカディア」に近づくほど,天使などLAW系の悪魔が多く出現し,ウエノフィールドでは外道などCHAOS系の悪魔が幅を利かせている。ちなみにシナガワ,ウエノには特殊な条件で出現する悪魔がいるとのことだが,今回のテストプレイでは確認できなかった。実装後のお楽しみということで,その目でぜひ確認してほしい。余談だが,生粋のガイア教徒である筆者としては,シナガワには天使が多くてうっとおしく,ちょっと数を減らしてやりたい気になった。……天罰が下るかもしれないが。

(左)“異界化”の影響が少なく,青空の見えるシナガワフィールド。今までのフィールドとは異なり,別世界のようにも感じられるが,危険な悪魔が出現することに変わりはない
(中央)東京大破壊によって壊滅的な被害を受け,荒廃したウエノフィールド。遠くには塔が見える
(右)闇に浮かび上がる新宿バベル。ウエノの陰鬱な雰囲気も相まって,かなり不気味だ


 なお,所属する勢力によって街の人の反応も大きく変わってくる。例えば,LAWの人間が「聖都アルカディア」の店で買い物をした場合,商品の値段が通常(NEUTRAL)より安くなるのだ。
 しかし,いいことばかりではない。もし敵対勢力の街に入った場合,攻撃こそ受けないものの地味な嫌がらせ(?)をされるのである。具体的には,町の人に話しかけても相手にされなかったり,商品の値段が跳ね上がったりする。これについては,郷に入っては郷に従え……というわけにもいかないので,LAWのプレイヤーは「聖都アルカディア」,CHAOSのプレイヤーは「総本山」へと素直に帰ったほうがいいだろう。
 もちろん,どちらにも属さないNEUTRALという生き方もあるが,今の時点ではNEUTRALでいることに大きなメリットはない。プレイヤーはどちらの属性にするか,アップデート前に考えておくといいだろう。
 なお,今後は「LC属性専用装備」も登場するとのこと。属性が合わないと装備できない武器や防具で,よりプレイヤーキャラの個性が出せるようになりそうだ。

(上段)左から順に,アルカディアの武器屋店主,防具屋店主,薬屋店主,アクセサリー屋店主。武器屋のガチムチ系の武器屋店主はガイア教徒より怖そうです
(下段)左から順に,総本山の武器屋店主,防具屋店主,薬屋店主,アクセサリー屋店主。ウエノにはハジケた人が多いようだ。中でも防具屋の店主は素晴らしくへヴィメタル
(上段)LAW属性専用武器。左からソニックブレード,クレイモア,センチネル
(下段)CHAOS属性専用武器。左からハラキリセイバー,マグマの槍,五番霊弾


■再び動き出す物語。セツは何を求めるのか

 今回のアップデートで,エピソードはいよいよ第2章「アダムの子供たち」編に入り,Act.8「形と力のオベリスク」,Act.9「セツの杞憂」,Act.10「アズラの探し物」の三つが追加される。
 第2章の始まりとなるAct.8からは「共同体社会」の実態も徐々に明らかになり,ストーリーは新たな展開を迎える。

初めて入ることになる新宿バベルの中央制御室。このただならぬ雰囲気をかもし出している男が「不動の山本長官」だ
 まずはAct.8「形と力のオベリスク」から流れを説明しよう。ついにDBライセンスを手に入れ,共同体社会認定のデビルバスターとなったプレイヤーキャラクターは,スネークマンとアズラにうながされ,新宿バベルの中央制御室にいる「不動の山本長官」と会う。そして,彼から新宿バベルに布教活動に来ているメシア教徒とガイア教徒に,活動許可が出た事を伝えてほしいと依頼を受ける。
 その依頼を達成したら,今度は共同体社会がオベリスクを調査しているということを聞かされ,シブヤ/イチガヤにいるイノセントから調査データを受け取ってくるよう頼まれる。ちなみにAct.8で会うことになるメシア教徒/ガイア教徒/イノセントからは,それぞれLNC属性の変動に影響する質問をされるので,よく考えて答えたほうがいい。



アズラの兄であり,本作のストーリーで重要な鍵を握る少年「セツ」。知的な印象を受けるが,どこか怪しげなオーラをまとっている気もする。言うまでもないが,左がセツで右ではない
 Act.9「セツの杞憂」からは,いよいよアズラの兄であるセツが登場する。不動の山本長官からセツを紹介されたプレイヤーキャラクターは,「ビジョナリー01」と「魔階セルタワープレート(調査)」を受け取り,「魔階セルタワー」の調査へと向かう。
 セツが言うには,どうも魔階セルタワーはほかの魔階とは様子が違うらしい。セツから渡されたプレートを使用して魔階セルタワーへ入ると,いきなり謎の老人が登場し,帰るようにうながされるが,追い出されるわけではない。とりあえず気にせずに調査を開始しよう。セルタワー内部の各所にいるデビルバスターから話を聞きながら,ビジョナリーに記録していこう。ちなみにAct.9では,ボス悪魔が出現するので注意されたし。



セツの前に集結する堕天使達。これは一体……? 真実はプレイヤー自身の目で確認してほしい
 Act.10「アズラの探し物」は,物語の大きな転機となるエピソードだ。Act.9を終え,再び山本長官に会うと,「スネークマンから至急第三ホームに来てほしいという連絡があった」と言われ,第三ホームに向かうことに。プレイヤーキャラクターは第三ホームで,いつの間にかいなくなったアズラの捜索と,スギナミ魔階坑道の調査をスネークマンから依頼される。
 “これまでの魔階と何かが違う”スギナミ魔階坑道では,最深部でボス悪魔が待ちかまえているので,準備を入念に行ったうえで挑戦しよう。なお,このエピソードでは「王国のクリスタル」がキーワードとなる。詳細はエピソードをプレイするときのお楽しみということで,ここで触れるのは避けておくが,今後のストーリーに密接に関わる要素なので,ぜひエピソードを進めて体験してみてほしい。



 今回実装される「アダムの子供たち」編のAct.8〜10では,アズラの兄であるセツと堕天使の関係が見え隠れしたりと,謎が謎を呼ぶ。どんどんキナ臭くなってきた感じだ。メシア教徒やガイア教徒が登場して世界が広がり,LNC属性の影響もはっきり体感できるようになったことで,エピソードにもさらに深みが出てきたという印象を受ける。大きくうねりだした物語に,今後も目が離せないだろう。

■8月中のアップデート第2弾で「悪魔全書」を実装予定

 以上が,今回テストプレイで確認できた大型アップデートの内容だ。このあと8月中には,メガテンファンなら期待を隠せないであろう「悪魔全書」の実装が待っている。悪魔全書とは,邪教の館にいる悪魔研究士から入手できる,登録した仲魔の情報を閲覧できるデータベースのことだ。
 悪魔を全書に登録するには,仲魔を召喚したうえで,その悪魔に対応する「悪魔全書メモリ」を使用しなければいけない。“全書”というだけあって,登録した悪魔のパラメータ/出展/世界設定といった基本情報,モデルやモーションの閲覧まで可能だ。悪魔の解説とモーションの閲覧は嬉しい機能であり,メガテンファンならなんとしてもコンプリートを目指したくなるだろう。
 悪魔全書に仲魔を登録することで発生するメリットは,情報閲覧以外にもある。今後の予定では,登録済みの悪魔をパートナーとして召喚すると能力が強化されるほか,敵として戦闘するさいには弱体化させられる模様だ。また,交渉や悪魔合体の成功率もアップするとのこと。そのほか,悪魔全書の登録件数や特定悪魔の登録の有無によって,エピソードなどイベントの進行/分岐/報酬に影響を及ぼすことまで計画されているようだ。

 大型アップデートの実装まで約1週間,プレイヤーは準備をしつつ,楽しみに待っていてほしい。ゆっくりと,しかし大きく変わっていく「女神転生IMAGINE」の世界。8月は「女神転生IMAGINE」がさらなる進化を遂げる転換期になりそうだ。(マフィア梶田)

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