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【PR】ゲーム内/外で新たな展開を見せる「真・女神転生IMAGINE」インタビュー
2009年4月4日,ケイブが開発・運営するMMORPG「真・女神転生IMAGINE」は,正式サービス2周年を迎えた。それを記念して,さまざまなキャンペーンやイベントが実施されたほか,2周年記念クエストとして,超大物悪魔“ベルゼブブ”が登場する“叙事・詩世録 〜魔階トチョウの影〜”(以下,魔階トチョウの影)も実装され,ますます今後の展開から目が離せなくなってきた。
そんな中,ケイブによるとゲームの世界だけでなく,運営チームにも大きな動きがあるとのこと。寺本雅裕氏が2007年から約2年間育ててきた「真・女神転生IMAGINE」だが,なんと5月からは,福士雅彦氏が新たな開発責任者として活躍することになるという。
そして今回,4Gamerは寺本氏と福士氏のお二方に話を聞く機会に恵まれた。開発責任者の交代により,「真・女神転生IMAGINE」が今後どう変わっていくのか? たっぷりとお話を聞いてきたので,本稿ではその内容をお伝えしていこう。
4Gamer:
本日はよろしくお願い致します。まず最初に,開発責任者交代の経緯から教えていただけますか?
寺本氏:
はい。現在,すでに海外で「真・女神転生IMAGINE」のサービスが始まっているのですが,実はそちらの開発を僕が進めることになりまして。さすがに国内と海外の両方を担当するのは無理なので,国内における開発責任者をバトンタッチすることになりました。そこでデザインチームのリーダーであり,本作のプロジェクトスタート時から一緒に開発していたメンバーの一人でもある福士が,手を挙げてくれたんです。
2007年から約2年間,IMAGINEの開発責任者を務める。 現在は,ケイブのオンラインサービス部,海外担当のマネージャーとして,IMAGINEを世界の皆さんに楽しんでもらうために尽力中
4Gamer:
なるほど。では福士さんにお聞きしたいのですが,開発責任者が交代することで,チームの体制や,仕事の仕方に変化はあるのでしょうか?
福士氏:
まず,今までの開発責任者は企画担当の人間だったんですよ。ところが私は元デザイナーなので,進んで行く方向性は結構変わるかなと思っています。具体的には,まずビジュアル面の強化を図りたいですね。仕事の仕方については……まぁ,アップデートの見せ方は多少違ってくるかもしれませんが,周期に関してはそうそう変わらないと思います。
「真・女神転生IMAGINE」のプロジェクトスタート時からグラフィック周りを担当,後にIMAGINEアートディレクターを務める。5月をもって正式に「真・女神転生IMAGINE」の開発責任者としてスタート!
4Gamer:
なるほど。広義での演出面を強化しつつ,アップデート情報の告知の仕方についても,工夫をこらしていくということですね。
アップデートの内容などに関しては,やはりデザイン畑の人間ならではのアイデアが生かされることになりそうですか?
福士氏:
そうですね。ゲームの演出面に関しては,まだまだ足りないと個人的には考えているので,力を入れていきたい部分です。
あと真・女神転生IMAGINEは,今までは結構ライトな人に遊んでもらえたというところもあり,優しい設計になっていたと思うんです。
4Gamer:
え,戦闘システムに関しては,よくあるクリックタイプのMMORPGと比べて,相当ハードルが高いと思うのですが……。
寺本氏:
確かに,海外版……というか日本以外のアジア版では,戦闘システムを一般的なクリックタイプにしてほしいという要望が,少なくないですね(笑)。まぁ,そんな要望はさすがに聞けませんけどね。
福士氏:
戦闘だけに注目すると,確かに難しい部類に含まれると思うのですが,アバター要素やコミュニティ部分がユーザーさんの好評を得ているという点では,比較的ライトな層が多いんですよね。
そういうこともあって,ちょっと優しすぎるかな……という部分もちらほら見受けられるので,プレイヤーの頑張りに応じたメリットを得られるよう,とくに“価値”について確固たるものを築いていきたいですね。
4Gamer:
寺本さんから見て,これまでの「真・女神転生IMAGINE」は,どのようなMMORPGだったのでしょうか。開発を振り返っての感想なども交えてお聞かせください。
寺本氏:
はい。MMORPGとして必要不可欠な要素を,ほかのゲームに負けない水準まで持っていくというのが,僕の最初のミッションでした。なので最初の頃は,βと言いつつもαみたいな,ユーザーさんに満足して頂けないような形で出してしまって,申し訳ない思いが強かったです。
4Gamer:
なるほど。しかし寺本さん時代に,さまざまなシステムが実装され,悪魔やアイテム類なども充実し,形はずいぶんと整ってきた印象がありますよね。
寺本氏:
そういっていただけると幸いです。そこから何とか,ユーザーさんの声がすぐに届き,すぐに対応できる国産開発・運営の強みを生かして,ここまでやってきました。ボリュームが足りない部分も一杯ありますが,そういった点に関しては福士が何とかしてくれると思っています(笑)。
それに,もう僕は長い間,真・女神転生IMAGINEに関わってきたので,逆にどうしても見えない部分や,やれない部分があると思うんですよね。そういった点からも,今回の開発責任者の交代は,きっとプラスに働きますよ。
4Gamer:
これまでの「真・女神転生IMAGINE」で,とくにユーザーさんから好評を得ていた点というのは,寺本さんから見てどういうところだと思いますか?
寺本氏:
やはり,キャラクターのカスタマイズ性が高いという部分でしょうか。装備できるアイテムが多いし,様々な悪魔を様々な方向に成長させられるというのもご好評いただいていますね。それに最近では悪魔が話しかけてきたり,クエストをくれたりもします。そういった,人それぞれの個性を出せる環境は作れたんじゃないかと思っています。
4Gamer:
本作の大きな魅力であるカスタマイズ性の高さに,これからさらにビジュアルと演出面を強化していくとのことですが,現時点で具体的な案はあるのでしょうか?
福士氏:
そうですね。今後は手に入れたアイテムに,自分で色を付けたりできるようにして,カスタマイズ性をより広げていきたいと考えています。
4Gamer:
今まで以上にプレイヤーそれぞれの個性が出そうで,楽しみですね。では,演出面とは具体的にどういったところを?
福士氏:
例としては,“VERSUS”の対人戦闘色をより強くして,クランマスターVS.クランマスターという場面を作るだけでも,盛り上がり方が随分と違ってくると思うんですよ。そうなるとやはりクランマスターは,チームの看板として,着飾らないと恥ずかしいじゃないですか。
4Gamer:
そういえばVERSUSモードは最近実装されましたが,感触はいかがでしょうか?
福士氏:
現状,VERSUSはチームの割り振りがランダムなので,友達とプレイしたくても同じチームになれるとは限らないんですよ。そこを早急に改修したいです。好きにチームを組んだり,クラン単位で対戦できるようなシステムにしようと考えています。
寺本氏:
そこはぜひ改修してほしいですね。やはり海外ではPvPが盛んなので。チーム対戦ができるのであれば,そのうち“国VS.国”とかも可能になりそうですし。
4Gamer:
国家対抗戦は盛り上がりそうですねぇ。では,ダンジョンやクエストなどの追加に関しては,どうお考えでしょうか?
寺本氏:
ダンジョンのような,ユーザーさんが遊べる部分に関してどんどん追加していきたい気持ちはずっとあったんですが,なかなか足が重かったんです。やはり僕の方針として,IMAGINEに入れたいシステムや直したい部分に対処することを優先していたこともあって,そういう拡張の部分への対処は弱かったと思います。しかし,開発責任者が福士に代わり,4月に新しいダンジョンも入りましたし,それを皮切りに今後も増えていくんじゃないかと思っています。
福士氏:
そうですね。ダンジョンもそうですが,クエストも足りていないと感じるので,どんどん実装していきたいです。4月に行われたイベント,“魔階トチョウの影”以降,「真・女神転生IMAGINE」の世界が文字どおり変わっていくところにも注目してほしいですね。
その際,まだ詳しいことは言えませんが,外部のシナリオライターを起用するなど,ちょっと面白い試みも進行中です。
4Gamer:
“魔階トチョウの影”は,単なる記念イベントではなく,まさに「真・女神転生IMAGINE」の節目になるイベントだったんですね。
福士氏:
はい。そういった意図でホームページなどのカラーを赤くしたりと,イメージをガラリと変える演出をしました。
4Gamer:
真・女神転生IMAGINEの世界がどう変わっていくのか,非常に楽しみです。もう今後の展開などはしっかりと固まっているんでしょうか?
福士氏:
まだ構想の段階ではありますが,“プレイヤーの横にいるのが,常に悪魔であるとは限らない”ということを考えています。女神転生シリーズであり,オンラインゲームである本作ですが,悪魔だけに絞ってしまうと「オフラインでも良いんじゃないか?」と思ってしまうんですよね。そこを「IMAGINE」らしく,もうちょっと広げても良いかなと。
4Gamer:
それは非常に興味深いお話ですね……。女神転生らしさを保ちつつ,そういう変化を加えていくのはなかなか難しそうですが。
福士氏:
やはり原作ありきのゲームとして,守らなければいけないイメージはあるので,テイストは考えます。でも,元々女神転生シリーズでは“外道・ヤクザ”のような人間や,機械なども敵として登場するじゃないですか。その時は色々な事情でパートナーに出来なかったかもしれませんが,何かをパートナーにするのに,必ずしもCOMPを介する必要はないと思うんですよね。自分の意志でLNCが変動するという要素がありながら,隣にいるのが悪魔一択というのは“自分の意志”としてどうなのかと思うんです。
4Gamer:
それはつまり,NPCのような人間をパートナーにできると考えてよろしいのでしょうか?
福士氏:
そうですね。あと,女神転生シリーズには“造魔”のような,“人の形はしているけども,人ではない”という存在もいるので,それに近い形でパートナーの選択肢を広げるのもアリだと思っています。あくまで構想ですし,戦闘に参加させるかどうかなどは,まだ全然決まっていないんですけどね。
4Gamer:
構想だと分かってはいても,ワクワクしてくるお話ですね。可能であれば,今後のアップデート計画の具体的な概要も,話せる範囲で良いのでお聞きしたいのですが。
福士氏:
とりあえず,5月には“地下鉄”の実装を予定しています。まだハッキリとは言えませんが,「パーティで乗れる」「同じ場所を共有できる」という状況を作り出したいと考えています。
4Gamer:
つまりターミナルとして機能するということですか?
福士氏:
各街を繋ぐ形になります。さすがに5月には実装されないでしょうが,地下鉄でしか行けないエリアなども作ることによって,独自の価値が出てくるんじゃないかと思っています。
4Gamer:
移動も楽になりそうですね。
福士氏:
まだカッチリ決まっていませんが,条件によっては第三ホームから新宿バベルまでの時間が地下鉄ならば大体1/4に短縮されます。
4Gamer:
瞬時に到着するのではなく,ちゃんと移動時間があるんですか(笑)。それにしても地下鉄とは……。世界の広がりに相当期待できそうですね。実装が待ち遠しいです。
福士氏:
あと,満員電車の絵なんてMMORPGでは「真・女神転生IMAGINE」の世界くらいでしか出せないと思うんですよ(笑)。
4Gamer:
ええ!? じゃあ電車に乗っている様子も描くんですか?
福士氏:
今のところ,乗せる想定でやってます。満員になるかはわかりませんが(笑)
寺本氏:
それ戦闘とかもあるの?(笑)
福士氏:
そうですね。ただ乗っているだけだと無言の空間が出来上がってしまうだけなので,絶対何かネタを出さないといけませんね。まぁ,ほかのゲームじゃ絶対に見れない絵面をここで出せると思います(笑)。
4Gamer:
それは色々な意味で話題になりそうですね(笑)。さて,やはりメガテンファンとしては新悪魔の追加も気になるところなんですが,予定はいかがでしょうか?
福士氏:
スタンバイしています。あと,今までは新悪魔を追加してもアップデート項目で告知するだけで終わってしまうことが多かったのですが,それではもったいないので今後は出し方を変えて行こうと思っています。例えば,新悪魔実装の際に,専用クエストも同時に入れたりしたいですね。
4Gamer:
クエストをどんどん実装して行きたいとのことですが,現時点で何か具体的なアイディアはあるんでしょうか?
福士氏:
エピソードで語られていない部分をクエストで補完したり,今までものを売っているだけだったショップのNPCにもストーリーを持たせようかと考えています。例えば山羊屋など,まだ「真・女神転生IMAGINE」のオリジナルキャラクターには,全然スポットライトが当たっていないんですよね。
4Gamer:
世界観がより奥深くなりそうですね……個人的には,ピコピコ動く耳が可愛い“ヤギヌマ”さんを掘り下げて欲しいところです(笑)。
一同:(笑)
4Gamer:
その他,今後の展開に関してユーザーにアピールしたいところなどはありますか?
福士氏:
もうちょっと“人の欲”を具現化して行きたいなと思っています。
4Gamer:
“欲”ですか? それは「強くなりたい」「着飾りたい」というようなユーザーの欲求ということでしょうか。
福士氏:
そうですね。あとは“悪魔を従えたい”という欲求もあるはずです。そして,従えるのが悪魔だけじゃなくなったら,より女神転生らしい危ない世界が出来上がると思うんですよ。女神転生にしか出せない,もっと尖がった,欲望むき出しな部分があっても良いんじゃないかと。
4Gamer:
確かに,女神転生ならばもっと猥雑な,生々しい部分があっても良いとは思いますね。
福士氏:
完全なファンタジーじゃないからこそのリアルさ,実在する東京を舞台にしているという独特の世界観を,今後もっと出していかないと。せっかく女神転生でMMORPGをやっている意味がないですからね。
4Gamer:
少々突っ込んだお話になるのですが,アバターアイテムの多さが魅力である本作において,新衣装のほとんどがゲーム内通貨で買えなかったり,課金アイテムとしても手に入れにくいのを何とかしてほしいという意見が一部で見受けられます。その点について,何か考えはあるのでしょうか?
福士氏:
単純に,フォーチュンカードで出しているような衣装を普通のショップに並べて,誰にでも買えるようにしたところで,それでは価値が生まれないという問題があるんです。その点に関しては,先ほど話した地下鉄で行ける街でしか買えない服や,調合,生産でしか作れないアイテムを用意して,今後上手く調整していきたいですね。
4Gamer:
価値のコントロールという意味で,やむを得ない部分があったということですか。
福士氏:
全員が同じものを持っていても,そこに価値は生まれないんですよね。そうなると,手に入れても結局着てくれないという結果が待っていると思うんです。
4Gamer:
そうかもしれませんね……。では,今後は街限定の衣装や生産,調合によって価値の付け方を多様化していくわけですね。
福士氏:
はい。
4Gamer:
では最後に,寺本氏と福士氏からユーザーへのメッセージをお願い致します。
寺本氏:
デザイナーというのはキャラクターを描く時,そのバックボーンにとてもこだわるんですよ。なので,福士は「真・女神転生IMAGINE」の世界により深みを与えてくれるんじゃないかと思っています。期待していてください。
福士氏:
寺本が2年頑張ってくれたおかげで,もうMMORPGとしての土台は出来上がっていると思います。あとは味付け次第なので,今後の展開に注目してください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
さらなる世界の広がりを予感させる地下鉄の実装や,悪魔以外の存在をパートナーにするというアイディア,今後「真・女神転生IMAGINE」が大きく変化して行くであろうことを実感できるようなインタビューだった。
開発責任者の交代は今回で2度目となるが,「真・女神転生IMAGINE」の海外展開が順調なのは大変喜ばしいことだ。
2年間で本作の土台を完成させ,最高峰の国産MMORPGとして育て上げてくれた寺本氏に感謝しつつ,今後デザイナーならではの感性を生かして本作を盛り上げていってくれるであろう福士氏が,どのような“新・新・新生”「真・女神転生IMAGINE」を形作っていくのか,大いに期待したい。
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