インタビュー
「Soul of the Ultimate Nation」が大きく生まれ変わる大型アップデート「エピソードII」。運営チームと開発元が語るその魅力
「Soul of the Ultimate Nation」公式サイト
多くのプレイヤーが楽しめるようにシステムを再構築
「SUN」は2008年に日本でのサービスが始まり,今年で3周年を迎えた。MOとMMOの両方の要素を組み合わせたシステムなどが受け,日本に限らず韓国や中国などでも高い評価を得ている。
本作の開発プロデューサーを務めるマンソン氏は,本作が成功した理由として,「グラフィックスのスタイリッシュさ」と「快感が味わえるアクション性」を挙げた。もちろん100点満点というわけではなく,育成の自由度が高すぎるために戸惑ってしまうプレイヤーがいることや,コミュニティ要素が不足していることなどを欠点として指摘した。
そして,そういった欠点をなくし,さらに多くの人がもっと楽しく快適にプレイできるゲームに仕上げるために,根本的なところから作り変えるのがエピソードIIであるという。アップデート実装以降は「高レベルになるまではクエストを中心に流れに乗ってプレイして,高レベルに達してからは,戦略性の高いコンテンツが楽しめる」(マンソン氏)ようになるという。
WEBZEN SUN Studioのチョン・マンソン氏 |
ゲームオンの稲垣順太氏 |
まずはそんなエピソードIIの概要を紹介しよう。大きなトピックとしては「新大陸」の追加,スキルシステムのリニューアル,「ソケットシステム」などが挙げられる。新大陸は砂漠や熱帯雨林などが多い地域で,いままでの大陸とは雰囲気がまったく異なるという。またそこで,今までプレイヤーの味方であった「イグニス」との戦いが始まるのだ。
スキルシステムは,“スキルポイント”と“熟練度”の2種類のポイントを分配して習得する仕組みから,シンプルなスキルツリー方式に変わる。スキル習得の方法が根本的に刷新されるため,エピソードII実装後に,全プレイヤーキャラクターのスキルが一旦リセットされ,ポイントを振り直すことになるのだ。
マンソン氏も「今回のシステムでは,ソケットにどういったザードを組み込むかによって戦法やキャラクターの強さが大きく変わります。“新しく追加したもの”と“リニューアルしたもの”を1つのセットとして組み立てていけば,さまざまな戦術が楽しめるでしょう」と,見どころを強調した。
さらに今後の方向性についてマンソン氏は,「高レベルに達するまでは,流れに乗っていろいろなシステムを楽しめる」というコンセプトを踏襲しつつ,「より多くのプレイヤーがSUNを楽しめるようにしたい」と述べ,ゲーム内のコミュニケーションシステムの強化をその具体例として挙げた。また,新規コンテンツのほかにも,GvGのバランス調整といった,既存コンテンツの見直しも検討しているそうだ。
日本プレイヤーの要望を取り入れた改善を実施
マンソン氏によると,高レベルプレイヤーからは「現在のSUNの楽しさが失われてしまう」といった反応が多かったそうで,エピソードIIの実装直後にSUNをやめてしまった人がかなりいたという。
しかしその混乱は次第に落ち着き,一度はプレイをやめた人も復帰。新規プレイヤーも増え,最終的にはアップデート前よりも全体のプレイヤー数は増加した。
なかには引退時にエリート装備(いわゆるレア装備)を手放し,あとでプレイを再開して「どうしてエリート装備を売ってしまったんだ」と後悔している人もいるという。
韓国ではなんとか受け入れられたエピソードIIだったが,ゲームオンではそのまま実装することを選択せず,2011年4月に韓国版と同じものをプレイヤーに試してもらい,意見を集めた。
日本人プレイヤーから寄せられた意見の多くは,バランスを調整するために性能を落としたエリート装備と,スキルツリー制導入にともなって削除されたスキルに対する不満だ。どちらも全体のバランスを取るために調整された項目だったのが,こういった意見を受けたゲームオンとWEBZENは仕様を再度見直した。現在実施されている公開テストのバージョンでは,これらの内容が調整されている。
開発者としてゲームの未来を考えて行った変更だったため,「要望をそのまま反映するとゲームが簡単になりすぎてしまうと思いました。ですが,お客さんが『口に合わない』と言うのであれば,いくら高い材料を使った料理でも,それは美味しくないものだと思います。したがって日本の皆さんの口に合うように作るのがベストであると考えて,今回の調整を実施しました」といった葛藤ののちに,実装に至ったとのこと。
稲垣氏はスタートからSUNに携わってきているだけにプレイヤーの気持ちが分かり,韓国版をそのまま実装することはどうしても避けたかったという。そんな稲垣氏の思いもあり,エピソードIIには日本人プレイヤー向けにアレンジが加えられている。稲垣氏は,運営とプレイヤーとの距離をさらに近づけたいという気持ちが強く,こういった対応はその表れといえるだろう。
なお,このアレンジが加えられたバージョンは,韓国版にも実装されており,好評を得ているという。つまりゲームオンがまとめた日本人プレイヤーの要望を反映したものが,韓国人プレイヤーにも受け入れられているわけだ。そして,マンソン氏と稲垣氏の二人とも「実際に遊んでもらえれば,その面白さが分かってもらえる」と自信をのぞかせていた。また,ゲームの導入部分がこれまで以上に易しくなっており,ゲームシステムに慣れやすくなっているという。
もちろん,最終判断は各プレイヤーに委ねられるが,両名が言う通り,遊んでみないことにはなにも分からない。まずは公開テストに参加して,新しく生まれ変わったというSUNを,ひと足先に体験してみよう。
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