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帰ってきたクライムMMORPG「APB Reloaded」。現代の大都市を舞台に,ギャングと治安維持部隊が,市民の迷惑も気にせず派手にドンパチ
開発に5年以上の歳月をかけ,オンライン版「Grand Theft Auto」として世界中の期待を集めながらも,サービス開始からわずかの時間で終了してしまった「APB: All Points Bulletin」が,新たなパブリッシャのもと,「APB Reloaded」としてリメイクされた。架空の大都市を舞台に,犯罪者と治安維持部隊が市民の迷惑も気にせず,派手なドンパチを繰り広げるという本作。現在,オープンβテスト中で,日本からの参加も可能ということで,さっそくプレイした。
どう考えても,大人向けのクライムアクションである本作を,酸いも甘いも噛み分けたいけど歯が痛い,虫歯で大人のライター,朝倉哲也氏がドッキューンと紹介だ。……あ,よく見ると今週で海外ゲーム四天王は,第100回。3人の四天王で割れば,1人33回ぐらいだが,なんだかんだで朝倉氏の担当回が多いのはさすがである。128回ぐらいの,キリのいい数字のときに,イベントでも開催しよう。
サービス終了から約1年を経て,華麗にカムバーック
今週の海外ゲーム四天王で紹介するのは,ギャングと治安維持部隊とが激しい戦いを繰り広げるMMORPG,「APB Reloaded」だ。車を盗んで暴走したり,街中で銃を乱射してみたりなど,好き勝手を楽しむならず者プレイか,「目には目を」を合言葉にギャングをビシビシ取り締まる治安維持部隊となるか,それはあなた次第。
まず,作品の背景を説明しておこう。ご存じのように本作は「APB: All Points Bulletin」というタイトルで,2010年6月に北米やヨーロッパで正式サービスが開始されたタイトルだ。「Unreal Engine 3」による美しいグラフィックスや,「Grand Theft Auto」シリーズを思わせるゲーム内容など,開発の初期段階から注目されていたのだが,フタを開けてみれば人気は芳しくなく,ローンチからわずか3か月が過ぎた2010年9月,サービスの終了とデベロッパであるRealtime Worldsの閉鎖が発表されてしまった(関連記事)。
しかし,2010年11月,オンラインゲーム専門のパブリッシャであるK2 Networkが本作のサービス権を獲得し,「APB Reloaded」と名前を変えて,2011年中の正式サービス開始を目指すと発表。K2 Networkは,本作のためにReloaded Productionsという開発会社を起ち上げるという力の入れようだが,開発は順調に進んでいるらしく,現在オープンβテストが行われているというわけだ。
筆者もAPB: All Points Bulletinを気にしていたのだが,なにしろアッという間に終わってしまったのでプレイする機会がほとんど得られず,オリジナル版と今回のAPB Reloadedを比較することは難しい。オリジナル版については,「こちら」や「こちら」の記事でも紹介しているので,気になる人は参照してほしい。
「APB Reloaded」公式サイト(要年齢認証)
さて,生まれ変わりつつあるAPB Reloadedの舞台となるのは,アメリカのどこかにある架空の都市San Paroだ。この町には,法律を屁とも思わぬ命知らずのギャングチームが多くあり,ギャングメンバーが毎日のように強盗や銃撃戦などを繰り広げているというから,まあ,物騒ね。プレイヤーは,ギャングメンバーであるCriminalに属するか,それを取り締まる組織,Enforcerの一員となってゲームに参加することになる。
面白いのが,たとえEnforcerであっても,堅苦しい法律に則った行動を要求されているわけではないところだ。つまり,法を犯しているCriminalプレイヤーを必ず逮捕する必要はなく,問答無用で撃ち倒してもオッケーだ! もちろん,Criminalも黙って撃たれているわけはないので,反撃してくる。かくして,町のアチコチで激しいPvPが勃発するという寸法だ。ちなみに,戦闘でやられても,10秒ほど経過すると最寄りの復活場所からリスポーンできるので,安心しよう。
また,街のどこへでも自由に行けるオープンワールドなゲームということで,すべてのプレイヤーに車が一台支給される。この車は,どこで乗り捨てても,町のあちこちにある自動販売機みたいな機械を使ってその場に呼び出せるというとても便利で未来チックなシロモノだ。さらに,Criminalに限らず,たとえEnforcerでも,街を走るNPCの車を奪える――正義のためには,車泥棒ぐらい些細なことなのだ。ミッションによっては,市内の複数のポイントを駆けずり回らねばならないこともあり,そんなときは手近な車を頂戴して移動するのが手っ取り早い。車の運転はそれほどシビアではなく,キーボードで簡単にコントロールできるので,レースゲームが苦手な人でも大丈夫だ。車の呼び出しを除いて,このあたりのシステムは「Grand Theft Auto」シリーズとほぼ一緒なので,GTAをプレイした経験のある人なら,すぐに慣れるはずだ。
カスタマイズ性の高さも本作の売りの一つで,キャラクターメイキングもかなり凝っている。人種はもちろん人間の男女だけだが,肌の色や体型はもちろん,顔の作りなどをかなり細かく設定できる。頬骨や鼻の高さ,眼や口の位置,顎や頬の張り具合などをマウスを使って直感的に,しかも微妙に作り込めるので,時間をかければ,かなり自分好みのキャラクターを作れるはずだ。
また,ゲーム内でプレイヤーが着る洋服や,乗り回す車などのカスタマイズも面白い。カラーリングだけでなく,シャツや車に貼り付けるプリントの柄やデザインまで一から作れるので,ゲーム内で同じデザインの洋服を着ている人には,めったに出会わない。またさまざまな洋服や車,武器がミッションをこなして行くことでアンロックされるうえ,上記のように,稼いだお金でいろいろなものが購入できるので,個性的なプレイが楽しめるはずだ。
PvPがメインなので,MMORPGでの対人戦が好きという人や,ファンタジーをテーマにしたMMORPGはちょっと飽きたという人などにオススメ。正式サービスの開始を楽しみに待ちたい。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
- 関連タイトル:
APB Reloaded
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