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[G★2006#72]完成は2007年夏? 「一騎當千」プロデューサーにインタビュー
今回のG★会場では,三国志をモチーフにしたゲームが花盛りといった印象で,コーエーの「真・三國無双BB」を強く意識したものが多く見受けられた。本作もかつてはMMOアクションRPGだったが,G★バージョンのデモを見る限り,別の方向に舵を切ったように思われる。
今回のG★会場で,一騎當千の開発責任者であるLim Geon Su(林 建洙)氏を見かけたので,本作の進捗状況など,気になるところを聞いてみた。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
Lim Geon Su氏(以下Lim氏):
はい,よろしくお願いします。4Gamerさんのインタビューはもう3回めですね。
4Gamer:
そうですね。今回は,ChinaJoy 2006以降のアップデート状況を中心に話を聞かせてください。
Lim氏:
4Gamer:
リリースによれば,2007年中に中国/台湾/韓国/日本を含むアジア地域でのサービス展開を計画しているとのことですが,最初にサービスが開始されるのはどの国になりますか?
Lim氏:
開発状況によって変わるかもしれませんが,おそらく中国か韓国になると思います。
4Gamer:
それ以外の地域では,いつ頃になるのでしょうか?
Lim氏:
最初にサービスを開始した地域である程度安定してから,ほかの地域で展開する予定です。これは,私が「ラグナロクオンライン」の開発に携わっていた経験から,そうするのが最も良い戦略だと考えています。ローカライズしやすい仕様にしてあるので,決まればすぐ対応できると思います。
■6人めのキャラクターはもともと計画されていた
それでは次に,今回のG★2006で発表された新キャラについて教えてください。
Lim氏:
一騎當千では,もともと発表していた5人のキャラクター(Warrior/Archer/Elemental Sorcerer/Assassin/Mage)と,Dark Sorcererの,計6人のキャラクターを用意する予定でした。ただ,いろいろな事情があって,Dark Sorcererだけ今回のG★2006で発表することになってしまいました。
4Gamer:
Dark Sorcererは,キャラクターとしてどんな特徴を持っているのでしょうか。
Lim氏:
基本的には名前のとおり,魔法を使って攻撃するキャラクターです。いわゆる黒魔法を使って敵にダメージを与えたり,敵を眠らせるなど補助魔法を使います。Dark Sorcererが加わったことで,パーティ戦でさらに幅広い戦略が実現できるようになったと思います。
4Gamer:
G★会場のブースにデモ展示されるとリリースで発表されましたが,Dark Sorcererを実際にプレイできるデモ機は用意されているんですか? とくに目立ったアピールもされていなかったので,ブースを取材したときには見つけられませんでした。
Lim氏:
ええ,Dark Sorcererをプレイできるデモ機も用意していますよ。ブースのイベントでは,すべてのキャラクターを使用した6対6のPvP(Player vs. Player)イベントもやっているはずです。
ただ,Dark Sorcererをプレイできるデモ機は数台しか用意していないので,気をつけてください。そのデモ機では,ほかの5人のキャラクターは選べないようになっているので,画面を見れば分かるはずです。
なるほど,このあとブースに行って探してみますね(編注:このあと,ブースでDark Sorcererをプレイできるデモ機を確認できた)。
そのほか,ChinaJoy 2006時点からアップデートされた要素にはどのようなものがあるのでしょうか。
Lim氏:
ユーザーインタフェース周りをChinaJoy 2006のときから一新しています。これが見た目上の大きな違いになると思います。
4Gamer:
確かに,画面下部にスキルアイコンが並ぶという仕様は同じですが,見た目がだいぶ変わっていますね。
Lim氏:
そうですね。ユーザーインタフェースは現在制作中なのでまだ完成はしていませんが,よりよいものを目指しています。これからも,クローズドβテストなどで、プレイヤーからの意見を検討して,必要なものは取り入れていきたいと思います。
4Gamer:
画面下部のスキルリストに20個以上のアイコンが並んでいるのは圧巻ですね。スキルは,キャラクターごとにいくつ用意されているのでしょう?
Lim氏:
現在の段階では,25〜30個といったところです。ただ,これはβテストを通じて増えるかもしれませんし,減るかもしれません。まだ確定までは至っていません。
4Gamer:
そういえば,キャラクターの中には,ペットモンスターを召喚できるクラスがありましたね。
Lim氏:
ああ,それは医仙(Mage)のことですね。
4Gamer:
どのクラスでもペットモンスターを召喚できるのですか?
Lim氏:
いえ,Mageだけです。Mageは4種類の四聖獣(ペットモンスター)を召喚できるのが特徴です。
4Gamer:
四聖獣の特徴についてそれぞれ教えてください。
Lim氏:
カメのような姿をした玄武は,見た目のとおり防御力が高いのが特徴です。白虎は近接攻撃を得意とします。朱雀は遠距離からの攻撃ができます。ちょっと特殊なのが青龍で,一定間隔で広範囲の敵を同時に攻撃するという攻撃方法になっています。ただ,同時に召喚できるのは1体だけです。
4Gamer:
なるほど,四聖獣をうまく使い分けることが重要になってくるわけですね。一騎當千のキャラクターにはそれぞれ特徴があるのですが,Limさんの個人的なお勧めを教えてください。
Lim氏:
お勧めですか……そうですね,Assassinでしょうか。防御力が低いのですが,攻撃力が強くてスピーディな戦闘ができるところが気に入っています。
一騎當千のキャラクターには,それぞれ長所と短所があるのですが,それはこれから調整していきたいです。
■三国志の英雄達が自分の仲間になる(かもしれない)
そのほか,ゲームエンジン部分を強化しました。以前のものと比べ,グラフィックスが綺麗に,エフェクトが派手になっています。あと,本作の特徴の一つでもある攻城戦をアップデートしています。
4Gamer:
一応聞いておきますが,攻城戦をG★会場のデモ機でプレイできたりしますか?
Lim氏:
いえ,残念ながらデモ機には実装していません。攻城戦をやるにはブースのスペースとデモ機の台数が足りませんね(笑)。
そのほか,デモ機に実装していない部分では,以前ChinaJoy 2006でお話しした,歴史ミッションを追加しています。
4Gamer:
原作となる「三国志演義」中のイベントをベースに制作されたミッションですね。
Lim氏:
そうです。クローズドβテストでは,10個ほどの歴史ミッションを実装する予定です。また,今後も折を見て追加していきたいと思っています。
4Gamer:
歴史ミッションは,以前聞いたように,レベル帯別に,参加できるものが決まってくるという形ですか?
Lim氏:
ええ,レベル帯や参加人数が決まっています。史実をベースにしたミッションのほかに,攻城戦の練習ができるチュートリアル的なものも用意しています。
また,それぞれが明確な目的を持ったものとなっていますよ。そのため本作を進めるには,単にキャラクターのレベルを上げるだけでなく,歴史ミッションをこなすことも必要となります。
歴史ミッションには,三国志演義の英雄達も登場するんですよね?
Lim氏:
そのとおりです。
4Gamer:
登場する英雄達は何人くらいですか?
Lim氏:
30人くらいですね。
4Gamer:
ChinaJoy 2006のときから増えてはいないんですね。
Lim氏:
ええ。三国志演義には数多くの武将が登場しますが,主要なキャラクターは30人くらいなので,これ以上増やすことはたぶんないと思います。
4Gamer:
では,その英雄達は,どのようなシチュエーションで登場するのでしょうか。
Lim氏:
主に歴史ミッションですね。いわゆるボスキャラ的な扱いとして登場します。
4Gamer:
以前から変わらず,NPCとしてのみですか?
Lim氏:
そうですね,プレイヤーキャラクターとしては利用できません。ただ,詳しくはまだお話しできませんが,英雄達が仲間になることもあります。
4Gamer:
それは楽しみですね。どのような形で仲間になるのか,続報に期待しています。
■一騎當千の完成は2007年の上半期を目標に
サービス開始がいつになるか気になっている人が多いと思うのですが,一騎當千は現在どのくらいの完成度なのでしょうか。
Lim氏:
そうですね,攻城戦や天下統一といった,一騎當千の柱となる部分はもうほとんど完成しています。今はバランス調整やユーザーインタフェース制作に集中しています。もうすぐ公開できる段階になると思いますが,完成は2007年の上半期中を目指しています。
4Gamer:
日本でのサービスが早いうちに実現することに期待したいと思います。それでは最後に,4Gamerの読者にメッセージをお願いします。
Lim氏:
最近は,日本でも本格的なMMORPGプレイヤーが増えてきていると感じています。一騎當千でも,コミュニティやアバターの機能について充実させていて,日本のMMORPGファンも満足できる作品になると思います。作品をサービスするにはもう少し時間がかかってしまいますが,期待して待っていてください。
4Gamer:
分かりました,本日はありがとうございました。
具体的な日本でのサービス開始時期については明言を避けていたが,サービスを行う意志は強く,設計も日本のゲーマーを強く意識しているようだ。
一騎當千は発表当時,MMOアクションRPGとして公開されていたが,ChinaJoyや台北ゲームショウなど,イベントに出展するたびに少しずつ方向性を変えてきた。そして今回のG★会場で見たときには,アクションRPGの要素はなりをひそめ,MMORPGとしての特徴が色濃く出ているようだった。その方向転換が,サービス開始時期の延期を招いた一因であることは想像に難くない。
6人めのキャラクターもプレイアブル展示で確認できたし,プレイアブル展示では見えなかった部分もLim氏に話を聞くことで,一騎當千がいよいよ完成に近づいているであろうことが実感できた。Lim氏が言うように,2007年にはサービスが開始されるはずだ。続報を待っていてほしい。(oNo)
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