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純粋にやりたい人のためのPvPへ。「エミル・クロニクル・オンライン」ユーザーカンファレンスでアピールされた「Saga8」の再出発と,その先
本カンファレンスは,6月30日より実施されている「ECO夏☆暑中見舞いカードプレゼントキャンペーン」で寄せられた1600通を超えるアンケート結果を踏まえ,大型PvPシステムが目玉の「Saga8」に対する,プレイヤーの意見を反映した大幅な修正,そして今後のECOのアップデート方針を,直接プレイヤーに伝える場として開催された。
「ハートフル」「人にやさしい」という部分を強く押し出してきた本作では,PvPシステムをめぐって,ファンの求める「ECO」像と開発/運営側の意図した表現が不幸なすれ違い(だけではないのだが)を生じたという経緯があった。そうした状況を改善すべく,開発/運営サイドが今後打つ手を直接プレイヤーに伝え,率直な意見交換と交流を図る。今回かなり無理な日程を推してカンファレンスを開いた狙いは,第一にそこだろう。
受付が開始される1:30PMの30分ほど前には,すでに抽選に当たった参加者がちらほら会場周辺に姿を見せ,カンファレンス本番は予定どおり2:00PMにスタートした。
「ECO」のマスコットキャラクターであるタイニーが応援に駆けつけた以外に大がかりな演出などはなく,全体としてはあくまでシリアス,真摯な雰囲気というのが,取材時に感じた印象だった。
とはいえ,もちろんプレイヤーさんと率直な対話を図るイベントだけに,密度の高い情報開示のなかにも,語り口の親しみやすさなどには十分な配慮がなされていたように思う。
任意参加ながらターゲットの広いPvPシステムへ
そうした挨拶もそこそこに,今回,プレイヤーの意見を反映して,大幅に変更される新たな「ドミニオンの世界」の概要を語った。
これにより,PvPを好まない人でも,特定アイテム(現在はプレイヤー自身が合成できる)なしでドミニオン世界を楽しめるようになった。また,PvPで勝利することで入手できるWRP(War Record Pointの略。スタッフは「ワップ」と呼び慣わしている様子)の使い途にも大幅な変更が加えられ,「フィールドチャンプシステム」に関わるアイテムのみに関係する仕様となる。
すでに明かされているとおり,ドミニオンの世界は「エミルの世界」のパラレルワールドであり,「タイタニアの世界」とも並ぶ第三の世界である。そしてこの三つの世界の対比において,ドミニオンの世界は「戦いの世界」として特徴付けられている。
機械の姿をした侵略者「DEM」に中央都市を占領され,世界は危機に瀕している。そのためドミニオン世界の住人達は,常に戦い,お互いを高めあう必要がある=強くならなくては生き延びることができないという設定のもとに,「PvP」世界が実装されてきた。
今回の変更は,基本の世界観をそのままに,ドミニオンの民達に「英雄」と「英雄に力を貸す強大な存在」がいるというストーリーが加えられ,これに対応する「希望参加型PvP」のシステムが追加されたものだ。
英雄に力を貸す強大な存在が「エンシェント・ドミニオン」というドラゴンである。現在ドミニオンの世界で見られる「ドミニオン・ドラゴン」の上位ともいえる存在で,「調停者」としてドミニオン世界を見張っている。彼女は非常に知性が高く,過去の経緯から人間達にはやや失望していてクールなものの,ドミニオンの世界の住人達がその実践を通して気概を示す戦いに,彼女自身の想いから協力,後述の「チャンプ」達にその強大な力を貸し与えてくれるのだ。彼女が力を示すときには,愛らしい(開発サイドいわく「ツンデレ」な)女性の姿となり,チャンプ達の前に姿を見せるという。
そしてこの世界の英雄たる「フィールドチャンプ」とは,「PvP」の勝者上位10名に与えられる称号である。チャンプを目指すには,NPC「戦の調律者」に「PvPへの参加」を宣言する必要がある。
PvPは宣言した者同士でのみ可能で,そのランキング上位10名が「フィールドチャンプ」と呼ばれる存在になる。この10名のチャンプは,ストーリー上では「英雄」と呼ばれ,実際に特異な活躍が可能だ。
彼らはチャンプの座にいる間,エンシェント・ドミニオンの力を借りて強力なスキルを扱える。その力を得ることで初めて,強大な敵「チャンプDEM」と対等に戦えるようになり,周囲の仲間達にその力を一時的に分け与えたり,彼らを支援したりすることで,侵略者達との戦いに勝機を掴む重要な役割を担うのだ。
この変更により,ドミニオン世界を訪れたプレイヤーが,自動的にPvPに参加させられることはなくなり,希望するプレイヤーだけで営まれるものとなったのである。
そしてプレイヤーキャラクター側が持つチャンプ属性だけが,この10分の1ペナルティを打ち消せる。チャンプ属性は現役フィールドチャンプにのみ与えられ,チャンプ属性,もしくはチャンプ達が仲間に与える「サブチャンプ属性」を持たない限り,チャンプDEMとの戦いは著しく不利だ。ちなみにこのペナルティは,スキルによる固定与ダメージですら10分の1にしてしまう。
チャンプDEMは,通常フィールドおよび「都市防衛戦」(後述)に出現し,遠距離からでも視認しやすい特別なエフェクト(緑色?)をまとって現れるという。
チャンプスキルとは「現にチャンプの座にいる」者だけが発動できる特殊なスキルだ。画面はその初期スキル「英雄の加護」で,黒い服の女性がエンシェント・ドミニオンの化身。エンシェント・ドミニオンが実際に力を貸すときに出現する。
「英雄の加護」は,効果範囲内にいる仲間達に一定時間「サブチャンプ属性」を付与するスキルで,その属性を付与されている間だけ,チャンプ以外のプレイヤーキャラクター達もチャンプDEMのペナルティを無効化し,相手と対等に戦えるようになる。
チャンプスキルの所持は,すべて特殊な「頭装備」で表現され,これを装備し,かつ現在チャンプであるプレイヤーキャラだけが発動できる。最初に導入される「英雄の加護」の頭装備は,チャンプになったとき無償で入手可能。それ以後の拡張チャンプスキルは,WRPを消費して入手する形となり,今後順次実装されていくとのこと。
拡張チャンプスキルには周囲を支援する魔法や回復魔法などが含まれるが,いずれも強力で,数自体はあまり多く存在しないという。かつ,強いスキルほどWRPの消費量が大きくなるため,その週におけるWRP保有量順位たる「ランキング」の動向にも影響する。
PvPで入手できるWRPは,基本これまでと同じく「PvPで勝てば増え,負けると減る」(敗者から勝利者がWRPを奪う)形式で,入手したWRPの値がそのまま「ランキング」の集計基準値となる。そのため,ランキング上位10名に入ってチャンプの称号を得ても,「チャンプスキル」入手のために大量のWRPを消費してしまうと,「チャンプスキルアイテム」入手と同時に,ランキング外に落ちてしまう可能性がある。
ランク外に落ちてしまうと,入手したスキル発動用アイテム自体は保持できるものの,肝心のスキルは使えなくなるので,あらためて上位を目指さねばならない。ランキングが常に変動する可能性がある,ということだ。
また,以前から「Saga8」の目玉とされてきた大規模戦闘「都市防衛戦」が今後実装されると,攻防戦終了時に「上位10名のチャンプ」のみ「WRP」がリセットされて0となる。つまり防衛戦後のPvPでは,WRPランキング11位〜21位にいたプレイヤーが自動で「チャンプ」に繰り上げられてのスタートとなる。防衛戦実装までの間は,一時的に,週に1度(週末を予定とのことだが未定),PvP参加全プレイヤーのWRPをリセットする可能性があるという。
なお,WRPを消費して入手できるのは,上記の「拡張チャンプスキル」のみとなり,一般アイテムは入手できなくなる。これまで「WRP」で入手できた特殊なアイテム類は,あらためて別の形で提供されるようになるということなので,今後の発表を待ちたいところだ。
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