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純粋にやりたい人のためのPvPへ。「エミル・クロニクル・オンライン」ユーザーカンファレンスでアピールされた「Saga8」の再出発と,その先
プレス陣向け質疑応答で,さらに追加された防衛戦情報
帰りには,入口に開発陣が並んで参加者を見送ったのだが,その際に,今後ぜひ実装してほしいアイテムや,質疑応答では伝えられなかった意見などを口にする参加者もいて,手を挙げての質疑応答ではなかなか口に出せない内容なども,気軽に伝える姿が見られた。
まず,駆け足での説明ゆえ,不明点も残った都市攻防戦について。防衛戦の流れは,まず「DEM出現」の告知が流れた後で都市攻防戦の準備に入り,ある程度の時間が経過したところで実際にDEMが攻めてくることになる。
一方,奪還戦についてはプレイヤーサイドが自発的に行う必要があるとのことだったが,実際はどうなるのかを少し詳しく聞いてみた。
まず「防衛戦」で王都にいた防衛戦参加者は,防衛に失敗すると,いったんすべて「ゴールデンブリッジ」側の王都外に放り出されてしまう。奪還戦はその直後から開始できるようになり,羅城門にある「待機室」から王都の中に入るとスタートする。都市防衛に失敗した時点で,ふだんのウェストフォート(ショップなどが使えるふだんの王都)のマップには侵入不可となり,奪還に成功するまでは戦闘専用の王都マップにワープする形となる。
奪還戦は,定期的に開催される防衛戦と異なり,基本的には戦闘エリアになっている王都へ,プレイヤーが自主的に集まり,七つある「シンボル」すべてを建て直していく形になる。奪還戦開始のタイミングはプレイヤー側に一任されるが,修復され始めたシンボルには敵DEMが群がり,また破壊するようになっているため,修理が完了したシンボルをすべて守りつつ,残りを修復していかなくてはならず,プレイヤー同士の協力がないと成功は難しい。
ただし,そうした戦いがどういう形だと面白く実現するかという仕様に関しては,まだ検討課題が残っているとのこと。例えばそれは,建て直したシンボルの「HP」がどれだけになるとシンボルが「復活」するかといった部分になる。HPが半分だった場合はどうか,面白い形で戦いが進むか,そうした観点から調整をかけているところだという。
ちなみにフィールドチャンプに関しては,DEMの侵略がアナウンスされた時点でフィールドチャンプ戦の「エントリー」から,参加者が全員外され,攻防戦終了まではPvPを行うことができなくなる。ではチャンプ達はその間どうするか,というところで王都を守ろう,という流れにつなげるべく考えているという。
奪還成功時,都市機能の回復に日数を要することはない。ただ,例えば王都が陥落した翌日すぐ奪還が成功したなど,素早く都市機能が復活した場合には,復帰後の王都でショップのアイテムが「奪還記念セール」などという名目で格安販売されることもあり得るという。この恩恵についてもまだ調整中だが,都市攻防戦の企画段階では,防衛時の失敗の仕方と度合,負けっぷりが悪かったかどうかなどでその内容が変化するといった案も出されていたようで,そのあたりがどうなるかは,今後順次固まっていくとのことだった。
また,チャンプスキルについても,もう一歩突っ込んで聞いてみた。スキルは「チャンプ」の称号持つ間しか使えないが,一度得た「チャンプスキルアイテム」(頭装備)が消えたりすることはなく,その意味で一種のメモリアルアイテムと捉えてもよいという。
一度チャンプの座から外れたあとも,再びチャンプに返り咲けば,スキルが使えるようになる。ただし,複数のチャンプスキルが実装されていったあと,それら複数のスキル手に入れても,一度に使えるのはそのうち一つだけ。各スキルを使うためには,頭装備を取り換えていかねばならない。なおスキルの表示に関しては,マリオネットに変身した際のスキルと同様,ベーススキルの項目に追加される。
まだまだ謎の多い彼を探すことも,攻防戦における楽しみの一つとなるかも知れない。また蛇足ではあるが,今回発表された白いネコマタは,エミルのライバルに憑いている黒いネコマタとは異なり,物語の根幹に関わることはとくにないようだ。
この「謎の少年」を始め,ストーリーの伏線や小ネタが数多く仕込まれた,ECOのストーリー。それらも「いずれオープンにされていくので楽しみにしてください」という開発サイドの言葉で,メディアへの質疑応答は終了した。(原稿ここまで:美緒)
開発/運営サイドの情報露出に関して,さまざまに曖昧な点があったことは確かだが,運営/開発サイドが当初からPvP回避アイテムを準備していたことは厳然たる事実であり,その提供が遅れたとはいえ,Saga8で予定されたプレイ内容が「無差別PK」仕様であったことは,一度たりともなかったはずと認識している。抵抗勢力同士が互いに主導権を争っているという構図も,現実にしばしば見られることで,それ自体が著しく不合理なものだったわけではないと思うのだが,いかがなものだろうか。
とはいえ,魅力的なアイテムを通して,いささか強力にPvP参加を推し進めるシステムであったことは事実であり,そこを危惧する声は多くのプレイヤーから上がっていた。
そうした意味で,今回正式にアナウンスされた,任意参加型で完結するPvPシステムは,「フィールドチャンプ」の循環スキームと相まって,はるかに洗練されたものになった。今後,中国や韓国におけるサービスで,いったいどんなPvP要素が展開されていくのかといった論点をも含めて,たいへん興味深い取り組みが,4日後(8月8日)にはスタートする。まずはその推移を見守りたい。(この稿:Guevarista)
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