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「Portal with RTX」などに対応した「GeForce 527.56 Driver」がリリース
Portal with RTXは,「GeForce RTX 40」シリーズの発表時に予告されていたタイトルとなる。「Portal」をベースとして,レイトレーシングによるグローバルイルミネーションや,リフレクション(映り込み),影などの表現を実装した。また,GeForce RTX 40シリーズでサポートするNVIDIA独自のAI処理ベース超解像技術「DLSS 3」に対応したのもポイントだ。
NVIDIAは,これまでも「Quake II RTX」や「Minecraft with RTX」など,名作ゲームのレイトレーシング対応に取り組んできた。その最新作となるPortal with RTXでは,光の反射を最大4回まで計算することで,従来よりリアルな光の表現を盛り込んだとのこと。加えて,間接光の表現を強化する「NVIDIA Reservoir Spatio Temporal Importance Resampling Global Illumination」(ReSTIR GI)や,レイトレーシングにともなうノイズを低減する「NVIDIA Real Time Denoiser」(NRD)といった新しい技術も用いているそうだ。
なお,Portal with RTXの開発にあたっては,旧作ゲームのリマスター用技術「NVIDIA RTX Remix」(以下,RTX Remix)が大きな役割を果たしたという。
RTX Remixは,NVIDIA製の3Dコラボレーションプラットフォーム「Omniverse」上に構築されたものだ。
RTX Remixでは,DirectX 9およびDirectX 8世代の固定グラフィックスパイプラインに対応するライブラリ「RTX Remix Runtime」によって,過去のゲームに対してレイトレーシングやDLSS 3といった最新の技術を盛り込むことが可能となる。DirectX 9/8世代のゲームのマテリアルを,3Dシーンを記述する統一規格「Universal Scene Description」(USD)を介して,Autodesk Mayaなどのソフトウェアへインポートできるとのこと。さらに超解像技術でテクスチャの解像度を4倍に引き上げるととともに,レイトレーシングに必要なプロパティを追加するといった作業を自動化できるそうだ。
NVIDIA RTX Remixは,一般公開を予定しているので,今後,過去のゲームを最新技術でリニューアルしたリマスター作品が増えるかもしれない。古参のゲーマーとしては楽しみだ。
なお,Portal with RTXは,Portalを持っているゲーマーなら無料でプレイ可能だ。すでにSteamからダウンロードできるようになっているので試してみるといいだろう。Portal with RTXリリース記念として,GeForce RTX 40シリーズをプレゼントする企画(関連リンク)もスタートしている。
一方,ウィッチャー3 ワイルドハント コンプリートエディションは,NVIDIAが提供するソフトウェア技術「RTX Global Illumination」(RTXGI)により,屋外の場面において,よりリアルなレイトレーシング表現が可能になったそうだ。また,NVIDIA独自の超解像技術「DLSS 2」や,内部遅延低減技術「NVIDIA Reflex」にも対応している。
そのほかにも,GeForce 527.56 Driverでは,シミュレーションゲーム「Jurassic World Evolution 2」の新作DLCである「Jurassic World Evolution 2: Dominion Malta Expansion」への対応が謳われている。このDLCのリリースに合わせて配布となるアップデートにより,同作がDLSS 3に対応するそうで,GeForce RTX 40シリーズユーザーなら,より高解像度でゲームをプレイできるそうだ。
ドライバのアップデートが自己責任となる点は理解してもらったうえで,すぐにでも入手したい人は,以下に示したリンクかGeForce Experienceを利用してほしい。
→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 527.56 Driver(813.49MB)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/197463/jp
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 527.56 Driver(813.49MB)
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/197481/jp
●GeForce 527.56 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xp
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
●GeForce 527.56 Driverが統合するソフト
- GeForce Experience:3.26.0.154
- HD Audio Driver:1.3.39.16
- PhysX System Software:9.21.0713
- Vulkan RT:記載なし
- NVIDIA RTX Desktop Manager:記載なし
- CUDA:12.0
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.963.0
●GeForce 527.56 Driverにおけるゲームへの最適化
- 記載なし
●GeForce 527.56 Driverの新要素
- 「Portal with RTX」「ウィッチャー3 ワイルドハント コンプリートエディション」に対応
- 「Jurassic World Evolution 2: Dominion Malta Expansion」とそれに合わせたDLSS 3対応アップデートに対応
●GeForce 527.56 Driverで解決した問題
- 「GeForce RTX 4090」を使用して「Watch Dogs 2」をプレイ中に空を見上げると,表示が点滅することのあった問題
- DLSS 3を有効化している状態で,Shadowplay,またはOBS StudioとNVENCを組み合わせた状態でゲームを録画すると,録画終了時にクラッシュすることのあった問題
- 旧バージョンの「Minecraft Java Edition」で,画面表示が破綻することのあった問題
- GeForce GTX 1060を搭載するMicrosoft製ノートPC「Surface Book 2」において,ドライバのインストールに失敗することのあった問題
- GeForce RTX 40シリーズにおいて,PCの電源を入れた状態でDisplayPortとHDMIを交互に抜き差しすると,ディスプレイが認識されないことのあった問題
- Adobe PremiereおよびAfter Effectsにおいて,H.264やHEVCを使用したコンテンツでエラーが発生することのあった問題
●GeForce 527.56 Driverにおける既知の不具合
- ディスプレイのネイティブではない解像度でゲームをプレイしているとき,ゲーム内でHDR設定を切り替えると,ゲームが不安定になることがある
- Windowsのディスプレイ設定にあるHDRを有効にした状態で,DirectX 12対応タイトルをShadow Playで録画すると,露出過多になることがある
- DSRやDLDSRを有効化していると,ディスプレイがスリープから復帰したときに画面が一時的にちらつくことがある
- 「Halo Wars 2」においてゲーム内にある木の葉が普通より大きくなり,また常にちらつくことがある
- Steam版「Forza Horizon 4」を15〜30分ほどプレイするとゲームが固まることがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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