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[韓国ゲーム事情#402]コナミ,「新野球」問題でついに訴訟
コナミ,オンライン野球ゲーム「新野球」に対し訴訟を起こす(2005/8/25)
Text by Kim Dong Wook特派員
コナミが本日(8月25日),同社の韓国内での広報を代行しているNews Communication社を通じて韓国のゲーム関連媒体に流したリリースによると,新野球のゲームキャラクターおよび試合中の場面が,コナミの"実況パワフルプロ野球"シリーズ(以下,パワプロ)の著作権を侵害しているとして,Neopleを相手に,8月25日付けでソウル地方裁判所に"ゲーム画像の配信差し止め"を求める訴えを申し立てた。
パワプロは,コナミが1993年に開発し,現在もなお人気を集めているゲームソフトシリーズ。新野球のクローズドβテスト時から,韓国のゲーマー達から類似の指摘がコナミにも多数寄せられており,コナミとしても,この2社に著作権を侵害しないよう,キャラクターおよび試合場面の変更を数度にわたり要請してきたが,両社から回答はなく,結果,今回の訴訟となったとのことである。
コナミは,「パワプロのキャラクターは,コナミを代表するキャラクターとしてすでに多くの人に慣れ親しまれており,今後も同シリーズで,より発展した野球ゲームを開発し,既存のファン達にも新鮮なゲームプレイを提供するつもりだ」とコメントし,最後に「今回の訴訟をきっかけに,さまざまな会社が多大な努力を費やして創作した知的財産が保護され,無断複製の不正行為がなくなることを希望する」と付け加えている。
一方,この訴訟についてHanbit Softの関係者は,「現在のところ,コナミから公式の連絡は何も受けていない。しかし当社としては,新野球に盗作の疑惑があったのなら,初めからパブリッシング契約をしなかった。前もって社内検討を行った結果,まったく問題がないと判断したし,その判断は今も変わっていない」と強気である。
このニュースが各ゲーム関連コミュニティに伝わると,ゲーマー達からは,「コナミがオンライン版パワプロを開発してサービスするために,新野球を牽制しているのではないか」という憶測や,「韓国オンラインゲーム業界の"模倣問題"に対して,いよいよ日本のメーカーの堪忍袋の緒が切れたようだ」「今回の訴訟をきっかけに,模倣の基準を明確にして,過去の名作と同様に,今後出てくるだろうゲームも保護しなければならない」「野球という既存のスポーツをゲーム化するのに,独創性という部分では自ずと限界が出てくる。だから新野球は模倣作ではない」など,善し悪しはさておきさまざまな意見が出ている。
この訴訟の展開については,新しい情報を入手し次第,またお伝えしよう。
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