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[GDC06#8]「SiN Episodes」がプレイアブルで公開
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印刷2006/03/24 23:02

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[GDC06#8]「SiN Episodes」がプレイアブルで公開

 NVIDIAのブースで,Ritual Entertainmentの「SiN Episodes: Emergence」が公開されていた。「SiN」は,FPSというジャンルが急激に人気を獲得し始めた1998年11月にリリースされた作品で,2027年の未来都市フリーポートを舞台に,主人公ジョン・ブレードが新型麻薬U4の調査に乗り出すことから物語が始まる。「Half-Life」と時を同じくしてリリースされたせいか,その高い評価に対して売り上げが伸びなかった不運なゲームとして知られている。
 そんなSiNに,もう一度チャンスが訪れた。Ritual Entertainmentは,Source Engineをベースに,グラフィックスやフィジックスを補強してSiNをリバイバルさせ,さらに「Steam」を使ったデジタル配信でリリースすることにしたのだ。また,ストーリーを三つに区切ることで,1話につき5〜6時間程度楽しめる,エピソード化したゲームになるという斬新な手法が取られており,その成り行きに注目する業界関係者も多い。

 SiN Episodesは,ストーリーやマップ,武器などはオリジナル作品と同じであるものの,精細なモデリングや高解像度のテクスチャ,各種パーティクル効果などの追加/差し替えが行われている。バグが多かったオリジナルのプログラムは,とことんクリーンナップされているようで,実際に遊んでみてもすでに完成品かと思えるような仕上がりであった。



 ゲームは,サイドキックの女性キャラクターが登場し,筆者がプレイしてみた2面のマップでは,車を運転したり一緒に戦ってくれたりといった活躍を見せる。Source Engineのキャラクター技術も使われていて,表情や目の動きがハーフライフライクだ。敵のキャラクターも,プレイヤーの背後に回ってきたり,オブジェクトの後ろに身を隠したりし,突撃していくだけでは切り抜けるのが難しいゲームになりそうだ。
 SiN Episodesで最もユニークなのが,難度を自動調整するシステム。プレイヤーのキル数,命中率,ダメージといったデータの統計が取られるゲームは少なくないが,SiN Episodsではこれらの統計から,プレイヤーの戦い方を常に分析し,その都度NPCの巧みな思考ルーチンでプレイスタイルを変化させてくるのである。敵の数が多くて突破するのに難儀していれば,逆に敵はしばらくジッとしていたりと,プレイヤーが気づかない程度にパターンが変化するのは面白い。

 Ritual Entertainmentは,すでにEpisode 2に当たる作品も開発中とのことで,1作めのSiN Episodes: Emergenceが5月にリリースされたあと,年末あたりに2作めも登場するものと思われる。Ritualは,現在DirectX 10にオプティマイズされたUberゲームエンジンを開発しているらしいが,テレビ番組のようなエピソディックゲームは,市場ではどのように受け入れられるのだろうか。(奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    シン エピソード1

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