北米時間2014年1月7日,Razerは,2014 International CESの同社ブースで,開発中の次世代デスクトップPCコンセプト「
Project Christine」(プロジェクトクリスティーン)を公開した。
Project Christine。四隅で丸みを帯びたモジュールが本体につながるデザインは,どことなくThermaltake Technologyの高級PCケース「Level 10」を彷彿とさせる
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その“異様さ”は,上に示した写真を見てもらえれば一目瞭然だと思うが,CPUやGPU,ストレージ,I/Oといったデバイスがすべてモジュールになった「
Modular PC Design」が採用されており,
ケーブルを一切使うことなく,必要なモジュールだけ差し込めばPCとして利用できるというのが特徴だ。
本体側面から。Razerロゴの入った“四角柱”に,前後からモジュールを差し込む構造だ
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アクリルパネルの反射が多くて申し訳ないが,モジュールの取り付け口にはRazerらしい緑色LEDインジケータが埋め込まれているのも分かる
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モジュールの側面にはそれぞれ,役割を示した文字列がプリントされている。「CTRL」と書かれた2段組モジュールには,タッチ操作対応の液晶パネルが取り付けられており,PCの状態を表示したりできるという。
CTRLモジュールの正面には液晶パネルが埋め込まれていた。サイズは見たところ5インチワイドクラスか
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液晶パネルの表示例。差さっているモジュールごとに,動作状態をモニタリングできるという。写真はGPUの例で,動作クロックや温度,負荷状況に消費電力などをチェックできるが,筆者が確認した限り,サウンド出力状況を表示しているところもあった
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Razerによると,スペック的にはかなりのハイエンドを狙っているそうで,GPUモジュールは最大で4基搭載可能とのこと。実際,展示機には「GPU 01」「GPU 02」「GPU 03」と3基のモジュールが差さっていた。
また,「PSU」と書かれたモジュールには「WATER COOLING」とも書かれており,液冷に対応する可能性も見て取れよう。Razerでは,晴れて発売となった場合には,クロックアップ仕様で出荷することも検討しているという。
また,ストレージは最大4モジュール取り付け可能で,RAID 5もサポートするとのことだった。
本体後方の上部には「GPU 01」「GPU 02」「GPU 03」と,GPU関連のモジュールが3基あった。先ほど示した液晶パネルでは「GeForce GTX 780 Ti」搭載とあったので,もし液晶パネルの表示がダミーでないなら,サイズ的に,液冷を前提とした専用モジュールになっている可能性がある
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本体背面から。GPUモジュールの冷却ファンが見当たらないことからも,液冷前提であることが窺えよう
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後部最下段のモジュールには「PSU」「WATER COOLING」とあり,電源ユニット兼液冷ユニットであることが分かる。取り付けられた小窓からは,冷却液の残量を確認することもできた
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後部最上段で確認したGPUモジュール接続インタフェース。規格自体はPCI Expressとのことだ。GPUモジュール以外のモジュールを接続できるのか,そしてそもそもGPUモジュール以外のインタフェースもPCI Expressベースなのかどうかは明らかになっていない
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RazerによるProject Christineのイメージカット
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Razerによれば,Project Christineはあくまでもコンセプトモデルであり,製品化するかどうかはまったくの未定とのこと。そもそも同社は,ノートPC「
Razer Blade」やタブレットPC「
Razer Edge」を海外市場では販売しているものの,日本市場には投入していない。そのため,仮にProject Christineが製品化されても,日本市場に投入されるかどうかは分からないのだが,こうして姿を見せた「フルモジュール構成のデスクトップPC」が,相当に魅力的なことだけは確かだ。
個人的には「でもお高いんでしょう?」と思いつつも,その発売に期待してしまったりしているのだが,読者諸氏はいかがだろうか。