ニュース
G-Tune,ハイエンドゲームPC「MASTERPIECE」の筐体を一新。その見た目をチェックしてみた
ハイエンドゲーマー向け製品シリーズとして知られるMAS
第1弾ラインナップは,「GeForce GTX 1060」と「Core i7-6700K」を組み合わせた最下位モデルから,「NVIDIA TITAN X」(以下,TITAN X)を2-way SLI構成で採用し,「Core i7-6900K」と組み合わせた最上位モデルまでの4製品。税込のBTO標準構成価格は17万2584円から70万1784円と,かなりの幅がある(表)。
4Gamerでは,製品発表に先立ち,新型MASTERPIECEについて詳しく説明を受ける機会を得たので,今回はその内容を基に,その特徴を説明していきたい。なお,説明を担当したのは,マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室主任の小林俊一氏である。
PCのトレンドに合わせて,見た目も内部も一新
まずは新型MASTERPIECEと,従来製品である旧型MASTERPIECEの外観における違いから見ていこう。
いわゆるフルタワーサイズで,黒地に赤のラインが入る筐体ということもあり,冒頭で示した製品イメージを見て,あまり変わっていない印象を受けたかもしれない。ただ,並べてみると,新筐体は,従来の筐体と比べてかなりの部分が変わっているのが分かる。
従来のMASTERPIECEだと,本体前面上部にインタフェースが並び,その下に2基の5インチベイと1基の3.5インチベイがあるという,オーソドックスなPCケースのデザインを踏襲していた。
それに対して新型MASTERPIECEは,前面の黒地部分を強化ガラスパネルが覆っていることもあり,ここにインタフェースやオープンドライブベイは一切ない。すべて,本体向かって右側の赤いライン部に移動している。
実のところ,強化ガラスパネル部は開閉式のドアではない。金属製筐体に接着されている。つまり,新型MASTERPIECEは,前面からアクセスできる5インチベイや3.5インチベイを持たないわけだ。さらに言えば,前面には吸気孔もない。
前面右端の赤いライン部には,上側に電源ボタンと動作状態を示すLEDインジケータ,USBポートおよびサウンド入出力端子,そして下側にはスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブが並んでいる。
筐体を床置きした場合,光学ドライブが使いにくい配置になるので,机の上に置くことを前提に設計したのかと思ったが,そういう意図はないとのことなので,光学ドライブの利用頻度とデザインを天秤にかけた結果ということのようだ。
なお,既存のG-Tune製品には,ゲームのキャラクターやG-Tune公式マスコット「G-Tuneちゃん」を描いたクリアサイドパネルがオプションとして用意されていたが,新型MASTERPIECEで,今のところそうしたデザインパネルは用意していないという。ただ,技術的には可能だそうなので,要望次第では実現する可能性があるかもしれない。
ちなみに,パートナー企業とのディスカッションでは,赤色のラインを金色にするというアイデアも出たが,シリーズとして共通の意匠を持たせるため,赤色のままにしたという。
内部は広々としているが,ドライブベイが少ないのがネック
外観に続いては,新型MASTERPIECEの内部もチェックしていこう。今回,内部を撮影したのは,2枚のTITAN Xカードを2-way SLI構成で搭載する最上位モデル「MP-i1710PA1-SP」だ。
左サイドパネルを開けると,すっきりとした内部にちょっと驚かされた。電源ケーブルやストレージ接続用のSerial ATAケーブルをマザーボードを取り付けているパネルの裏側に回して配線する構造は珍しいものではないが,新型MASTERPIECEの場合,筐体内でブロックのようにスペースを取る「ストレージを取り付けるドライブベイ」がないため,内部にエアフローを遮るものがほとんどないのだ。
これだけ内部に余裕があれば,長さ300mmを超える大型グラフィックスカードを,複数枚でも無理なく搭載できるだろう。
内部の上側には,電源ユニットを設置した「PSU Chamber」があり,中央にATXサイズのマザーボード,背面側中央に排気用の120mm径空冷ファンを1つ設置するという構成となっている。背面ファンは簡易液冷ユニットのラジエータに交換することも可能だ。
前面がガラス製サイドパネルで覆われているため,吸気孔は,ほぼ全体が開口した底面のみ。広い底面から吸気して,背面の空冷ファンや上部に置かれた電源ユニットのファンで排気する構造というわけである。
ちなみに,MP-i1710PA1-SPは採用するマザーボードにも特徴があると,小林氏は説明していた。消費電力と発熱の大きいTITAN Xを安定して2-way SLI構成で動作させるには,PCI Express x16スロット同士の間にPCI Express x1スロットが1つあるという一般的なマザーボードでは,グラフィックスカード同士の間隔が狭くなってしまうので,放熱効率の点で望ましくない。そこでマウスコンピューターでは,PCI Express x16スロットの間に2スロット分の間隔があるマザーボードを採用しているのだという。
当然ながら,2枚のグラフィックスカードをつなぐSLI HBブリッジも,長めのものを採用している。
全体として冷却周りを重視した内部デザインだと評価できそうな新型MASTERPIECEだが,では,ドライブベイはどこにあるのだろうか?
先ほど示した写真でも分かるとおり,マザーボードが取り付けてある側,つまり左サイドパネルを開けてアクセスできる側には,2.5インチHDD互換のドライブベイが2つあるだけである。
なら3.5インチドライブベイはというと,右サイドパネルを開けた側,マザーボードベースの裏側にあたるところに1基のみ。フルタワーサイズの筐体ということを考えると,極端に少ない。
標準搭載のHDDが記憶容量3TBと大きめであるとはいえ,残り容量が足りなくなってきたときに,使用中のHDDを別のものに交換するのと,新しいHDDを追加するのとでは,どちらが簡単かは考えるまでもない。フラッグシップモデルであるなら,ストレージの拡張性にも配慮してほしかった。
幸い,筐体内部にはかなり余裕があるので,3.5インチHDDの取り付け部品を追加することは難しくないだろう。後付けでもいいので,追加のHDDを取り付ける手段の提供を期待したいところだ。
G-Tuneの新世代フラッグシップはユーザーにどう評価されるのか
6年ぶりに一新されたG-Tuneのフラッグシップとして,見た目のインパクトは十分だろう。ガラス製のフロントパネルは,人によってかなり好みが分かれそうだが,見栄えの派手さという点ではピカイチだ。オプションのガラス製サイドパネルを選び,LEDイルミネーションの付いたパーツを内部に取り付けて,派手に魅せるPCにするというのも面白いかもしれない。
大型のグラフィックスカードや液冷ユニットを取り付けるのに,十分な内部の余裕も,ハイエンドグラフィックスカードを好んで使う人には魅力的な面もある。
残念なのは,一にも二にもストレージの拡張性が乏しいところだ。5インチベイを廃止したのは,時代の流れを考えれば妥当といったところだが,内部に十分な余裕があるのに3.5インチHDDを追加できないのは,実にもったいないと思う。
その意味で,G-Tuneの新たなフラッグシップとなる新型MASTERPIECEは,かなり尖った仕様のマシンということになると思うが,ゲーマーからはどのような評価を受けることになるだろうか。期待を込めて見守りたい。
G-Tune 公式Webサイト
- 関連タイトル:
G-Tune,NEXTGEAR
- この記事のURL: