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「ゲーマーの意見」を集めて設計したG-Tuneの新型PCケースは何が違うのか。実機をじっくりチェックしてみた
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印刷2018/07/21 17:49

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「ゲーマーの意見」を集めて設計したG-Tuneの新型PCケースは何が違うのか。実機をじっくりチェックしてみた

 ゲーマー向けPCブランド「G-Tune」を展開するマウスコンピューターは,2018年6月にミニタワー型PC「NEXTGEAR-MICRO」の,2018年7月2日には,ミドルタワー型PC「NEXTGEAR」の筐体を刷新した新製品を発売した。

新筐体を採用したNEXTGEAR(左)とNEXTGEAR-MICRO(右)
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 マウスコンピューターは,新筐体の開発にあたって,ゲーマーからアンケートを行ってPCケースに関する意見を集めて,デザインを行ったと強調している。ではそのアンケートとはどういう内容で,実際にどんな要望が新筐体に反映されたのか。同社コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室の安田祐三郎氏に話を聞いてみた。


ニコニコ動画のアンケート機能を活用してゲーマーの声を集める


 安田氏によると,既存のNEXTGEARで使っていたミドルタワー筐体は,今から6年前の2012年に,同じく既存のNEXTGEAR-MICROが使っていたミニタワー筐体は,今から8年前の2010年に採用したものであるという。もちろん,時代に合わせたマイナーチェンジは行っていたそうだが,やはりそれだけの時間が経過すると,最新のニーズとずれてくるところもある。

既存のNEXTGEAR(左)およびNEXTGEAR-MICRO(右)の筐体。新モデルではまったくイメージを変えてきたことがよく分かる
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 そこで,ゲーマー向けPCに対する最新のニーズは何かを考えたときに,現役のゲーマーに話を聞くのが適切と判断したと安田氏は述べていた。そこで,ゲーム配信拠点「G-Tune顔巣 秋葉原」へのスポンサードでつながりのあるゲーム実況番組「裏・顔TV!」を通じて,ニコニコ動画のアンケート機能を使って視聴者へのアンケートを行ったとのこと。もちろん,アンケートの意見だけが最終的な製品に反映されているわけではないが,なかなか興味深い結果となったそうだ。

 たとえば,新筐体はPCの天板がフラットなデザインになっているのが特徴だが,これもアンケートの結果が反映されたものだという。PCの上,つまり「天面部分に物を置くか」という設問を投げかけたところ,実に約80%の回答者が「置く」と答えたそうだ。また,天面部分に通風孔を有するPCケースであっても,通風孔を避けて物を置くという回答が約60%もあったとのこと。こうした結果から,新筐体では天板をフラットにしたうえで,通風孔も設置しないと決めたという話だ。

G-Tune G-Tune

G-Tune
 もう1つ,デザインに関わる要素に影響を与えたのが,LEDイルミネーション機能の有無だ。近年,PCパーツショップで販売されるPCケースの新製品といえば,筐体の内外にLEDイルミネーションを取り付けたり,側面パネルを透明な強化ガラス製にして,LEDイルミネーションを備えたパーツを見えるようにしたりといった具合に,“見せる”ことをコンセプトとしたデザインのものが多い。
 しかし,PCの筐体に「LEDイルミネーションが必要か」という設問に対しては,約70%が「パワーランプとHDDランプ程度でいい」と答え,LEDイルミネーション機能を重視しない姿勢を示したという。とくに日本では,タワー型のPCを机の下に設置している人も多いと思われるが――筆者の自宅もそうだ――,そうした環境の場合,たとえ筐体の内部が光っても目に入らない。光が見える見えない以前の問題として,PCの性能やゲームの快適さに貢献しないLEDイルミネーション機能に,追加のコストを支払う価値を感じない人もいるだろう。そう考えれば,回答者の7割が重視しないというのもうなづける。

 こうした意見を反映して,NEXTGEAR-MICROの新筐体には,LEDイルミネーション機能は装備しないことにした。NEXTGEARの新筐体は,前面にあるG-Tuneのロゴマーク部分にだけ赤く光るLEDを装備しているが,LEDイルミネーションの派手さを売りとするPCケースに比べると,控えめといっていいだろう。

左がNEXTGEAR-MICROで,右がNEXTGEARの新筐体だ。どちらもフラットな面で構成されたシンプルなデザインがポイントである
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 ただ,内部を見せたい,LEDで彩りたいという要望もあることから,両製品ともに筐体自体はそのままで,左側面をガラスパネル化したモデルを用意したり,LEDを装備する空冷ファンや液冷用ラジエターを用意したりといった施策も展開している。

写真はNEXTGEARのものだが,両製品とも,左側面に強化ガラス製のサイドパネルを採用するモデルをラインナップする(左)。また,最上位モデルは赤いLEDイルミネーションを備えた空冷ファンや液冷ユニットを搭載しているので,見せるPCを求めるニーズにも応えられるわけだ
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 PCの機能や使い勝手に関わる要素では,インタフェースに関する設問への回答が興味深い。たとえば,「フロント側(天面も含む)のI/Oポートに欲しい機能は」という質問に対しては,約65%の回答者が「HDMI出力」を挙げたという。フロント側のHDMI出力と聞けば,VRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)の接続用と思うかもしれないが,ゲーム実況映像の配信やゲーム動画の作成を行う人からもニーズがあると安田氏は説明する。ゲーム用のPCと配信・録画用のPCやキャプチャデバイスを別に用意しているユーザーの場合,映像ケーブルを抜き差ししやすい前面側にビデオ出力インタフェースが欲しいという要望が多いそうだ。
 こうした意見を考慮して,NEXTGEARは天面の前側に,NEXTGEAR-MICROは前面上端に,USB 3.0 Type-Aポートやサウンド入出力などと並んで,HDMI出力を装備している。

NEXTGEARは天面の手前側右寄りに(左),NEXTGEAR-MICROは前面の上端(右)にフロントインタフェース類が配置されており,そこにHDMI出力端子がある
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フロントHDMI出力を利用するには,筐体背面上部に出ているHDMI入力端子(赤丸部分)と,グラフィックスカードのHDMI出力を付属ケーブルで接続する。写真はNEXTGEARのもので,筐体前面から伸びたHDMI延長ケーブルが,筐体背面から出ている仕組みだ
G-Tune G-Tune

 一方で,ハードウェアリセットボタンやメモリカード用のカードリーダー機能の要不要を問う設問では,「不要」という回答がそれぞれ約80%,約87%にも達したそうだ。カードリーダーを不要とする回答が多いのは,少々意外に思えたが,コンパクトデジタルカメラがスマートフォンに取って代わられたことにより,メモリーカードでデータ転送を行う人も減っているということだろうか。

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 もう1つ,注目に値するというか,「そりゃそうだよね」という結果が出ているのは,オーバークロック機能に関する設問だ。「オーバークロックをするか」という質問に対して,実に約85%が「行わない」と答えたという。多くのゲーマーにとって,オーバークロックによる多少の性能向上よりも,ゲーム中におけるPCの動作が安定しているほうがはるかに重要であるのだから,当然の結果と言えようか。
 それもあって,NEXTGEARとNEXTGEAR-MICROの新筐体では,オーバークロックボタンのような,PC筐体側でのオーバークロック機能は備えていない。

 そのほかにも,筐体の表面は鏡面加工とマット加工のどちらを好むかを問う設問では,約93%が「マット加工を好む」と答えたほか,筐体の形状を問う設問では,約75%がフラットな面で構成されたシンプルなデザインを好むと回答したという。

 インターネット,とくにソーシャルなサービスの利用者を対象としたアンケートというのは,多かれ少なかれ回答の傾向が偏りがちである。比較的保守的と言えるこれらの回答も,割り引いて見る必要はあるだろう。しかし,4Gamer読者にも,多数意見となった回答に同意する人は,少なくないのではなかろうか。


エアフローを重視し,スッキリとして内部構造のNEXTGEAR新筐体


 さて,それでは新筐体の各部を,もう少し詳しく見ていこう。まずはNEXTGEARからだ。
 NEXTGEARのミドルタワー筐体は,基本的にフラットな面で構成されているが,前面は上へ行くに従って前方向に傾斜した独特の外観となっている。それに加えて,前面上端には冷却フィンを思わせる板状の構造物が立ち並んでいるが,もちろんこれは単なるデザインで,冷却用の何かではない。

写真の機材は,CPUとグラフィックスカードに液冷ユニットを装着した最上位モデル「NEXTGEAR i680PA1-DL」(以下,i680PA1-DL)だ。ただし,写真では左側面の強化ガラス製サイドパネルを取り外している
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 筐体の下部に電源ユニットを設置するPCケースは多いが,NEXTGEARとNEXTGEAR-MICROは,いずれも電源ユニットを上側に配置して,筐体底面は吸気孔とするデザインを採用している。冷却用の空気は底面と右側面の前寄りから吸い込み,背面側に吐き出す仕組みだ。グラフィックスカードに冷えた空気が当たりやすいので,冷却効率は確かに良さそうに思える。
 なお,構成によっては右側面に排気用のファンを装着して,側面からも排気することも可能である。

i680PA1-DLは,背面側に装着したラジエータ1基で,グラフィックスカードとGPUをまとめて冷却している(左)。底面側には,吸気用に120mm径の空冷ファンを3基並べて装備していた。右側面前方に縦並べで配置した2基の空冷ファンは,吸気ではなく排気用だ(右)。なお,液冷ユニットや冷却ファンにはCorsair製品を採用していた
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 エアフローの確保を重視して,筐体の前面側にドライブベイの類はない。3.5インチHDDを搭載可能なドライブベイは,上部に取り付けられた電源ユニットの前側に,2基分が用意されている。

電源ユニットと筐体前面の間にある3.5インチHDD用のドライブベイ(左)。トレイの蓋を開けてHDDを前方に引き出すだけで,簡単に取り出せる(右)
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 また,筐体の右側サイドパネルを開けると,マザーボードを固定しているパネルの裏側に2.5インチHDD互換のストレージを固定できる取り付け部分が3か所用意されている。マザーボード上のM.2スロットも加えれば,ゲームPCであってもストレージ搭載に困ることはあまりなさそうだ。

右側面パネルを開けた状態のNEXTGEAR。写真の中央や右下側に,2.5インチHDD互換ストレージを取り付ける部分(赤丸内)が3か所ある
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 なお,NEXTGEARは5インチベイを備えていないが,ノートPCに使われるのと同じ薄型のトレイ式光学ドライブを,BTOオプションとして筐体上部に搭載可能だ。先のアンケートでも,「内蔵光学ドライブは必要」という回答が約80%もあったそうで,BTOオプションで光学ドライブを用意したと安田氏は説明していた。最近のゲームをわざわざDVDメディアで買う人は少ないと思うが,DVDメディアで所有している過去のゲームや映像ソフトを最新のPCでも使いたいという人はいるだろうから,必要とする回答が多いのもうなづける。

 吸気の要となる底面は,面積の大半が大きな開口部となっており,下側からメッシュ状の「マグネット式ダストフィルター」(以下,ダストフィルター)が取り付けられている。名称からも分かるとおり,ダストフィルターは磁石で筐体に貼り付ける仕組みとなっていて,簡単に着脱可能だ。さらに,ダストフィルター自体は柔らかく耐水性のある素材でできており,水洗いも可能なので掃除も楽にできる。
 ただ,ダストフィルターを着脱するときには,筐体を横に倒して底面を露出させる必要があるため,マザーボードやグラフィックスカードにケーブル類がつながったままでは作業しにくいかもしれない。

NEXTGEARの底面(左)。見てのとおり底面のほとんどは開口部となっている。細かいメッシュで覆われたダストフィルターは,四辺に帯状の磁石が貼り付けられており,簡単に着脱できる(右)
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NEXTGEARとほぼ同じ構造を踏襲したNEXTGEAR-MICRO


 続いては,NEXTGEAR-MICROの内部も見てみよう。
 ミニタワータイプのNEXTGEAR-MICROは,NEXTGEAR以上にシンプルなデザインの筐体となっている。左右側面や前面,天面の全てがほぼフラットな面で構成しており,エアフローさえ考慮すれば,どこにでも置きやすいデザインと言えよう。

NEXTGEAR-MICROを左前方から見た状態。前面および天板部分の端を斜めにカットしているのが外観上のアクセントとなっていて,無愛想な四角い箱にはなっていない。なお,前面の左端に並んでいるスリットは通風孔ではなく,これもデザインの一部だ
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 内部の構造は,ミドルタワーのNEXTGEARとほぼ同じもので,ATX仕様の電源ユニットを上部に配置し,底面には大きな開口部を設けてエアフローを確保を重視したものだ。そのため,内部はかなりすっきりとして見える。

NEXTGEAR-MICROの内部を左側から見た状態。上側にある黒い箱が電源ユニットのカバーで,その下にマザーボードがある。マザーボードと筐体前面の間が広く開いていることに注目。筐体前面側には,液冷用のラジエターを取り付けられるスペースがある(右)
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NEXTGEAR-MICROの背面。上部から垂れ下がって見えるのが,フロントHDMI出力を使う時に,グラフィックスカードのHDMI出力をつなげるためのコネクタだ
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 電源ケーブルやストレージ接続用のケーブル類は,マザーボードを支えるパネルの裏側に配線するという,今どきのPCケースではよくある仕組みを採用していた。展示機に取り付けられていたのは,ASRock製のMicroATXマザーボードで,基板上に「B360M」と書かれていた。ただ,単体販売しているASRock製マザーボード「B360M Pro4」や「B360M-HDV」とは,背面I/Oパネルにあるインタフェースの数や種類が異なるので,NEXTGEAR-MICROが採用していたのはOEM向けマザーボードのようだ。

マザーボード部分を接写してみた様子(左)。エアフローを邪魔する物はほとんどない。右写真は電源ユニット部分を下から覗き込んだ状態だ。黒いカバーの中に,電源ユニットの空冷ファンが見える
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 筐体サイズが小さいこともあり,左側面から見える範囲のストレージ用ベイは少ない。電源ユニットの前側に,3.5インチHDD用のベイが1基あるだけだ。ただ,このベイにはちょっとした工夫があり,ベイの下側に2.5インチHDD互換ストレージを取り付けられるようになっている。
 このほかに,マザーボードを取り付けるパネルの裏側にも,2.5インチHDD互換ストレージを固定できるスペースがあるそうなので,NEXTGEAR-MICROには,2.5インチサイズを2台,3.5インチサイズを1台の計3台を内蔵できる。エアフローを重視したミニタワークラスのPCケースと考えれば,妥当な数だろうか。

電源ユニットの前方(写真では右側)に3.5インチHDD用のベイを備えるのは,NEXTGEARと同様だが,ベイの数は1基しかない(左)。HDD用ベイを下から覗いてみると,そこには2.5インチHDD互換SSDが取り付けられていた(右)
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 そろそろまとめに入ろう。
 見栄えの派手さを重視する自作PCケースのトレンドとは逆を行くようなNEXTGEARとNEXTGEAR-MICROの新筐体だが,ゲーマーの声を汲み取り,真に重要な要素に絞り込んだ設計やデザインを選択してきたことが,実機からもうかがえた。見方によっては地味にすら見える筐体だが,ゲーム用のPCと考えたときに必要な要素をきちんと確保しつつ,必須ではない部分は大胆に切り捨てた結果がこれというわけだ。
 筆者としては,フロントのインタフェースにUSB Type-Cポートが1つくらい欲しかったのだが,インタフェース周りは市場のトレンドに合わせて変更していける要素であろうから,今後に期待したい。

 ゲームPCの買い換えや自作PCの組み立てを検討している人が,「今どきの派手なPCケースは,自分の好みや使い方に合わないな」と考えているなら,新しいNEXTGEARやNEXTGEAR-MICROを検討してみてはどうだろうか。

G-TuneのNEXTGEAR i680シリーズ製品情報ページ

G-TuneのNEXTGEAR-MICRO im610シリーズ製品情報ページ

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