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[GDC 2009#01]ゲーム開発者会議「Game Developers Conference」(GDC09)開催
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印刷2009/03/24 15:48

イベント

[GDC 2009#01]ゲーム開発者会議「Game Developers Conference」(GDC09)開催

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 アメリカ現地時間3月23日〜27日の5日間,カリフォルニア州サンフランシスコ市のモスコーニ・コンベンション・センターにおいて,最古のゲーム開発者会議にして,現在も最大規模を誇る「Game Developers Conference」(GDC09)が開催されている。メインイベントは25日(日本時間26日)からであり,現在のところはミニ会合やワークショップ,そして特定分野の専門家達が集まる「SIG」(スペシャル・インタレスト・グループ)といった,ゲーマー的な視点から見て少々小難しいセミナーが行われている。
 4Gamerでも,Game Developers Conferenceは2002年以降毎年のように特集しているイベントの一つであるが,ここで,改めてGame Developers Conferenceについて説明しておこう。

そもそもGDCとは?


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 Game Developers Conferenceは,80年代を代表するカリスマ的ゲームデザイナーとして知られたChris Crawford(クリス・クロウフォード)氏が,1988年に26人のゲーム開発者をシリコンバレー近郊の自宅に招待して行った会合をその起源としている。翌年には,地元のホテルのカンファレンスルームへと会場を移して150人ほどが参加し,その後は毎年のように数百人規模で成長していった。
 当時は,まだCGDC(Computer Game Developers Conference)と呼ばれていたが,1994年にCEDA(Computer Entertainment Developers Association)を発足させて以降は,開発者会議としての地位を揺るぎのないものにしており,1999年には現在のGDCへと改名。CEDAも,IGDA(International Game Developers Association)という名称に変わって,2008年の会合では全世界から1万8000人ほどの参加者を集めるほどに膨らんでいる。

 もっとも,発足当初は“International”というのは名ばかりで,とくに日本人ゲーム開発者は基調講演に呼ばれた人へ特別にメンバーシップが与えられるに過ぎなかった。日本では,まだ開発者会議というコンセプトは浸透しておらず,同業者であっても顔を合わせて情報や意見を交換する場を提供することなど,経営者側にとってタブーに近い行為だったわけである。
 しかし,現IGDA日本の代表を務める新清士氏の呼びかけによって,2002年には開発者団体の日本支部が立ち上がり,当初は10人もいなかったであろう日本からの参加者も序々に増えた。
 ここ数年,日本のゲーム市場でモバイルゲームやオンラインゲームが発展している背景があることや,かなりの大学関係者が調査目的で渡米するようになったことから,300を超えるセミナーの講演者名簿には,少なからず日本人の名前を見かけるようになった。かなり適当な数字で恐縮だが,在米の日本人開発者も合わせると300人ほどになるのではないだろうか。

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今年のテーマは「不況をどう乗り切るか」


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 さて,そんな本年度のGDC09であるが,アメリカに端を発する世界的な経済不況の波をゲーム業界も受けていることから,参加者は減少するものと見られている。イベント会場でも,去年まで参加各社が競うように壁や天井に吊るしていた宣伝用のバナーが極端に減っていたり,セミナーの休憩時間にドリンクと共に用意されていたクッキーがなくなっていたりと,細かい部分ではかなり節約しているような印象を受ける。ただ,上記したように,イベントの最初の2日間は専門的なミニ会合に終始していることもあり,まだ「本番前の静けさ」であるだけなのかもしれない。
 しかし,長年参加しているというアメリカのあるゲーム開発者に聞いてみたところ,やはり今年の雰囲気は「年に一度の開発者の祭典として,楽しむことは楽しみたい。ただ,どことなく静かにお祝いしようという雰囲気に近いかもしれない」と,これまでとは違う空気を感じている様子だ。実際,夜な夜な行われる各社のパーティも,地味にオードブルと酒が用意されるに留まっているなど,実務寄りに抑えられているものが多いとのことである。

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 もっとも,GDC09は開発者会議としての厚みを増しており,今年はAIプログラマー達によるSIGが「AI Game Programmers Guild」として再出発し,丸一日間に及ぶ「AI サミット」を開いているし,ローカリゼーション(多言語への翻訳/移植)に特化したセミナーも発足。もちろん,カジュアルゲームやシリアスゲームなど会合初日に行われる恒例のサミットでも,さまざまな議題で議論が行われている。
 今年のトレンドは,独立系ゲームの開発者達が勢いを増していることだ。ここ最近は,「Audiosurf」や「The World of Goo」「Braid」といったインディ系の作品が,“メジャーゲーム”を凌駕するほどの成功を収めている。プラットフォームを問わず,デジタルディストリビューションという新しい販路が着実に根差していることに起因しているが,さらに突き詰めればインディ開発者達のアイデアと才能を開花させやすい土壌が出来上がっているということでもある。
 また,いつもより格段にMacノートを抱えた開発者達が闊歩しているのを見かけるようになった。これまでなら,Macノートは地元新聞のジャーナリストや経済アナリストくらいしか常用していなかったのだが,iPhoneアプリ市場が沸騰していることもあり,2002年以来の恒例となっているGDC Mobileサミットの中心が,Mac系開発者で占められるようになっているのだ。

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 そんな初日の体感ではあるが,今年の目玉は,なんといっても任天堂代表取締役社長の岩田聡氏,そしてメタルギアシリーズの小島秀夫氏という,日本の誇るゲーム業界人による基調講演が二つ揃っていることであろう。
 また,「Fallout 3」「Fable II」「Left 4 Dead」そして「Dead Space」など,去年のヒット作を手掛けた開発者達による,気になるセミナーも目白押し。かなり内容の濃いイベントとなりそうで,その勢いで不況による重い空気を吹き飛ばしていただきたいものだ。
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