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“涙の純愛学園アドベンチャー”「true tears」発表会開催
作品名とも直結した主題は「彼女の流す,ホントの涙」なるキャッチフレーズで表される。登場するヒロイン達は,あるいは過去に受けた心の傷のために夢を見失いかけ,あるいは現実の高い壁に直面して,それぞれに迷いや悩み,心の闇を抱えている。そして,「彼女達の心を開き,夢への一歩を踏み出すことができたとき――彼女達は,ホントの涙を流すはず。真実の恋は,そこから始まる――」という。早い話が,泣きゲーであり癒しゲーだ。
開発は「トゥルーラブストーリー」シリーズで知られるGameCRABが担当し,キャラクターデザインは「.hack//黄昏の腕輪伝説」や,トレーディングカードゲーム「アクエリアンエイジ」で活躍する依澄れい氏の手によるもの。オープニング主題歌を歌うのは「Galaxy Angel Eternal Lovers」などキャラクターゲームで広く活躍する佐藤ひろ美さんだ。なお製品の発売予定は2006年3月31日となっている。
木谷氏は「うちで展開している作品には,お笑いはあったけれど,本道を行く恋愛ゲームがなかった。お店(注:「ゲーマーズ」各店舗のこと)では売れているのに。その意味で,憧れていたギャルゲーが発表できてたいへん嬉しい」と語り,松村氏は「ゲームの設定期間は高校3年生の10月から半年間。人生でいちばん切ない時期を選んでいます。楽しいこともあるから,悲しみも深くなるといった,奥深い展開を描いていきたいと思います」と述べ,それぞれに感慨と意気込みを示した。
それに続いて,開発企画のための合宿は群馬県の伊香保温泉で2年前に行われ,二日間でほぼ作品のアウトラインを描くところまでもっていったこと,温泉宿に留めていた木谷氏の愛車に旅館の職員が車をぶつけて壊し,木谷氏としては「本当に涙が出た」ことなど,作品のモチーフと微妙にオーバーラップする感じの“オヤジトーク”で,制作にまつわるエピソードが語られた。
また,木谷氏の「いま現に学生である人が,学園恋愛アドベンチャーを買うのが奇妙に思えたけれど,よく考えてみれば自分も学生時代に,集英社のコバルト文庫とかを読んでいた。そういう感覚なのかもしれない」という発言は,作品の性格と木谷氏のパーソナリティ,両方が窺えてなかなか興味深かった。
同じく「上原穂香」役を演ずる中山恵里奈さんは,役柄について「教室ではいつも独りで読書しているようなタイプの女の子で,人見知りが激しい。体が弱いので,主人公に助けてもらったという感じの出会いです。小説家になりたいと思っているので,最後はその小説がストーリー上のカギになります」と説明。演技内容は「読書好きとか,中身としては自分に近いところがあったので,感情移入はしやすかったです。同じくおどおど系の柚子(後出)と演技がカブらないように,,失敗したとき大声で謝るような,前に出る感じのおどおどぶりを演じるようにお話があったので,やっているときはすごく楽しかったです」とのことだった。
そして「真田柚子」役の稲村優奈さんは,役柄について「内気でおとなしいけれど,一緒にいて心が和む感じの子です。主人公の幼なじみで,保育士になりたいという夢を持っています」とまとめ,演技については「柚子ちゃんは引っ込み思案なところがあって,言いたいんだけど伝えられない,言葉が出てこないという女の子なので,アフレコ現場でも“小さく”なりながら収録を進めていきました」と説明した。
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といったプロモーションイベントのお知らせがあった。
また,サーカス 松村氏は今回の作品を「“true tears”の第0話という感じで捉えている」と発言し,「プレイステーション2版登場の可能性も高い」ことに言及,さらにブロッコリー 木谷氏の口から,まことにさりげなく「アニメ化決定」が告げられた。
発表会は声優陣並びに木谷氏,松村氏からのメッセージで締めくくられた。伊月ゆいさんは,「作品を買ってくれるみなさんも,それぞれ人に言えない悩みや苦しみといったものを抱えたことがあると思います。このゲームをプレイしていただいて,ヒロイン達すべてが抱えている苦しみに共感して,一緒に泣いてもらってもよいですし,その課題を乗り越えていくヒロイン達を見て,元気になってくれたらいいな,と思います」と,ゲームの主題を正面から捉える発言をした。
続いて中山恵里奈さんは,「ゆいさんが良いこと言っちゃったからなあ」とおどけつつ,「いろいろなキャラクターがいて,さまざまな悩みを抱えているので,きっとどの子かについては,自分も同じことを考えたことがある,と思うことでしょう。ヒロイン達が悩みを乗り越えたときには,一緒に喜んでいただけたらな,と思います」とコメントした。
同じく稲村優奈さんは「片思い中とか,恋が実ったときとか,いろいろな意味を持つ涙を,キャラクターそれぞれが流しています。それがみなさんの心に響けばいいなあ,と思います。発売を楽しみにしていて下さい」とまとめた。
木谷氏は「ブロッコリーとして,本格的ないわゆる“ギャルゲー”を作ることができて,本当に嬉しいです。“さすらいのリアルカードゲーマー”と名乗ってラジオに出たりしていた僕ですが,3月31日以降は“さすらいのリアルギャルゲーマー”に変わろうかと思ってます」と述べた。
そして松村氏の「発表会というのは初めてなのですが,こんなに集まっていただいて本当にありがとうございます。実は私が主題歌/エンディングの作詞をしておりますので,みなさんぜひ聴いてみてください(笑)。メディアミックス前提で作った企画ですので,漫画やアニメーション,そのほかいろいろなことに対応できる内容になっています。今後の展開にぜひ期待してください」という発言で,発表会は締めくくられた。
会場で出た質問「なぜ(期待セールス本数の低い)PCのソフトとして出すのか」に対して,木谷氏は「内容や流通事情を含めて自由度が高いからです。まず,描きたいものがあって,それはどういう環境でやるのが一番良いかを考えた結果あり,そこから広く展開していくことは,いくらでもできます」と答えた。話を聞く限り,今回のプロジェクトはブロッコリーの宿願の実現であるらしいのだが,言うまでもなく“泣きゲー”という方法論自体が,今の市場に対する提案として新しいわけではない。
総勢8人のヒロインが繰り広げる“等身大”のドラマが,悲しみへの感情移入と,それが解消していくカタルシス(いや,もちろん感動と言ってもいいのだが)以外に,どういった味わいを見せてくれるのか。制作側の采配に大いに期待したい。(Guevarista)
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