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[E3 2004#039]ピーター・モリニュー氏の新作ソフト「The Movies」は魅力がいっぱい | - 2004/05/15 02:49 |
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E3開催後,Activisionのブースで,「The Movies」のプロデューサーであるJames Steer氏からもゲームの説明を聞く機会に恵まれたので,ここで話題の新作「The Movies」についてざっと紹介してしみよう。 タイトルどおり,「The Movies」は映画スタジオ経営シミュレーションだ。とはいえ,「ポピュラス」「テーマパーク」「ダンジョンキーパー」など,普通の人とはちょっとばかり視点の違ったゲームを作り続けてきたピーター・モリニュー氏のこと,なかなか一筋縄ではいかないゲームになっている。 ゲーム開始直後,プレイヤーには必要最低限のスタジオが与えられる。当然ながら,場所は映画の都,陽光輝くハリウッドだ。そこで映画を作り,収益を得,設備を拡充し,次の映画を作り,また収益を得,設備を増やす,というのが,まあ基本的な流れだが,その通りに進んでは誰もが大金持ちだ。当然ながら,プレイヤーの前には次々と障害が立ちはだかってくれる。 まず,当たり前だが映画が当たらなければ大金は得られない。映画の評価はゲーム内で自動的に行なわれるが,たいしたスターもおらず,また撮影可能なスタジオも少ない状態では,さほどの大ヒットは望めない。そのため,スターを発掘したり,スターのタマゴを鍛えなければならない。とはいえ,目を付けた俳優が大スターになれば,出演料もたちまち高騰,ときにはギャラの折り合いが付かず,大スターが別のスタジオと契約してしまうこともある。同様に,監督などのスタッフも能力が上がるにつれ給料もはねあがるし,良い脚本は高価だ。というわけで,スタッフや資金の管理が,プレイヤーの大切な仕事なのだ。「本当の映画スタジオに起こることはすべて体験できる」とモリニュー氏が言うように,映画作りは難しい。とはいえ,ここまで読んで,なるほどこれは経営シミュレーションものなのか,と思うのは気が早過ぎる。 酒場を模したスタジオでは,ジョン・ウェインの西部劇さながらの激しい乱闘シーンが,市街地のスタジオではカーチェイスが,SFスタジオではいかにも着ぐるみといった宇宙人にさらわれた美女をヒーローが助け出すといったシーンが撮影できる。しかも,スライドバーを左右させることで,エンディングをハッピーエンドからアンハッピーエンド,はては完全な悲劇にまで簡単に変化させることが可能なのだ。 シナリオやセット,脚本などはあらかじめ用意されたものを使うので,何から何まで自由に,とはいかないのだが,そのぶん,かえって映画制作は簡単にできるし,それぞれの選択肢が驚くほど広いので,撮れる映画は事実上無限に近い。しかもその映画をファイルにして,ネットを使って人に見せることまでできるのだ。 デモで紹介されていたムービーは,サイレント時代を思わせるモノクロで,酔っぱらった男がビルの端を千鳥足で歩き,落ちそうで落ちないハラハラ感がスラップスティック。あるいは,へんてこなSF映画や'70年代を思わせる刑事ものなど,アイデア次第でなんでもできてしまいそう。見ているだけで,自分でも作りたい気持ちが押さえきれなくなってくる。 「ゲーム中でアカデミー賞は取れますか?」という筆者の質問に笑って「ノー!」と答えたSeer氏だが,もしかしたら,このゲームを作った映画で映像作家になれるかも,と付け加えてくれた。いつもながら,さまざまな要素を巧みにミックスさせ,ゲームならでは面白さを教えてくれるモリニュー氏の作品。発売日は未定だが,今から非常に楽しみだ。(松本隆一) →「The Movies」の記事一覧は「こちら」 |
- 関連タイトル:
The Movies(Macintosh)
- 関連タイトル:
The Movies 日本語版
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