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日本人向けに姿を変えた「アリアスストーリー」体験プレイレポート
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印刷2007/05/24 12:34

レビュー

日本人向けに姿を変えた「アリアスストーリー」体験プレイレポート

■先行体験プレイからの5か月間
■アリアスストーリーの何が新しく変わったのか?

 2006年12月に,先行体験プレイとして3日間だけのサーバーオープン「アリアスはじめの一歩」を実施したMMORPG「アリアスストーリー」だが,その後これといった情報が聞こえてこない状況に,落胆していた読者も多いのではないだろうか。
 また,アリアスはじめの一歩は先行体験とは銘打っていたものの,実際にプレイヤーが触れられたのは,4種族のキャラメイキングと,チャット機能のみ。行動範囲は,最初に降り立つ村フィールドだけで,NPCもモンスターも登場せず,BGMすらない制限された世界だったため,テストプレイと呼ぶにはいささか物足りなかった。

 では,この空白の数か月間に何が行われていたのか。実際にプレイしてすぐに気づいたのは,直感的にプレイできるようにインタフェースが改善されたこと。また,ジョブとスキルに関するゲームバランスも,日本市場向けに調整がなされ,BGMは日本独自のものが用意されているという。キャラクターのイメージにも変更が加えられ,ほのぼの感が強かった前回に較べると,少しメリハリがついて,日本人に馴染みやすい感じになったようにも見える。
 今回ハイファイブを訪問してプレイした時点では,開発中ということもあり,まだまだ細部の調整まで手が行き届いているとは言えない状態だったが,βテストの開始を待ちわびている人のために,プレイレポートをお届けしよう。



■「生命の光」が織り成すアリアスストーリー

 ゲーム概要を説明する前に,アリアスストーリーの世界観について簡単に触れておこう。神の手でこの世界に産み出された,すべての生き物が持つという命の種「生命の光」。これがアリアスストーリーのテーマの一つで,死を迎えれば生命の光は異界を旅し,時が来れば再びアリアスで蘇るという“輪廻する魂”に似た概念となっている。この生命の光を強制的に取り込み,延命を図る魔物と,暗黒魔法がもたらした混乱こそが,プレイヤーが戦い続けなければならない理由に結びついている。
 生命の光は,実際のゲーム内においても重要な存在だ。プレイヤーキャラクターは,敵を倒すと通常の経験値とは別に,生命の光を蓄積できる。溜めた生命の光の使い道は,アイテムの生成や新たなスキルの習得,経験値との交換などから選べ,キャラクターごとに成長速度や方向性に違いが出せるようになっている。


■四つの種族が生きる世界

 さて,アリアスの世界にはティア族,アスター族,マイン族,サンディア族の四つの種族が存在している。それぞれ身体的特徴が異なるのに加えて,スタート地点となる村の様子も大きく違う。アリアスはじめの一歩では遭遇できなかった個性的なモンスター達も,今回テストプレイでは,しっかり村周辺に出没していた。
 ここでは,種族についてあらためて紹介しておこう。なお,プレイヤーキャラクターが一部白く光り見づらい画像があるが,テストプレイ時点ではライティングが未調整のためである。

・ティア族
アリアス世界に最初に生まれた北方民族。強靭な肉体と精神力が特徴で,剣と魔法の両方を扱える戦士として,優れた資質を持つ。



・アスター族
魔物の襲撃と,他部族からの侵略を受け続けた不遇の種族。森林地帯の奥深くに住み,植物を操る能力や,回復魔法など治癒に長けている。



・マイン族
東方の鉱山地帯に住み,鉱石や鉄に関する深い知識を持ち合わせている。掘り出した鉱石や大地の力を源とする魔法を使いこなせる。



・サンディア族
ティア族にも劣らない強靭な肉体を持つが,雷や雨といった天候を操る魔法も得意としている。浅黒い肌の外見も他種族にはない特徴だ。



 キャラクタースロットは,1アカウントにつき四つが用意されている。
 外見は,男女の性別,3パターンの髪型から一つを選べる。キャラメイキングの時点で魔法系か戦士系か,ジョブをこの二つから決めなければならないが,成長過程でのスキル選択によって,キャラクターごとの差別化が図れる。
 このジョブとスキルツリーは,実は2006年12月の時点で実装されていたのだが,その内容があまりにも単純すぎて,日本のゲーマーには満足できないというハイファイブ側の判断により,ジョブの特性,ツリー構成,種族ごとに異なるジョブの分岐など,システムを大きく手直ししたとのことだ。

開発中ということもあり,今回のテストプレイでカスタマイズできたのは,髪形だけだった。開発が進み,髪の色や表情などのパターンが増えると,キャラメイキングが楽しくなりそうだ


■BOTとは違う精霊システム

 アリアスストーリーの大きな特徴の一つとして,「守護精霊」システムがある。守護精霊は1キャラクターにつき1体のみ所有でき,普段はキャラクターの頭上をフワフワと飛んでいるだけだ。しかし,プレイヤーがほんの数分だけ席を外したいのだが……というときに「守護精霊発動」ボタンを押すと,襲ってくる敵に対して反撃したり,ドロップしたアイテムを自動的に拾ってくれたりする。プレイヤーのレベルが上がると守護精霊の行動パターンを増やすことが可能で,「HPポーション使用」「アイテムを拾う」「スキル反撃」といった行動を,最大五つまで事前にセットできる。

 ここまでを読んで,「それではまるでBOTツールではないか?」と思った読者も多いことだろう。しかし,この守護精霊は万能なシステムではない。守護精霊がキャラクターを守ってくれるのは,プレイ時間に比例して得られる「契約時間」が持続している間に限定されている。プレイヤーが外出している間に守護精霊のおかげでレベルアップ! といったものではなく,短時間の離席など,一時的に身を守ってもらうなどで利用するための存在だ。
 とはいえハイファイブ側も,守護精霊の扱いについては慎重な姿勢だ。今後も細かなバランス調整を続ける予定で,近日予定されているβテストなどで,テスターの反応を見て細部を仕上げていくとのことだ。

キャラクターの後方でキラキラ光って浮いているのが,守護精霊だ。普段は頭上にいるだけでとくに何もしない

画面左下のアイコンから守護精霊のウィンドウを呼び出し発動。最大五つの行動パターンは,任意で入れ替えられる


■次回βテストは6月中を予定

 次期βテストなど今後のスケジュールについて尋ねてみたところ,まず5月21日から3回にわたってティザーサイトのリニューアルが行われるという(関連記事)。βテストについても,レベルキャップを設けて6月中には実施したいとのことであった。また,実装時期については完全に未定とのことだが,1対1の「決闘システム」,4種族を東西2種族ずつに分けて戦う「ヒーローシステム(RvR)」騎乗生物と召喚獣などの導入が予定されている。
 また,ゲームにログインしていなくても仲間と連絡をスムースに取れる,アリアスストーリー専用メッセンジャーツールも用意される。これは,ゲームからログアウト中でも,ショートメッセージを送れたり,ゲーム内の人とチャットができるなど,本作と密接したさまざまな連携が可能になる予定だ。

 今回,短い時間ながら体験プレイができたわけだが,インタフェースについては昨今のMMORPGの標準スタイルに近いため,直感的に操作できた。また,以前のスクリーンショットと比較してもらえば分かるが,日本向けに変更したというキャラクターの造形はクセがないというか,プレイヤーの性別を問わず受け入れやすい可愛らしさになっている。イメージイラストはよかったのに,実際のキャラクターを見たらがっかり……という経験をしたことのある人も多いと思うが,アリアスでその心配はなさそうだ。
 守護精霊システムの使い勝手など,気になる要素は多いだけに,いち早いβテストの開始が待ち望まれる。

 なお,日本独自のBGMが入ったサントラが,本作の登場に先がけ販売される。オーケストラ演奏による生音の美しい調べに聞き入ってほしい。さらにクローズドβテスターの募集時には,4Gamer枠を用意してもらえるので,こちらもお楽しみに。(ライター:麻生ちはや)

  • 関連タイトル:

    アリアスストーリー

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