インタビュー
BOTと課金アイテムの金額はなんとかします―「R2」運営チームがみなさんの質問にお答えします。第一弾はメールインタビュー
12月3日の時点で,公式サイト上で明かされているポイントは大きく6つ。新クラスや攻城戦仕様変更など,普通にパッチとして考えても割と大きな変更要素があるのだが,中でも最大のものは,
・運営自らがBOTの存在を認め,BOTへの徹底抗戦を明言したこと
・有料アイテムが高額であったことを認め,それを改善することを明言したこと
の2点だろう。ぷんすか怒っていたプレイヤーとしては「当たり前だろう」と言いたくなるところだが,よくよく考えてみれば,運営自らがこの2点を認めて公言することは,周りを見渡してもそう多くない。
それらを筆頭に,大きく改善への舵を切るのが,この「Reunion」というわけだ。
……とはいえ,正直なところ,そうは言っても「わーすごい!」と手放しで喜べるとは思えない。なにしろ,今まで長いこと手をつけてこなかった問題なのだ。何もしてこなかった(少なくともそう見えていたことは否めない)のに,ここで急にガンバリマス宣言をされても,いま一つ信憑性に欠ける。
もっとあからさまに言うことが許されるなら,同時接続者数が1000を切っている状況で,会社がそれほどの手間とコストをかけるとは,ちょっと思えなかった。
そんなこんなの見解を,ある日R2運営チームに直接述べたところ,「大丈夫です。必ず良いものにしてみせます。質問にはなんでもお答えしますし,記事にしていただいても構いません」とのこと。記事にしても構わないということは,そこで述べられることは,事実上の「公式見解」というわけだ。お言葉に甘えて,まずはメールでいくつかの質問を投げたところ,R2運営チームの松本氏から返ってきたのが,本記事の「■Question1■」から始まる文章だ。明らかな誤字/脱字と改行以外は,一切手を入れていない。
そしてメールでのやり取りのさなか,インタビューも受けてくれるという話になったのだが,それにあたり「読者のみなさんからの質問にも真摯にお答えしたい」とのこと。つまり,この記事を読んでいる読者のみなさんからの,R2運営チームへの率直な(そしておそらくは容赦ない)質問が――むろん全部は無理だと思うが――インタビューで反映されることになった。
「R2面白いのにもったいないなぁ」と思っている現役プレイヤーや,「あんなにBOTばっかりでなきゃ面白かったのに」と思っているかつてのプレイヤーは,ぜひ容赦ない,そして真剣な質問を,下記リンクからのアンケートフォームで応募してほしい。できる限りの範囲でみなさんの質問をまとめて,R2運営チームに聞いてみたいと思う。
質問の募集締め切りは,急で申し訳ないのだが12月10日13:00とさせていただきたい。みなさんのホットなコメントをお待ちしています。
質問はコチラから(アンケートフォームが開きます)
■Question1■
12月3日の時点で公開されている「Reunion」の要素は,大きく分けて6つです。
1)BOTへの対策
・携帯電話による個人認証
・GMコールの実装
2)攻城戦の仕様に対しての不満改善
・倒されたときのアイテムドロップ廃止
3)新クラス「サモナー」の導入
4)レベルアップの高速化
5)有料アイテムの価格の調整
そのそれぞれについて,現状可能な範囲での細かい情報を教えてください。
■Answer1■
1)BOTへの対策
2009年4月から問題が発覚し、その都度対応はいたしてきましたが、根絶までには至らずプレイヤーの皆様に不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。BOTや海外接続者に関しては、最も重要な問題として、対応を考えております。
不正者に関して対処(BAN)を行っても再登録が容易に出来てしまう点に対しては、携帯認証を入れる事で対応いたします。携帯のUID(編注:個体識別情報のこと)を元に対処を行うので、不正者は再び携帯認証サーバーに接続するためには新たな携帯電話(UID)が必要となります。
それが根本的な対策になりうると考えておりますが、携帯をお持ちでいない方もいらっしゃるので、既存のサーバーに関しては認証が無くとも接続できるようにします。ただし、既存のサーバーに関しては、前述の再登録が出来てしまう問題点が解決できておりません。そこでGMコールを実装し、不正者がいた場合にお客様に通報頂ければ、迅速に対応を行っていきます。
手数がそのまま不正者対応までの時間になりますので、弊社でもGMの人数を大きく増員し、不正に対して厳しく取り締まって参ります。BOTに関してはどうしていいのか悩み続け、これだけの体制をしいてもまだ不安もありますが、出来る限りのことを行い、快適なサービスを提供できるよう努めてまいります。
2)攻城戦の仕様に対しての不満改善
攻城戦で他のプレイヤーにやられた際にアイテムを落とす事で、全力で攻城戦に参加できていないお客様が多数いらっしゃったので、攻城戦でアイテムを落とさない仕様に変更させていただきます。
攻城戦には参加するけど、強いアイテムを落とす可能性があるから2番目、3番目に強い武器を持っていくようなスタイルでは攻城戦が盛り上がらなかったので、そこには手を入れさせていただきました。
3)新クラス「サモナー」の導入
新クラス「サモナー」を導入させていただきます。サモナーはいままでのクラスと異なり、範囲攻撃や範囲バフを得意としており、いままでの対人戦や狩りの戦略を大きく変える事が出来るまったく新しいクラスです。こちらは、12月16日よりお客様が作成できるようになります。
4)レベルアップの高速化
経験値を300%、アイテムドロップ率を300%に調整いたします。レベルを早く上げていただき、ゲームの楽しい部分を味わっていただきたいので、このような設定にしました。
ドロップ率を向上させてアイテムの流通量を増加させ、アイテムの強化やオーバーエンチャントを体験していただきたいと思います。武器が強くなるか無くなるかのドキドキ感など、実際に体験した方しかわからない楽しさは、できる限り多くの方に体験して頂きたいと思います。
5)有料アイテムの価格の調整
韓国でのアイテム価格を元に設計していた価格を見直します。
毎月狩りを有利に進めるために買っておくとよいアイテムは主に3つあり、
1,変身ネックレス
2,経験値100%増加
3,アイテムドロップ率100%増加
それぞれが各30日2800円という値段設計でした。つまり、この3つを購入するだけで8400円になります。毎月の負担として8400円が事実上必須という状況は、お客様に高額であるという認識をもたれていますので、毎月購入するようなアイテムに関しては、価格を20%〜50%、またはそれよりも下げた価格で販売させていただきます。
また、今まで利用期限1日のアイテムを販売しておりましたが、数値上昇などに関しては、最低日数を3日とさせていただきます。これにより、週末だけ遊ぶ方も「3日アイテム」を1つ買っていただく事で、快適な狩りができるようになります。
■Question2■
Botへの対策ですが,携帯電話認証必須のサーバーが新たに設置されるということは,既存のプレイヤーの既存のキャラクターは,そのセキュアなサーバーには移動できないということですよね。つまり,もし既存のプレイヤーがセキュアなサーバーで安心してプレイしたい場合は,もう一度レベル1からプレイしてください,ということなんでしょうか。
■Answer2■
既存のプレイヤーの方で携帯認証のあるサーバーをご希望の場合、大変申し訳ないのですが、ご指摘のとおりレベル1からの育成になっております。大変申し訳ございません。
サーバー間のキャラクター移動に関しては、新しいサーバーにレベルや能力が高いキャラクターが入ってきてしまうと狩り場やモンスターの独占状態になってしまう可能性があるため、現時点では考えておりません。
また、既存のサーバーに携帯認証を入れた場合には、携帯電話を持っていない方が接続できない事になってしまうので、しばらくの期間並走(携帯認証の有無)を行います。
もちろん、既存サーバーだからといって不正者対応を怠る事はございません。GMの数は大きく増員を行いReunionに備えております。GMコール対応によって不正者には厳しく対応して参りますので、なにとぞご理解いただきたく思います。
また、一部不安視されているお客様もいらっしゃいますが、携帯認証の有無以外の経験値300%などの設定は、両サーバーで同じです。
■Question3■
攻城戦の仕様変更に伴うアイテムドロップの廃止についてです。一見するとプレイヤーに優しい仕様になったかのように見えますし,実際そういう効果があることは否めませんが,一方でPlayerKillingの行為そのもののモチベーションを大きく落とすものであるという部分については考慮されましたか。
■Answer3■
PKに関しては、長い間議論して今回のような結論に達しました。
正直な話、ゲームの刺激の部分を取り去ってしまう不安はありますし、人を倒して貴重なアイテムが手に入るという経験がうまれないのは、もの足りなくなる可能性もゼロではなく、決定まで協議に時間がかかりました。
しかしながら、育てた武器を失ってしまうリスクを背負って攻城戦に参加して頂く事は、現状日本のお客様に受け入れていただくのは難しく、他国と比較してPKが活性化していない状況も確認しております。
また、攻城戦で武器や防具を落とすリスクがあるために攻城戦に参加しないという選択をする方も非常に多く、せっかくの攻城戦が盛り上がりに欠けるという状況が発生しておりました。人同士で戦えるシステムになっていても、リスクだけを考えてしまい、その部分に触れていない方々が多くいらっしゃいます。
そういうことであれば、一度リスクの部分を取り払ってより多くの方に攻城戦のドキドキ感や、誰かに倒された際の悔しくなる感情の高ぶりを体験していただき、それによってキャラクターへの愛着や、強くなることへのモチベーションに変えていただけるようにしたいと思います。
NPCと対峙した時とは異なる、人を倒す感覚、人にやられる感覚といった、他では味わえない体験のためのPvPでありたいと考えております。今後明らかにお客様がPKに慣れてこられて、経験値が減少するだけでは物足りないと多くの方が考えるようになりましたら、そのときにまたPKの盛り上がり方を工夫させていただく予定です。
また、一部一方的ないじめのようなPKもありましたので、初心者の方に関してはPKされないような仕様を12月16日に入れさせていただく予定です。
■Question4■
「サモナー」の何か大きな特徴について,可能な範囲で教えてください。
■Answer4■
サモナーは多数を相手にし、攻城戦で戦略の幅を大きく広げる事が出来る期待のクラスです。サモナーは、体力や防御力に秀でたナイト、多種の魔法を操る事が出来るエルフ、弓や銃を使って遠距離攻撃が行えるレンジャー、俊敏さと大きな破壊力をもったアサシンに続く、第5のクラスとして登場します。
サモナーが他のクラスと決定的に異なるのは、さまざまな召喚魔法を利用して範囲攻撃を行う事ができることです。一時的な攻撃だけでなく、徐々に相手の体力を削るものや、味方の体力回復を助けるようなスキルも持っており、いままでの打撃を中心に戦闘を繰り広げていた他のクラスとは一線を画す存在です。
他国では、攻撃範囲が強大なためにソロには向いていない存在でしたが、日本に導入する際にはパラメータを調整して、一部ステータスを上昇させております。是非ともサモナーにはご期待下さい。
■Question5■
この「Reunion」に伴う,復帰キャンペーンや新規キャンペーンの予定はありますか。ゲームの性格上,人がいないと本当に寂しくなってしまうと思うので気になっています。
■Answer5■
今までにない程のキャンペーンを考えております。
新規のお客様の獲得に関してはもちろんのこと、復帰のキャンペーンに関しましては、いままでR2をプレイしてくださったお客様、有料アイテムなどを購入してくださったお客様に対して、出来る限り帰ってきていただけるように大きなキャンペーンを提案させていただきます。
また、R2は2Gバイト程度のクライアント容量があり、休眠復帰していただく場合はそのクライアントの再インストールからして頂く必要があります。かなりハードルが高いものであると認識しておりますので、普通ではできないようなイベントやキャンペーンも実施いたします。
継続的な集客を実施することで、ギルドを作った方が新しい方を誘いやすい環境であったり、個人商店を出す事でプレゼントが得られるキャンペーンを実施して、街の中の賑やかさを増し、人がいて、人と楽しめるコンテンツであるR2がより楽しんでいただけるように注力して参ります。
■Question6■
一度プレイヤーが大きく減少したMMORPGで復活できた作品は,ごくまれにありますが,過去ほとんどないといっても過言ではありません。それに対する意気込みのようなものをお聞かせください。
■Answer6■
難しいのは承知しておりますが、R2 −Reunion−なら出来ると考えております。
今までも、月額課金のタイトルを無料化して集客力を強め、ゲームがにぎわったケースは何件かあったと思います。大きな変化をさせる事で一時的な集客を行う事は出来たと思うのですが、そのあと続ける事は新規のタイトルを立ち上げる事以上に難しいと思います。
第1弾として、Reunionのアップデートを実施し、再度お客様に振り向いていただき、その後のアップデートに関しては日本のお客様に満足して頂けるような調整を加えた上で着実にアップデートを重ねるようにし、いま遊んでいただいているかた、これから遊んでいただける方に楽しんでいただきゲーム内を盛り上げ、お友達を誘っていただけるような盛り上がる場所としてR2の世界を作り直したいと思います。
今までは、有料アイテムの値段やBOT、海外からの接続などさまざまな問題があり、コンテンツの良さをお伝えしきれていませんでした。今回はそこを大きくテコ入れし、コンテンツの良さを味わっていただけるようにいたしました。
ぜひとも、反省をもとに生まれ変わったR2の世界を存分にお楽しみください。また、その上で足りない部分があればお教え下さい。よろしくお願いいたします。
2009年12月7日
R2運営チーム 松本竜也
質問はコチラから(アンケートフォームが開きます)
- 関連タイトル:
R2 -Reunion-
- この記事のURL:
Published by NHN Japan Corporation. Copyright (C) NHN Games Corporation. All rights reserved.