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工画堂スタジオ,この夏までの発売タイトルその4。USBメモリ内蔵でゲーム入りの13cmフィギュア「Dear Pianissimo」
その第一弾となるシリーズNo.01は「Dear Pianissimo」(ディアピアニッシモ)。盛り込まれるゲームは,同社作品「エンジェリック・コンサート」「エンジェリック・セレナーデ」「シンフォニック=レイン」でおなじみのミュージックアクション+ノベル形式。これは,キーボードを鍵盤に見立て,画面と音声で示される曲に合わせて打鍵していくというものだ。ミュージックアクションをクリアすることで,ストーリーを進めていく仕立てとなっている。
Dear Pianissimo収録曲の作詞者/作曲者は現時点で未定ながら,5曲の収録が予定されている。なお,価格は未定とのこと。
ストーリーは以下に示したとおり。ちょっと「シンフォニック=レイン」を思わせる業の深そうなシナリオを担当するのは,アニメーション作品の脚本で活躍するヤスカワ正吾氏/霧海悟吾氏。グラフィックスは,多くのキャラクターゲームを手がける南野彼方氏が担当する。
昨日から降り続いた雨が止んで薄い雲間から太陽が顔を出し,見慣れた町並みがキラキラと輝いていた,そんなさわやかな午後。ピザ屋の配達バイクで川沿いの土手道を走っていたシュウは,さわやかな雰囲気を一変させるほどの歌声が,どこかから流れてくるのに気づく。
歌声の主は,華奢で大人しそうな外見の女の子。その外見と歌声とのギャップに,歌い終わるまでシュウは見とれていた。ひとしきり歌い終わり,ちょっと気合を入れた女の子は,シュウのほうへ歩いてきて,そしてすれ違った。
その女の子ナギは,声優のオーディションを受けるため,少し早めに家を出て,河原で歌の練習をしていたのだった。大人しくて引っ込み思案な自分がオーディションを受けるなんて,これ以上ないくらいの勇気を出してがんばっている。
でも,それが精一杯の勇気。少しでも受かる可能性を高めるため,ギリギリの時間まで歌の練習をして,オーディション会場へと歩き出す。
途中,ピザ屋さんのバイクとすれ違う。同い年くらいの男の子が乗っている。さわやかな汗が仕事を頑張っているのをよく表している。オーディションに頑張って受かるよう,気合を入れなおすナギ……。
そんな,些細な日常の一コマ,二人の出会い。
最後の配達が終わり,シュウはビル工事現場近くの交差点で赤信号に捉まっていた。信号を待つ間,目の前の横断歩道を,信号が青にもかかわらず一向に渡ろうとしない女の子に気がつく。トートバックを胸の前で抱え,沈んだ様子のその娘は,さっきの,河原で歌っていた女の子のようだ。
偶然にも同じ女の子と2回すれ違うなんて珍しい……。何事も起こらなければ,その日はただそう思っただけで終わったはずだった。そう,同じように偶然,居眠り運転だか酔っ払い運転だかのトラックがシュウに突っ込んで来たりしなければ……。
この世とあの世との狭間に存在する学園「コンサヴァトリ」。ここは不意に命を落とし,現世に強い想いを残してしまったものを一時的に集める場所。どこか見たような懐かしい街の風景は,まるで今までの生活と平行して存在しているかのような穏やかさに満ちていた。ただ一つ,命の消滅への一時的な拘留場所であるという冷酷な現実を除いては。
シュウとナギも,それぞれの現世への強い未練を持ったまま,コンサヴァトリで目を覚ます。この不可思議な場所には一つのルールがあることを告げられる。それは,ここにはたどり着いた者を現世へと戻す道が用意されていること。
そしてその権利は,一対一形式で開催される音楽コンクール「レコンコルソ」に勝利をすることで得られる。つまり,現世へと戻れるのは二人に一人。
シュウとナギの二人も例外ではなく,二人は現世に戻るために,コンクールで勝利しなければいけなかった。二人に二度目の皮肉な偶然が訪れる。
シュウの対戦相手,ナギ。よみがえりの一枚の切符を手にするためにシュウは,対戦相手として,コンクール当日まで一緒に練習することを提案する。
ノベルゲームとして見たとき,キャラクターネームによそ様からの借り物ガジェットが多い点は,まあさておくとして,フィギュアのモチーフとなっているのは,音の妖精 ぴあのだ。造形を担当するのは,「シンフォニック=レイン」のフィギュアでも知られる造型師YUJIN氏である。
初回特典フィギュアどころか,フィギュアとソフトを一体化してしまったこの製品。一連のミュージックアクション+アドベンチャーのファンにどう受け止められるか,また,購買者の思い入れを作るのはフィギュアかゲーム作品そのものなのかといった論点で,興味深い存在といえよう。
とくに後者の論点では,価格設定と露出局面(つまり,どんなお店でどう売られるか)が重要な意味を持つと思われる。その点を含め,続報が待たれるところだ。(Guevarista)
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Dear Pianissimo
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