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[E3 2006#039]「Aion」開発チーム長Joohyung Jang氏にショートインタビュー
そのラインナップの中でも,同社の次期主力MMORPGと目される「Aion: The Tower of Eternity」(以下,Aion)は,とくに注目度が高いタイトルである。Aionについては,先日「こちら」で作品概要をお伝えしたほか,プレイムービーもUpしたので,基礎知識を得たいという人は,まずそちらをチェックしてほしい。
さて4Gamerでは,幸運にもAionの開発チーム長であるJoohyung Jang氏に話を聞く機会が得られた。Aionは,NCsoftの中でどのような位置にある作品なのか。本作に注目している人はぜひ目を通してみよう。
NCsoftブースでプレイアブル出展されているAionですが,早速プレイさせてもらいました。そこで「思ったよりも完成度が高いな」という印象を受けたのですが,出展されているAionは,実際にはどの程度の完成度なのでしょうか。
NCsoft Studio5 ProducingTeam Director Joohyung Jang氏(以下,Joohyung氏):
まだまだ完成にはほど遠いのですが,E3出展にあたり,簡単にAionの魅力を実感できるバージョンを作成しました。
4Gamer:
なるほど。ということは,現在のものはE3バージョンで,ゲームバランスは,今後大きく変化するわけですね。
Joohyung氏:
はい。E3バージョンは,プレイヤーが選択できる種族を「天」,クラスをFighter,Ranger,Priest,Wizardに絞りました。本来なら,天種族だけではなく「魔」種族も選択できますし,クラスに関しても各種族8種類を用意する予定です。
また,E3バージョンでは,本作の開発方針である「Interaction」の一端を実感してもらうために,ゲームの山場である対Boss戦の難度を,かなり低めに抑えてあります。
4Gamer:
本来想定しているバランシングでは,Boss級のモンスターを一人で倒すのは難しいわけですね。
Joohyung氏:
基本的にはそうですね。プレイヤー間の協力や対立は,Interactionの重要な要素なので,ゲームの随所に協力/対立を演出する仕掛けが登場します。
ちなみにE3バージョンでは,Bossモンスターを倒すと世界が変貌しますが,大勢のプレイヤーが同時に遊ぶのがMMORPGなので,正式バージョンでは,「世界を変える」「歴史を作る」イベントの難度は,かなり高めに設定します。
ギルド ウォーズのようなMOタイプのゲームならともかく,MMORPGでそういったダイナミックな仕様を多用するのは,アップデートに要する労力を考慮しても,非常に難しいですからね。
ところで,重要なイベントの直前/直後などにムービーが挿入されていましたが,E3バージョンにはどれくらいの数のムービーが用意されているんですか?
Joohyung氏:
E3バージョンでは五つ用意しました。「Game is Next Cinema」という開発理念のもとで開発を進めているので,「プレイヤーが能動的にストーリーを作っていく」ためのムービーは,正式バージョンでも多数用意する予定です。
4Gamer:
Interactionというキーワードに関連して,「PvPvE」という概念も提示されていますが,これについてもう少し詳しく教えてもらえますか。
Joohyung氏:
基本的には,天種族と魔種族というプレイヤーキャラクター同士の対立と,NPC種族である龍種族との戦闘が有機的に結びついていることを,PvPvEと称しています。
4Gamer:
PvPというオンラインゲームならではの要素と,オフラインゲームのPvEの楽しさとを融合させたわけですね。
Joohyung氏:
そうです。さらにAionでは,強力なNPCである龍種族が,優勢なほうの種族に対して攻撃的になるという要素を導入しています。天と魔には能力的な差もないので,プレイヤー達は,ワンサイドゲームになりにくいPvPおよびPvEが楽しめるはずです。
Aionといえば,キャラクターが羽根を備え,自由に空が飛べるらしいということでも話題を集めているのですが,飛行能力は天も魔も持っているんですか?
Joohyung氏:
はい,両種族とも空を飛ぶことができます。
4Gamer:
飛行しているキャラクターは,プレイヤーが自由に操作できるのですか? 本格的な空中戦が可能だったりすると,非常に楽しそうなのですが。
Joohyung氏:
E3バージョンでは,飛行能力に制限があり,完全に自由に飛べるわけではありません。現状だと空中戦も不可能です。しかしいずれは,空中戦も含めた自由な飛行が楽しめるようになるかもしれませんね。
Aionに採用したCryENGINEは,背景の描写/処理に優れているので,世界の広さや美しさを存分に味わってもらうためにも,飛行能力のブラッシュアップは大切だと考えています。
4Gamer:
なるほど,楽しみですね。では最後に,4Gamer読者に向けてコメントをお願いします。
Joohyung氏:
Aionは,Interactionをキーワードとし,MMORPGの次のステージを目指している作品です。「リネージュ」「リネージュII」「ギルド ウォーズ」のような,NCsoftのブランドとして世界に通用するものに育て上げていくつもりなので,今後もぜひ本作から目を離さないでください。
ちなみに,βテストは2006年末を予定しています。日本展開を含む詳細については未定ですが,こちらもぜひ楽しみに待っていてください。
今回出展されたバージョンは,あくまで「暫定版」ということで,ゲームの具体的な仕様については,まだ分からないことが多い。
とはいえ,プレイヤーが2勢力に分かれて対立しつつも,「決着をつける」ことを目的としていない「PvPvE」という概念は,うまく機能すれば,あまり対人戦が活発ではない日本でも,十分受け入れられる可能性があるだろう。日本での展開はほぼ確実だと思われるので,MMORPGファンは今後の情報公開にも注目しておきたいところだ。(大路政志)
- 関連タイトル:
The Tower of AION
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