連載
Version 8.4
- 3DMark06 /
- Crysis Warhead /
- Left 4 Dead /
- Call of Duty 4: Modern Warfare /
- バイオハザード5 /
- ラスト レムナント /
- Race Driver: GRID /
- コラム:Frapsの使い方
登場から4年を迎え,後継製品「3DMark Vantage」の登場からも1年半以上が経過した2010年1月だが,4Gamerでは,「3DMark06」を,レギュレーション8世代でも採用する。
一般のPC系レビューサイトでは,3DMark06を使わなくなって久しいところも多いが,なぜ4Gamerは3DMark06に固執するのか。その理由は大きく分けて二つある。
一つは,2010年1月をもってなお,市場はプログラマブルシェーダ3.0(Shader Model 3.0≒DirectX 9.0c)ベースのタイトルが主流であるため。もう一つは,2009年秋の時点において,国内流通する採用タイトルが数えるほどしかない物理エンジン「NVIDIA PhysX」を3DMark Vantageが採用しており,ゲームにおけるGPUやCPUのスコアを公平にテストするのに,適しているとは言い難いためだ。DirectX 10環境におけるパフォーマンスは,実際のDirectX 10ゲームアプリケーションで計測するので,3DMark Vantageを利用しないことのデメリットは,とくにないと考えている。
テストに用いる3DMark06のバージョンは,2009年6月2日にリリースされたBuild 1.1.0(including 0906a update)。ハードウェア検出コンポーネントのアップデートが行われ,最新のハードウェアを正確に認識できるようになっている一方,ベンチマーク項目やテスト方法は従来同様だ。4Gamerの検証でも,0906a updateの適用前と後で,スコアに違いは見られない。
レギュレーション8世代で,「高負荷設定」の詳細を変更したため,この点は注意してほしいが,「標準設定」については,スコアを過去の記事と比較可能だ。
テスト方法は下記のとおり。レギュレーション1.0以来変わっていない。
実行手順
- (1)3DMark06を起動
- (2)テスト時のディスプレイ解像度を3DMark06側で変更
- (3)ベンチマーク実行
※(2)の解像度変更時に,アプリケーションの再起動などは行っていない。そのまま連続して計測している。
なお,新型GPUの検証時には,3DMark06のデフォルト設定である「1280×1024ドット,標準設定」というコンフィグレーションで,「Feature Test」の一部を実施することがある。この点はあらかじめご承知置きを。
レギュレーション6.0から採用している「Crysis Warhead」(邦題 クライシス ウォーヘッド 完全日本語版)は,DirectX 10世代となるCrytekオリジナルのゲームエンジン「CryENGINE 2.0」が採用された,重量級のゲームタイトルだ。2008年秋にリリースされたタイトルだが,2010年1月中旬時点においても,依然として,GPU負荷の極めて高いアプリケーションであり続けている。
レギュレーション6.0で採用した当初は,マルチGPUの効果が出にくいタイトルだったのだが,グラフィックスドライバ側の最適化が進んだことで,マルチGPU構成時のパフォーマンスを見るのに適したタイトルになってきた。
テスト方法は基本的にレギュレーション6/7世代と同じ。Crysis Warheadには,ベンチマーク機能のようなものは用意されていないため,HardwareOC(Zoltan Nemeth - Roadside)製の外部ベンチマークツール「HardwareOC Crysis Warhead Benchmark」(以下Crysis Warhead Benchmark)を用いる。バージョンは,Crysis Warhead本体が1.1.1.710(※Patch 1.1を適用した状態),Crysis Warhead Benchmarkが1.2.0.0で,これらはいずれもレギュレーション事前検証開始時点の最新版である。
ただし,2009年8月頃,HardwareOC(www.hocbench.com)は,ドメインの期限切れなのか,サイトを閉じたのか不明ながら,アクセスができなくなった。これにより,アプリケーションを入力できなくなってしまったのだ。また,用意されているテストオプションのうち,「Benchmark−Filters & demos」の「Filters」を変更するには,無料のユーザー登録が必要だったのだが,サイトにアクセスできなくなったため,ここの設定もできなくなってしまったのである。
この問題に対して4Gamerは,レギュレーション8.2のタイミングで独自に対応を行ったが,これでは読者が同じようにテストできない。そこで,読者に向けては,現在もミラーを続けている「The Guru of 3D」を紹介しておきたいと思う。
同Webサイトのダウンロードページには,ベンチマークソフト本体と,それとは別に,現時点では物理的に不可能なユーザー登録の部分を“なんとかする”ソフト「HOCBench Registration Generator」が用意されている。これらを使えば,読者の環境でも,レギュレーション8.4に準拠したテストを実施可能だ。
さて,Crysis Warhead Benchmarkを実行するに当たって,Crysis Warheadを別途実行しておく必要はない(※もちろん言うまでもなく,インストールは必要だが)。下記は基本的に,Crysis Warhead Benchmarkの設定項目となるので,その点に注意しながらチェックしてもらえれば幸いだ。
Crysis Warhead Benchmark設定
Crysis Warheadのバージョン:1.1.1.710
Crysis Warhead Benchmarkのバージョン:1.2.0.0
セーブ&リプレイデータ:不要
設定「Benchmark−Path & information」
- Crysis Warhead path:Crysis Warheadをインストールしたフォルダを指定
- Results folder:任意
設定「Benchmark−Resolution & screen」
- Resolution:テストによる(※基本的には1024×768/1280×1024/1680×1050/1920×1200ドットの4パターン)
- MultiGPU:テストによる
- Screenshot:チェックを外す
- Quality:Very High(※Windows XP環境でのテストを行うときに限り「High」)
設定「Benchmark−Filters & demos」
- Filters:テストによる
- Choose a demo:「Airfield」にチェックを入れる
- Renderer driver:テストによる(※Windows XP環境では「DirectX 9」で固定)
設定「Benchmark−Customization」
- Benchmark notes:任意(※基本的には何も入れなくてOK)
- Boost renderer settings:チェックを外す
- Number of times to run the demo:2
- Skip first score:チェックを外す
設定「Other−Registration」
- Email:自分のE-mailアドレスを登録する
注意すべきポイントは何か所かあるが,最も重要なのは,Crysis Warhead Benchmark側で詳細なグラフィックスオプションの設定は行えず,「Benchmark−Resolution & screen」の「Quality」から,一括指定することになる点だ。レギュレーション8世代では,DirectX 10モードを前提とするため,基本的には「Very High」を選択する。Windows XPがテスト対象に含まれたときのみ,(DirectX 9モード時の最高画質設定となる)「High」を選択する。
もう一つは,先ほど紹介したように,「Benchmark−Filters & demos」の「Filters」は,メールアドレスを登録しないと変更できないというところ。ここは,The Guru of 3Dのツールで回避できるので,くれぐれもお忘れなく。
なお,DirectX 10モードを優先した結果,エントリーレベルのGPUやグラフィックス機能統合型チップセットに対しては,描画負荷が高くなりすぎた。そのため,レギュレーション8世代では,ローエンドクラスのGPUやグラフィックス機能統合型チップセットに対応すべく,「エントリー設定」を用意することにした。基本的には上記Crysis Warhead Benchmark設定に準じるが,下に示した2点を変更する。
Crysis Warhead Benchmark設定(※エントリー設定)
設定「Benchmark−Resolution & screen」
- Quality:Medium
設定「Benchmark−Filters & demos」
- Renderer driver:DirectX 9
ミドルクラス以上のGPUを想定した設定にせよエントリー設定にせよ,ここまで来ればあとは簡単。Crysis Warhead Benchmarkのウインドウ左下に用意された[RUN>>]ボタンを押すだけである。途中で解像度設定などを切り替える必要はなく,自動的にテストが進んでいく。
なお,もし何らかの事情でテスト中に異常終了した場合は,Crysis Warhead Benchmarkの設定から,当該解像度だけを選択してやり直せば大丈夫だ。
計測を2回行っているのは,1回だと,取得できるスコアが低めに出るため。「1回×2」でも変わらず,2回以上連続実行すると安定したスコアを取得できるので,レギュレーション6,7世代で2回としたが,レギュレーション8世代でも,この方針に変更はない。
htmlファイルに出力されるスコアの傾向は,レギュレーション5世代におけるCrysisと変わらないので,指標も同じ。つまり,プレイアブルかどうかの基準は平均25fpsで,ストレスを感じなくなるのは平均40fpsを超えてから,ということになる。
「Left 4 Dead」(邦題 Left 4 Dead 日本語版)は,Valve独自のゲームエンジン「Source Engine」が採用されたFPS。仲間と協力して,迫り来るゾンビの大群から生き残るという,Co-op前提のゲームデザインが高い評価を集めているタイトルだ。
Source Engineは,以前だと,ATI Radeonへの最適化が謳われていたが,最近では,GeForceでも高いパフォーマンスを期待できる,クセの少ないエンジンになってきた。
4Gamerのベンチマークレギュレーションでは,そんなSource EngineをベースとしたHalf-Life 2シリーズを長らく採用してきたが,Left 4 Deadのテストに当たって行うテストも,基本的にはHalf-Life 2シリーズ時代と同じ手法をとる。独自に用意したリプレイデータを“再生”し,その間の平均フレームレートを取得するという流れだ。
なお本作は,Valveのソフトウェア配信システム「Steam」を利用して自動的にアップデートされるため,テストに用いるゲームのバージョンは常にそのときどきの最新版となる。これは非常に便利なのだが,一方,「大規模なシステムアップデートが行われると,リプレイデータの互換性が失われる」という可能性とも隣り合わせであり,実際,2009年12月18日をもって,レギュレーション8.3で使っていたリプレイデータは利用できなくなっている。
これを受けてレギュレーション8.4では,新規に,シングルプレイヤーのキャンペーン「ノー・マーシィ」,チャプター「1:マンション」で,マンション屋上からスタートし,屋内での撃ち合いを記録したものへ,リプレイデータを変更している。大枠では,レギュレーション8.3時代と同じシークエンスだが,プレイの流れが大なり小なり変わった結果,レギュレーション8.3以前と,スコアを直接的に比較することはできなくなったので,この点は注意してほしい。
テストに当たってのゲーム設定は下記のとおりだ。
ゲーム設定
バージョン:最新版(Steamによる自動アップデート)
リプレイデータ:4Gamerオリジナル(1.8MB)
リプレイデータ保存先:C:\Program Files\Steam\steamapps\common\left 4 dead\left4dead(※Windows XP/Vista/7とも,標準インストール時のフォルダは共通。64bit OSの場合,パスは C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\left 4 dead\left4dead)
ゲーム設定:「ビデオ」
- アスペクト比:テストによる
- 解像度:テストによる
- ディスプレイモード:フルスクリーン
- フィルム粒子の量:デフォルト
ゲーム設定:「ビデオ-詳細」
- アンチエイリアスモード:テストによる
- フィルタリングモード:テストによる
- 垂直同期を待機:無効
- マルチコアレンダリング:有効
- シェーダーの詳細:最高
- エフェクトの詳細:高
- モデル/テクスチャの詳細:高
- 使用するページプールメモリの量:高
ゲーム設定:「明るさ」
- 任意
ゲーム設定:「オーディオ」
- ゲーム音量:任意
- BGM音量:任意
- スピーカー設定:2スピーカー
- 音質:高
- キャプション設定:なし
- 音声言語:英語
- ボイスチャット:有効
- ボイスチャットの方式:送信ボタンを使用
- マイク感度:任意
- ボイス発信音量:任意
- ボイル受信音量:任意
- マイクアンプの増幅:有効
- マイクのテスト:任意
ゲーム設定:「キーボード/マウス」
- マウス反転:任意
- マウスフィルタ:任意
- マウス感度:任意
- 開発者コンソール:有効
- ゲームパッド:任意
- 水平感度:任意
- 垂直感度:任意
- ゲームパッドの上下軸反転:任意
- 左右スティックの機能入れ替え:任意
利用するグラフィックスカードによって,「ビデオ」の設定が自動的に変更される場合があること,リプレイデータの再生にはコンソールを開く必要があることは,テストに先立って憶えておきたい。コンソールは,日本キーボードなら[半角/全角]キー(※英語キーボードの場合は[~]キー)から呼び出し可能だ。
テスト手順は下記のとおりである。
実行手順
- (1)Frapsを起動し,測定時間を60秒に設定
- (2)Left 4 Deadを起動
- (3)「設定」の「ビデオ」からディスプレイ解像度を変更
- (4)コンソール画面を開く
- (5)コンソールから「playdemo (ファイル名)」と入力して[Enter]キーを押す
- (6)リプレイが一度最後まで再生し終わるのを待つ
- (7)再びリプレイを再生。始まったらすぐにFrapsのフレームレート計測ホットキーを押す
- (8)60秒以上経過したら,[ESC]キーを押してコンソールに戻り,「stopdemo」と入力するか,Shift+F2を押してリプレイ再生メニューを出し「Stop」をクリックする。
- (9)適宜ディスプレイ解像度を変更しながら,(3)以降を繰り返す
テストに当たっては,キャッシュによる影響を排除するため,いったん,リプレイを最後まで再生することにしている。解像度を変更するときは,連続して計測してかまわないが,「標準設定」と「高負荷設定」を切り替えるときには,ゲームの再起動が必要だ。
得られるフレームレートは,平均で60fps以上出ていれば,快適にプレイできるレベルとなる。ハイエンドGPUの合格点は同100fpsといったところだ。
一方,平均で50fpsを下回るようなケースでは,目に見えて爽快感が失われる。
「Call of Duty 4: Modern Warfare」(邦題 コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア,以下CoD4)は,PCとXbox 360,プレイステーション3で1000万本を超えるヒットとなっているFPSだ。
ゲームエンジンはInfinity Wardオリジナルで,DirectX 9世代のプログラマブルシェーダ3.0(SM3.0)ベース。続編「Call of Duty: Modern Warfare 2」も登場し,さすがに古さは否めなくなってきたが,続編を4Gamerベンチマークレギュレーションで採用するかどうかの結論が出るまでは使い続けたいと考えている。
テスト方法はレギュレーション6世代と同じ。マップ「Crash」における5対5のチームデスマッチを“録画”し,これを再生させ,Frapsから平均フレームレートを求めることにしている。
リプレイデータの作成に当たって留意したのは,キャラクターの足を止めないということ。それを実現すべく,今回は4Gamerスタッフの個人的な知り合いを募ってリプレイデータを作成した。そのため,リプレイデータの公開ができない点はご容赦いただきたい。
このほか,テストに当たってのゲーム設定は下記のとおり。パッチは,レギュレーション8.0事前検証開始時点での最新版となるVersion 1.7を用いている。グラフィックス設定の詳細については,西川善司氏による解説記事も用意してあるので,興味のある人は併せて参照してもらえれば幸いだ。
ゲーム設定
バージョン:1.7(1.7.568)
リプレイデータ:4Gamerオリジナル(※非公開)
リプレイデータ保存先:C:\Program Files\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\main\demos(※64bit OSの場合は C:\Program Files (x86)\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\main\demos )
コンフィグファイルの変更:C:\Program Files\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\players\profiles\【ユーザー名】\config_mp.cfgを開き,「com_maxfps」の値「85」を「0」に書き換える(※64bit OSの場合,ファイルのパスは C:\Program Files(x86)\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\players\profiles\【ユーザー名】\config_mp.cfg )
ゲーム設定:「Options−Graphics...」
- Video Mode:テストによる
- Screen Refresh Rate:60Hz
- Ascpect Ratio:Auto
- Anti-Aliasing:テストによる
- Brightness:任意
- Sync Every Frame:No
- Dual Video Cards:テストによる
- Shadows:Yes
- Specular Map:Yes
- Depth of Field:Yes
- Glow:Yes
- Number of Dynamic Lights:Normal
- Soften Smoke Edges:Yes
- Ragdoll:Yes
- Bullet Impacts:Yes
- Model Detail:Normal
- Water Detail:Normal
ゲーム設定:「Options−Texture Settings...」
- Texture Filtering:Automatic
- Anisotropic Filtering:スライダを左端に
- Texture Quality:Manual
- Texture Resolution:Extra
- Normal Map Resolution:Extra
- Specular Map Resolution:Extra
ゲーム設定:「Options−Sound...」
- Master Volume:任意
- Sound EQ Filter:On
- Sound Quality:44KHz
- Speaker Config:Windows Default
ゲーム設定:「Options−Game Options...」
- Show Blood:Yes
- SEnable Console:任意(※デフォルトは「No」)
ずらずらと並べてみたが,要するに「最も高い設定」になっていると理解しておけばOKだ。
このとき注意すべきは,デフォルトだと最大フレームレートが85fpsに固定されていること。上で示したとおり,コンフィグファイル「config_mp.cfg」の「com_maxfps」を「85」から「0」に書き換えることで,この上限を取り払う必要があるので,くれぐれもご注意を。
さて,リプレイデータの読み出しはゲーム内のコンソールメニューからも行えるのだが,この方法ではときおり失敗することがあるので,レギュレーション8世代ではCyboPat.net製の「Call of Duty 4 player」(以下,CoD4 player)を利用する。これはその名のとおり,CoD4のリプレイデータを安定して“再生”するための外部ソフトだ。
確実を期した結果,テスト手順は多少面倒なものになった。とはいえ,基本的にはFrapsを利用したベンチマーク方法準拠なので,慣れてしまえば問題ないだろう。具体的には下に示したとおりとなる。
実行手順
- (1)Frapsにてベンチマーク時間を60秒に設定
- (2)CoD4をMultiPlayerモードで起動する
- (3)グラフィックスや解像度の設定などを行う
- (4)CoD4を終了してデスクトップに戻る
- (5)COD4 playerを起動。「OPEN DEMO」でリプレイデータを選ぶ
- (6)ローディングが終わってプレイ画面が表示されたらFrapsでの計測をスタート
- (7)60秒経過するのを待つ
- (8)10キーの[/]キーを押してリプレイの再生を終了する
- (9)(4)〜(8)の手順をもう一度実行し,2回の平均をスコアとする
- (10)(2)以降を,設定を変更しながら繰り返す
ここで重要なのは,設定一つにつき,テストを2回実行すること。
(2)で,ハードウェア構成の変更直後に,「Set Optimal Settings?」というダイアログが表示される点も憶えておきたい。これはゲーム設定を自動的に設定するものだが,ひとまず[はい]を押したあと,あらためてゲーム設定を手動で行うのが安全だ。
次に,同じく(2)で,PunkBusterに登録あるいは接続していない場合,「Error」というメッセージが表示される。CoD4をプレイしている人の環境ではまず出ないが,ベンチマーク用に構成したPCでは表示される可能性があるので,遭遇したときは素直に[Exit]を押してエラー画面をスキップしよう。
スコアの傾向だが,このテストで60fpsを超えていれば,普通にゲーム本体をプレイするには十分。ハイエンド環境の合格ラインは100fps以上となる。
CoD4はマルチスレッドに対応しているため,CPUのコア数によってある程度はスコアが伸びるが,違いが出てくるのは一定以上のグラフィックス処理能力を持つGPUと組み合わせたときだけだ。CoD4を使ってCPUパフォーマンスを比較する場合には,ハイエンドGPUを利用する必要があるだろう。
Xbox 360,PlayStation 3で大ヒットした「バイオハザード5」。そのPC版は2009年9月17日に発売されたが,レギュレーション8世代では,公式ベンチマークソフト「BIOHAZARD 5 Benchmark Version」を採用する。これは,公式ベンチマークソフトが,製品版に付属する物と同じであると,カプコンに確認が取れたためだ。
さて,バイオハザード5は,マルチプラットフォームに対応したカプコン独自の開発フレームワーク「MT Framework」で制作されている。シェーダの利用度合いが高いこともあって,グラフィックス描画負荷は比較的高め。また,マルチスレッド処理に最適化されており,CPUコア数の違いが,ゲームパフォーマンスを左右しやすいタイトルでもある。
公式ベンチマークソフトは,まずDirectX 10とDirectX 9,二つの動作モードから一つを選んで起動することになるが,レギュレーション8世代では,Windows XP環境でのテストが必要でない限り,DirectX 10モードで起動する。
テストに当たってのゲーム設定は下に示したとおりだ。
ポイントは,「モーションブラー」を「オン」にしているのと,グラフィックス品質関連を軒並み「高」にしている点だが,むしろここで重要なのは,グラフィックスオプションに,テクスチャフィルタリングの設定がない点である。同時に,上の設定を行う限り,明らかに異方性フィルタリングが有効になっていたのだが,発表されている推奨環境によると,テクスチャフィルタリングの設定は「画面クオリティ」に含まれるという。本設定項目には,HDR(High Dynamic Range)なども含まれているので,総合的な画質を調整する設定項目になっているようだ。
ちなみに,4Gamerのベンチマークレギュレーションでは,「標準設定」時にテクスチャフィルタリングなし,「高負荷設定」時に16x異方性フィルタリング適用となっているが,バイオハザード5では,「画面クオリティ」の設定によって,テクスチャフィルタリング設定は,以下のように異なるという。
- 低:トリリニアフィルタリング適用
- 中:4x異方性フィルタリング適用
- 高:16x異方性フィルタリング適用
つまり,標準設定とするためには,「画面クオリティ」を「低」にする必要があるのだが,「低」にすると,テクスチャフィルタリング以外の設定も下がってしまうわけである。
そこで,バイオハザード5に関しては,4xアンチエイリアシングを無効化する一方,「画面クオリティ」は「高」のまま(=16x異方性フィルタリング適用)とした「低負荷設定」を,標準設定の代わりに採用する。少々特殊な対応となるので,この点は憶えておいてほしい。
なおこの設定では,2010年1月時点におけるエントリークラスGPUで,プレイアブルなスコアが得られないことがある。そこで,下位モデルのGPU(やCPU)のテストに当たっては,低負荷設定と高負荷設定の2パターンではなく,下に示した「エントリー設定」で検証を行う。
ゲーム設定(※「エントリー設定」)
ゲーム設定「PC SETTINGS」
- スクリーン解像度:テストによる
- 画面モード:フルスクリーン
- ディスプレイ周波数:60Hz
- 垂直同期:オフ
- フレームレート:可変
- アンチエイリアス:テストによる
- モーションブラー:オフ
- 影品質:中
- テクスチャ品質:中
- 画面クオリティ:低
ところで,公式ベンチマークソフトには,「ベンチマークテストA」「ベンチマークテストB」という,2種類のベンチマークテストが用意されているのだが,結論からいうと,レギュレーション8世代ではベンチマークテストBを採用している。これは,ベンチマークテストBだと,カメラやオブジェクトの数動きが毎回同じで,安定した計測結果を得やすいためだ。発表されている推奨環境によると,実際のゲームと比べてオブジェクトの数が多く,CPU負荷は多少高めになっているようだが,その点は少し割り引いて考えれば問題ないだろう。
ちなみにカプコンによると,ベンチマークテストAは,AIにより,ゲーム内にあるオブジェクトの動きは毎回変わるとのこと。GPUやCPUを横並びで比較するためではなく,あくまでも,プレイヤーの環境で実際にどれくらい快適にプレイできるかを見るためのものという位置づけだそうだ。
以上を踏まえたベンチマーク手順は以下のとおりとなる。
テストを2回実行しているのは,念のため。基本的にスコアのブレはほとんどないが,安全策で,2回めのスコアを採用することにした次第だ。
公式ベンチマークソフトは,独自にランク付けをしてくれるが,レギュレーション8世代では,合格ラインを平均30fpsとした。ハイエンド製品なら,同60fpsが,快適さの目安となる。
Xbox 360版を基に,多くの新要素を追加して“完全版”となった,PC版「ラスト レムナント」。PC用の国産RPGとして,大変貴重な存在であるだけでなく,定番ゲームエンジン「Unreal Engine 3」を採用したゲームタイトル全般の傾向を見るうえでも,大変重要なタイトルだ。4Gamer的には,ベンチマークレギュレーション5〜6世代で採用していた「Unreal Tournament 3」の後継,という位置付けになる。
さて,Unreal Engine 3世代のゲームエンジンは,アンチエイリアシングを標準ではサポートしていない。AMDとNVIDIAは,いずれもドライバレベルで独自にアンチエイリアシングを実現しているが,頻繁にバージョンが上がるドライババージョンのすべてで,アンチエイリアシングの効き具合をチェックするというのは,現実的とは言い難い状況だ。そのため,公正を期す目的もあり,アンチエイリアシングを適用した,高負荷設定のテストは,ラスト レムナントでは実施しない。
なお,テストに用いるのは,4Gamerでもミラーしているベンチマーク専用プログラム。ベンチマークテストの実行時に,これといったバージョン表記はなされていないが,2009年4月時点で公開されている――というか,4Gamerで公開している――実行ファイルの内部バージョンは「1.0510.0」なので,一応,これを目安にしておくといいだろう。
ベンチマークの実行に当たっては,ダウンロードした圧縮ファイルから解凍したフォルダ「The_Last_Remnant_Benchmark」の下,「Binaries」フォルダの「TLRBench.exe」を起動し,「Resolution」から解像度を設定するだけだ。
注意すべき点は,キャッシュの影響を排除するため,(どの解像度設定でもかまわないので)とにかく一度,ベンチマークを走らせる必要があるということ。その後,「Full Screen」の選択肢の中から,テスト対象となる解像度を選んで,テストを実行するという流れになる。キャッシュの影響さえ排除してしまえば,スコアのブレはほとんどないので,解像度ごとにテストは1回で大丈夫だ。
また,本ベンチマークアプリケーションの実行前に,ほかのテストを行っていると,スコアが低く出ることがある点にも注意したい。そういった“症状”が出たら,一度Windowsを再起動すべきである。
スコアは平均フレームレートで表示される。スクウェア・エニックスは,65fps以上だと,ゲーム内のグラフィックス設定を高めに設定しても快適な動作が見込め,90fps以上だと,最高設定でも快適にプレイできるとしているので,この二つが基準点になるだろう。
「Race Driver: GRID」(以下,GRID)は,これまでも多くのドライブシムやレースゲームを発表してきたCodemastersの最新作だ。PCのほか,Xbox 360やプレイステーション 3でもリリースされているマルチプラットフォームタイトルである。
登場車種は,フォーミュラカーやツーリングカー,チューンドカーなど多岐におよび,「AKINA」「YOKOHAMA」といった,日本人に馴染みのあるコースが用意されているのも特徴。ラリーゲーム「Colin McRae: DIRT」をベースとしたエンジンは,グラフィックス品質が高いのはもちろんのこと,クラッシュシーンの再現度が高いのも見どころとなっている。
さて,そんな見栄えのいいGRIDだが,リプレイモードはあるものの,リプレイデータを保存したり,読み出したりはできない。そのためレギュレーション6〜8世代では,「テストに当たって実際にプレイを行い,そのリプレイを用いる」という手法を選択することにした。
ゲームのバージョンは,2010年1月中旬時点の最新版となる1.2。ゲーム設定と手順は,順に下記のとおりだ。
ゲーム設定
バージョン:1.2
セーブ&リプレイデータ:不要(※毎回プレイして,そのリプレイを用いる)
ゲーム設定「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−DRIVING ASSISTS」
- TRACTION CONTROL:ON
- TRANSMISSION:AUTOMATIC
- BRAKING ASSIST:ON
- STABLITY CONTROL:ON
- ゲーム設定「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−FORCE FEEDBACK/VIBRATION」
- FORCE/VIBRATION:OFF
※「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−CONTROLS」と「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−ADVANCED」は任意
ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−SCREEN SETUP」
- LAP&TIMES:ON
- RACE POSITION:ON
- MINI MAP:ON
- DIALS:ON
- SPEED UNIT:MPH
ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−GRAPHIC SETTINGS」
- OVERALL DETAIL:CUSTOM
- RESOLUTION:テストによる
- REFRESH RATE:任意(※デフォルトは60Hz)
- MULTISAMPLING:テストによる
- VSYNC:OFF
- ASPECT RATIO:NORMAL
- GAMMA:任意
ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−ADVANCED SETTING」
- HEADLIGHT:HIGH
- WIND:ON
- SHADOWS:HIGH
- PARTICLES:HIGH
- MIRRORS:ON
- CROWD:ON
- GROUND COVER:HIGH
- VEHICLE DRIVERS:ULTRA
- VEHICLE LOD:ULTRA
- TREES:HIGH
- REFLECTIONS:ULTRA
- MOTION BLUR:ON
- SKIDMARKS:ON
- CLOTH:ON
- DAMAGE LEVEL:HIGH
ゲーム設定「OPTIONS−SOUND SETUP」
- HARDWARE ACCELERATION:OFF
- EFFECTS VOLUME:任意
- SPEECH VOLUME:任意
- MUSIC VOLUME:任意
実行手順
- (1)Frapsからベンチマーク時間を60秒に設定
- (2)GRIDを起動する
- (3)「MAIN MENU」から「RACE DAY」を選択
- (4)RACE DAY画面から,
- DISCIPLINE:TOURING CARS
- CAR:BMW 320SI
- LOCATION:LE MANS
- ROUTE:CIRCUIT DE LA SARTHE
- (5)「RACE OPTIONS」の「GRID POSITION」を「BACK」に変更して,「GO TO RACE」を選択
- (6)レース画面になったら,アクセルを踏みっぱなしにする
- (7)スタートシグナルがグリーンに変わると同時にFrapsからフレームレート計測開始
- (8)十数秒で壁にヒットしスピンするので,アクセルを離す
- (9)クルマが完全停止した時点でFrapsの計測を手動終了させる
- (10)[ESC]キーを押してレースを中断し,「RESTART RACE」を選択
- (11)(6)〜(9)を3回繰り返し,平均値を取る
- (12)解像度を変更すると自動的にゲームが再起動するので,(3)以降を繰り返す
グラフィックス関連の設定は,すべて設定できる限り最高のものを選んでいる。「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−SCREEN SETUP−ADVANCED SETTING」は,キーボードの[Shift]キーを押すことで呼び出せるが,実際にプレイしてリプレイを取得することも考えると,「Microsoft Xbox 360 Controller for Windows」を用意して,[Y]ボタンを押すほうが便利かもしれない。
コースにLE MANSを選んだのは,スタート後しばらく,アクセル踏みっぱなしで走れるため。その後,100%確実に壁へ衝突するので,テスターによらないリプレイを再現できると判断している。
計測タイミングがズレてもスコアへの影響は少ないが,念のため,3回計測して平均を出すことにした次第だ。
GRIDはマルチスレッド処理への最適化が行われており,負荷の低い状態ではCPUコアの数がスコアを左右しがちだ。一方,解像度ごとのスコア変化度合いは小さいという傾向がある。
快適なプレイを行えるかどうかの基準は平均60fps以上,ハイエンド環境なら70fps以上が目安となりそうだ。同40fpsを割り込むと目に見えて滑らかさは失われるので,プレイアブルかどうかの基準はこのあたりにあると見ていい。
4Gamerのベンチマーク測定において重要なツールである,Frapsについてここで説明しておきたい。
Frapsは,DirectX/OpenGLで動作するアプリケーション向けのキャプチャーソフトだ。フルバージョンは29.95ドルするシェアウェアで,4Gamerではボリュームライセンスを取得して利用しているが,開発元であるbeepaのWebサイトからダウンロードできる無料の体験版でもフレームレートの計測は行える。
インストールしたら,フレームレートの計測前にFrapsを起動。メインウィンドウが起動するので,「FPS」タブを選び,「Stop Benchmark automatically after」直後にある入力ボックスに,秒単位で数値を入力する。例えばレギュレーション6.0準拠でCall of Duty 4のベンチマークテストを行うなら,「60」と入力すればいい。
続いて「MinMaxAvg」にチェックを入れ,最少/最大/平均フレームレートがログに書き出されるようにしておく。
フレームレート計測を実行するには,まず,Frapsを最小化して,その状態で計測対象のゲームを起動する。すると,画面の隅に黄色の数値が表示されるはずだが,それがリアルタイムで計測されるフレームレートだ。あとはリプレイを再生し,適切なタイミングでフレームレート計測開始のホットキー(標準では[F11]だが,FPSタブの「Benchmarking Hotkey」で変更可能)を実行すればいい。 ベンチマーク計測中はリアルタイムのフレームレート表示が消え,設定した時間が経過すると計測が終了して,再びフレームレートが表示されるようになる。なお,ログファイルはFrapsをインストールしたフォルダ以下,「\benchmarks」の中に保存されるようになっており,上書きされることはない。
掲載されているテスト方法は誤りを含んでいる場合があり,予告なく修正されることがあります。また,公開しているリプレイデータは,4Gamer.netの読者が実際にベンチマークテストを行うに当たっての利便性を図るためだけに提供されるものですが,出典を明示し,かつ4Gamer.netへのリンクを明示的に張る場合に限り,商用/非商用媒体で利用できるものとします。ただし,このファイルを利用することによって,万が一OS,あるいはPC本体やその周辺機器などといったハードウェアに不具合が生じても,4Gamer.net編集部,著者,およびAetas株式会社は一切その責任を負いません。
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