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[TGS 2007#54]TGS会場で見かけた,ちょっと気になる国産ミドルウェア
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印刷2007/09/22 06:05

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[TGS 2007#54]TGS会場で見かけた,ちょっと気になる国産ミドルウェア

 PCゲーマー,とくに4Gamerを愛読してくれている読者には,ゲーム本体(ソフトウェア)やハードウェアと並んで,ゲームエンジン(ミドルウェア)が重要であることをご存じの人も多いだろう。東京ゲームショウ2007の会場では,ゲームメーカーだけでなくハードウェアメーカーやミドルウェアメーカーの展示も見られるのだが,ビジネスデイのみの出展が多いため,一般公開日に来場する人が見かけることは,めったにない。ここでは,会場で見かけた国産ミドルウェアメーカーのブース2か所を紹介しよう。

ゲーム向けに最適化された自然環境物理シミュレーションエンジン


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 プロメテック・ソフトウェアが開発した「OctaveEngine」は,その紹介資料によると,ゲーム向けに最適化された本格的な自然環境物理シミュレーションエンジンである。Beatと呼ばれる複数のシミュレーション演算部と,それぞれを描画するための標準レンダリング機能を搭載しており,手軽に自然環境シミュレーションを組み込める,というもの。
 ……なんだか自分で書いていてもよく分からず,ほとんど資料の文章を丸写ししたことがバレバレな文章で,手抜きと思われてしまいそうだ。なのでブースの担当者に教えてもらったところ,具体的には水や砂,空の色といった自然環境のシミュレーションに特化したミドルウェアということ。それでもよく分からないのでデモを見せてもらったら,ようやく理解できた。
 このOctaveEngine,実はアーケードの「鉄拳6」で採用されている。水際をキャラクターが移動するときに,足の動きに合わせて水面が揺れたり,走ると水しぶきが上がったりするのは,OctaveEngineによって表現されているのだ。
 そのほか,砂の崩落現象や風紋,空の色の変化といったシミュレーション演算部があり,それぞれ必要な部分を組み込んだり,カスタマイズしたりもできるとのことだ。なお,OctaveEngineの対応OSは,Windows XP/Vistaで,DirectX 10にも対応予定だという。

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テキストファイルを読み上げる音声合成ミドルウェア


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 もう一つは,日立超LSIシステムズ「Ruby Talk」だ。こちらは音声合成のミドルウェアで,採用例には,ニンテンドーDSの「山川出版社監修 詳説日本史B 総合トレーニング」「山川出版社監修 詳説世界史B 総合トレーニング」が挙げられる。
 このミドルウェアは,サンプリングした肉声から音素片を切り出して作成した音源データから,最適な音の選択と接続/抑揚/リズム付与を行い,肉声感の高い合成音声を生成するというものなのだが,書いていてもやっぱりさっぱり分からない。
 細かいところをはしょって説明すると,このRuby Talkでは,テキストファイルに記述されている文章を読み上げてくれる。もちろん,漢字仮名交じり文章でOKとのことだ。音源さえあれば老若男女どのようなパターンにも対応できるということだ(もちろん,サンプリングなどの準備に数か月かかるとのことだが)。

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 いずれのミドルウェアも国産ということで注目してみたのだが,実際にブースを訪れてみると,一方は「鉄拳6」というコンシューマゲーム機でのメジャータイトルで採用されるという実績があり,もう一方はテキストファイルを用意するだけで音声読み上げが実現できて,読み上げの抑揚やリズムがかなり自然に感じられるという,非常にユニークな特徴を持ったものだった。
 今後,ゲーム内のほぼすべての要素を物理エンジンで表現したり,ナレーションからヘルプまでフルボイスを実現したりするPCゲームが登場するかもしれない。もちろん,ミドルウェアメーカーだけではなく,それを活用するソフトウェアメーカーがあってこその話だが,今後も日本産ミドルウェアメーカーには頑張ってほしいところだ。
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