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UQ,都営地下鉄の全区間をWiMAX対応エリアに。2回線契約時の割引サービスや据え置き型ルーター端末も発表
- 通信エリアの拡大と既存エリアの拡充
- 2回線めの月額利用料金割引
- 据え置き型ルーター「URoad-Home」の発表
そのほか12月に実施予定となっている上り最大15.4Mbps化サービスなどの発表済みトピックについても紹介されたり,今後,Mobile WiMAXに取り入れていく予定の技術解説なども行われたりしている。
2012年内から順次,地下鉄駅間での通信が可能に
まずは前述した新発表のトピックから順に見ていこう。
1.においては,東京都内の都営地下鉄の全区間をMobile WiMAXの対応エリアにするとのこと。都営三田線の大手町駅が11月28日着工予定となっており,12月末に対応エリアとなるそうだ。その後,都営三田線,都営浅草線,都営新宿線,都営大江戸線の全区間を順次対応エリア化を進めていくという。
ポイントは駅間のトンネル内もエリア化するという点。Mobile WiMAXが利用している2.5GHz帯周波数は直進性が強いため,駅のホームから隣の駅に向けて電波を射出することでトンネル内の対応エリア化を実現するとのことだ。
また,既存エリアに対しては,さらなる通信速度の向上を実現すべく,エリアごとの電波状況に応じた基地局の増設を行うという。前述のとおり,2.5GHz帯周波数は直進性が強いため,ビルの谷間やアーケード街などで電波状況が悪くなるケースが多いのだが,こういった場所に小型の基地局を設置することでエリアをカバーしていくとしている。
ファミ割りパックは,2回線契約時における2回線めの月額利用料金が「UQ Flat 年間パスポート」の3880円(税込)から,2480円(税込)へと割り引かれるというもの。つまり,従来は7760円(税込)となっていた月額料金が,6360円(税込)に変更されることになる。
これまでも,月額200円(税込)で複数台の端末が使い分けられる「WiMAX機器追加オプション」が用意されていたが,こちらは2台の端末が同時に通信をすることができなかった。その点,ファミ得パックを利用する場合は2回線となるため,2つの機器を同時に利用できるのがポイントだ。
ちなみに,MVMO事業者をまたいでファミ得パックの適用はできないので,この点には注意しておきたい。
URoad-Homeは,2基の有線LANポートを備えた端末。IEEE 802.11g/n対応の無線LANも搭載しており,最大10台までの機器を同時に接続可能だ。有線LANと無線LANを合わせると最大12台の機器を同時に接続できることになる。
さらに,従来のMobile WiMAXルーターと比べてMobile WiMAXの受信感度が向上していたり,無線LANの出力が向上していたりする点もポイントといえるだろう。
背面部。有線LANポートを2基備えているのが特徴だ |
側面部に壁掛け用のフックを取り付けることも可能 |
64QAM方式の採用で上り最大15.4Mbpsの通信速度を実現。既存端末も対応
そもそもアップリンクの高速化が図られるのはなぜかというと,今年の4月に電波法設備規則のMobile WiMAXに関する改定が行われたためである。変更された点のは,以下の点だ。
- 端末変調方式の追加
- 端末送信出力の引き上げと端末アンテナ利得の向上
ちなみに,この64QAM方式は,ファームウェアを更新することで,既存の端末でも利用できるようになる予定だという。
こちらはファームウェアによる対応ではなく,ハードウェアによる対応が必要なため,いまのところURoad-Homeのみが対応となる。
Dynamic Paging Cycleは,12月中の導入が予定されており,ファームウェアの更新により対応可能になるそうだ。対応するファームウェアが公開されるかは端末のメーカーによるところだが,スマートフォンやモバイルルーターなどでのバッテリー持続時間が伸びるのは歓迎したい機能といえるだろう。
そのほか,屋外での利用時において,制御信号に無線再送技術「HARQ」を用いて接続性を高めたり,「Handover DLデータ保護機能」により移動時に通信する基地局切り換え時(ハンドオーバー)のデータロストを防いだりといった,2012年以降に実装される予定の機能も紹介された。
HARQの概要を示したスライド。データを分割して送信し,合成させることでエラーを減少させるとのこと。通信可能なエリアが広がるという |
Handover DLデータ保護機能では,データのロストを検知して移動先の基地局へ送るためスループットの低下が少ないそうだ |
UQコミュニケーションズ公式Webサイト
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