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[CJ 2006#10]レベルが上がると天罰が下る,中国政府公認の民族的MMORPG「大唐風雲」
唐の時代をモチーフに取り入れているとはいっても,当然史実にべったりなわけではない。ゲーム画面をパッと見てまず目に付くのは,プレイヤーキャラがそれぞれ奇妙な妖怪に乗っかっていることだ(跨るのではなく,正しく踏みつけるようにして乗っかっている)。コレは一体何なのか聞いたところ,中国の妖怪大百科とも言える「山海経」に登場する妖怪であるとのこと。また,ゲーム中に出現する敵もすべて,この「山海経」からのものであるらしい。この妖怪に乗っている間は,移動速度が上昇する。
そしてプレイヤーは,聖と魔の勢力に分かれて対人戦を行うのが本作のメインとも言える要素だ。まだオープンβ中のため一部の攻城戦は未実装だが,長安,洛陽,長沙,江都の各城をおさえると,これらの拠点から税収を得ることができるとのこと。1ゾーンに1匹ボスのようなものがいて,最大80人でのRaidも行えるとのことだ。
ここまで読んで,「なーんだ,よくあるタイプのMMOを中国っぽくアレンジしただけじゃん」と思った人は,慌てずに最後まで読んでほしい。本作で最も個性的なシステムをまだ紹介していないからだ。その名を「天劫」システムという。「天劫」とは天罰のことで,キャラクターはレベルが上がったときに,黒雲と雷と共に天罰をくらう。このときは当然ダメージを受け,そのまま死んでしまうと経験値まで下がってしまうとのこと。レベルが上がると体力が全快するゲームはよくあるが,天罰を受けるというのは聞いたことがない。本作でのレベルは,“1修1重”といったように段階性になっており,“1修9重”になると,次は“2修1重”となるのだが,天罰はこの時に発生する。
これは,レベル上げばかりするプレイヤーへの戒めのためであるということだが,レベルを上げてPvPを行うという本作の主旨に完全に矛盾しているのでは,と思うのは,おそらく筆者だけではないだろう。そのうえ,本作は中国政府公認の国民的ゲームに認定され,中国ソフトウェア協会の今年一番の期待作とされているというのだから,中国にはフシギがいっぱいである。(ginger)
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大唐風雲
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