インタビュー
新モンスター“ゴゴモア”と拡張されるフィールド“潮島”で新たな驚きを。「MHF」大型アップデート「フォワード.2“跳影、熱帯の猛き眷族”」実装直前インタビュー
4Gamerでは毎回恒例となるが,同アップデートで実装される新コンテンツの内容やリファインされる要素,そして今後の中長期的な展望などを,運営プロデューサーであるカプコンの杉浦一徳氏に聞いてきた。
フォワード.2 “跳影、熱帯の猛き眷族”プレビューサイト
「モンスターハンター フロンティア オンライン」公式サイト
“跳緋獣”ゴゴモアは,スピード感重視で立体的な動きが特徴。最初は蜘蛛タイプのモンスターだった?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まず,フォワード.2で登場する“ゴゴモア”からお聞きします。これはどのような特徴を持つモンスターなのでしょうか?
ビジュアルから分かる通り,ゴゴモアは大猿のような牙獣種のモンスターです。背中にいるのはその子供で,“ココモア”という名前です。
ゴゴモア実装にあたりテーマに掲げたのは,スピード感です。“跳緋獣”(ちょうひじゅう)という二つ名から推測できると思いますが,新フィールドの潮島では木々を渡り歩いて,ハンターの上方から攻撃してくることもあります。今までとは異なる気分で,狩りを楽しめるのではないでしょうか。
4Gamer:
となると,カメラアングルを上のほうに向ける頻度も上がりそうですね。あと,ココモアには何か役割があるんですか?
杉浦氏:
まったくないわけではありませんが……。実際にゲーム内で確認していただければと(笑)。
ゴゴモア |
ゴゴモアの背中にしがみついているのが,子供のココモアだ |
4Gamer:
ゴゴモアが登場するクエストを受けられるハンターランク(HR)は,いくつからですか?
杉浦氏:
下位クエストはHR3以上,上位クエストはHR31以上です。あと,HR100以上は剛種クエストになります。
4Gamer:
HR3からもうクエストを受けられるんですか?
杉浦氏:
はい。始めたばかりの方にもMHFオリジナルモンスターを体験していただこうという思いから,下位の受注条件をHR3以上に設定しました。もちろん,下位では攻撃力を抑えめにするといった配慮をしていますから,それなりに装備を整えれば,「強すぎて狩りにならない」といったことにはならないと思います。
4Gamer:
剛種では,攻撃力が上がるだけでなく,攻撃手段も増えるのでしょうか?
杉浦氏:
剛種では,攻撃手段が追加されて手強くなります。
基本的には,スピーディな動きをするので手強いモンスターだとは思いますが,隙もあるので,きちんと動きを見て何度かトライしていただければ,低HRでもきちんと狩猟できるはずです。
4Gamer:
「フォワード.2開発ブログ」第6回のエントリーでは,当初,フォワード.2では蜘蛛のような新モンスターだったという記述がありました。蜘蛛から牙獣種に方向転換した理由はどのようなものだったんですか?
杉浦氏:
新モンスターは,お客様に向けてはもちろん,営業面も含めた“アップデートの顔”になりますから,ビジュアル面も重視されます。
モンスターとしては,不気味な生物のほうが適しているとも言えますが,蜘蛛のようなモンスターだと,生理的に苦手というお客様もいらっしゃるでしょうから,配慮が必要な部分があります。
4Gamer:
インタビューの前に,動いているゴゴモアを見せてもらいましたが,手から出す糸のようなもので,かなりトリッキーな動きをしていました。ゴゴモアの手から出る糸は,蜘蛛型モンスターの名残りなんでしょうかね。
杉浦氏:
担当者には確認していないのですが,ひょっとするとそうかもしれませんね(笑)。
4Gamer:
ゴゴモアから入手できる素材からは,武器や防具も生産できるんですよね?
杉浦氏:
もちろんです。緋色の“緋”がキーワードで,赤を基調にした武具になります。ちなみに,防具のデザインは肌の露出度が少し高く,男性用は野性味がある,女性用は可愛らしい印象に仕上がっています。
ゴゴシリーズ(剣士) |
ゴゴシリーズ(ガンナー) |
新しい狩猟の舞台となる「潮島」。今後のアップデートでエリア追加も?
次に,新フィールド「潮島」について教えてください。潮島は,どのような特徴のフィールドになりますか?
杉浦氏:
まず大きな特徴として,ベースキャンプを含めて4エリアで構成されています。これまでだと,6〜8エリアの樹海/峡谷/高地,または1エリアの闘技場のいずれかという形でしたが,今回はだいたいその中間を取ってみたという感じです。
もちろん,エリア数が異なるだけでは芸がありませんから,クエストの時間帯を昼/夕/夜と,1パターン増やしています。また,“潮島”の名前の通り,潮の干満が発生します。時間帯によって地形がガラッと変わったりするという,新しい試みも採り入れています。
全体的なビジュアルイメージがリゾート地みたいで,これまでのMHFにはない雰囲気ですね。
杉浦氏:
ええ,癒し系とでもいいますか。特に,昼と夕はいい雰囲気になっていると思います。
例えば,峡谷は風が吹き荒れているフィールドで,実際に「行ってみたい」と思える場所ではないですよね。ですから潮島では,行ってみたいと思っていただけるフィールドになるようにこだわりました。オンラインゲームでは,スクリーンショットを撮影することも楽しみ方の一つですから,潮島でいろいろと撮影していただけるようになれば,嬉しいですね。
4Gamer:
MHFの新フィールドといえば,特殊ギミックもおなじみとなりつつありますが,潮島ではどのようなギミックが用意されるんですか? 先ほど潮島を見せてもらったときは,木を叩くと虫が出てきたりしましたが……。
杉浦氏:
そちらも,実装後のお楽しみということなのですが,出て来た虫を「エイエイっ」とやると……まあ,実際にゲーム内で試してください(笑)。
4Gamer:
今後は潮島のように,エリア数が少なめのフィールドが増えていくんでしょうか?
杉浦氏:
それはお客様の反響次第ですね。実は,潮島自体,「エリアが多いと移動が大変」というご意見に基づいて企画・開発したものなんです。
4Gamer:
そうだったんですか。新フィールドの話を以前にも聞かせてもらったことがありますが,エリアが少ないと手抜きだと言われ,多いと移動が大変と言われ,大変ですね……。
杉浦氏:
そこは,お客様の貴重なご意見ですから,真摯に受け止めさせていただいています。
実は,今回のフォワード.2は,いわば潮島実装の第一段階で,フォワード.3以降の大型アップデートで,さらにエリアを追加する予定なんです。
4Gamer:
フィールドのエリアがアップデートで増えていくというのは,新鮮ですね。楽しみにしています。
狩りに参加する相棒“ホルク”には,やり込みを意識した育成要素も
4Gamer:
フォワード.2では,“ホルク”という新要素が実装されますが,これはどのようなものなんですか?
ホルクは,「フォワード.1“襲来、双極の脅威”」で実装したグークに次ぐ,MHFオリジナルの要素ですね。一緒にクエストに出かけて,狩りを手伝ってくれる存在です。
4Gamer:
ホルクは狩りに参加するペットのようなもので,どのクエストにも連れて行けるという感じなんですか?
杉浦氏:
ペットというよりは“相棒”といったイメージですね。
基本的にはどのクエストにも連れて行けますが,一部のクエストに関しては,バランスを考慮して連れて行けません。
4Gamer:
狩りに同行してくれるといえば,頼狩人(ラスタ),レジェンドラスタ,それからプーギーがすでに存在しますが,それらの要素とホルクはどう差別化されているんですか?
杉浦氏:
まず,4人参加しているクエストにも連れて行けるという点ですね。ハンター4人がそれぞれホルクを連れて狩りができるんです。また,プーギーのようにアイテムを置いて帰ってしまうのではなく,狩りの間はずっと一緒にいてくれます。
4Gamer:
なるほど。ラスタの場合は,クエスト参加人数にカウントされるから,そこが違うというわけですね。
杉浦氏:
また,ラスタはフレンドと契約して,お互いのラスタに装備させる武具を考えるといったコミュニケーション要素としての意味合いがありましたが,ホルクは自分で育てるという,やり込み要素を持たせているという部分も,差別化している部分です。
4Gamer:
成長要素には,どのようなものがあるのでしょう?
杉浦氏:
ホルクを成長させるには,エサを与える必要があるのですが,その内容に応じてホルク自身の属性が変化します。エサにはモンスターの素材を使うので,どの素材を与えたらどのように成長するかは,比較的分かりやすいものになっていると思います。
また,スキルやAIの行動パターンもいくつか用意していますので,プレイスタイルに合わせた育成が可能です。実装後にいろいろ試してみてほしいですね。
それから,今回実装する内容はホルクの“第1段階”となります。フォワード.3以降のアップデートで,“第2段階”以降を順次開放していく予定ですが,まずはフォワード.2で実装された成長要素を楽しんでいただきたいですね。
武器を“親方印”にすると,抜刀/納刀速度も速くなる
4Gamer:
フォワード.2で実装される武器や防具には,どのようなものがありますか?
フォワード.1のインタビューで,イベント武器の強化派生追加のお話をさせていただいたと思いますが,今回のフォワード.2では,さらに“親方印”という要素が実装されます。
これは,最終段階まで強化するとイベント武器が剛種武器並みの性能になって,抜刀/納刀速度も上がるというものです。
4Gamer:
抜刀/納刀速度が上がるというのは,剛種武器の弓みたいな感じなのでしょうか。
杉浦氏:
そうですね。もともと抜刀/納刀速度が速い武器種では,あまりメリットに感じてもらえないかもしれませんが,全体的にはかなり強化されると考えています。
4Gamer:
ちなみに,既存の剛種武器における抜刀/納刀速度はどうなるんでしょうか? 今度は剛種武器を所持している人から不満が上がりそうですが。
杉浦氏:
MHF公式メンバーサイトでも告知させていただいておりますが,現在,剛種武器にも適宜新たな強化先を追加していく方向で調整を行っています。
4Gamer:
フォワード.2で,HC武器の追加はありますか?
もちろんありますが,今お話しできるものだと,ドスファンゴのハンマー,グラビモスのヘビィボウガン,イャンクック亜種の双剣,ディアブロス亜種のランスといったところですね。ディアブロス亜種のランスは,リーチ長の特殊リーチ武器になります。
それぞれ,フォワード.2で登場する特異固体モンスターのクエストで入手できる素材から生産が可能です。ちなみに,特異個体モンスターは,ドラギュロスなど全部で5種類が登場する予定です。
あと,細かいリファイン要素となりますが,HC素材の入手確率がこれまでの2倍になります。もっとも,元々の確率が確率なので,微々たる上昇なのですが……。私個人の意見なのですが,将来的には,もう少しHC素材を入手する手段を広げたいと考えています。
そのほか,進化武器では狩猟笛,剛猫武器ではガンランスが加わって,防具では,剛種防具,狩人祭の褒賞防具などが新たに登場します。剛種防具は,オオナズチ素材を使うミズハ/トヨタマをリファインしたデザインのものです。
イャンクック亜種(特異個体) |
グラビモス(特異個体) |
ディアブロス亜種(特異個体) |
ドスファンゴ(特異個体) |
ドラギュロス(特異個体) |
オカミシリーズ |
ワダツミシリーズ |
4Gamer:
そのほか,フォワード.2で実装される新しい要素を教えてもらえますか?
アクションゲームがあまり得意ではない方に向けて,“元気のみなもと”というアイテムを用意しました。これは,被ダメージ量が通常の3分の1程度になる,いわばボーナス要素です。仮に“元気のみなもと”を使わなかった日があった場合,アイテムの累積は可能ですが,使えるのは1日1回,1クエストだけです。
元気のみなもとは,新しいマイシリーズの“マイホルク”で入手できます。マイホルクは,ホルクの育成などを行う場所になります。
それから,クエスト関連では“シリーズクエスト”が実装されて,グークにも追加要素が入ります。
4Gamer:
シリーズクエストは,どんな内容なんですか? 名前からすると,キャラバンクエストのような連続狩猟かなと思えるのですが。
杉浦氏:
お題を提示して,一定の順番でクエストをクリアしていただくという内容で,「ビギナーシリーズ」と「ベテランシリーズ」の2パターンを用意しています。まだ詳しくはお話しできないのですが,ベテランシリーズの最後には,ちょっとしたサプライズを用意していますので,ぜひプレイしてみてください。
それから,フォワード.2では,入門的な位置付けの要素として,“若個体”が登場する“狩人育成クエスト”を用意します。若個体は通常のモンスターより若干弱くなっています。
4Gamer:
グークの追加要素はどうでしょう?
グークを2匹まで飼えるようになって,関連アイテムも追加されます。グークは趣味的な色合いが強いコンテンツですから,色の変更,衣装やガーデン設置物の追加といったものが中心ですね。
そのほか,細かい点となりますが,ダッシュ時のスタミナ消費が従来の半分になったり,実績要素が追加されたり,キーボード操作にFPSに近いものが採用されたり,といった項目も実装されます。
4Gamer:
それぞれ,具体的に説明してもらえますか?
スタミナ消費ゲージは,お客様の要望に応えたもので,ランナーや絶倫といったスキルにも反映されます。ただ,消費が半分になるのはダッシュ時のみで,ガードや回避時のスタミナ消費は従来通りとなります。
そのほかにも,罠を設置した場所をミニマップに表示するようにしたり,採取アイコン表示時にピッケル/虫あみの残数を表示したりといった仕様変更も行います。
4Gamer:
実績要素は,Xbox 360版の実績みたいなものですか?
杉浦氏:
Xbox 360版の実績とは少々異なります。常々要望の強かったやり込み要素なのですが,ようやく実現できました。これは「ハンターキャリア」という名称で,たとえば,剛種を何体狩ったか,狩人祭で何勝したかなど,計10種類の実績を用意します。好評であれば,どんどん拡張していくつもりです。
4Gamer:
実績のカウントは,フォワード.2からですか?
杉浦氏:
はい。申し訳ないのですが,過去の回数はカウントされません。
また,エスピナスやデュラガウアなど,MHFオリジナルモンスターの狩猟実績に基づく称号も,ようやく実装されます。こちらの狩猟実績については,過去に遡ってカウントされる見込みです。
4Gamer:
キーボード操作でFPSに近い体系のものを採用したのも,要望によるものですか?
杉浦氏:
どちらかというと,直接の要望ではあまりないんです。
データを見ると,PC版のMHFを始めてすぐに止めてしまうお客様は,キャラクター作成後に離脱しているケースが多いんです。この理由は,キーボード/マウスでの操作が独特なことに問題があると捉えていたので,以前から操作体系の見直しが必要だと感じていました。そしてようやく,新しい操作体系を用意できたという形です。
4Gamer:
なるほど。PCでMHFを始めるプレイヤーの多くは,ゲームパッドまでは用意していないから,キーボードとマウスでの操作で「操作しにくい」と判断して止めてしまうと。
杉浦氏:
MHFは,コントローラでの操作を推奨しているゲームですが,「継続してプレイするかどうか判断する前に,コントローラを用意してほしい」というのも無茶な話です。ですから,キーボードとマウスを使って下位クエストを遊んでいただく過程で,コントローラの導入やMHFの継続を検討していただけるようにしたいということです。
今回導入するキーボード/マウス操作は,従来のものよりもずいぶん使いやすくなっています。さすがに剛種クエストは厳しいですが,下位クエストを全部クリアできるくらいのクオリティだと思います。
そういえば,装填速度スキルに調整が入る予定です。弓を装備した際に,装填スキルが発動している場合,装填スキルの段階に応じてビン装着がさらに早くなります。また,「装填速度+3」が発動している場合,ビンが自動的に装填された状態になります。
延べ500人のハンターから意見を募った,モンスターの肉質調整体験会
4Gamer:
フォワード.2でのリファイン要素の一つに,変種モンスターの肉質変更がありますよね。8月にその体験会が開催(公式サイト)されましたが,その反響はどうでしたか?
杉浦氏:
体験会の主旨から,MHFをやり込んでいただいていることを前提に,HRが高めのお客様を選ばせていただいたのですが,東京と京都のネットカフェで実施した狩猟体験会には,東京で約300人,京都で約200人と,延べ500人ほどのお客様に参加していただきました。
現在,MHF公式メンバーサイトの運営レポートでもアンケート結果を順次報告させていただいていますが,イベントとしてはかなり密度の濃い内容となりました。用意した5種類のモンスターの評価も全般的に好評だったので,正直ほっとしましたね。
ドスランポス |
ドスゲネポス |
ドスイーオス |
4Gamer:
新しい肉質の評判が良かった理由を,どう分析していますか?
肉質は,全体的に柔らかくした傾向にあるのですが,ある部位は固く,別の部位は柔らかく,というメリハリを意識して調整しました。もちろん,以前のリオレウス変種のような,極端になりすぎない程度に押さえてはいます。
とくに好評だったのがゲリョス変種で,参加していただいたお客様には,「どこを狙えばいいのか分かりやすくなった」というご意見をいただきました。
4Gamer:
なるほど。硬くて弾かれる部位とそうでない部位があれば,攻撃した時点で弱点部位がどこなのか,すぐに判断できるということですね。
体験会は,具体的にはどのような形で行われたんですか?
杉浦氏:
1開催では,3種類の肉質調整済みモンスターを体験していただきました。参加していただいたお客様には,それぞれのクエストをみっちりプレイしていただき,そのあとに弊社のスタッフが,ご意見を聞かせていただくという形です。
チームごとに事前に作戦をしっかりと打ち合わせしていただくなど,皆さんに真摯な態度で取り組んでいただきました。
4Gamer:
体験会で出た意見には,どのようなものがありましたか?
杉浦氏:
たとえばですが,ドスランポス変種については,「ちょっと柔らかすぎるのではないか」というご意見をいただきました。ただこれは,「HR100に上がりたての頃に,一人でも狩れるモンスターが1種類くらいはいたほうがいい」という,開発・運営チームの意向を反映した肉質だったんです。それを説明したところ,皆さんに納得していただけました。
このように,お客様と一緒に検討できるケースは今までなかったので,非常にいい経験になりました。
あとは,イャンガルルガ変種については,皆さん,悩まれていましたね。
4Gamer:
それはどういった理由だったんですか?
HRが高いお客様には,やはり古くからモンスターハンターシリーズをプレイしてくださっている方が多いんですね。イャンガルルガは,もともと“固い”という印象が強いモンスターですから,「肉質が柔らかいと違和感を抱くけど,現状より固くなるのもどうか」と悩む方が多かったようです。
そういった姿を見られることで,MHFが皆様に愛されていることが実感できましたから,私としては嬉しかったです。イベントとしては大成功でしたから,ぜひまた同じような形で開催したいですね。
4Gamer:
もう一つ,大きな変更としては,弓における「爆撃ビン」装填時の【嵐ノ型】「オーラアロー」の威力が挙げられると思います。すでに公式サイトで変更後の仕様が告知されていますが,プレイヤーからの反響はどうですか?
杉浦氏:
オーラアローについては,火事場力+2のスキル効果を適用したり,その他要素での上方修正を加えたりと,なるべく単なる下方修正にならないよう,全体的な調整とさせていただきました。
事前に方針を含めて告知させていただいたこともありますが,ご理解いただけたのではないか,と考えています。
そのほか,併せてヘビィボウガン/太刀/ハンマーにも,上方修正が施されます。ただ申し訳ないのですが,秘伝防具の性能見直しについては今回間に合わず,先送りすることになってしまいました。
4Gamer:
ちなみに,SRの分布や人気は現在どうなっていますか?
杉浦氏:
SRを習得しているハンターの中での話になりますが,平均3.8種類の武器種を扱っているというデータがあります。さらに平均SRは400くらいと,予測よりもちょっと高めですね。武器種ごとの比較だと,双剣が平均SR600,弓が平均SR400で人気が高いですね。
4Gamer:
狩人珠についても,“お手入れ”しないと劣化する仕様が廃止されますよね。
杉浦氏:
はい。今までは「誰でもパローネコース」などで無料でお手入れできるような対応策を採らせていただいていましたが,フォワード.2で,劣化する仕様は廃止します。
フォワード.2以降は,CPを消費するお手入れの対象は狩人珠スキルとなり,お手入れをしないまま有効期限を過ぎると,狩人珠スキルが発動しなくなる,という形になります。
4Gamer:
それでは,フォワード.2関連では最後の質問ですが,プロモーション関連での施策を教えてください。
杉浦氏:
以前,「VS.クエストチャンピオントーナメント」で話しましたが,声優の皆さんにMHFをプレイしていただく動画コンテンツの第2弾である,「ガールズ・フロンティア 2nd Season」を配信します。今回はHR31〜99の上位クエストを中心に,中級者向けの内容になっています。
また10月3日から,2007年以来となる,グリコさんとのコラボレーションキャンペーンを実施します。
こちらは,キャンペーン期間中に,ジャイアントコーン(チョコナッツ,クッキー&チョコ,クッキー&チョコクリスプ),パピコ(チョココーヒー)など,グリコさんの主力製品にイベントコードが付属※します。それをゲーム内で入力することで,オリジナルの武器が生産できます。詳細はキャンペーンサイトをご覧ください。
そのほか時期は未定ですが,iOS/Android用アプリのミニゲームを現在開発中です。PCやXbox 360だと自宅でしかプレイできませんが,こちらはちょっと空いた時間にプレイしていただけるのではないかと,期待しています。
※パピコ(チョココーヒー)に付属しているのはシリアルナンバーで,キャンペーンサイトでシリアルナンバーからイベントコードに引き換える必要があるとのこと
安定した状況に甘んじず,水面下ではさらなる試みが進行中。2012年内には大きな発表も?
4Gamer:
それでは,フォワード.1についても,少し聞かせてください。プレイヤーの評価は,全体的に見て良かったのでしょうか?
杉浦氏:
フォワード.1については,ルコディオラをはじめ,LX/RX防具,大討伐クエストのリファイン,剣晶スキルの調整など,事前予測の範疇で,良くも悪くも大きな反響はなかったという感じです。
今回,こういった結果になってしまったのは,やむを得ないことではありましたが,フォワード.1を分割アップデートにしたことが原因だと捉えています。
分割したことについての不満や苦情が先に立ってしまい,さらに深いところにある問題にまで言及がなされなかったのではないでしょうか。そういった意味では,フォワード.1を含めたお客様の評価は,フォワード.2で下されるようになるのかもしれません。
4Gamer:
特に評判が良かったものもなかったんですか?
杉浦氏:
HCクエストで,HC武器の会心率が上がるようになった部分は,数字的に見ても評価が高かったです。
同じタイミングで「HC大作戦」と銘打ち,HC武器を一つ作ったらもう一つプレゼントというキャンペーンを行ったのですが,こちらは,非常に多くの方に利用していただけました。
4Gamer:
狩人祭の評価はどうでしょう?
杉浦氏:
基本的にいい数字が出ているので,概ね好評だと捉えていますが,たとえば,ボーナス試練倍増を導入した回で,以前とはボーナス試練の法則をガラッと変えたことで,お客様からは「面倒くさい」と指摘をいただきました。
そのほかにも,大討伐クエストに飽きた方でも進化武器の強化ができるように,狩人祭で秘撃玉が入手できる回を実施させていただいたりと,毎回新たな試みを導入しているので,やってみないと分からないという側面がありますが,今後も継続して取り組んでいきます。
4Gamer:
アップデート自体の話とはちょっと離れるかもしれませんが,杉浦さんが最近MHFの運営において,課題と感じている部分はどのあたりですか?
杉浦氏:
イベント関連で,良くも悪くもなく,安定傾向にあるというところですね。 最近,私がよくスタッフに伝えているのは,「クエストを作っただけでイベントと称するのはよくない」ということです。
「このイベントで武器が一つ作れますよ」というだけではなく,もっとゲーム全体と連動させるような内容があって初めて,イベントと呼べるんですよ。コミュニティ性を持たせたり,バックエンドのデータを生かしたりする要素が欲しいわけです。
4Gamer:
最後の質問ですが,MHFのPC版が4周年,Xbox 360版が1周年を迎えたように,タイトルとして成熟期を迎える時期に入ってきたと思います。その中で,これからの中長期的な目標を教えてください。
他社さんのビッグタイトルが続々とリリースされている昨今ですし,MHFも今までのアップデートコンセプトだけで通用するとは考えていません。また長くサービスを続けていくと,必然的に新規の方に向けたアピールが弱くなってしまいます。
そこで2012年中に,インパクトのある大きな発表ができるよう,今,水面下で準備を進めています。まだ詳しいことは明らかにできないのですが,動きを見せていないからといって,現状に甘んじているということはありません。
むしろカプコンのオンライン事業の基幹タイトルとして,MHFには運営・開発チームとも全力で取り組んでいます。今後の展開にも,ぜひ期待してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
正式サービスの開始から5年目を迎えたMHFは,評判やアクティブプレイヤー数などをはじめ,さまざまな角度から見て,非常に安定感のある存在となった。しかしそれは同時に,長期間サービスを続けている多くのオンラインゲームタイトル同様,新規顧客への訴求力低下と,それに伴うプレイヤー層固定化にどう対処していくかという,大きな課題と向き合わなければならないことも意味している。
今回,杉浦氏が話していた中では,新モンスター“ゴゴモア”のクエストがHR3から受けられること,PC版におけるキーボード/マウス操作体系の見直し,アクションゲームが苦手なプレイヤー向けのサポートキャラであるホルクの実装,狩人育成クエストなどが,新規プレイヤー層(または休止プレイヤー)向けの施策といえるだろう。
これまで,アップデートごとにモンスターやフィールド,新デザインの武具,そしてアクションの新スタイルといった,要素の追加やリファインを重ねてきたMHFだが,今後,さらなるアピールのためにどんな施策を用意しているのか。2012年内に行われるという大きな発表を含め,非常に期待の高まるところである。
ともあれ,今はフォワード.2にて実装されるゴゴモアと潮島を筆頭とした,新コンテンツを楽しみに待ちたい。
フォワード.2 “跳影、熱帯の猛き眷族”プレビューサイト
「モンスターハンター フロンティア オンライン」公式サイト
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モンスターハンター フロンティアZ
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モンスターハンター フロンティアZ
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