インタビュー
「モンスターハンター フロンティアG」大型アップデート「G2」直前インタビュー。「G1」での課題を克服する施策を杉浦プロデューサーと木本ディレクターに聞いた
G2アップデートは,当初の予定では2013年秋予定の実装予定だったが,2か月以上予定を繰り上げて実施されることになったものだ。詳しくは本インタビュー中でも触れているが,その理由は主に,MHF-Gチームがサービスをリローンチする意気込みで臨んだ「MHF-G」の評判が芳しくなかったためである。
今回4Gamerでは,プロデューサーの杉浦一徳氏と,同ディレクターの木本龍己氏に,「MHF-G」がG2アップデートでどのような変化を遂げるのか,いろいろと話を聞いてきた。現在継続してプレイしている人はもちろん,「MHF-G」実装以後に休止してしまったという人も読み進めてほしい。
「モンスターハンター フロンティアG」公式サイト
大型アップデート「G2」プレビューサイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずは,当初2013年秋に予定されていたG2アップデートを,前倒しで7月10日に実施することになった経緯から教えてください。
杉浦氏:
単純に,G1がお客様の期待に応えられる内容ではなかった,というのが一番の理由です。
今回,お客様からの厳しいご意見が,かつてないほど多かったんです。近い将来,同時接続者数などの数字が落ち込む形で結果に表れることは容易に想像できたので,木本と話し合って,大型アップデートを前倒しで実装することを決めました。
4Gamer:
G1実装後の同時接続者数は,どのように推移しているのでしょうか。
杉浦氏:
G2アップデート前倒しの発表に伴うプレイ控えの影響もあるとは思いますが,G1実装時と比較すると,同時接続者数は2割から3割近く減少していて,その多くはG級ハンターの方々です。
4Gamer:
G2アップデート実装日の7月10日という日程は,どのような理由で決まったのでしょうか。
杉浦氏:
もともと,7月のタイミングでリファインアップデートを行う計画だったことも影響していますが,5月中旬にG2アップデートを前倒しすると決めてから,デバッグを含めたスケジュールを立てて,最短で実装できるのが7月10日だったということです。
G2アップデートで何をやるのか,内容がほぼ確定したタイミングから実装日まで2か月を切っていました。スケジュールは相当タイトですが,やるしかないという状況ですね。
4Gamer:
リファインアップデート後にG2アップデートを実施する,という順番にしなかったのはなぜですか?
「MHF-G」が抱えている問題は,リファインでの修正程度では済まされないレベルだと判断したからです。お客様からしても,「G1がダメだったので,反省してリファインしました」程度のことを言われても,あまり期待してもらえないでしょう。
反省してがんばることはもちろん必要ですが,ゲームというものは,それだけではいい内容にはなりませんし,お客様の期待にもお応えできません。今回のような大きな失敗をリカバーして再び成功へと導くには,視点やロジックなど,根本から大きく変える必要があります。
ですのでG1以後,改修できなかった部分のリファインを最低条件に,お客様に楽しんでいただける内容をさらに上乗せし,現在の我々に提供できる120%の内容にしようと,チーム一丸となって取り組んでいます。
4Gamer:
意地の悪い言い方になりますが,前倒しにすることで,急ごしらえのアップデートになったりはしませんか?
杉浦氏:
急ごしらえにならないように組み立てていますので,その点はご安心ください。
たとえば,新モンスターの「ロロ・ゴウガルフ」と「レイ・ゴウガルフ」は,開発スケジュールを短縮して作ったものではありません。もともとはG4アップデート用に準備していたモンスターだったのですが,ほぼでき上がっていたので,G2アップデートに連れてきた形になります。
そのほかの新要素についても,旧G2アップデート以降向けに開発していたコンテンツのストックから,7月10日の実装に間に合うものを選んでいます。
GRのクラスは撤廃され,G級に上がれば解禁されているすべてのG級モンスターが狩猟可能に
4Gamer:
今回は,G2アップデートの新要素の前に,リファイン要素からお聞きしたいと思います。
まず,5月22日のアップデートでは,GR(ジーランク)の上げにくさを解消するために,ランクアップに必要なGRPが大幅に緩和されました。公式サイトの要望対応状況には,G2アップデートで抜本的にリファインされる予定だと記載されていましたが,具体的にはどのような形になるのでしょうか。
まず,GRのクラス制は撤廃します。今までは,GR1-1,GR1-2というように,GRのクラスが上がると狩猟できるモンスターが増える形でしたが,G2アップデート以降は,G級に上がった時点で,すべてのG級クエストを受注できるようになります。
4Gamer:
それはまた思い切った変更ですね。ということは,GRは事実上なくなってしまうのでしょうか。
木本氏:
GR自体は存続します。ただ,意味合いが変わり,一定のランクに達するごとに新コンテンツが開放されるというように,トリガーとしての役割を果たします。いわば,HR(ハンターランク)に近い形ですね。
4Gamer:
新しいGRになると,GR1からやり直すことになるのでしょうか。
木本氏:
いえ,それはありません。まだ確定した数字は言えないのですが,すでにG級に上がっているハンターの皆さんのプレイ経験が無駄にならないよう,これまで取得済みのGRPを元に,新しいGRが割り当てられるようにします。
4Gamer:
少し話がそれるのですが,G1実装直後の仕様では,GRを上げるために一つのクエストを連戦せざるを得ないような状況が生じていましたよね。
今までのインタビューなどで,プレイヤーの遊びの幅を重要視していることを何度もお聞きしていたので,なぜあのような形になったのか,疑問に感じていたのですが。
杉浦氏:
あの形にしたのには,G級のコンセプトとして,MHFの序盤にあった「HRを上げて,より強いモンスターを狩る」という,ハンターライフの原点といえる部分を再現したかったという理由がありました。
ただ,徐々にステップアップしていくという我々が用意したロジックが,G級に上がってきたハンターの皆さんの「SRまでのように複数のモンスターを自由に狩ることができるべきだ」というご意見とは噛み合わなかった,という結果になってしまいました。
4Gamer:
すでに仕様は改善されてはいますが,その点は,GRを上げるためのGRPの設定にも原因があったのではないでしょうか。とくにG級に上がりたての時期は,そのクラスでできることに対して,遊びの幅が広がるまでに必要なGRPがかけ離れていたように思います。
木本氏:
HR999,SR999を乗り越えてG級に上がってきたお客様であれば,生半可な設定ではあっという間にGR上限に達してしまいます。そのため,あえて厳しめに設定したという意図がありました。
ただ,これはもう言い訳にもならないのですが,G級クエストの選択肢の少なさとランク上げの難度の見通しについては,G1の開発中に十分なチェックができなかったのが原因です。
UI(ユーザーインタフェース)が不親切で先の見えない状態だったことも,お客様とMHF-Gチームの認識に温度差が生じていた原因の一つだったと考えています。
MHF-Gチームは自分達の作っているものですから,どれだけクエストをクリアすれば次のGRに上がれるか,GRのどのクラスで新モンスターが出てくるのかなど,当然知っています。
しかし,お客様にとっては新しいシステムなので,次の目標は何なのか,まったく分からないわけです。次の目標が明確に提示されていれば,モチベーションを保てたお客様も,もう少しいらっしゃったかもしれません。
4Gamer:
G2アップデートのシステム改修で,その部分が解消されることを期待しています。
次に,G級武器のレシピ変更について教えてください。G級武器の強化が100%成功するようになるそうですが,具体的にはどのようなシステムになるのでしょうか。
木本氏:
今までの強化レシピでは,100%強化に成功するのはレベル10までで,それ以上のレベルで100%成功するのは,HC素材や希少素材が要求される場合のみでした。G2アップデートでは,レベル11以降すべてのレベルで,100%強化に成功するレシピを用意しています。また,強化段階の上限も大きく引き上げています。
4Gamer:
100%強化に成功する代わりに,必要な素材は今までより増えるのでしょうか。
木本氏:
必要素材は,今までより気持ち少なめに調整して見直しています。また,成功率が100%ではなくなりますが,必要な素材数がより少なめのレシピも併せて用意しました。
必要な素材を溜めるのに時間がかかる代わりに確実に成功するレシピか,失敗の可能性もありますが早く強化段階を進められるレシピかを,好みで選んでいただければと。
4Gamer:
ちなみに現状では,覇種防具と組み合わせた特殊効果も踏まえると,総合的に見てG級武器より覇種武器のほうが使い勝手がいい,と考えているプレイヤーも少なからずいると思います。いわば,本来の意図とは逆転した状態といえますが,G2アップデートで状況は変わっていくのでしょうか。
木本氏:
確かに,レベルをあまり上げていないG級武器よりも,覇種武器のほうが性能がいいと言われている状態だったのは確かです。ですが,100%強化に成功するレシピが入り,強化段階を大幅に引き上げたことで,徐々にG級武器の優位性が高くなっていくでしょう。
また,G級防具の強化派生先にGXが加わります。GXの最終強化段階では,防具一式を装備すると防御力が2000近くになります。覇種防具にもG級対応の派生先が用意されますが,こちらの防御力は最大まで強化しても1000弱までしか上がりません。
防御力に特化したG級防具が求められる新コンテンツも用意しますので,G級ハンターの皆さんのニーズは,徐々にG級武器やG級防具にシフトしていくと考えています。
4Gamer:
G級武器に焼き付けるシジルについての変更点はありますか?
木本氏:
一定レベルまで強化することで,G級武器に焼き付けられるシジル枠を3つまで増やし,最大9つの特殊効果を発動できるようにしました。
また,従来のシジルは,限定条件下で効果が発動するものが多かったのですが,G2アップデートでは,武器をカスタマイズするという本来のコンセプトに立ち返った特殊効果を追加しています。
4Gamer:
具体的には,どのような特殊効果が追加されるのでしょうか。
木本氏:
たとえば,ライトボウガンなら特定の弾種を速射や超速射対応にできる,ヘビィボウガンであれば排熱噴射機構を追加できるというように,武器を改造する感覚に近いシジルを焼き付けられるようになります。
それから,まだ詳細まではお話しできないのですが,G2アップデート以降は,シジルの取り外しができるようになります。今のところ,ゲーム内で入手できる特殊なアイテムを使う形で考えているので,それほど頻繁に利用できないとは思いますが,武器のカスタマイズがより奥深くなると思います。
4Gamer:
ちなみに,シジルのレシピ自体に変更はありますか?
木本氏:
それは今までどおりです。レシピの種類と,シジルにどんな特殊効果が出現しやすいかは,使用されるモンスターの素材ごとに傾向が決まっています。
4Gamer:
先ほど,覇種武器,覇種防具もG級に対応するという話が出ましたが,G級にすると,具体的にはどのような性能向上が見込めるのでしょう。
G級覇種防具は,従来の覇種防具よりスキル値や防御力が上昇するのに加え,覇種武器や天嵐武器との組み合わせで,武器倍率,属性値,状態異常値などが上昇します。また2部位以上装備すると,剣士は「斬れ味ゲージのランクアップ」,ガンナーは「クリティカル距離での威力アップ」および「強撃ビンの威力上昇」など,特殊効果が追加で発動します。
それから,G2アップデートでは秘伝防具にもG級対応の派生先を追加します。
4Gamer:
秘伝防具にもですか。それは白と赤の両方に派生先が加わるんですか?
木本氏:
はい。白と赤の強化派生先に,新たに黒と青の秘伝防具が追加されます。従来の「純白」は白の「白虎」と黒の「玄武」に,「真紅」は赤の「朱雀」と青の「青龍」にそれぞれ派生します。
4Gamer:
それぞれの派生先には,どのような違いがあるのでしょうか?
木本氏:
従来の純白と真紅の関係に近いです。武器種専用のスキルは共通で,「白虎」と「朱雀」は従来のスキルセットを引き継ぐ形,「玄武」と「青龍」は新しいスキルセットが採用されます。合わせて,防具のデザインも多少変わってきます。
それと,秘伝書についてもG級に対応させることにしました。
4Gamer:
G級対応で,秘伝書にどのような要素が追加されるのでしょう。
木本氏:
基本的には,G級の秘伝書を強化していくごとに武器倍率が上昇し,特殊効果を二つ選択できるようになるといった感じで,今まで以上にステータス上昇の伸びしろが増えます。
4Gamer:
具体的には,どのような特殊効果が追加されますか?
木本氏:
基本的には,各種のパラメータが上昇するようなものが多いですね。
たとえば,G2アップデートで新しく登場する極限征伐戦限定で,武器倍率が100とか200とか上がるようなものがあります。また「根性」スキルは,現状ですとG級クエストで恩恵をほぼ受けられなくなってしまっていますが,それと同じような効果をG級クエストで一度だけ得られるものもあります。
4Gamer:
G級秘伝書には,武器種限定の特殊効果はありますか?
木本氏:
特殊効果で武器種を限定するようなものはとくにありません。ただ,G級秘伝書を利用できるのはSR999まで上げた武器種だけなので,SRを上げていない武器種では利用できません。
4Gamer:
G級覇種防具やG級秘伝防具の生産には,どのような素材が必要になるのでしょうか。
木本氏:
G級覇種防具にはG級HC素材,G級秘伝防具にはG級武器魂に相当する素材が必要になります。それらは,新設するG級HCクエストで入手できるようになります。
4Gamer:
G級HCクエストを受注するには,クエスト専用のHCチケットなどが必要になるのですか?
木本氏:
いえ,G級HCクエストはHCチケット2枚で受注することができます。クエストに登場するのは,G級に合わせて調整をした特異個体です。
4Gamer:
G級とはいえHCクエストということは,防御力にマイナスの補正がかかるような特別な制約付きのクエストになるんですか?
木本氏:
G級ではそのような制約はつけません。純粋に,モンスターの強さがそのまま難度につながっています。
クエストでいうと,先ほど話に出た極限征伐戦も,G2アップデートの柱の一つとなる要素なんですよ。
4Gamer:
それは,どのようなクエストなんですか?
レベルの概念が設定されていて,クリアするたびに登場するモンスターが強くなっていくというクエストです。G2アップデートでは,極限征伐戦にはシャンティエンが登場します。
4Gamer:
極限征伐戦のレベルは,どれくらいまで上がるものなのでしょうか。
木本氏:
システム上ではかなり上がるようになっていますが,レベルが上がるほど攻撃力も上がるので,現実的にレベルを上げられるのは,数百くらいまでだと思います。
ただ,今のバランスだと,極限征伐戦に登場するシャンティエンの攻撃パターンは,予備動作を見極めればすべての攻撃を回避することもできます。ですので,最高レベルまで上げることも不可能ではないと思います。
4Gamer:
極限征伐戦では,1回の討伐でレベルが1上がるのですか?
木本氏:
少なくとも1レベルは上がりますが,たとえば,20分以内に討伐するというような条件を満たすと,それに加算してレベルが上がるようになっています。
4Gamer:
極限征伐戦では,プレイヤーごとにレベルが設定されるんですよね。レベルの異なるプレイヤーが一緒に挑戦する場合,レベルの扱いはどうなるのでしょう?
木本氏:
クエストのレベルは,受注したハンターに依存します。たとえば,受注したハンターの極限征伐戦レベルが100の場合,ほかのハンターの極限征伐戦レベルがいくつであっても,登場するシャンティエンはレベル100の強さになります。
4Gamer:
では,レベルの上昇についてはどうでしょう? 極限征伐戦レベルが1のプレイヤーがレベル100のクエストに参加してクリアしたら,レベル101まで一気に上がるようなことはあるのでしょうか。
木本氏:
レベルは基本的に,今お話ししたような条件の範囲内で上昇するので,受注した極限征伐戦クエストのレベルまで一気に上がるようなことはありません。
それと,自分より低レベルの極限征伐戦に参加した場合は,基本的にレベルは上昇しません。レベル100なら,レベル100未満の参加者はレベルが上昇しますが,レベル100以上の参加者は,クリアしてもレベルは100のままです。
4Gamer:
なぜそのような仕組みにしたのでしょうか。
木本氏:
極限征伐戦では,レベル上昇に応じて,報酬がより良いものになっていく仕組みです。クリアしたら必ず上昇する仕組みにしてしまうと,自分のレベルより低いクエストには積極的には参加しなくなって,マッチングがしにくくなるという事態が予想できます。
自分のレベルより低いクエストで上昇しない仕組みであれば,ほかのハンターの極限征伐戦に参加しやすくなると考え,このような形にしました。
4Gamer:
クエストのレベルが高くなりすぎてクリアできなくなったら,レベルをリセットできるそうですが,具体的にどうすればいいのか,教えてもらえますか。
木本氏:
まず,極限征伐戦は,狩人祭のようなイベント形式で,期間限定で実施されるクエストなんです。開催が終了すると極限征伐戦のレベルはリセットされて,次回開催ではまたレベル1から始めていただくことになります。ちなみに,最高到達レベルに関しては,いつでもステータス画面で参照できるようにしています。
また,開催中にシャンティエンのレベルが上がり過ぎて,自分ではクエストを受注できなくなっては元も子もないので,入手方法などはまだお話しできないのですが,専用のリセットアイテムを用意する予定です。
4Gamer:
なるほど。
木本氏:
ただ,このイベントでは,極限征伐戦の最高到達レベルのランキングも用意していて,上位数千名のハンターには,報酬が提供されるんです。レベルをリセットすると,当然ランキングもリセットされますから,その前にランキングで報酬がもらえそうかどうかを確認したほうがいいと思いますよ(笑)。
4Gamer:
シャンティエンの素材を取るかランキング報酬を取るかで悩みそうですね。ちなみに,シャンティエン素材を使った防具には,どんなスキルが付くのですか?
木本氏:
シャンティエンの防具シリーズは3段階に派生強化できるのですが,生産した直後は,その防具の固有スキルしか発動できません。強化して段階が上がると,固有スキルが強化されてさらに強力になるほか,別のスキルも発動できるようになります。
固有スキルは,既存の有用なスキルを詰め合わせたような複合効果を持っているので性能は優秀といえるのですが,ほかの防具と組み合わせるのが少し難しいので,基本的には,一式で装備して使用するタイプの防具になるのではないでしょうか。
4Gamer:
そのほかにも,G級向けに用意されたクエストなどはありますか?
木本氏:
ゲームをプレイしてクエストを受けていると,緊急クエストが出現することがあります。このクエストにも,新しいG級モンスターが登場します。
4Gamer:
緊急クエストというと,UNKNOWNのような乱入形式や,時間限定で不定期に出現する形式が思いつきますが,そのようなタイプのものですか?
いえ,クエストを受けていると一定確率で受付にそのクエストが出現し,受注できるようになるという形式です。クエスト受付の目立つところに出現するので,見落とすことはあまりないと思います。
受注できるのは1回きりなので,クリアまたはリタイアしたら,再び出現するまで受注できなくなりますが,基本的にはログアウトするまで消えることはないので,時間を気にする必要はありません。
4Gamer:
新しいG級モンスターが登場するとのことですが,クエストはどのくらいの難度なのでしょう。
木本氏:
登場するモンスターの名前はまだ秘密ですが,クエスト中にモードが変化して,スピード重視になったりパワー重視になったりするのが特徴です。G2で実装する中では,かなり高難度の部類に入るクエストだと思います。
4Gamer:
ここまでお話を聞いた限り,GRのクラス廃止と新実装のG級コンテンツ追加で,遊びの幅は広がりそうな気がします。
木本氏:
G2アップデートでは,従来のG級クエスト,G級HCクエスト,極限征伐戦の3つを柱として考えています。そして将来的には,狩人祭などほかのコンテンツともリンクし,より長期的な視点で楽しめるように大きくしていく予定です。
磁力を使うプロレスのような連携攻撃が特徴のゴウガルフは,G級クエストと剛種クエストに登場
4Gamer:
ここからは,G2アップデートで登場する新モンスターについて教えてください。
木本氏:
今回は,オルガロン以来の2体ペアで,毛並みが赤いほうがロロ・ゴウガルフ,青いほうがレイ・ゴウガルフという,牙獣種のモンスターとなります。
4Gamer:
今までのモンスターとは一風変わった,鮮やかな赤と青の毛並みが印象的ですが,デザインのコンセプトは何なのでしょうか。
木本氏:
ゴウガルフは,磁力を操った連携攻撃が最大の特徴となります。磁力を操るモンスターとしてはほかにルコディオラがいますが,今回は2体一組ということで,磁石のN極とS極をイメージしています。
4Gamer:
メインモンスターが牙獣種というのは,フォワード.2のゴゴモア以来となりますが,今回どのような理由で牙獣種にしたのでしょうか。
木本氏:
杉浦がお話ししたように,ゴウガルフはもともとG4アップデートで実装予定のモンスターだったのですが,G2アップデートに間に合うタイミングで実装できる完成度だったので前倒しした,というのが一番の理由です。もともとのコンセプトが2体一組でプロレスのような連携攻撃をするモンスターというものだったので,人型に近い猿型の牙獣種にしています。
4Gamer:
ムービーでアプケロスにバックドロップしているのを見て,そうかなと思っていましたが,やはりプロレス技がモチーフなんですね。
木本氏:
そうですね。基本的にはロロが連携の基点となるのですが,ジャイアントスイングでレイを放り投げたり上空に打ち上げたりして,ハンターを攻撃してきます。
ちなみに,今回ゴウガルフが登場するのは峡谷ですが,もともとはG4アップデートで実装する予定の新フィールドとセットで開発していたものです。
フィールドの開発は前倒しができなかったので,本領発揮はG4までお預けになるのですが,それでも十分新鮮に感じていただけると思います。
4Gamer:
ちなみにクエストでは,2体を分断させるようなことはできますか?
木本氏:
クエスト中にエリア移動することもありますが,1体が移動するともう1体が追随するので,分断するのは難しいと思います。また,今のところは,1体のみが出現するクエストを用意する予定もありません。
それと,ゴウガルフについては,G級クエストだけでなく剛種クエストも用意するので,G級に到達していない方でもHR100以上であれば,アップデート実装後すぐに挑戦できるようになっています。
4Gamer:
G級のオリジナルモンスターがG級未満のコンテンツに登場するのは初めてですよね。なぜ剛種クエストも用意することにしたのでしょう。
木本氏:
G1では,登場する新しいオリジナルモンスターはすべてG級のみ,というコンセプトでしたが,G級に上がるには時間がかかりますから,新モンスターになかなか挑戦できないというお客様も多くなってしまいます。
ですので,G2アップデート以降は新モンスターをG級限定とはせず,剛種クエストなども用意し,HR/SRハンターの方でも挑戦できるように方針を変更しました。
4Gamer:
ゴウガルフの素材から生産できる防具は,どのような特徴を持っていますか?
ゴウガルフ防具は,ローマの剣闘士をイメージしたデザインになっていて,G級防具では新しいG級スキルの喝(かつ)が利用できます。「喝」はスキルポイントについての考え方が今までとは異なっていて,+10の場合は攻撃力アップ,−10では防御力がアップするというように,プラスかマイナスかで,異なるスキルが発動します。
4Gamer:
少しややこしそうですね……。
木本氏:
防具5部位に「喝」のスキルポイントを割り振る形にすると,計算がかなり難しくなってしまいますから,スキルポイントがあるのは頭部位のみにしました。頭防具は2種類あって,+10または−10のスキルポイントが割り振られていますから,発動したい側のスキルポイントを持ったほうを生産してもらえればと。
加えて,このスキルが発動するのは自分だけではないという特徴もあります。
4Gamer:
それはどういうことですか?
木本氏:
「喝」のスキルが発動しているハンターが味方のハンターを殴ると,そのハンターにも自分の「喝」スキル以上の効果を,一定時間付与することができます。赤と青の効果は同時に付与できるので,かなりお得なスキルといえるでしょう。また,+の「喝」スキルと−の「喝」スキルを持つハンターがお互いを殴った場合,別の効果も発動するので,ぜひ試していただきたいですね。
4Gamer:
ゴウガルフのほかにも,追加されるG級モンスターはいますか?
木本氏:
まず,G1後半に登場予定だったG級モンスター3体は,G2アップデートのタイミングで登場させることにしました。
そのほか,詳細が一切不明のG級モンスターが2体登場します。いずれもシークレット扱いなので,実装後のお楽しみとなりますが,1体はシャンティエン同様に極限征伐戦に登場するモンスターで,もう1体が,先ほどお話しした緊急クエストに出現するモンスターです。いずれも相当手ごわいので,腕に覚えのあるハンターの方は,ぜひ楽しみにしていてください。
アノルパティス |
ギアオルグ |
レビディオラ |
4Gamer:
既存モンスターはどの程度,G級に追加されるのでしょうか。
木本氏:
登場順は未定ですが,ティガレックス,パリアプリア,グラビモス,ヴォルガノス,エスピナス,ラージャン,グレンゼブル,デュラガウア,イャンガルルガの9体を予定しています。そのほか,G級HCクエスト向けに,G級の特異個体が追加されます。
4Gamer:
そのほかに,G2アップデートで実装される要素には,どのようなものがありますか?
木本氏:
サブコンテンツとしては,「G級プーギー」「G級グーク」「G級マイトレ冒険屋」「G級ホルク」といった要素が用意されます。これらは最初にお話ししたように,GRを上げて一定のランクに達すると,利用可能になります。
G級プーギーを開放して,60マイトレポイントを納めると,G級スキルカフが利用できるようになります。G級スキルカフは従来と同様の方法で生産する必要がありますが,G級プーギーを開放すれば,すべてのプーギー服にG級スキルカフを装着できるようになります。
またグークでは,グーク鍋でG級素材を煮込んだときに,特別な素材が出るようになります。G級マイトレ冒険屋は,G級素材が手に入る「極海」にも行けるようになるというものです。G級ホルクは,学びの書を3つまで選択できるようになります。
細かいところでは,狩人祭の報酬やラスタの持ち帰るアイテムにも,G級素材が加わります。
4Gamer:
それでは最後に,あらためて読者に向けて,G2アップデートに向けての意気込みをお願いします。
「MHF-G」でリローンチを図るということで,G1に対するお客様の事前の期待はかなり高かったと思います。その期待を裏切ってしまったことについては,私自身も含めて,チーム全体で猛省しなければいけません。
G2アップデートでは,G1におけるお客様の動向やご意見をもとに,「MHF-G」を最初から構築し直しました。ただ反省の意を示すだけではなく,新たな面白さをきちんと提供しようと努め,新モンスターや新しいやり込み要素を盛り込んでいます。
我々としては最速の対応をしたつもりではありますが,G1実装からG2で改修するまで,待たせすぎだと感じているお客様もいらっしゃるでしょう。その点は,大変申し訳なく思っています。
正直に言えば,5月中旬に掲げた目標の8割程度の仕上がりではありますが,チーム全体で攻めの姿勢で臨んだ結果,次回のG3アップデートに向けて,何とか借金を少しは返せるようになった感じでしょうか。
続くG3アップデートの開発も,お客様から「頑張ったな」と評価していただけるよう,日々努力しています。G1で手を止めてしまったお客様も,ぜひG2を触って,もう一度「MHF-G」を評価していただけると幸いです。
木本氏:
G2アップデートでは,G1での反省を生かし,攻めの気持ちで面白い要素を追加しようと大きく改修を施しました。同じ失敗を繰り返さないよう,チェックや調整にも最大限の力を注いでいきますので,ぜひG2アップデートで「MHF-G」をプレイしていただければと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「MHF」をリローンチする意気込みで臨んだG1アップデートは,杉浦氏と木本氏も認めるとおり,残念ながらかなり深刻な規模の不振となってしまった。
しかし「MHF-G」チームには,ローンチから6年,度重なる試練を乗り越え,MHFを国内のオンラインゲームの代表的存在として育て上げた経験と実績がある。
オンラインゲームでは,新規コンテンツの開発上の意図と,プレイヤーの需要が食い違うことはまま生じることであり,「MHF-G」の前身にあたるMHFでも,大型アップデートの目玉として実装されたものの,あまり盛り上がらなかったコンテンツが,のちにリファインを重ねて人気コンテンツになったという事例もある。その実力が,G2以降もMHF-Gで遺憾なく発揮されることに期待したい。
「モンスターハンター フロンティアG」公式サイト
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