インタビュー
「戦場のエルタ」,5/23にリニューアル後初の大型アップデート。動き始めた2013年までの長期アップデート展望を,HUE代表と運営・開発チームに聞いた
このアップデートでは,新たな大陸「ディスケロア」が追加され,ストーリーが大きく進行すると同時に,プレイヤー待望のレベルキャップ開放が行われる。
今回,4Gamerでは,同アップデートの概要と,戦場のエルタの2012年から2013年にかけての展開について,以下の4名に話を聞いてきた。
HUE 代表取締役 CEO キム・ユラ氏
Hanbit Soft 戦場のエルタプロデューサー ジョン・ジンホ氏
Hanbit Soft 戦場のエルタ企画チーム長 ハ・サンベク氏
HUE 戦場のエルタ 運営リーダー“ジャスティン”こと上原弘靖氏
エルタ達は新大陸「ディスケロア」へ。そこは次期大規模戦闘コンテンツ「資源戦争」の舞台
「戦場のエルタへのリニューアル以降,日本のプレイヤーさんからは、本当にさまざまなご意見をいただいています。そういった日本からの要望に無理なく応えられるよう,私自身が韓国へ行って開発チームの増員を要請してきました。現在増員され作業が進んでいる状況です。開発チームは,日本の皆さんのリクエストに応えられるよう,非常に前向きに取り組んでいますので,今後はアップデートの速度も上がることと思います。ぜひ期待してください」(キム氏)
「そうですね。開発チームでは今後の大型アップデートに応えられるよう,増員したメンバーを集中的にレクチャーしています。約1か月で会社に慣れてもらい,そこからそれぞれの専任業務へ移行してもらいます。アップデートのピークを迎える数か月後には,十分な体制ができているはずです。
もちろん,日本のプレイヤーからの刺激的な要望にも柔軟に答えられることでしょう」(韓国開発チーム)
「ディスケロアは,日本で2012年内実装予定の新たな戦争コンテンツ『資源戦争』の舞台となります。資源戦争には,国家間でファシオンを奪い合うという背景がありますが,今回実装されるエリアは3か国それぞれに固有のものとなり,まだ国家間の戦闘はできません。今後のアップデートでエリアが追加されていくことにより,徐々に戦争状態に入っていきます」(上原氏)
新インスタンスダンジョン「アヴィソス関門」は,レベル71から進入可能(推奨レベル80)で,ゼレカが封印された地に繋がっているという設定だ。内部には3つの門が設置されており,それぞれにボスモンスターが配置されている。
「門を開ける鍵は,ボスドロップではなく,別途入手することになります。したがって,誰かがボスを誘い出しているうちに,門を開けて先に進むなんてことも,ひょっとしたらできるのかもしれませんね(笑)。
最後の門にいるボスを討伐することで,今回のダンジョンはクリアとなります。現在はまだ詳しくはお話しできませんが,その先には,皆さんにも馴染みのある“あの敵”との最終決戦に向けた展開へと進んでいく予定です」(上原氏)
また,レベルキャップが従来の80から85に引き上げられ,それに伴いレベル81で習得可能な新スキルが,各クラス一つずつ追加される。
さらに,レベル80通常装備/スペリオル装備と,戦争で一定のキル数を稼ぐと購入が許可されるレベル85名誉装備,上記のアヴィソス関門のボスからドロップするレベル85ユニーク武器が登場する。
「前回の80ユニーク装備に続き,今回のレベル85名誉装備,レベル85ユニーク武器は新規デザインになっています。ぜひ入手して,その強さと見た目の違いを堪能してください」(上原氏)
対戦ゲームとしての魅力を最大限に引き出すのは,二つの新コンテンツだ
エルタアカデミーは,全3ステージで構成され,それぞれ「協力してモンスターを倒せ」「攻撃を回避しろ」といった,大規模戦争に必要な集団行動に関連する課題が提示されるとのこと。
「各ステージをクリアごとに報酬がもらえ,みごと全ステージクリアすれば,装備や経験値が大幅に獲得できるアイテムなどが入手できます」(上原氏)
短時間かつ時間帯を気にせず参加できるので,非常に気軽に楽しめるコンテンツに仕上がっていると言える。
さらに新規プレイヤー向け施策としては,「レベルアップサポート」のプレゼントもリニューアルされる。従来のノーマル装備に代わって,レベル70到達時には戦争に参加できるレベルの実用的な装備が提供されるとのことだ。
「エルタアカデミーでは,戦争初心者がモンスターとの集団戦闘を通して自分から戦いを仕掛ける課題などもあり,実践的な内容となっています。レベルアップサポートを併用することで,新規プレイヤーの大規模戦争参加へのハードルが,ぐっと下がるのではないかと期待しています。
また,エルタアカデミーは,低レベル時には1回参加するだけで,レベル50以上になっても2〜3回の参加で1レベル上がります。ぜひ繰り返し参加して,大規模戦争の魅力を体験し,レベル70になったら本番の戦争に参加してください」(上原氏)
そして二つめ。従来の「エルタグループバトル」が,レベル71以上対象の「エルタアリーナ」にリニューアルされる。このコンテンツは,参加プレイヤーが国家の枠を超えて2チームに振り分けられてチーム対戦を行うというもので,ルールも従来のデスマッチからリスポーンありのポイント制に変更される。加えて戦場マップには両チームの旗が立てられており,敵チームの旗を倒すと高ポイントを獲得できるという。
さらに,勝者チームのプレイヤーに,より多くの報酬が与えられるのは当然だが,負けたチームにも参加賞的な報酬が用意されていると上原氏は語る。
「勝ちを目指していただくのはもちろんですが,参加することにも意義があるコンテンツなんです」(上原氏)
具体的には,封鎖戦に勝利した国家は,次の封鎖戦の目標点数が20ポイント加算(最大300ポイント)され,ほかの2国は5ポイント減少(最小50ポイント)されるという。
「従来の封鎖戦は目標得点が固定されており,100ポイントを取った国家が勝ちとなっていました。現在の状況ですと全国家が80〜90ポイントくらい取れることもあり,大きくバランスが崩れているわけではないのですが,国家間の参加プレイヤー数の差で勝利が見込めないとなると,どうしてもモチベーションが下がってしまいます。そこでよりよいバランス調整を図るべく,目標点数変動システムを導入してみました」(上原氏)
なお,上原氏いわく,封鎖戦のPvP要素復活を望むプレイヤーも少なからずいるとのことで,期間限定イベントなどでそうした要望に応えることも検討しているそうだ。
当面の目標は世界大会の実現。日本発のコンテンツ実装やタブレットPCでの展開も?
「今後の戦場のエルタの展開ですが,2012年6月には早くも次のアップデートが予定されています。このアップデートでは,自動戦闘システムの導入とユーザーインタフェースの大幅な変更,血しぶきなどの演出追加など,約20項目の追加/変更を予定しています」(韓国開発チーム)
続く2012年7月からは,冒頭で上原氏が言及した資源戦争の情報が順次公開される予定だ。残念ながら,先行する韓国でもまだ資源戦争の内容をまったく告知していないとのことで,今回のインタビューでは具体的な情報を得られなかったのだが,4Gamer独占で特別にジンホ氏から今後の展開のヒントをいただけた。
「今,戦場のエルタにはさまざまな戦争がありますが,これから実装される資源戦争はその中核的な存在となるものです。今の段階で言えることは,資源戦争は高レベルプレイヤーだけでなく,低レベルプレイヤーも間接的に参加できるなど,多様なレベル層が楽しめる内容になっているということです。詳細については,2012年7月,韓国とほぼ同時に情報公開する予定です。日本の皆さんからのご意見も積極的に反映していきますので,期待してください」(韓国開発チーム)
まずは新規プレイヤー全員が1か所に集められ,ゲームの内容や各国家の動向をある程度把握したあとに,初めて所属国家を選択できる流れになる。
また,このサーバーには,各国家のベテランプレイヤーが新規プレイヤーを勧誘できる仕組みを導入する予定とのことだ。
「例えば,『ウチの国家に来れば,レベル上げを手伝うよ』というような勧誘活動ができるわけです。個人商店も開けますから,多数のプレイヤーがコミュニケーションを図れる大規模商業都市のような雰囲気にしていきたいですね」(上原氏)
日本から提案したコンテンツとしては,「マウントレース」を2012年末実装目標で開発しているという。レース専用のコースが設けられ,観戦モードも用意されるという。さらにゲーム内通貨を使った競馬的なオッズ要素も予定しているとのことだ。
そうなると気になるのが不正行為だが,すでにいくつかのシステム的な対策を検討しているという。
レース実装に向けて,マウント自体もこれまでにない外見のものが順次登場するとのことで,上原氏は例として,プレイヤーキャラが抱っこされて走るものや,プランを肩車するものなどを挙げていた。
また,レースではコースにトラップを仕掛ける要素も構想されており,それらを回避しやすいなど,コースによって少し有利な性能を持つマウントも追加予定とのことだ。
ただ,見た目が綺麗というだけでなく,別の切り口のコンセプトも取り入れていきたいと思います。ぜひアイデアをお寄せください。
実際,日本のプレイヤーさんからは,これまでにも,戦争コンテンツが売りのタイトルなのでマウントに乗ったままの戦闘がしたいとか,ゲームに参加して間もないレベルが低いプレイヤーさんでもフィールドに罠を仕掛けて戦争に参加できるといいといった,私から見ても今まで以上に戦場のエルタを面白くするような意見をたくさんいただいているんですよ」(キム氏)
そのほか,装備の外見を変える「チェンジング」を1回限りではなく,別の装備にも引き継げるようにするといった,プレイヤーからの要望についても,現在,運営チームと開発チームで実現に向けて取り組んでいるとのことである。
とくにチャットシステムには大きく手が加えられ,チャットウィンドウを複数開けるだけでなく,各ウィンドウともタブでチャンネルを切り替えられるよう,改善を進めているという。
これが実現すれば非常に利便性が高くなり,戦争時などに必要な情報をより把握しやすくなるはずと,上原氏は話す。
「戦場のエルタは,現在10か国以上で展開しており,2012年6月には中国でのサービスインを控えています。こういった状況を踏まえて,ぜひPvPの世界大会を開催したいと考えています。
すでに韓国内では例年PvP大会が開催されていますので,まずは,そのシステムとノウハウを応用した日韓大会を実現したいですね。現在のところは,2012年末から2013年初頭の開催を目標にしています。
戦場のエルタの最大の魅力である,ダイナミックな戦争をアピールする大きなイベントにしたいです。もちろん,世界大会をやるときは,私がいる日本で開催しようと思っています(笑)」(キム氏)
さらにキム氏によれば,クラウドを介して(サーバー側でゲームを実行して,クライアントに映像を送る)タブレット端末などで自社タイトルをプレイできるようにするシステムも開発中とのことである。戦場のエルタへもこのシステムを流用したシステムを検討中ということなので,今後の展開が期待される。
また,キム氏は,この件に限らず,より多くの人が戦場のエルタを気軽にプレイできるよう,HUE社内で日々検討しているとも話していた。
最後に,開発チームを代表してジンホ氏から,そしてHUEを代表してキム氏から,戦場のエルタの今後の展開に期待している人に向けたメッセージを掲載して,インタビューの締めとしよう。
「戦場のエルタは2005年から開発しているので,私自身,非常に長く関わってきました。“低スペックPCでも大規模戦争を楽しめる”というコンセプトにはかなり悩まされてきましたが,今や10か国以上でサービスしており,私にとっては誇れるタイトルになっています。2012年から2013年のアップデートを通じて,ストーリー的にも一つの節目を迎えますから,私達開発チームも今まで以上に注力していきます。よろしくお願いします」(韓国開発チーム)
HUEは,単なる企業規模では計れない,充実したサービスの提供を目指しています。その取り組みの一環として,戦場のエルタも2012年から2013年にかけて大きく展開していきますので,楽しみにしていてください」(キム氏)
「忘れられた大地ディスケロア -序章-」特設サイト
「戦場のエルタ ロード オブ マーシャル」公式サイト
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戦場のエルタ ロード オブ マーシャル
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