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印刷2008/02/07 11:55

連載

カジュアルオヤジのオンラインFPS教室
第4回:今回はゴーストマッチで撃ちまくり。敵がよく見えないけど

 

 

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 カジュアルなミリタリー系オンラインFPSを次々に紹介して人々を魅了し,すっかりその気にさせて,いずれは世界を征服してウハウハという週刊連載「カジュアルオヤジのオンラインFPS教室」が木曜日だから自動的に始まるのである,いや,世界征服は無理かもしれないが。
 さて,今週は前回までとちょっと雰囲気が違うことにお気づきだろう。見かけはまったく変わっていないかもしれないが,実は今回から「まだ日本国内で正式サービスが行われていないタイトル」の紹介へと突入するのである。考えてみたところ,今の国内でサービスされているミリタリー系オンラインFPSは前回までに紹介した「WarRock」「サドンアタック」「SPECIAL FORCE」の3作だけであったが,だからって連載を3回で終わらせられないというか,そういうことは始める前に気づいていろというか,なんとかなるだろうと思っていたけどなんともならないまま,こうして約半世紀が過ぎようとしているオレの人生どうなのよ,というか,まあそういうことである。ぜひ分かっていただきたい。

 したがって,今回からは「日本での正式サービスが予定されており,代理店もちゃんとあり,ついでにクローズド(もしくはオープン)βテストもやっているのでともかくプレイできた」というタイトルの紹介に移らせていただく。もちろん,筆者でありカジュアルオヤジであり,なおかつ長いこと独身の私がすべて実際にプレイしてのインプレッションをお届けするので,眉にツバをつけて拝聴するように。しなくてもいいけど。

 

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 さて,今回紹介するのはアラリオが国内での正式サービスを予定している「クロスファイア」だ。本作の開発は韓国のSmileGateが当たっており,あちらではNeowiz Gamesがサービスを行っている。日韓とも,クロスファイアは,このジャンルの最後発グループに属するため,いろんな点で違いを出し,ライバルとの熾烈な競争を戦い抜かなければならない状況である。
 ちなみに私は,2008年1月10日から24日まで開催された“来る者こばまず”式のトライアルテストをプレイしてこの記事を書いている。したがって,実際に正式サービスが始まった時点では,記事の内容とは微妙に違っている場合があるかもしれなので,その点はご了承願いたい。もちろん,始まってみたらオンライン学園恋愛シミュレーションになっていた,なんてことはめったにないので安心してほしい。おそらく。
 では,現在分かっていることを表にまとめたので,見るがいい。わっはっは。

 

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サービス開始日 2008年春
発売元 アラリオ
開発元 SmileGate

 

最大参加プレイヤー数:16人(8vs.8)
ゲームタイプ:チームマッチ/チームデスマッチ/ゴーストマッチ
マップ数:6種類
武器の種類:メイン武器10種類(テストなのでやや少なめ)

 

雰囲気:スポーツ系
ヘッドショット:有効
同士討ち:×
選べる勢力:二つ

 

世界観:
 テロ鎮圧傭兵部隊であるGlobalRisk(グローバルリスク)と国際テロ組織BlackList(ブラックリスト)が戦うのだから,組み合わせとしては「カマボコとカマボコ板」ぐらいにピッタリ合っている。もっとも,GlobalRiskは傭兵であり,利潤追求のために資金が豊富な大国の仕事ばかり請け負っていると非難されることもあり,またテロ組織とはいえBlackListは,大国の恣意に翻弄される小国の権利を守るための戦いをしており,一概に「いい人」対「悪い人」の戦いにはなっていない。なので,たとえテロリスト側を担当することになっても,正義のためだと味方を撃ちまくったりなんかしちゃダメである。第一,当たらないし。時代背景は現代のようで,火器類も実在するものをベースにしているが,一つだけ驚くべきハイテクガジェットが登場するので,ちょっと未来の話なのかもしれない。

 

 

クロスファイアの公式サイトは「こちら」

 

 ゲームの中で銃を撃ったときの感覚。銃撃音や振動,排莢のアニメーションなどがポイントで,悪い場合は「薄い」「ショボい」「スカスカ」など。よい場合はちょっと難しく,「銃撃感が抜群」「よく再現されている」だろうか。個人的に銃撃感を左右する一番の要素は,命中したときの敵の様子にある。物理エンジンで華麗に吹っ飛ぶもよし,血煙を上げるもよし,アニメーションでもんどり打つのもよしで,ここがうまくできているゲームがやはり面白い。出血やゴア表現などであんまり派手なことのできない(そうでないタイトルもあるが)カジュアルFPSの場合,このへんの見せ方もまた重要だ。当たってんだか当たってないんだか分からないのではイカンね。

 

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やられっぷり三連発。クロスファイアに出血表現はないが,その分ぶん,やられるとかなり派手にひっくり返るので銃撃感は良好。だが,やられた場合のやられた感も高い

 

 

 

こんなものが売られるんじゃないか

 

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 さて,正式サービスがまだということで,いろいろ未確定なのだが,どうやらクロスファイアでも,武器の入手は「ゲームで溜める経験値」によるものと,「有料で購入する」ものの2本立てになりそうだ。武器以外では,以下の大きく3種類のカテゴリに分けられるアイテムの販売が予定されている。
 まずは,「着せ替えアイテム」。トライアルテストでは敵と味方,2種類のユニフォームしかなく,ある意味これはこれでなかなか潔かったのだが,今後は自分のキャラクターを主張できる着せ替えアイテムの販売が計画されている。特別な機能アップはないか,あってもごくわずかで,ヘルメットやパウチなど,あくまでも見てくれを変えて格好良さを演出する小道具となるはずだ。
 次は「機能アイテム」で,これは上記の着せ替えアイテムにさまざまな機能を付与したものと考えていい。例えば,特殊ゴーグルを購入することで,経験値やゲーム内ポイントの獲得量が増えたりなどするといったあんばいだ。
 そして残る一つが「レコードアイテム」。こちらは,例えば「マナー数値」を初期化したり,「キル/デス」を初期化して暗い過去を清算したりといった機能を持つもの。ただしこのレコードアイテムについては,企画の初期段階とのことで,正式サービスには間に合わない可能性もあったりなんかする。
 以上の3カテゴリのほか,ゲーム内のプレイをより円滑にするアイテムや,クラン活動をより豊かにするアイテムなど,各種のお役立ちグッズが企画されている。

 

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 武器の販売に関しては,今のところ未確定なところが多いようで,多くの類作のように使用期間の決まったレンタル制になるのか,あるいは永久に使えるようになるのかはたぶん内部では決まっているのだろうけど,公表されていない。もっとも,運営に当たるアラリオとしては,「有料アイテムによってゲームバランスに影響を与えることは避けたい」意向のようなので,無難にまとめてしまうが,みんなも楽しみに待っていよう!

 

 

 

全世界を股にかけた熱い戦いを繰り広げまくろう

 

 クロスファイアはチーム戦がメインだ。今のところ個人戦は用意されていないので,一匹狼が好きな人や友達がいないという人もチームメイトと共に勝利を目指すがいい。ゲームモードとしては以下の3種類が用意されており,いずれも最大参加プレイヤー数は8人対8人となっている。

 

チームマッチ
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 GlobalRiskとBlackListに分かれて戦うチーム戦。メキシコ,トルコ,そしてノルウェーを舞台にした3種類のマップが用意されている。敵を全滅させるか,サーバーによって決められたミッションをクリアして勝負を競う。その試合を5〜13ラウンド戦って,半数以上を先取したチームが最終的に勝利を収めるという感じで,チームワークと戦略がものをいう。やられたらリスポーン(また戦場に甦ってくること)はなく,一試合決着がつくまで死にっぱなし。

 

チームデスマッチ
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 敵味方正面衝突し,あらかじめ決められたキル数に達したほうが勝利だ。制限時間内に勝負がつかなかった場合,キル数の多いほうが勝つ。倒されてもまた戦場に復活できるので,安心して突撃できる。とはいえ,無謀な突撃は,お父さん,あまり勧められないな。メキシコとイギリス,二つのマップを舞台として戦うことになる。銃の操作や勘どころなどを覚えるにはもってこいで,ビギナー向きのゲームモードだ。もちろん,勝利のためにはチームワークも欠かせない。

 

ゴーストマッチ
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 クロスファイアの特徴的なゲームモードがこちら,ゴーストマッチだ。攻撃側のBlackListは姿が消える「ゴーストツールキット」(まんまですな)という超ハイテク装備を使い,こっそりC4爆弾を要所に仕掛ける。守備側のGlobalRisk側はそれを阻止するのが目的だ。ただし,姿が見えないといってもそれは静止しているときだけで,移動すると微妙に残像が残るので,守備側はその残像と足音/呼吸音などを手がかりに敵をしとめるという寸法である。攻撃側の武器はナイフだけなので,よほど接近されない限りやられる心配は少ない。

 

 

 

さあ戦おう,レッツゴー! オレ様!

 

 クロスファイアにおける話題の中心はやはりゴーストマッチである。とはいえ,相手が見えないので非常に写真映えがしないという苦しい展開。BlackList側でプレイすると,いきなり透明になってスタートするので最初はビックリしたなあ,もう。ちなみに,透明になる前に「クローク機能!」なんて声を出す必要はない。それ,違うゲームなので。

 

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透明になれるのは有利だが,爆弾の設置場所が決まっているので,そこで敵に待たれてしまう。個人的には守備側が有利と思う

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開始前に示される分かりやすいTips。呼吸音/足音が重要なだけに,なかなか息詰まるプレイになる。けっこう,緊張します

 

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舞台となるマップは一つで,地下の秘密研究所。このモヤモヤ光るものに爆弾を仕掛けるのである。なんだろ,これ?

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とりあえず,いそうな所にぶっ放すと,ごくたまに敵がバッタリ倒れて愉快である。ナイフ一本で渡りあうのはちょっと難しい

 

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ご覧のように,屋外シーンのグラフィックスは明るい感じだ。こんなところで,SWATユニフォームはちょっと目立ちすぎだが

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「見敵必殺,だが深追い厳禁」がオンラインFPSのコツだ。遠すぎて見えないが,敵を一人倒したところである

 

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マップはそこそこの広さ。流血量は少なめ(というか,ない)だが,派手なアクションで倒れるので,命中した感じは伝わる

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ユニフォームの色が対照的なので,敵味方の識別はしやすい。とはいえ同士討ちはないので,味方を撃つと照れくさいだけである

 

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通常,持ち歩けるのは,メイン,サブ武器とナイフ,そして投擲武器というスタンダードなセット。武器はポイントで入手する

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このミッションでは,敵が設置した爆弾を解除しなければならない。キー操作が分からず爆発させてしまったのは筆者である

 

 

 

今後の展開のことなど,少々

 

 というわけで,ゴーストマッチが異色の本作,クロスファイア。最後に,4Gamer編集部の高度な諜報能力を発揮して獲得した新情報などをお話しよう。いや,ゲタを放り投げて占ったわけじゃなくて,ちゃんと聞いた話なので安心していただきたい。え? 水晶玉? いや,水晶玉は少ししか使っていないので安心していただきたい。

 さて,アラリオは正式サービス開始に合わせてマップの追加を考えている。まあなんだ,トライアルテストの6種類ってのはいかにもテストっぽく,要するに少なすぎだったので,これはこれで当然かと。というわけで,追加される新しいマップは以下の四つ。

 

  • Transportship(輸送船)[チームデスマッチ用]
  • Colombia(コロンビア)[チームマッチ用]
  • Sub Base(潜水艦基地)[チームマッチ用]
  • Lost Relics(古代遺跡)[ゴーストマッチ用]

 

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初公開の,新マップ画像だと思われる画像

 

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 それぞれのゲームモードに1〜2枚のマップが追加される形だが,「今後も,最低でも月に1回はプレイヤーにとって魅力的なマップをアップデートしていく予定」(アラリオ)とのこと。オンラインに限らず,FPSではマップの出来不出来がかなり重要な要素になるだけに,どういうマップであるのかも気になるところだ。
 もちろん,武器類の増加も検討されており,こちらも最低2週間に一度は新しい武器をリリースしていきたいとのこと。とはいえ,武器に関してはまだ検討の初期段階とのことで,公開できる状態ではないらしい。
 さらに,自分のアイテムを友達に贈れる「プレゼント機能」や,クラン同士が戦える「クラン戦」,試合の様子を観戦できる「オブザーバー」機能や,初心者向けのチュートリアル機能などが用意されるとしている。
 正式サービスで,これらの中からどの程度のものが実装されるかは分からないが,テスターの反応はやはりゴーストマッチへの期待感に集中していたとのこと。新たなオンラインFPSタイトル,クロスファイアはもうすぐ正式サービス開始だ。

 

 

■■松本隆一(ゴースト社員/編集者)■■
 カリフォルニアのユニバーシティに留学していたこともある洋ゲー系編集者。日頃から「FPS」のことを「FTP」と言ってしまったり,「Ubi」のことを「USB」と言ってしまったりといったミスを連発している。本人曰く「英語が苦手」とのことだが,単にお年のせいという気がしないでもない。本連載をスタートさせるときも「オンラインFTPの連載をやる」と発言し,編集長に「オフラインFTPというものがあるのか」と問い詰められていた。それでいいのか諸君。
  • 関連タイトル:

    クロスファイア

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