こだわりの爆走感を味わえる「TrackMania United」の最新画像7点を掲載

　ループあり，ジャンプ台あり，直角ターンありの，およそ現実にはありえないようなコースをプレイヤーが制作し，そこを爆走するユニークなレーシングゲームが「トラックマニア」シリーズだ。こだわっているのはひたすら「爆走」。そのスピード感を重視するあまり，いまどきのレースゲームにもかかわらず「スピードを落とす要因になる」という理由で車体の衝突判定が取り払われてしまっているくらいなのである。
　そんなシリーズの最新作が，「TrackMania United」である。制作発表があったのは半年前の2006年6月のことだが，開発元Nadeoの本拠地であるフランスをはじめとして，ベルギーやカナダなどのフランス語圏ではすでに11月から先行販売が行われている。そのほかの地域（英語およびドイツ語圏など）でも，2007年第一四半期中に正式販売される予定。今回，ここに掲載した7点のスクリーンショットも，イギリス市場向けのプロモーションとして用意されたもののようだ。

　TrackMania Unitedは，完全な新作というよりは，これまでの3作（「TrackMania Original」「TrackMania Sunrise Extreme」，そして「TrackMania Nations」）を一つにまとめ（Uniteした）たものである。つまり，ソロプレイでも200種ほどのコースを爆走でき，コース制作用のコンストラクション・ブロック（パーツのようなもの）も実に1000種類に達するという膨大な量になっているのだ。もちろん，照明効果からビデオ編集機能まで，グラフィックスの質やツールなども全体にパワーアップしている。



　TrackManiaシリーズはまた，数千人単位のゲーム大会が開かれるなど「世界で最も遊ばれているオンラインレーシングゲーム」でもある。メーカーがオンラインコミュニティの場を提供しているのもシリーズの魅力の一つで，「ManiaZone」では，国単位だけでなく，州や町，果ては各学校単位にまで細分化したゾーンを作成でき，それぞれのゾーンの中でレースを楽しんだりランキングが集計されたりするという。
　さらに，ゲーム内からアクセスできる「ManiaLink」からは，新しいコースや車体のモデルやテクスチャ，レース用音楽など世界中のファンが制作したものを，ゲーム通貨であるCopperを使って買えるというMMOGライクな仕様もある。レースゲームを軸にしたソーシャルネットワーキングサービスへと進んでいる気配さえあるのだ。

　現在のところ，TrackMania Unitedの日本語版は発表されていないが，すでにManiaZoneではJapanというゾーンが作成され，何人ものプレイヤーがランキングされている。トラックマニアが大好きというマニアだけでなく，良質のオンラインゲームサービスを探している人は一度ManiaZoneを覗いてみるといいだろう。

　とはいえ，TrackMania Unitedには，TrackMania Nationsと同じく，ロシア製のコピー防止プログラム「StarForce」が同封されているのだが，このソフトは，一般的な方法でアンインストールするのが難しいうえ，Windowsの不安定化やセキュリティの弱体化との関連が指摘されている。本作に興味のあるゲーマーは，このことをちょっと心に留めておいてほしい。（奥谷海人）