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[AGDC 08#08]「Deus Ex」のリードデザイナーが「ボクらは最高に幸せだ!」と語るわけ
ハーヴィー・スミス氏 |
スミス氏は,名プロデューサーWarren Spector(ウォーレン・スペクター)氏の右腕として,「Thief」や「Deus Ex」の開発部隊を引っ張ってきた人物だ。ION Stormの解散と共にスペクター氏と袂を分かち,Midway Entertainmentへ移りエグゼクティブプロデューサーとして「BlackSite: Area 51」を担当した。
しかし,BlackSite: Area 51の発売前後にMidway Entertainmentの企業体質を公的に批判。そののちに同社を離れた。現在は,「Dark Messiah of Might and Magic」を開発した,フランスのArkane Studiosに籍を置いている。
基調講演のタイトルは,「Luckiest People Alive」(地球で最も幸せな人達)で,それはゲーム開発者を指しているのだという。スミス氏はその理由を,「人に夢を与えながら自分も楽しめ,今後も成長が見込める業種だから」と説明していた。「ゲーム業界にはまだまだチャンスがある。ここにいる人の多くは,物心が付いたときから3Dゲームに触れてきたはずだ。その感性で新しいことに挑戦することに恐れず,自分を飛躍させてほしい」と,集まった学生達に熱いエールを贈っていた。
Arkane StudiosがPCとXbox 360用に開発しているFPS「The Crossing」。シングルプレイとマルチプレイモードを混合させるという変わったシステムになるというが,果たしてどんなものなのだろうか |
スミス氏は,どんな状況でもチームをまとめ,何か凄いことをやっていると思わせてくれるスペクター氏に,いつも助けられていたと話していた。また,スミス氏は講演の中で「私が長らく親しんできた第一人称カメラ視点のゲームを追求したい」と,スペクター氏が以前筆者に語っていたのと同じことを話していたことからも,スミス氏がスペクターに寄せる信頼が分かるだろう。
現在スミス氏は,Arkane Studiosで「The Crossing」というFPSを,PCとXbox 360向けに開発している。まだ情報はほとんどないものの,デジタル配信システム「Steam」で2008年内にリリースされる予定だ。
また,このほかにスミス氏がArkane Studiosとしては珍しいストラテジーゲームを計画していることが明らかになった。これは,iPhone向けに開発されており,カジュアルなものになるという。スミス氏がいままで手がけてきたゲームとはかなり異なるが,久々に「やりたいことを見つけた」といった様子だった。続報にも期待したいところだ。
- 関連タイトル:
The Crossing
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