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印刷2008/02/18 20:51

連載

剣と魔法の博物館 〜モンスター編〜
第73回:ウンディーネ
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 医師/錬金術師のパラケルススは著書「妖精の書」の中で,万物は地水火風の四つの元素によって構成されている,との概念を記している。そして,それらの元素を象徴化したものが,地の精ノーム,水の精ウンディーネ,炎の精サラマンダー,風の精シルフだ。これらは今日のファンタジーでは定番の存在となっているので,ご存じだという人も多いことだろう。
 これらは全身が燃えていたり,地下に生息していたりと,各属性を象徴するような特徴を持っているほか,独特の容姿や性格付けなどもされており,単なる元素としてではなく,キャラクターとしても興味深いものとなっている。ここではその中から,ウンディーネに着目してみたい。

 一般的なウンディーネのイメージは,美しい女性の姿をした水の精霊というものだろう(アメーバのような不定形の水の塊としている場合もあるが,こちらはウォーターエレメンタルと呼ぶほうがしっくりくるだろう)。
 ウンディーネは水辺などに生息しており,性格は温厚。人間に対して,積極的に敵対行動をとることはない。もし何らかの事情によって戦闘になった場合は,水に由来する魔法を繰り出してくるため,彼女たちのテリトリーである水辺で戦うことだけは避けたいところだ。水中に引きずり込まれるようなことになれば,動きは封じられ,状況によってはいとも簡単に溺死させられてしまう。

 テーブルトークRPGでは,ウンディーネは物語を彩る存在として活躍させやすい。後述するタブーなどを上手に使えば,シナリオの深みが増すことは間違いないだろう。
 ちなみにウンディーネというネーミングについては,ラテン語で波を意味するundaから来ているともいわれている。また水の精霊を題材にした戯曲などでは,オンディーヌ(Ondine)という言葉が見られるが,こちらはフランス語読みである。

 

 ウンディーネは魂がない存在だが,人間と恋/結婚をすることで魂が宿るという。しかし,生半可な気持ちでは,その恋は成就しないだろう。
 ウンディーネと人間の恋を描いた伝承の多くは,悲恋に終わっている。実はウンディーネとの恋愛には制約があり,「水辺で罵らないこと」「浮気をしないこと」の二つを守る必要がある。前者を破った場合,彼女は水の世界に帰ってしまうし,後者を破った場合,ウンディーネは夫を殺さなければならないのだ。そして多くの物語が,そのタブーを犯してしまった結果,悲しい結末を迎えるのである。

 こうした悲恋を描いた物語では,ドイツのロマン主義作家フリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケの「ウンディーネ」(邦題:水妖記)が有名だ。同作では騎士であるフルトブラントが森で迷ってしまい,とある民家にたどり着く。そこには年老いた夫婦と金髪で美しいウンディーネという娘が住んでいて,フルトブラントは一目惚れ。司祭の祝福を受けて結婚することになるのだ。
 彼女は自分が水の精霊であることを明かすと,決して水辺で罵らず,貞節を守ってほしいとフルトブラントに告げた。フルトブラントはこれを約束したが,時とともにその心は,領主の娘ベルタルダへと傾き,やがてウンディーネにつらくあたるようになってしまった。結果として,水辺で罵られたウンディーネは水の世界へと帰ることになり,さらにフルトブラントとベルタルダが結婚してしまったために,ウンディーネはフルトブラントを殺すことになってしまうのである。
 ある夜,フルトブラントが眠っていると夢にウンディーネが現れ,城にある泉のふたを取ってはいけない。ふたを取れば水の精霊が危害を加えるだろうし,掟に従ってあなたを殺さなければならないと伝えた。しかし,そんなことを知らない妻ベルタルダは,泉のふたを外してしまう。そこから現れたウンディーネはフルトブラントを抱きしめると接吻をし,「あの人を涙で殺しました」と告げると,姿を消してしまった。こうしてフルトブラントは亡くなったのだが,その墓標の周りには泉が湧いた。人々は,フルトブラントの死後も,ウンディーネが彼を抱いているのだろうと話したという。

 

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「新説RPG幻想事典 剣と魔法の博物誌〜モンスター編〜」2月28日に全国書店およびオンラインショップ等で販売開始

 当連載「剣と魔法の博物館〜モンスター編〜」の,第1回から第60回までの内容をまとめた書籍,「新説RPG幻想事典 剣と魔法の博物誌〜モンスター編〜」が,全国書店およびオンラインショップ等で2月28日に発売される。価格は1680円(税込)。

 Web連載版を元に大幅な加筆/修正が施され,コラムなども盛り込まれた豪華版。さまざまなモンスターの起源や特徴を分かりやすく解説した,ファンタジーファン必見のモンスターガイドブックに仕上がっている。当連載には欠かさず目を通しているという人は,ぜひ購入を検討してみてほしい。

新説RPG幻想事典 剣と魔法の博物誌〜モンスター編〜
  • 新説RPG幻想事典 剣と魔法の博物誌〜モンスター編〜
  • 発売日:2008/02/28
  • 価格:1680円(税込)
  • 版型:46判.256ページ
  • 著者:村山誠一郎
  • 発行元:ソフトバンク クリエイティブ株式会社
  • 発売:全国書店および、オンラインショップ
→販売リンクは「こちら」
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次回予告:ウィル・オ・ザ・ウィスプ

 

■■Murayama(ライター)■■
新居への引っ越し作業の当日,当初10万円だった引っ越し料金が,6万円になっていることに気づいたMurayama。そのあたりの交渉は奥さんに任せていたため,「なかなかしっかりしているじゃないか」と感心したそうだ。しかし新居に到着してみると,なぜか引っ越し業者さんが,Murayamaに次々と荷物を渡してきたという。そう,奥さんの交渉によって,Murayamaも作業人員としてカウントされていたのだ。奥さん,想像以上にしっかりしていますね。
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